クラツー、大阪歴史博物館と連携 学芸員と学ぶ歴史ツアー

2021年12月14日(火) 配信

左からクラブツーリズムの中村朋広取締役、大阪歴史博物館の大澤研一館長

 クラブツーリズム(酒井博社長、東京都新宿区)は、大阪歴史博物館(大澤研一館長、大阪市中央区)と今年10月に結んだ連携協定のもと、同博物館の学芸員が案内する歴史ツアーを企画している。このほど第1弾として、「1400年御遠忌記念 聖徳太子の時代と難波」を売り出した。大阪市内発の日帰り旅行で、旅行代金は1万9000~2万1000円。

 ツアーは、企画段階から学芸員と一緒に入念な視察を行うことで、質の高い大人の知的好奇心を満たす内容としているという。さらに、学芸員が全行程に同行し、移動中も学芸員による歴史秘話を楽しめる。第1弾の大阪市内発のバスツアーは、前後編の2回に分けて行い、前編は聖徳太子ゆかりの植山古墳、菖蒲池古墳などを、後編は法隆寺、叡福寺などを巡る。

 前編のコースは、12月11日(土)発で旅行代金は1万9000円。後編のコースは、2022年1月22日(土)発で旅行代金は2万1000円。

「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)(12月号)」

2021年12月14日(火)配信

http://zoomjapon.info

特集&主な内容

 かつて日本の年末年始といえば、「男はつらいよ」の新作が日本中で公開されていました。フランスでは来年、日本以外で初めて、「男はつらいよ」の全50作品がパリ日本文化会館で1年をかけて上映されます。この機会に本誌では、日本人にとって「寅さん」がどういう存在なのかを文化的に、歴史的に、社会的に紹介しました。山田洋次監督と倍賞美津子さんにも独占インタビューをしました。本誌編集長にとっても、山田監督は「日本に関心を持つきっかけで、最もインスピレーションを受けた人のひとり」で、この度700㌻以上の「Le Japon vu par Yamada Yoji(山田洋次が見た日本)」も出版しましたが、これは山田洋次氏の歴史や映画作品の解説や分析だけではなく、本誌が目指している日本を知るための新しいアプローチの1つです。

〈フランスの様子〉クリスマスツリーのレンタル

国営放送France 2、12月6日のお昼のニュースより。「フランスのアイデア:クリスマスツリーはレンタルで」

 フランスでは12月に入ると、各家庭のリビングなどにクリスマスツリーが置かれる習慣になっていて、毎年600万本近くのツリーが飾られているという。◆ワンシーズン限りで使い捨てのクリスマスツリーは、ものによっては遠い海外からの輸入であったり、プラスチック製だったりするが、世界でも環境問題への意識が高いフランスでは、数年前から、より環境に優しいものや代替品の話題、あるいは年明けの処分の仕方などがこの季節の話題になっている。◆昨年は、国内生産や無農薬のクリスマスツリーの話題などがあったが、この12月始めに国営放送のお昼のニュースで取り上げられたのは、クリスマスツリーのレンタルだ。◆数年前から始められているこのサービスでは、顧客は自分のツリーを決めると、シーズンの間だけ家に持ってきて飾り、シーズンが終わるとお店に返却。お店では土に植え戻して、世話をして、各家庭がつけた名前を持ったツリーはまた次の年に貸し出されるという。◆1割ほどは枯れるなどしてしまうが、同じツリーを毎年借りることで愛着もわき、子供たちの環境意識の教育にもなるという。

ズーム・ジャポン日本窓口 
樫尾 岳-氏

フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旬刊旅行新聞 編集部〉

22年「水平型」宇宙港へ 「宇宙ノオンセン県オオイタ」プロモ開始

2021年12月13日(月) 配信 

左・大分県企画振興部広報広聴課の渡辺修武課長、右・宇宙飛行士の山崎直子さん

 大分県(広瀬勝貞知事)は12月13日(月)、大分空港(国東市)が2022年以降に宇宙港となることを受け、「宇宙ノオンセン県オオイタ」として新たなシティプロモーションを始めた。

 アメリカのヴァージン・オービット社と大分県が20年4月にパートナーシップを締結したことで、大分空港がアジア初の水平型宇宙港となることが決定した。この宇宙港では、人工衛星を搭載したロケットを吊り下げて航空機が離陸し、空中でロケットを打ち上げる「水平型打ち上げ方式」を採用している。

 同年9月には「宇宙ビジネス創出推進自治体」に同県が選定されたことから、宇宙関連産業拡大を目指している。

 大分空港が宇宙港として運用されるにあたり、空港運用や、ロケット・人工衛星の部品と燃料のサブライチェーン構築、新ビジネス創出、観光誘客など、22年以降の5年間で、約102億円の経済波及効果を見込んでいる(大分県試算)。

 キャンペーンとして、来年2月28日(月)まで特設サイトでのPR動画を公開するほか、「宇宙人Uのインスタグラム」開設、県内37の温泉旅館・ホテルでプレゼントや割引などのサービスを行う。

 広瀬知事は、「温泉県である大分に新たな魅力として宇宙港が加わった。これを契機に、宇宙規模で愛される県になれば」と期待を語った。

東京・大阪が観光で連携 「日本の観光リードする」(東京観光財団・大阪観光局)

2021年12月13日(月) 配信

(右から)金子理事長、塩見選手、山﨑選手、溝畑理事長

 東京観光財団(金子眞吾理事長)と大阪観光局(溝畑宏理事長)は12月13日(月)、観光需要の回復や2025年の大阪・関西万博を目指して、日本の観光をリードする立場として成長・発展に貢献することを目的に、包括連携協定を結んだ。

 金子理事長は「東京と大阪という2大都市が共に力を合わせて観光振興に取り組んでいくことは、日本全国の復興に貢献できる」と認識を示し、「互いの課題を共に解決し、コンテンツを共有することで、1+1が3にも4にもなれば」と期待を語った。

 溝畑理事長は、「来年は観光復活元年として、新しい姿になった日本を海外に発信していきたい。東京と大阪が互いのノウハウとネットワークを共有し、両者が補完し合いながら持続可能な観光に取り組んでいく」と意気込んだ。

 同日に開かれた締結式では、小池百合子都知事と吉村洋文府知事からビデオメッセージが寄せられ、コロナ禍からの観光復興に取り組む両者にエールを送った。

 また、21年プロ野球日本シリーズを戦った東京・大阪のチームとして、東京ヤクルトスワローズの塩見泰隆選手と、オリックス・バファローズの山﨑福也選手が特別セッションに参加し、それぞれの立場から観光について想いを語った。

11月の宿泊業倒産は4件 2年ぶり、通期は100件下回る見通し(東京商工リサーチ調べ)

2021年12月13日(月) 配信

東京商工リサーチはこのほど、2021年11月の宿泊業倒産を発表した

 東京商工リサーチがこのほど発表した2021年11月の宿泊業倒産は4件(前年同月は8件)だった。このうち新型コロナ関連倒産は3件となった。3カ月連続で前年同期を下回った。21年1~11月の倒産件数は累計82件で、前年同期の113件を下回る。コロナ禍前の19年通期(1~12月、75件)は上回ったが、同社は、「21年通期は2年ぶりに100件を下回る見込みだ」とした。

 

 11月の宿泊業倒産の負債総額は6億900万円(前年同月比61・7%減)で、2カ月ぶりに前年同月を下回った。また、負債5億円以上の倒産が発生しなかった。

 今年1~10月の累計負債総額は1393億6200万円。7月に発生した東京商事の負債総額(負債1004億8300万円)が全体を押し上げた。

 原因別として、販売不振がすべてを占めた。形態別ではすべて破産。地区別では関東2件、東北と中国が各1件発生した。

 おもな倒産事例として、「いいで旅館」(山形県・飯豊町)が11月18日(木)、山形地裁米沢支部から破産開始決定を受けた。負債は約3億8000万円。

 同社は、1954年創業の「がまの湯温泉飯豊旅館」を運営し、地元食材を用いた郷土料理や、自家製「がまのどぶろく」などが人気でリピーターを生むなど、最盛期の2002年12月期には売上高4億4000万円を計上していた。16年には旅行新聞新社が主催する「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の特別賞「日本の小宿」に選ばれた。

 しかし、近年は慢性的な赤字体質に陥り、新型コロナ感染拡大の影響で業績が悪化。21年5月頃から休業していたが、事業再開の目途が立たず、今回の措置となった。

 広島県三原市の「本郷ホテル」は、JR本郷駅前の「本郷グランドホテル」を経営し、96年6月期には売上高8500万円を計上していた。2018年7月西日本豪雨災害での浸水被害や、20年からの新型コロナ感染拡大の影響による利用客減少などで、昨年末には事業を停止していた。今年の10月22日(金)に広島地裁尾道支部から破産手続き開始決定を受けた。負債は約1億2000万円。

 今年11月の旅行業倒産は4件(前年同月は2件)発生し、2カ月ぶりに前年同月を上回った。このうち新型コロナ関連倒産は2件。

 21年1~11月の累計倒産件数は29件(前年同期26件)で、前年通期の26件を既に上回った。また、このうち新型コロナ関連倒産は累計24件にのぼり、旅行業倒産の8割を占めた。

 負債総額は9億9900万円で、2カ月ぶりに前年同月を上回った。

JTBなど、新潟・雪国観光圏内でMaaS実証実験始める

2021年12月13日(月)配信

まつだい・松之山周遊・AI乗合タクシーのチラシ

 JTB(山北栄二郎社長)は12月9日(木)から、新潟県南魚沼市・湯沢町・十日町エリアで、「究極の雪国ものがたり~絶景と薬湯とにいがた清酒を愉しむ旅」の交通実証実験を始めた。同エリアの観光地域づくり法人「雪国観光圏」をはじめ、越後湯沢温泉観光協会、松之山温泉合同会社まんまと連携して実施する。

 地域ならではの雪道での運転や2次交通の課題に対して、新ルートバスやAI乗り合いタクシーの交通手段を用意。スマートフォンアプリ1つで予約・決済できる「JTB MaaS API Gateway」を活用し、越後湯沢温泉から宿・スキー場へは無料のシャトルバスも運行する。

 また、同エリアに点在する魅力的な観光スポットを知ってもらうため、アプリに観光レコメンド機能も順次実装し、域内周遊を促す見通しだ。

 新ルートバスは、越後湯沢駅から道の駅南魚沼や六日町温泉を巡る「魚沼雪里ライナー」と、越後湯沢駅から清津峡や松之山温泉を巡る「雪国豪雪ライナー」を運行する。一方のタクシーは、まつだい駅から松之山エリアに設定された乗降ポイントを周遊運行するタクシーと、AIを活用したタクシー配車サービスを利用するAI乗り合いタクシーを利用できる。

 運行期間はどれも来年2月13日(日)までだが、運休日はそれぞれ異なるため「雪国観光圏 究極の雪国ものがたり」特設サイトで要事前確認。旅行代金は500円から。

【会員募集中】観光の力で東北を元気に 「TOHOKU Fan Club」を設立 東北観光推進機構

2021年12月13日(月)配信

会員登録(無料)は「TOHOKU Fan Club」の公式ホームページから

 東北観光推進機構はこのほど、一般を対象とした会員組織「TOHOKU Fan Club」を設立した。「観光の力で東北を元気に!」する活動を、機構と一緒に応援するファン組織で、登録は無料。現在、会員を募集している。

 会員サービスとして、東北のおすすめ情報やお得な情報をメールや会員サイトでいち早く届けるほか、ギフトカードなどと交換できるポイントが貯まるアンケートも実施する。ポイントは、東日本大震災への復興支援やSDGsの取り組みを支援する団体へ寄付することもできる。

 「TOHOKU Fan Club」の設立を記念して、新規入会キャンペーンも企画している。新規会員登録をしてアンケートに答えるともれなく20ポイント(1ポイント=1円相当)がもらえるほか、抽選で100人にAmazonギフト券(1000円分)をプレゼントする。
 
 東北観光推進機構では、東北観光の目指す姿として「世界が訪れたくなる『東北(TOHOKU)』、住みたくなる『東北(TOHOKU)』」をビジョンに掲げ活動している。東北に訪れたことがある人も、訪れたことがない人も、東北に住んでいる人も、住んでいない人も、東北を元気にする活動を一緒に応援してくれるファンを募集している。

ラグーナテンボス、イルミ開催中 中部で最大級ランタンも

2021年12月13日(月) 配信

ランタン「光のラグーン」のイメージ

 ラグーナテンボス(小寺康弘社長、愛知県蒲郡市)は2022年2月28日(月)まで、イルミネーションとマッピングショー、クリスマスマーケット、エンターテイメントショーなどを行う「ラグーナ イルミネーション」を開催している。

 今年は、中部エリアでは最大級のスケールでランタンオブジェがラグナシアに新たに登場。超巨大ランタン「光のラグーン」では、サンゴ礁や海の生き物などを出現させ、カラフルな光のファンタジーの世界観を演出する。さらに、100 万球を超えるイルミネーションアーチ「幸運のレインボーアーチ」なども設置している。

 12月24日(金)~26日(日)には、花火イベント「ミスティノーチェ」も開く。同イベントは花火をはじめ、噴水や映像などを組み合わせたショーとなる。

JTBなど、沖縄県で実証実験 レンタカーで地域貢献へ

2021年12月13日(月) 配信

運転の注意喚起と、安全運転をした人に賞品を進呈する

 JTBは、トヨタ・モビリティ基金、矢崎総業、トヨタレンタリース沖縄と交通事故削減と地域活性化を目標に事業連携を開始。12月9日(木)から沖縄県でレンタカーの安全運転を心掛けた優良ドライバーに対し、那覇空港で使えるクーポンを渡し、地域貢献できる仕組みづくりの実証実験を始めた。

 レンタカーでの観光が主流となる沖縄県や北海道はコロナ禍以前、国内外からの旅行客によるレンタカー運転中の事故、交通渋滞が地域の課題となっていた。こうした地域課題に対し、業界を越えて4社が連携することで、交通事故の未然防止と地域活性化を目指す。

 同実証実験は、レンタカーの走行データやインタラクティブ動画を活用した注意喚起をはじめ、安全運転を心掛けた利用客に、那覇空港で利用できるクーポンを渡す。地域内消費額の向上を狙うなど、旅先での楽しい安全運転を促進することで地域貢献につなげる新しい仕組み。この実証実験で蓄積したデータは、アフターコロナでの増加が見込まれる訪日外国人客の安全運転支援にも役立てることとしている。

 加えて協力パートナーとして、全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)、ANA FESTA、JALUXエアポートと連携。車載の運転診断アプリで安全運転度合いを診断し、この評価による抽選で協力パートナーの往復航空券や商品、全員にクーポンを渡す。

 実証実験の対象エリアは沖縄県本島、対象者はトヨタレンタリース沖縄那覇空港店でインタラクティブ動画の視聴者と、同店で実証実験に同意したレンタカー利用客。期間は2022年5月31日(火)までを予定する。

日本遺産・小松の石文化 工場開放で「ものづくりのまち」PR

2021年12月13日(月)配信

高さ50㍍を超す石壁は圧巻(観音下石切り場)

 石川県小松市の「石文化」は2016年4月、「『珠玉と歩む物語』小松~時の流れの中で磨き上げた石の文化~」として、文化庁から日本遺産認定を受けた。そのストーリーを紐解くと、直径2㍉の碧玉の管玉に1㍉の孔を開けるなど、2300年前から行われてきた加工技術に驚かされる。その技巧は現在にも受け継がれ、九谷焼や繊維、鉄工業などさまざまな産業が盛んだ。今年11月には「日本遺産サミットin小松」開催に合わせ、市内の工場や工房を一般開放する「GEMBAモノヅクリエキスポ」を企画するなど、新しい取り組みも始まっている。石文化を中心に「ものづくりのまち小松」の魅力を紹介する。

【鈴木 克範】

 市内西尾地区にある観音下(かながそ)石切り場は、日本遺産認定を受けた「石文化」を代表する構成文化財だ。ここで採れる黄色みがかった日華石(にっかせき)は建築用石材として重宝され、国会議事堂にも使われている。現在、石切り場としての役目は終えたが、露天掘りによってできた高さ50㍍を超える石壁は圧巻。英国の女性アーティスト、ジュリーブルックさんの作品「上昇」も展示されている。日本遺産サミットではサテライト会場となり、ボランティアガイドによる解説も行われた。

 石川県を代表する伝統工芸・九谷焼も石文化を語るうえで、欠かせない。その原料となる「花坂陶石」は小松市が産地だ。江戸後期に興った「再興九谷」の地・若杉地区の製土所をリニューアルした九谷セラミック・ラボラトリー(通称:CERABO KUTANI)は、ギャラリーや体験工房も加わり、産業観光の拠点として蘇った。採掘した石が、粉砕され陶土になる工程を間近で見学できる。建築家・隈研吾氏設計の建物も必見だ。入館料は一般300円、学生(高校生以下)150円。

 九谷焼の陶土ができるまでを見学したら、色鮮やかな絵付けの現場も訪ねたい。その1つ徳田八十吉陶房は、「GEMBAモノヅクリエキスポ」の工房ツアーでも、満員御礼になるほどの人気だ。ここで創作に取り組むのは陶芸家の四代徳田八十吉さん。父であり人間国宝の三代徳田八十吉氏が生み出した、釉薬の調合による色の濃淡で作品を仕上げる技法「彩釉(さいゆう)」を受け継ぎ、女性ならではの感性を生かした作品を発表している。一方、ユーチューブで「九谷やそちゃんねる」を開設し、動画で九谷の魅力を発信するなど、作家とは別の一面も。「創作の現場を身近に感じてもらいたい」という。

陶房で九谷の魅力を語る四代徳田八十吉さん

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 「GEMBAモノヅクリエキスポ」は市や事業所などでつくる「こまつものづくり未来塾」が、小松ならではの魅力を発信したいと企画した。期間限定だが、「うちの工場、のぞいてみんけ?」と呼び掛け、普段はなかなか見ることのできないモノづくりの現場を公開した。「今回の取り組みを契機に、ものづくりのまち小松の魅力に触れてもらえる仕組みづくりを進めたい」(市観光交流課)という。