津田令子の「味のある街」「カットクーヘン(サザエさんの焼き印入り)」――洋菓子ヴィヨン桜新町本店(東京都世田谷区)

2023年4月8日(土) 配信

洋菓子ヴィヨン桜新町本店の「カットバウムクーヘン(サザエさん刻印入り)」 290円(税込)▽東京都世田谷区桜新町2―8―4▽☎03(5426)5044。

 東急田園都市線「桜新町駅」北口出てすぐの場所にあるのが、創作菓子の店洋菓子ヴィヨンだ。ドイツ農業協会が主催する世界最高峰の御菓子のコンテスト「DLGコンテスト」でヴィヨンのバウムクーヘンは金賞受賞の栄誉に輝いた実績がある。

 

 同コンテストは品質基準の達成・維持・改善を農業や食品産業に促すことを目的としたコンテストで味、食感、香りなど審査項目は200項目に及び、そのすべてで満点を獲得した商品を認定するというものだ。

 

 ゴールドアーモンドペーストと、マダガスカル原産のバニラビーンズを使用した特選バウムクーヘンは、芳酵な香りと深い味わいのある高級感にあふれている。乳化剤や膨張剤を一切使用せず、本場ドイツでの基本を倣った職人が手作りで焼き上げていると記されている。1965年創業以来、1人で焼き続けているオーナーこだわりのバウムクーヘンの種類は豊富。サザエさんスペシャルは、桜新町の象徴であるサザエさんのイラストが入ったチョコレート付きプレーンバウムクーヘンで人気の商品だ。ほかにも創作菓子ヴィヨネット花器(木苺・洋梨・リンゴのゼリー入り)バウムクーヘンなどがある。昨年、久しぶりに訪れた桜新町。漫画サザエさんの舞台になっていることでも知られている。2022年は長谷川町子没後30年ということもあり、多くのサザエさんファンが訪ねていた。

 

 店内に入ると、すぐにサザエさんの焼き印入りクーヘンが目に入った。こちらをご近所さんと、家族のお土産にゲット。幸せ時間のおすそ分けといったところだ。バウムクーヘンは身がしっかりつまった感じの食べ応えある食感なのだが、カットクーヘンは薄切りなのでもう一つ、あと一つ……とあとを引く。

 

 庶民の暮らしを明るく楽しく描いた漫画家・長谷川町子ゆかりの地である桜新町駅から歩いて約7分のところに、長谷川町子美術館がある。7月まで企画展「町子の動物ワールド」が開催されている。記念館見学の帰りに、ヴィヨンでサザエさんの焼き印入りのカットクーヘンを買って帰ろうっと。

(トラベルキャスター)

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

「めぐる」「たべる」「つかる」3つの視点で地域の宝探し 春の訪れを告げる気候のなか春の味覚と菜の花畑などの景色を堪能(いすみ市)

2023年4月8日(土) 配信

春を感じながらウォーキング

 豊かな食を有する千葉県いすみ市で3月12日(日)、4年ぶりとなるONSEN・ガストロノミーウォーキングが行われた。いすみ鉄道国吉駅をスタートし、国吉神社・出雲大社上総教会へ至る約10㌔のコース。約230人が春の訪れを告げる気候のなか、春の味覚と菜の花畑などの景色を堪能した。

豊かな食をいろいろなカタチで

 東京駅から特急で70分という便利な立地ながら豊かな自然と温暖な気候によって育まれたイセエビ、マダコ、いすみ米、チーズ、日本酒などの生産地であり、日本を代表する料理人にも選ばれる高品質な食材の宝庫でもあるいすみ市。同市はこれらの魅力あふれるコンテンツを余すことなく参加者に提供することで、参加者自身による情報発信と今後の誘客戦略に繋げることを狙いとし、2018年度からイベントを開催している。

いすみを満喫

 コロナ禍による中断を経て行われた3回目のイベントでは、初めて里海から里山へコースを変更。スペイン・バスク地方・サンセバスチャンを手本に美食のまちづくりを推進する「美食の街いすみ~サンセバスチャン化計画」を策定している同市ならではのおもてなしとして、いすみ大使を務めている2人のフレンチシェフが監修した地元食材の美味しさを生かした料理を参加者にふるまい、いすみ市での開催を心待ちにしていた多くのリピーター含め、食の面でも高い評価を集めた。

いすみの味覚をPR

 いすみ市はガストロノミー以外にも、ロケや星空などさまざまなコンテンツを生かした観光コンテンツを開発し観光誘客に注力している。いすみ市役所水産商工観光課観光・誘客推進班の長谷香主任主事は、「古くからサーフィン文化があり、移住者も多い岬エリアを新たなコースとして整え、参加者には太平洋の眺望やサーフタウンの趣を感じていただけるようさらなる魅力を提供しつつ、今までの開催に引けを取らない『食べる』ことが楽しめる内容にしたい」と次回の展望を語った。

  一方でONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構の溝田祐一郎ディレクターは「回を重ねていくごとに地元の方々のおもてなしの心が強くなっていき、素敵なイベントに育っています」とこれまでを振り返った。

HIS、「シン・社員旅行」PJ始動 実施企業は63%が「会社好き」受け

2023年4月7日(金) 配信

シン・社員旅行のトップページ WEB

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)はこのほど、訪れた地域の持続可能性にも注目してもらう新たな社員旅行 「シン・社員旅行」 を推進するプロジェクトをスタートした。

 同社の調査によると、会社が好きと答えた割合は32%だったのに対し、社員旅行を実施した企業で働く63%が会社が好きと答えた。インセンティブ行事で最も興味のある行事への問いでは、社員旅行が42%と最多だった。このほかに、SDGsなどの社会貢献意識の高まりを受け、サステナブルな体験を用意した。 

 具体的にハワイではアラワイ運河を綺麗にするため、ヘドロを除去する作用のある泥団子「ゲンキボール」を作り、運河に投入するプログラムを用意。個人でしか入場できないワイマナロビーチでの掃除体験も提供している。今後は、沖縄県へのツアーも販売する。

 同社は「リモートワークで希薄になった(社内の)コミュニケーションや帰属意識を取り戻しませんか」と利用を促している。

好きを極める新しい都市観光拠点に 4月14日(金)、東急歌舞伎町タワー(東京・新宿)開業

2023年4月7日(金)配信

タワー外観

 東急は4月6日(木)、東急歌舞伎町タワー(東京都新宿区)を報道関係者に公開した。劇場、映画館、ライブハウスなどで構成される施設で、4月11日に開業する同タワー。5月19日には、 2つのブランドのホテルもタワー内に開業する。

 “好きを極める”をコンセプトに掲げ、4月28日からは、コンセプトを具現化する施策の第1弾として、「エヴァンゲリオン」を題材に「EVANGELION KABUKICHO IMPACT」を展開する。

 同社新宿プロジェクト企画室の木村知郎室長は、羽田空港や成田空港とを結ぶアクセスバスを整備したことなどに触れ、「より多くのインバウンドの方々にも来ていただきたい。歌舞伎町のみならず、首都東京の新しい都市観光拠点になると期待している」と思いを語った。

 タワー内1~5階はエンタテイメント&レストランフロアとなっており、アミューズメントコンプレックス「namco TOKYO」や新宿ダンジョン攻略体験施設「THE TOKYO MATRIX」などを展開する。

109シネマズプレミア新宿

 6~8階劇場は「THEATER MILANO―Za」、9~10階は映画館「109シネマズプレミア新宿」となっており、映画館では全席をプレミアムシートとするなど上質な鑑賞環境を提供。3面ワイドビューシアター「ScreenX」も採用している。

エヴァとのコラボルーム

 18~38階に開業するライフスタイルホテル「HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotel」では、タワー全体で展開する施策に合わせ1フロアを「LIFESTYLE HOTEL EVA」とし、作品に登場する5人のパイロットをイメージした客室に宿泊できる「コラボレーションルーム宿泊プラン」を販売する。

 39~47階には、天空のラグジュアリーホテル「BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel」を開業する。39~44階が7㍍のワイドビューの窓を持つ客室、45~47階が5室のペイントハウスとなる。

東京都、都内旅行業者にDX導入支援 4月10日から補助事業の申込受付

2023年4月7日(金) 配信

予約・顧客管理などアナログで実施している務の効率化などをはかる

 東京都は4月10日(月)から、都内の第2種と第3種、地域限定旅行業者を対象に、DX事業計画の策定のための専門家を無料で派遣し、同計画を策定した旅行業者へ導入に必要な経費を補助する「DXによる旅行事業者レベルアップ応援事業」の申し込みを受け付ける。

 同事業はデジタル技術の導入で、予約・顧客管理などアナログで実施している業務の効率化をはかることや、商品やサービスに新たな付加価値を生み出すこと、ビジネスモデルや業務内容、組織体制などを変革し、ビジネスにおける優位性を確立することなどを目指す。

 4月10日(月)から6月15日(木)には専門家を最大3回派遣し、DX事業計画の策定の支援に向けて、先着100事業を募る。

 専門家と事業計画を策定した事業者は7月4日(月)~9月7日(水)に、補助金の申請を行うことができる。対象はシステム構築や開発費などのDX促進費や、オンラインツアー制作費、DX化のための人材育成費、デジタル広告宣伝費など。補助額は300万円または経費の4分の3のいずれか低い額。

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(147)基本を大切にしてお客様の心を掴む されて嬉しいをやり切る

2023年4月7日(金) 配信

 

 2年先まで予約一杯のレストランがあると知人から聞き、そのレストランにどんな秘密があるか知りたくなりました。一般公開されていない電話番号を偶然見つけ、連絡してみました。電話は、お客様と出逢う大切な瞬間でもあります。その対応は、人気レストランのおごりもなく、強い好感を持てるものでした。

 ただ、残念ながら予約席はありません。「キャンセルが出たら、いつでも良いので連絡をいただけないか」とお願いしましたが、要望が多く難しいということでした。

 誰も考えは同じで、無理なお願いをお詫びしましたが、諦めきれない私は、「電話対応の素晴らしさ」について手紙を書きました。すると先方から「西川さんに是非、私の料理を食べていただきたい。大変失礼ですが、空席が出たらお知らせさせてください」と連絡があったのです。

 そして、数カ月後にその連絡がありました。「お待たせいたしました。間際になりましたが、空席が出ました。いかがでしょうか」。さっそく予定を変更して、予約をしました。当日には大阪のお土産も持って行きましたが、タクシーが店に到着すると、店の外で出迎えるスタッフの姿が目に入りました。それも店主自らの出迎えです。

 その日は、食事はもちろん最幸の時間となりました。

 しかし、最大の感動はホテルに戻ってから起きたのです。携帯に店主からメッセージが届き、そこに持参したお土産を笑顔で食べている、スタッフの写真が添付されていたのです。その笑顔に思わず声を上げてしまうほど、本当に驚きました。

 その場や翌日のチェックアウトのときなど、相手からお礼を言われることはありますが、この感動のメールは、大きな勉強の機会となりました。

 お土産を贈る側が最も喜ぶのは、贈られたスタッフの人たちが喜んでくれていることを伝えることです。素晴らしい対応には、今でも感動を覚えています。

 そのレストランを訪れてから2年が経過して、2回目の利用が実現しました。そして、そのときに初めて、最初に伺ったときの感動が偶然ではなく、必然のこととして実行されていることを知ることができたのです。

 前回と同様にタクシーで到着すると、お店の外で店主が待っていました。そして、同じように、持参したお土産を手にしたスタッフの写真も、後で送られて来たのです。

 自分がしてもらって嬉しいことを、言い訳をせずにやる。やり続ける。基本に魂を込めてやり切ることです。それが料理のおいしさをより高めて、結果として予約の取れないという人気店になるのです。

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

 

 

TCSA23年度通常総会 新会長に元国交省観光部長の金澤氏

2023年4月6日(木) 配信

左・金澤悟新会長、右・三橋滋子前会長

 日本添乗サービス協会(TCSA、37会員)は3月24日(金)、東京都内で2023年度通常総会を開いた。任期満了に伴う役員改選で、新会長に金澤悟氏が就任した。退任した三橋滋子会長は、これまで空席だった副会長に就く。

 02年には国土交通省総合政策局観光部長を務め、ビジット・ジャパンキャンペーンを推進した経歴を持つ金澤氏は、「観光部長退任後は観光業から離れてしまっていたが、三橋会長が副会長としてサポートしてくれるとの後押しがきっかけで、会長職を引き受けた」と説明。

 コロナ禍で打撃を受けた観光業と、添乗サービス双方から回復させることに注力し、「業界を取り巻くさまざまな変化にどう対応していくかを考えていく」と意気込んだ。

 三橋会長は、新型コロナ禍で添乗員の仕事が激減したなか、離職により添乗員の絶対数が減少し、かつ高齢化が進んでいるとの現状認識を示し、「しばらく添乗業務から離れていた添乗員のブラッシュアップ研修や、現地の最新情報が入手可能なチャンネルを提供していく」方針を示した。加えて、専門添乗員の職業観ややりがいをアピールし、若年層の確保に役立つ資料を作成する。

 第3回となるインバウンド検定では、初級検定を全国で実施するとともに、中級・上級検定への準備も進める。また、受験予定者や興味を寄せている人向けに「インバウンド業務入門講座」を開く予定だ。

 人材育成やコンプライアンス推進、広報イベント活動の3点を重点に置き、運営幹事会の下にそれぞれ委員会を設置して、研修や試験準備、講座、広報活動などを行っていく。

ジーリーメディアグループ、台湾・香港人に消費単価向上への意識調査 54%が満足な旅に30万円以上掛ける

2023年4月6日(木) 配信

「樂吃購! 日本」のトップページ
 ジーリーメディアグループ(吉田皓一社長、東京都渋谷区)はこのほど、同社のユーザーである台湾人と香港人を対象にWebで行った「訪日旅行に関する意識調査」の結果を公表した。訪日客の消費単価向上への取り組みが加速するなか、台湾人と香港人の意識を調べた。
 
 「満足できる特別な訪日旅行にかけられる予算」については、53.6%が「30万円以上」回答。コロナ禍前の2019年における訪日台湾人1人当たりの消費額11万8288円の2倍以上の出費を掛けられる結果となった。
 
 アンケートは2月21日(火)~28日(火)、同社の運営する訪日観光情報サイトで実施された。有効回答数は4711人。
 
 「とくに予算を支出できるもの」(複数回答)では、1位が美食(75.3%)。2位以降はスノーリゾートやマリンアクティビティ、お城で花見などの季節体験(60.8%)、宿泊(60.6%)と続いた。
 
 「満足できる美食に支払うことができる金額」は、「2万円」が42.3%と最も多かった。続いて、5万円(28.1%)、2万円以下(24.2%)、10万円以上(4.0%)の順。宿泊に対する問いでは、「5万円」が28.1%で最多。以降は「2万円」(44.5%)、「2万円以下」(24.2%)、10万円以上(4.0%)となった。
 
 吉田社長は「台湾と香港からの訪日客は、コロナ禍前に比べ『高くても良いものを』と考える層が増えた」という。「高付加価値な商品に求められるのは、そこにしかない価値を訴求し、享受するうえでのあらゆる不便を取り除くことだ」との見方を示している。

辻調グループ 62%が日本で就職希望 留学生アンケート

2023年4月6日(木) 配信

調理実習のようす

 大阪と東京、フランスで食のプロを育てる専門学校を展開する辻調グループは2月、辻調理師専門学校と、辻製菓専門学校(辻芳樹校長、大阪府大阪市)の留学生366人に1月18―24日に行ったアンケート「日本留学の目的と展望」の結果を発表した。有効回答数は305人。

 そのなかで、留学の決め手は「日本の食・文化への興味」「技術力の高さ」が最も多かった。留学生の62%が「日本で働きたい」と希望した。

 2002―23年度に入学した留学生総数は2416人。現在、日本料理や西洋料理、中国料理を学ぶ「辻調理師専門学校」が203人、洋菓子や和菓子、製パンなど学ぶ「辻製菓専門学校」に163人が在籍する。

 国別では韓国が最多の180人。中国80人、台湾49人と続き、アジア圏中心の12カ国から留学中。19―22年はインドネシア、香港が増加傾向だ。

 日本を留学先に選んだ理由は、「日本の食文化への興味」が最多。「料理、製菓技術のレベルの高さ」、「日本の料理、菓子が好き」も多い。料理を学ぶ学生は「日本で仕事をしたい」も理由に挙げた。学びたいジャンルでは、「日本料理」が39・7%、「洋菓子」34・0%、「製パン」「西洋料理」が13・4%。

 このうち日本料理は「調理法や1品ずつの道理があって美味しく、見た目も調理法も深く心惹かれた」も理由に挙げた。

 卒業後の進路では、「日本で働きたい」が62%を占めている。今年卒業して、日本で就職内定の89人の就職先では、「料理」関係が54人、菓子が25人。「キャリアアップ」と考える学生が多いという。

 ある旅館関係者は「業界全体が人手不足のなか、調理場も慢性的に足りていない。インバウンドも回復するなか、外国人の調理人採用を考える旅館も多いのでは」と期待する。

〈出番です〉安藤予約センター四国営業所 所長 水野 真人さん「『誘客する案内所』目指す」

2023年4月6日(木) 配信

水野真人さん

 26年間勤務した道後温泉(愛媛県松山市)の旅館を退職し、4月1日から同市を拠点に、安藤予約センター四国営業所として、「旅行サービス手配業」を始めた。「愛媛・四国に少しでもご恩返しができれば」と話す水野さんに話を聞いた。(関西支社=土橋孝秀)

 ――旅行サービス手配業とは。

 業界で「案内所」と呼ばれる業種ですが、イノベーションされた「案内所」を目指します。一般的に案内所は開設する同地域の旅行業者からの依頼を受け、宿泊施設などの手配業務を行いますが、当営業所は四国に来訪される旅行者様のための手配業務に力を入れます。つまり、全国に出掛けて、その地の旅行業者様に四国の宿泊施設を説明し、旅行客を誘致する案内所です。

 ――安藤予約センター四国営業所となった。

 業界で信頼が厚い「安藤予約センター」(大阪府大阪市)の名義をお借りすることができました。ただし、四国営業所は個人事業である「みずの企画」の経営で、「安藤予約センター」本社とは別経営です。

 ――起業を決意した経緯は。

 残りの人生を穏やかに過ごすという選択肢もありましたが、やはり長年お世話になった道後、愛媛、四国への恩返しができればと考えました。コロナ禍で団体旅行はほぼなくなりましたが、復活の日が来ると信じています。私自身、旅館での仕事を通して、団体旅行の楽しさをよく知っています。フェイスブックやブログなども活用して、四国の施設を発信していきます。2月現在、案内可能な宿泊施設は78軒(うち四国は23軒)、昼食など施設数は24軒(同16軒)です。これから案内できる施設を増やしていきます。

 ――四国や道後温泉の魅力は。

 四国山脈や四万十川、しまなみ海道など豊かな自然に恵まれ、風景や人々の暮らしの中に、「日本の原風景」が息づいていると感じます。道後温泉は日本最古と伝わるほど歴史ある温泉地です。観光スポットが徒歩圏内にそろい、そぞろ歩きが楽しめる温泉地として女性客らに好評です。

 ――今後の抱負は。

 まずは営業所を軌道に乗せること。そのうえでブログで四国の新しい事業やキーパーソンを紹介することも考えています。

 安藤予約センター四国営業所

 〒791―1101 愛媛県松山市久米窪田町337―1 テクノプラザ愛媛本館くめくぼたスクエアプラス内 ☎090(3780)3466、FAX050(3535)9265。