「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(231)」日本の食文化100年フードを未来に(東京都)

2024年4月13日(土) 配信

100年フードのパネルディスカッションのようす

 「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されてから10年が過ぎた。近年は各地の食文化が見直され、その保存継承とこれらを活用した地域活性化の気運が高まっている。

 そんな折、3月初旬に文化庁100年フードと食文化ミュージアムの第4回目の認定結果が発表された。100年フードは、2002年に文化庁が創設した制度である。地域の風土や歴史・慣習に根差し、それぞれの個性と創意工夫のもとで育まれてきた地域固有の食文化であり、その食文化を地域の誇りとして長く継承することを宣言する団体が存在することなどを認定基準としている。部門としては、①江戸時代以前から続く郷土の料理②明治・大正以降、洋食の影響も取り入れながら普及してきた食文化③未来を目指す新たな食文化――に大別される。

 今年は全国で新たに50件の100年フードと21件の食文化ミュージアムが認定された。これで100年フードは250件、食文化ミュージアムは119件になった。

 認定作業を行う有識者委員会では、毎年、「有識者特別賞」も選定する。今年は石狩鍋(北海道)、白石温麺(宮城県白石市)、いぶりがっこ(秋田県)、土佐宗田節(高知県)、ティビチ料理(沖縄県)の5つが受賞した。

 3月8日、これを記念したサミットが、東京九段会館テラスで開催され参加した。全国から認定地域の団体・企業や食文化関係者らが集まった。「いぶりがっこ」振興協議会副会長の鈴木辰美さん、宗田節をもっと知ってもらいたい委員会の倉松牧恵さんからのプレゼンテーションに続き、100年フードサポーター企業・学校関係者と、「絶メシロード」をはじめ、ドラマ・広告媒体の企画・プロデュースなどを手掛ける有識者委員の畑中翔太さんを交えたパネルディスカッションが行われた。

 島根県松江市の100年フード「松江の茶の湯文化」をベースにアフタヌーンティーなどを提供する東急ホテルズ松江エクセル東急の桑谷さん、徳島「牟岐の押し寿司」の普及活動に参画する京都産業大学木原ゼミの学生大見さん、「ほや雑煮」のメニュー開発をした石巻圏観光推進機構(DMO)の斎藤さんと石巻市立桜坂高校の2人の女子高校生、「かんざらし」認定団体の島原観光ビューローの中村さんらをお招きしての楽しいシンポジウムになった。

交流会では各地の100年フード関係者が情報交流

 交流会は、各地の100年フード関連団体が、情報交換と新しい事業連携のきっかけとなるいい機会にもなった。100年フードは制度創設から4年、各地域では、文化観光という視点からも地域活性化の計画を推進していくことが重要になっている。

 一般消費者にとっては、100年フードが食べられる場所(食堂や道の駅など)や機会の全国一元的な情報発信も不可欠である。地域文化のシンボルでもある食文化は、新たな観光の大きな武器にもなる。

(観光未来プランナー 丁野 朗)

末永く愛される出発点へ ABBA RESORTS IZU- 坐漁荘で初の抽選会 

2024年4月12日(金)配信

ABBA RESORTSグループの葉信村総裁も抽選会に参加

 ABBA RESORTS IZU- 坐漁荘(静岡県伊東市)は4月10日(水)、同館で割引券が当たるキャンペーンの1回目の抽選会を行った。

 1月1日から配布しているスペシャルチケットの半券で参加できる企画で、当選者には割引券を1等で10万円分、2等で5万円分、3等で2万円分プレゼント。抽選会は7月と10月、2025年1月のそれぞれ10日にも行われる。

 同館で行われた抽選会で許勢永社長は、「半世紀以上愛してくださっているお客様がいるからこそ、今日の坐漁荘がある」とスタッフを代表し謝意を述べた。そのうえで、「皆様にもう一度訪れていただく機会をと思い、抽選会を初めて企画した。この企画を、末永く愛される出発点にしたい」とあいさつした。

4月13日、名古屋でクルーズフェスティバル開く クルーズプラネット

2024年4月12日(金) 配信

MSCベリッシマ

 クルーズプラネット(小林敦社長、東京都千代田区)は4月13日(土)、愛知県・名古屋駅近くのウインクあいちで、「クルーズフェスティバル名古屋2024」を開く。世界の主要なクルーズ会社を一堂に会したイベント。

 同イベントはクルーズ会社のセミナーやブース、特別講演、カジノ疑似体験などクルーズ旅行の魅力を体験できる。クルーズに興味がある人から、クルーズファンまで幅広い層に向けたイベントで最新情報を発信する。相談エリアでは当日限定の特別商品の予約を受け付ける。また、クルーズライター・上田寿美子氏によるスペシャルトークのほか、クルーズ旅行が当たる大抽選会、那覇に寄港中のクイーン・エリザベスからのLIVE中継なども予定している。

 イベントは、4月13日午前11時~午後5時。入退場自由で参加は無料。

 なお、クルーズフェスティバル名古屋2024来場者限定で、10月3日に実施する「ノルウェージャン スピリット」の船内見学会の参加者を募集する。金城ふ頭で開催する予定で、募集定員は30人。応募多数の場合は抽選となる。

旅行サービス手配業務取扱管理者研修、受講者の利便性向上へ オンライン講義・修了テストにCBTを導入(JATA)

2024年4月12日(金) 配信

JATAは、旅行サービス手配業務取扱管理者初回研修」の修了テストにCBT方式を導入する

 日本旅行業協会(JATA、髙橋広行会長)は「令和6年度第1回旅行サービス手配業務取扱管理者初回研修」の修了テストに、CBT(Computer Based Testing)方式を初めて導入する。

 旅行サービス手配業務取扱管理者の資格を取得するための初回研修について、JATAでは2018年3月から、講義と修了テストを集合形式で実施していた。

 今回、この講義をオンライン化するとともに、修了テストのCBT方式を導入する。これによって、決まった日時に1つの会場に集合して修了テストを含めた研修をせず、一定の期間で講義を受講できる。修了テストについても、別の一定期間内で、近隣の試験会場の中から、受講者の都合に合わせて受験することが可能となる。全国各地の受講生の受講・受験に関わる利便性が向上することを期待する。

 申込締切は4月26日(金)まで。受講料は1人当たり3万円。オンライン講義動画配信は、5月1日(水)~19日(日)まで。修了テストは、予約期間が5月21日(火)~6月9日(日)、実施期間が5月24日(金)~6月16日(日)。

秩父鉄道など、長瀞トリックアート倶楽部開館1周年で 記念乗車券販売

2024年4月12日(金) 配信

長瀞トリックアート有隣倶楽部開館1周年記念乗車券

 秩父鉄道(牧野英伸社長、埼玉県熊谷市)とグループ会社の秩父鉄道観光バス(里見英雄社長、同)はこのほど、全天候型レジャー施設「長瀞トリックアート有隣倶楽部」(埼玉県・長瀞町)の開館1周年を記念して、「長瀞トリックアート有隣倶楽部開館1周年記念乗車券」を売り出した。

 コンセプトは、「見て・触って・写真が撮れる・不思議な美術体験」。館内では視覚の錯覚や立体トリックのアートなど楽しめる。江戸文化や忍者などの和をモチーフとした作品が中心となっている。料金は大人1人1000円、子供500円。

トリックアート作品

 同乗車券は厚紙で出来た切符「硬券」2枚に特製台紙を付けた。また、入館時に提示することで1グループ全員の入館料が半額になる。販売場所は熊谷、長瀞、秩父、御花畑の各駅窓口のほか、秩父鉄道のホームページ。価格は960円。

JTB、エコ・ファースト企業に 旅行業で初の認定

2024年4月12日(金) 配信

左から西松千鶴子JTB執行役員サステナビリティ担当(CSuO)、八木哲也環境副大臣

 JTBグループは4月10日(水)、環境省の「エコ・ファースト企業」に認定された。同省が推進するエコ・ファースト制度において、同グループの事業ドメインである「交流創造事業」の環境保全に関する取り組み目標が認められた。旅行業の認定は今回が初めて。

  エコ・ファースト制度は、企業が環境保全に関する取り組みを約束し、環境の分野で「先進的、独自的でかつ業界をリードする事業活動」を行っていると環境大臣が認定する制度。企業の各業界における環境先進企業としての取り組みを促進することを目的とする。

 JTBグループは、事業活動における環境負荷を段階的に削減し、2030年度までにCO2排出量実質ゼロ、50年度までに事業活動全体でカーボンニュートラルを目指す。環境教育を通して、持続可能な社会の創り手の育成に貢献。観光地のデジタル化を支援し、観光地の環境保護や事業者の課題解決に取り組む。また、国際基準に対応したサステナブル・ツーリズムの理解と普及をはかると計画している。

 今後これら取り組みの進捗状況は定期的に確認し、結果について環境省に報告するとともに、JTBコーポレートサイトなどを通して公表する。

誰でも楽しく走れる! ホノルルマラソン2024のアーリーエントリー開始

2024年4月12日(金) 配信

ホノルルマラソン2023ゴールシーン

 ホノルルマラソン日本事務局(東京都港区)は5月9日(木)までの期間限定で、12月8日(日)にハワイ・オアフ島で開催するホノルルマラソン2024のアーリーエントリーを実施している。以降の申し込みに比べ、最大1万4500円の割引が設定されており、最もお得に参加できるという。対象は「フルマラソン」「10Kラン&ウォーク」、大会前日に実施する1・6キロの「カラカウアメリーマイル」を含むすべての種目。

 同マラソン大会は制限時間がないことが特徴でレベルに関係なくそれぞれのペースで参加できるため、完走率は約99%という。初めてのフルマラソン挑戦には最適の大会で、スタート時には盛大な花火が上がるほか、ダウンタウンではクリスマスイルミネーションに彩られた街中を走ることができる。ホノルルの観光名所や美しい海岸線を巡るコースも魅力で、根強い人気を誇る大会だ。

 アーリーエントリーの料金はフルマラソンが2万9000円、10Kラン&ウォークは1万3500円、カラカウアメリーマイルが7500円。公式サイトで受け付けている。

ツアーグランプリ2024、4月15日(月)募集開始 国内・海外・訪日の3部門へ(JATA)

2024年4月12日(金) 配信

JATAは4月15日(月)から、ツアーグランプリ2024の募集を始める

 日本旅行業協会(JATA)は4月15日(月)、第30回「ツアーグランプリ2024」の募集を始める。旅行業における企画力やマーケティング力の向上、「観光立国」の施策に寄与することを目的としている。

 これまでは国内・訪日旅行部門、海外旅行部門と2つに分けていたところ、「国内旅行部門」「海外旅行部門」「訪日旅行部門」の3部門で表彰する。

 選考対象は、23年4月から24年3月末までに再興された企画旅行(募集型・受注型)と、訪日旅行などで実施された企画提案。

 大賞にあたる国土交通大臣賞は、全応募作品から1点選ばれる。各部門で観光庁長官賞が1点、優秀賞が複数、審査員特別賞が複数選出される。

 審査ではおもに、「斬新性」「事業性」「業界貢献度」の3項目を基準に評価される。

 表彰式は7月10日(水)、全日通霞が関ビル(東京都港区)8階会議室で行われる予定だ。

サービス連合2024春闘、「企業側も人への投資を重要視」 最高の賃金改善率目指す

2024年4月12日(金) 配信

櫻田あすか会長

 サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(櫻田あすか会長)は4月11日(木)、2024春季生活闘争の中間報告を行った。櫻田会長は「人材の獲得に向けて、労働条件の向上が欠かせない。交渉では企業側も人への投資を大変重要視している」と語った。さらに、「人への投資で従業員のモチベーションを上げ、業績向上につなげる好循環の実現に近づいている」と話した。

 同連合は労働者から選ばれる業界へと地位を向上させるため、春闘でこれまで1%以上だった賃金改善率を過去最高水準となる5%以上を求め、大きな転換点と位置付けている。

 今季は3月31日(日)時点で132組合中、44組合が妥結した。このうち、ベースアップを含めた5%以上の賃金の引き上げで合意したのは27組合。10%を超える水準を求めている組合もあるという。

 一時金については、33組合が合意。夏季一時金は、前年同季比0.239カ月増の1.769カ月となっている。

 また、人材の獲得に向けて、47組が労働環境の改善を求める同時要求を掲げた。この結果、多くの組合が休日の増加や労働時間の短縮、定年の延長などを引き出したという。

 櫻田会長は23年春闘における賃金改善額が過去最高となったことに触れ、「継続中や今後の交渉では(23年の賃金から)さらに上積みをしたい。そして、来年にもつながる交渉を行いたい」と語った。

弁護士が相談受ける 9月まで毎月1回

 同連合は9月まで毎月1回、宿泊や旅行、国際航空貨物業、派遣業(添乗員)で働くすべての人を対象に弁護士が電話で対応する労働相談を行う。当日は労働法に精通した東京共同法律事務所の弁護士が対応する。

 開催日は毎月26日。5月は16日(木)に実施する。時間は午後4~7時。

 同連合は「相談内容の秘密は厳守される。1人で悩まず相談してほしい」と呼び掛けている。

KNT×東京学芸大、養成研修会を実施 学校支援する人材育成へ

2024年4月12日(金) 配信

研修のようす

 近畿日本ツーリスト(瓜生修一社長、東京都新宿区)はこのほど、東京学芸大学(國分充学長、東京都小金井市)の高校探究プロジェクトと連携し、「学校支援コーディネーター養成研修会」を実施した。学校を支援、協働できる教育旅行営業担当者の育成が目的。2023年度は社員約20人が課程を修了し、学校支援コーディネーターとして認定を受けた。

 東京学芸大学高校探究プロジェクトは、目的に準じた授業や教科横断型の探究プログラム、それぞれの教師教育モデルの開発を行っている事業。各教科と「総合的な探究の時間」など、教科横断の双方を射程に入れた教員の「探究的な学びの実践コミュニティ」の創出を目的としている。

 「学校支援コーディネーター養成研修会」では、学習指導要領の改訂により学校教育で充実が求められるようになった「総合的な学習(探究)の時間」を活用。修学旅行に新たな価値を見出し、近畿日本ツーリストの教育旅行営業担当者が主体的に学校に対して企画・提案できるようにプログラムを実施した。

 23年度のプログラムでは、7~8月に4回(28時間)のワークショップ研修と、9月~24年1月までの実践期間を経て、事後研修を実施。全課程の修了者には修了証書、そして最終試験に合格した社員にオープンバッジが授与された。

 近畿日本ツーリストは今後、学校の教員の要望と生徒の実態などの情報をもとに商品やサービスを活用し、事前・事後学習を含めた教育旅行で新たな価値を提案していく。今後も研修会を継続して支援の幅を広げつつ、変わりゆく学校教育現場のニーズに対して主体的に企画・提案できるコーディネーターの育成を推進するとしている。