「地域活性たから市」盛大に、陸前高田太鼓フェスも実施

陸前高田太鼓フェスも盛大に行われた
陸前高田太鼓フェスも盛大に行われた

 日本青年会議所(JCI)は9月30日、10月1日の2日間、愛知県名古屋市のナゴヤドームで「第60回全国会員大会名古屋大会 地域活性たから市in名古屋」を開いた。食や伝統工芸、生活文化など各地の「地域のたから」を一堂に集め、日本の元気を発信していくのが狙い。昨年度に続き、2回目となる。

地域活性たから市には全国の「たから」が集結
地域活性たから市には全国の「たから」が集結

 地域活性たから市にブース出店した約60社の中から、「いかに人々のこころを一つにし、地域活性化と観光立国につながるか」を競うL1(ローカルファースト)グランプリも開催。飲食部門でグランプリを受賞したのは「宮崎のB級グルメ肉巻きおにぎり」、準グランプリは「小田原丼」。物販部門でグランプリを受賞したのは「越後糸魚川南蛮1エビ」、準グランプリは「日本の紅茶発祥の地丸子」。まちづくり部門では、グランプリは「YOKOSUKA軍港めぐり」、準グランプリは「京都向日市激辛商店街」が受賞した。

L1グランプリを審査する中尾隆之氏
L1グランプリを審査する中尾隆之氏

 また、今年は第60回記念事業として「陸前高田太鼓フェスティバルinナゴヤドーム」も実施。岩手県・陸前高田市は1989年から全国の伝統太鼓や創作太鼓が競演する「全国太鼓フェスティバル」を開催していた。今では「太鼓の甲子園」とも呼ばれるまでに盛り上がっている。しかし、東日本大震災で会場の陸前高田市民体育館が被災し、開催が危ぶまれたが、名古屋市が同市に職員を派遣している縁もあり、同イベントを誘致した。

東北初、磐梯山が日本ジオパークに

磐梯山
磐梯山

 日本ジオパーク委員会は9月5日、地質など地球活動の遺産を主な見どころとする自然公園「日本ジオパーク」に福島県・磐梯山ほか6地域を認定した。東北では初めて。

 今回新たに認定されたのは磐梯山のほか、男鹿半島・大潟、茨城県北、下仁田、秩父、白山手取川の各地域。これまでの認定と合わせて20地域が「日本ジオパーク」に認定されている。

 ジオパークの認定要件は、地質遺産だけでなく、文化的なつながりや、ガイドツアーなどを通じて学べる仕組みが整っているなど。磐梯山は南側から望む「会津富士」と呼ばれる優美な姿と、噴火の痕跡を残す北側の爆裂火口など、2つの顔を持つことが特徴だ。これ加え、ジオガイドが案内する「ジオツアー」が審査時、高い評価を得た。エリア内では、73のジオサイト(見どころ)がありこれらを10のエリアで分け、物語性のあるジオツアーを実施している。

 認定を機に、地域の食材を生かした新メニューも開発する。磐梯山ジオパークの特徴である「岩なだれ」にちなみ、地元で養殖された「岩魚」と「特製ダレ」を使った「いわな・だれ丼」やオリジナルドリンク「山ジオウォーター」などユニークなアイデアが持ち上がっている。

 地元では、世界ジオパークネットワークの審査を受け認定される「世界ジオパーク」も視野に入れている。国内認定は現在、洞爺湖有珠山など5地域。磐梯山ジオパーク協議会は「日本認定を積極的にアピールしつつ、ガイド養成や地元の理解など、足元を充実させ世界認定を目指す」という。

はとバス新社長に金子氏

金子正一郎社長
金子正一郎社長

 はとバス(東京都大田区)は9月27日の取締役会で、松尾均前社長の任期満了に伴い、金子正一郎氏(前東京都交通局長)が代表取締役社長に就任する人事を了承可決した。

 金子 正一郎(かねこ・しょういちろう)1951年10月29日生まれ、60歳。1975年3月中央大学法学部卒業、同年4月東京都入都労働局、1994年同住宅局住宅政策室計画調査担当課長、1998年同住宅局参事、2000年同都市計画局参事(多摩都市モノレール総務部長)、02年同知事本部危機管理調査担当部長、03年同総務局総合防災部長、04年同交通局総務部長、08年同交通局長、11年7月交通局長退職

エメラルドを取得、来春の開業目指す

 鶴雅グループ(大西雅之社長)は9月27日、阿寒湖温泉で休館している「ホテルエメラルド」(203室)をカラカミ観光から取得し、改装した上で来年の5月連休前に開業すると発表した。隣に立地するグループ旗艦店の「鶴雅」(233室)と渡り廊下でつなぎ、和を基本とした「温泉リゾート」として一体運営する。 ホテルエメラルドは7月から1年間の期限で休館を発表していた。早期再開を望む声に加え、休館が長引くことになれば温泉街が致命的なダメージを受けると判断し、協議を重ねてきた。
 取得したのは、地上9階、地下1階建て、総客室数203、収容人数877のホテルと、社員寮として使っていた6階建ての建物。取得金額の2億2千万円を含め6億円を投じる。開業に合わせ、正社員35人、パート従業員15人を新規採用する。
 新ホテルは、鶴雅より阿寒湖に面した部屋が多い特徴を生かしながら、レストランでは野菜を主としたブッフェを採用する。
 大浴場も鶴雅にない魅力を取り入れ改装。それぞれの個性を打ち出し、今夏から力を入れている「長期滞在」需要に応えられる施設づくりを目指す。

200日ぶりに営業再開、蒼井優さんとしずちゃんもエール

再開を記念しテープカット
再開を記念しテープカット

 常磐興産(斎藤一彦社長、福島県いわき市)が運営するスパリゾートハワイアンズが10月1日、震災以来200日ぶりに、宿泊や日帰り施設の一部で営業を再開した。当日開かれたセレモニーには、06年公開の映画「フラガール」に出演した女優の蒼井優さんと南海キャンディーズのしずちゃん(山崎静代さん)も駆けつけ、営業再開にエールを送った。

 午前10時のオープンとともに、この日を待ちわびた全国のファンが続々と入場した。「待ってました」と声援を送られ、感極まる場面も。28人のフラガールが総出で迎え、来場者一人ひとりにレイをプレゼントした。

 斎藤社長はセレモニーで、フラガールのきずなキャラバンで全国各地から支援を受けたことへの礼を述べるとともに、「今日から地域の皆様とともに新しい、楽しいハワイアンズを築きたい」とあいさつ。蒼井優さんは「福島は第2の地元。映画撮影時はこんな日が来るとは思ってもみなかったが、できる限り力になりたい」と再開へエールを送った。

 部分開業したのは、日帰り施設のスプリングパーク(屋内スパ)、江戸情話与市(大露天風呂)、スパガーデンパレオ(屋外スパ)と、宿泊棟は「ウイルポート」、「ホテルハワイアンズ東館」。ドーム型のプールや新ホテル「モノリス・タワー」を含めたグランドオープンは来年1月を予定している。部分営業中の入場料は大人(中学生以上)1500円、子供(小学生以上)800円、幼児(3歳以上)500円と、規定の半額以下にした。

 事業見通しについて斎藤社長は「年間宿泊38万人、日帰り150万人という震災前の水準に、今後3年かけて戻す」という。

<フラガール本拠地に>

 10月の再開と同時に「きずなキャラバン」として全国公演を続けてきたフラガールも本拠地に戻り、ポリネシアンショーが復活した。チームリーダーのマルヒア由佳里さんは「この日を迎えることができた感謝を伝えたい」とステージ再開への思いを語った。

地元いわきで最後のきずなキャラバン(10月1日)
地元いわきで最後のきずなキャラバン(10月1日)

 1月のグランドオープンまではスプリングパークプラザ内に会場を設け、1日3回、「全国きずなキャラバン」の再演や来場者が参加できるふれあいのステージなどを披露する。

 フラガールの「きずなキャラバン」は5月3日にいわき市内避難所への慰問公演を皮切りに、全国各所で巡回公演を行い、10月1、2両日の「がんばっぺ!いわき復興祭」で最終公演を迎えた。その間の訪問先は26都道府県に韓国ソウル市を含め125カ所、公演回数は247回を数えた。

 この功績が認められ、第3回観光庁長官表彰も受賞。震災後の活動は、ドキュメンタリー映画「がんばっぺフラガール!」(10月29日公開)や書籍「フラガール3・11」(仮題、11月4日講談社刊)でも取り上げられる。

坂元氏ら7人(団体)に、フラガールやガガも受賞

観光庁長官表彰

 観光庁はこのほど、今年度の「観光庁長官表彰」の受賞者を決定し、10月3日に庁舎内で表彰式を開いた。今年度は、阿蘇地域振興デザインセンター事務局長の坂元英俊氏や福島県・スパリゾートハワイアンズのフラガールなど7個人・団体を表彰した。

 同賞は国際競争力のある魅力ある観光地づくりや外国人に対する日本の魅力の発信など観光の振興、発展に寄与した個人や団体を表彰するもので、今回が3回目。

 表彰に先立ち、観光庁の溝畑宏長官は「共通するのは東日本大震災の厳しいなか、いち早く心を持って、世界に日本の元気を示していただいたこと。皆さんには重要な役割を担っていただいた」と感謝と祝辞を述べた。

 博覧会形式の広域連携プロジェクト「阿蘇ゆるっと博」を開くなど、地域づくりと観光を統合化した滞在型の観光戦略で九州の観光振興に寄与した功績が表彰された坂元氏は、「地域の人たちや行政、団体、県と皆でがんばった結果。8年間、積み上げてきた取り組みだが、九州新幹線が全線開業した今年が阿蘇全域で滞在型観光を推進するスタートの年。今後も少しずつ密度を高め、地域がつながっていく取り組みにしていきたい」と喜びを語った。

 また、歌手のレディー・ガガさんからは受賞にあたり「勇気の真の意味を教えてくれた日本のために、この地球の一員として引き続き戦い、また支援を行っていきます」というコメントが寄せられたという。

 受賞者は次の通り。

 【国内観光振興】坂元英俊(阿蘇地域振興デザインセンター事務局長)▽境港市(鳥取県)▽桝田知身(境港市観光協会会長)▽フラガール(スパリゾートハワイアンズ・ダンシングチーム)【国際観光振興】袁文英(東瀛遊旅行社有限公司社長)▽アン・テフォ(ミシュラン・グリーンガイド編集長)▽レディー・ガガ(歌手)

“人と金の規模足りない”、松山新理事長が会見

松山JNTO新理事長
松山JNTO新理事長

 日本政府観光局(JNTO)の新理事長に就任した松山良一氏は10月3日に会見を開き、日本の観光の問題点を指摘。諸外国と比較し「人と予算の規模がまったく足りていない」と語り、ビジットブリテンキャンペーンが成功している英国や、観光に力を入れ急成長しているマレーシアを例にあげ、「研究してヒントを得たい」と語った。

 松山理事長は3つの抱負として(1)安全・安心の情報発信による訪日への信頼回復(2)観光振興による雇用の造成と地域の活性化(3)観光庁や地方自治体、民間企業、業界団体などとの連携をあげた。また、「選択と集中」の重要性を強調し、「民間企業では必ずボトムラインがあり、伸びそうなところに資源を集中する。観光も、より効果が高まるよう『選択と集中』で全力投球したい」と語った。まずは中国・韓国の国慶節と春節など、重点を絞ったキャンペーンを観光庁と取り組んでいくという。

 中長期的な展望として、日本のブランド戦略の見直しをあげる。外国での日本のイメージが、トヨタやパナソニックなどに代表される「低コストでハイクオリティな製品を作る」という80年代の「ものづくり」のイメージに終始していることを紹介し「新しい日本のイメージを打ち出したい」と話した。「夜に外へ出て安全なのは日本だけではないか? 日本の安全性やおもてなし、日本人の思いやりの心など、ソフト面のイメージをもっと打ち出したい」と展望を述べ、「世界では観光客を呼び込むため熾烈な競争となっている。日本に来たいとどう思わせるか、しっかり対策を練りたい」とした。

 また、現在13カ所にある海外事務所の拡大については「現状を把握して検討したい」としつつも、他国の海外事務所の多さに触れ「数が多いことは力。海外事務所を増やしていきたいという強い希望を持っている。予算を国交省と相談しながら、観光の世界大戦争に参加したい」と結んだ。

風評跳ね返す勢いを、秋保で復興支援会議開く

二階会長があいさつ
二階会長があいさつ

 全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長)は9月26、27日、宮城県・秋保温泉の「篝火の湯緑水亭」で全国の支部長が集まり東日本復興支援会議を開いた。引き続き被災地向けの復興支援ツアーや被災地での支部研修会の実施に努めることなどを確認した。

 二階会長は「我われは風評被害を跳ね返す勢いを持たなければいけない。先般、紀伊半島も台風12号の甚大な被害を受けたが、和歌山県の選挙区を回り、我われは自力で立ち上がることが大事だと伝えた。その頑張りが東北の被災地と共鳴し合い、1日も早い復興につながる」と話した。また、橋梁が破損するなど大きな被害を受けた紀勢線の今後の運行計画をあげ「串本―紀伊勝浦間は開通。新宮までは年内復旧の目途がついた。まずは応急復旧でいい。いつ開通するかわからないのとでは意気込みが違う」と語った。観光による復興支援については「我われは観光の専門家として、地域にある物語を掘り起こし盛り上げていくのが使命。一層の奮起を」と呼び掛けた。

 若生正博宮城県副知事は同県の復興状況について、交通インフラは完全復旧したとしたうえで「今回の被害の特徴は海沿い地域の地盤沈下だった。平均で60―70㌢沈下した。現在、減災の思想で地域づくりをしている。防波堤の高さは抑え、高台移転や、道路や線路の多重防御で対応。避難タワーや避難ビルも建設する。復旧に3年とみている」と説明した。「今とくに助かっているのはボランティアツアー。延べ30万人を超え、1泊は温泉に泊まっていただいている。震災に絡んでこうした新たな旅行商品が必要。旅行のプロとして皆さんから、いろいろなアイディアをいただきたい」と話した。

 溝畑宏観光庁長官は「震災から6カ月がたち、少しずつ復興支援の動きが弱くなっているなか、『頑張れ東日本』と声高らかにこのような会を開いていただくのはありがたい」とし、「皆さんの要望をお聞きし、国内観光活性のために積極的な仕掛けをしていきたい」と述べた。

 また、被災地7県の各支部長から、経過報告が行われた。福島県の小林次郎支部長は、東京電力の補償請求の手続きをあげ「始めから損害の20%は、原発が原因ではないとし、残りの80%が補償されるわけでもない。損害額算出の数式は複雑怪奇で、数字を当てはめることすらできない。支部の会員110社は疲弊し、資金も底をつこうとしている。近く説明会があるが、東電に怒りが向かなければいいが」と思いを語った。一方で「県をあげて28億円の補正予算をつけていただいた。これを活用した福島っ子体験補助事業で助かっている。夏休みに外で思い切り遊べない福島の子供たちに、旅行業者を経由して、他県で体験活動をしてもらうもの。保険も手厚くカバーできる。この事業でいささか息をついている状況」と報告した。

 同協会がまとめた各支部の活動によると、14支部が見舞金・寄付活動を行い、研修旅行や支援・義捐金ツアーは20支部が実施。6月には各支部からの義損金747万8千円、および災害見舞金を、各支部を通じて被災した会員148社に支給した。

No.292 大館グリーンツーリズム - 農業の魅力を若い世代へ

大館グリーンツーリズム
農業の魅力を若い世代へ

 秋田県大館市のグリーンツーリズムを推進する、大館市まるごと体験推進協議会。地域ごとにばらばらだった受け入れ窓口を一本化するとともに、体験メニューのレベルアップをはかる。修学旅行生の誘客強化だけでなく、都会に住む大人の潜在的なニーズも見込む。グリーンツーリズムはあくまできっかけ。農業体験を通じて同市に興味を持ってもらい、交流が活発化すれば、その波及効果は農業、観光業だけにとどまらない。9月下旬に行われたモニターツアーに参加した。

【沖永 篤郎】

<受け入れ窓口を一本化
まるごと体験推進協議会>

 秋田市から奥羽本線で約1時間40分、秋田県大館市は、県北部を流れる米代川に沿い、開けた大館盆地に位置する。青森県との県境は世界遺産、白神山地。市街地にある温泉から山奥の秘湯まで市内には温泉が豊富にあり、市民は日常生活で湯巡りを楽しんでいるという。また、忠犬ハチ公のふるさと、きりたんぽ発祥の地、地鶏のトップブランド「比内地鶏」の産地としても知られる。 同市は、「あきたこまち」に代表される稲作が盛んな地だが、近年全国の地方と同じく過疎化・高齢化が進み、農業の担い手不足という問題を抱えている。地域が元気を取り戻すには、主産業である農業の魅力を若い世代に伝え、後継者を増やしていくしかない。

 

※ 詳細は本紙1437号または日経テレコン21でお読みいただけます。

乳がん患者も温泉に ― 照明落とすだけでも……(10/11付)

 10月は乳がんの早期検診などを啓発する「ピンクリボン運動月間」だ。現在、日本では年間約5万人の女性が乳がんを患い、40万―60万人が手術によって乳房を切除しているとも言われている。 患者の多くは、以前と同じように旅行を楽しみ、家族や友人たちと温泉に入ることをすごく楽しみにしているが、現実は、母親や娘、孫と一緒に温泉に入ることは難しいと感じている。「傷跡を見せて家族を悲しませたくない」という感情がどうしても働いてしまうのだという。
 彼女たちの家族や友人を含めると、200万人以上の近しい人たちが温泉旅行に行きたいのに行けないという、潜在需要の機会逸失が虚しく横たわる。
 全国の温泉旅館の経営者や女将さんにぜひお願いしたいのは、更衣室では隅の方に幾つかでいい、簡易な仕切り板を備えたり、ロッカー式で扉を開けることによって、体を隠すことができるような工夫をしていただきたいということ。また、照明を少し落とすだけでも、体に傷がある人にとっては、とても優しい空間になるはずだ。
 今では増えてきたが、体を洗う場所も、隣との仕切り板があるだけで乳がん患者さんにとっては救われる気持になるのだという。ロビーや客室、レストランのリニューアルには莫大な費用がかかる。しかし、わずかな心の配慮だけで、〝女性に優しい宿〟に変身できるのだ。
 人工乳房をつくる「池山メディカルジャパン」代表取締役の池山紀之氏は10月17日から「おっぱいリレー」を実施する。人工乳房を全国の温泉に浸けてもらい、成分的に問題がなければ「おっぱいフリー」(人工乳房安全)シールを贈呈し、施設リストに登録するという。池山氏の妹さんが乳がんを患い、家族で行った旅館で1人だけ温泉に入らなかったということを聞いて以来、乳がん患者など、女性が安心して温泉に入れるように一生懸命活動している。
 女性だけでなく、男性だって火傷や手術によって温泉旅行を諦めている人がたくさんいるだずだ。温泉に入ってしまえば、首まで浸かるために体の傷は気にならない。更衣室や体を洗う場所の一部分を改良してくれる宿が1軒でも増えてほしい。宿は、閉ざされた患者の心を解放し幸せにしてあげることができるのだ。これほどの社会貢献はない。^t(編集長・増田 剛)