“旅行先選びのお手伝い”海外キャンペーンを刷新

 旅行総合情報サイト「フォートラベル」(井上英樹社長、東京都新宿区、http://4travel.jp/ )はこのほど、海外旅行ガイドページを大幅にリニューアルした。

 同社が今年5月、サイト利用者を対象に実施したアンケート調査によると、旅先選定の際に参考にする情報源では「旅行情報サイト」と回答した人が約5割に達し、「ニーズが高いことがわかった。また、『目的重視』で旅行先選びがトレンドとして年々増加している」ことを受けて、旅行者のニーズに応えられるサイトへリニューアルした。コンセプトは“旅行先選びのお手伝い”。同社がこれまで蓄積してきたユーザーからのリアルな旅行情報を、観光地やホテル、ショッピングなどの各カテゴリーに分けてランキングやチャート式で紹介。さらに、サイトデザインやナビゲーションも一新した。さまざまな切り口からエリア情報を提供することで、利用者の旅行先選びをサポートする。

 今後は国内版のリニューアルも予定している。

LCCツアー実験的に、長期的には座席の買収も(JTB)

 JTBの田川博己社長は、11月11日に行われたニュージーランドのジョン・キー首相兼観光大臣のJTB訪問後の囲み取材で、JTBが発表したLCCを利用したツアー商品についての質問に対し、「需要をはかるため、あくまで実験的」と語った。

 「整った機内環境や手厚い機内サービスに慣れている日本人に、LCCがどれだけ受け入れられるかは未知数。国内など短時間の移動にはよいが、長距離移動やビジネスマン、高齢者には厳しいのでは」と疑問を呈すも、「学生など確実に需要はある」と話した。「需要に対して適切な商品開発はするが、全体の需要がLCCに流れるわけではない」と大幅な路線変更は考えていないことを明かした。

 また、航空座席の買い取りについて、「今後、手数料だけではなかなか生き残れない。日本の独特のスタイルがあるので現状は難しいが、中長期的にはやらなくてはいけないだろう」と長期ビジョンでの航空座席の買い取りへ意欲を見せた。

旅館軒数5万軒割る、前年から1879軒減少

 厚生労働省がまとめた2009年度の「衛生行政報告」によると、2010年3月末現在で営業している旅館軒数は4万8967軒となり、5万軒の大台を割った。09年3月末時点では5万846軒で、この1年間で1879軒減ったことになる。【次号詳細】
 一方、ホテルの営業軒数は9689軒となり、1年間で86軒増えた。

リクルートに協議申し入れ、新ポイントプログラム導入で

 神奈川県の箱根温泉旅館協同組合(榎本孝弘理事長、加盟108施設)は11月5日、国内旅行宿泊サイト「じゃらんnet」を運営するリクルート(柏木斉社長兼CEO)に対し、「来年4月から開始予定の新ポイントプログラムの導入によって同社に支払う手数料率が実質的な引き上げになる」として、協議の申し入れを文書で行った。

 リクルートが来春から導入を予定している新ポイントプログラムでは、「じゃらんnet」と、美容の総合サイト「HotPepperBeauty」の利用者が相互に利用可能な「じゃらん×ホットペッパーポイント」を開始する。両サイトは女性を中心に併用するユーザーが多く、旅館やホテルを利用して貯めたポイントをヘアサロンやネイルサロンで利用したり、その逆の利用も見込み、将来的には飲食店などにも対象を広げたい考えだ。一方、宿泊施設は従来の手数料8%に、ポイント付与分として2%が加算され、実質的な負担増となる。また、シングル利用者の手数料が現行の4%から6%にアップする。

 箱根温泉旅館協同組合は「新システムを導入するに当たっては、ビジネスパートナーである宿泊施設に負担増となる理由の説明や、2%の論拠などをもう少し丁寧に説明してほしい」と要望している。さらに、ライバル社などに波及して手数料率が徐々に引き上げられることを懸念している。

 現在のポイント制度では「無料宿泊券の提供」(約60%の施設が対応)と、「ポイント行使の実費負担(宿泊料金の最大10%)」の選択制となっているが、来春以降は、新たな来館者の有無に関わらずポイント付加分2%が上乗せされて請求される。宿泊客がポイントを使って宿泊した場合、リクルート社が後日、宿泊施設に振り込んで精算するしくみ。

大賞5件を表彰、かながわ観光大賞創設

かながわ観光大賞受賞者

 神奈川県(松沢成文知事)は、今年から「かながわ観光大賞」を創設し、第1回の表彰式を11月4日、横浜市内のホテルで行った。応募や推薦であがった19団体・34件のなかから、民間企業や市町村、ボランティア団体など幅広い事業体から5件が大賞に選ばれた。

  当日、表彰の場で大賞を発表し、松沢知事とかながわ観光親善大使の女優・高島礼子さんから、賞状などが授与された。

 松沢知事は「4月に施行された神奈川観光振興計画に基づいて、優れた取り組みを検証するとともに、他の取り組みの模範となるように賞を設けた」と話し、各部門の大賞の講評をした。高島さんも登壇し、「観光親善大使として、微力ながら神奈川県のイメージアップのお手伝いをしたい」とあいさつした。

 各部門の受賞者と取り組み内容は、「魅力ある観光地づくり部門」を京浜運河などで工場夜景クルーズを実施しているケーエムシーコーポレーションの「工場夜景ジャングルクルーズ」が受賞。工場夜景という新たな魅力を創出した先駆性が評価された。

 また、「観光プロモーション部門」は、箱根登山鉄道の「箱根あじさい電車」。あじさいが育ちにくい山間部の沿線にボランティアと協力しながら長年かけてあじさいを整備。新聞社のアンケートであじさい名所の1位に選ばれ、梅雨時期に全国から観光客を集めたことが決め手になった。

 「観光による地域活性化部門」は、三浦市経済振興部営業開発課の「みうらシティセールス・プロモーション」が受賞。自治体で営業開発課を設置し、セールスを行うことは全国的に珍しく、また地域住民が主体的に活動している点などが受賞の理由。

 「受入体制おもてなし部門」ではボランティア団体・神奈川SGG倶楽部の「訪日外国人観光案内と日本・地域文化紹介のボランティア活動による実践」が選ばれ、外国人旅行者へのガイド活動などが認められた。

 さらに、「外国人観光客部門」は小田急電鉄の「春節キャンペーン(箱根、江の島エリア)」が受賞。東アジアからの集客を目指し、海外旅行博やインターネットで周知をはかった。また、和太鼓やもちつきなどのイベントも話題になった。

第20回全国大会に向けて、井上部長 横山次期部長 往復書簡

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の青年部(井上善博部長)は11月25日、島根県松江市のくにびきメッセで「第20回全旅連青年部全国大会in縁結びの地しまね」を開く。

 09―10年度に「誇りば持とう青年部~『誇り』『絆』『友情』~」をテーマに活動してきた井上体制の集大成となる全国大会には、800人を超える青年部員が一堂に会し、2年間の委員会活動の報告に加え、各都道府県青年部の事業活動や功績を称える青年部褒賞の表彰式などが行われる。

 本紙は、全国大会開催に合わせて、第19代青年部長の井上善博氏(福岡県・原鶴温泉/ほどあいの宿六峰舘専務)と、今年9月14日の臨時総会で次期(第20代)青年部長に選出された横山公大氏(高知県高知市/土佐御苑専務)の両氏に、それぞれに宛てた期待と感謝のメッセージを往復書簡のかたちで交換してもらった。内容を紹介する。

有村さん(あゆの里)が委員長に

 全国旅館おかみの集い運営委員会は11月10日、運営委員会を開き、互選で新しい運営委員長に有村政代さん(熊本県人吉温泉・清流山水花あゆの里)を選んだ。

 有村女将は「これまで積み重ねてきたものを大切にしつつ、参加者が楽しめる会にしたい」と次回のプログラムづくりについて自身の考えを伝えた。

 この意向を受けて、基調講演講師や分科会(勉強会)の在り方について意見交換した。分科会では近年、外部から講師を招き、ややもすれば参加の女将たちが聞き役に回る場面も見られた。これを軌道修正し、女将たちが互いに発言し合う場という、立ち上げ当初のスタイルに戻すことで一致した。

 開催スケジュールについては、今年初めて実施し、好評を得た「1日」開催を踏襲する予定。

 基調講演講師については、数名の候補を選び、関係各位に出演を依頼する。

 なお、第22回の集いは、来年7月の開催を予定している。

No.265 金丸流「食による地域おこし」術 - 消費者に届くまでを意識する

金丸流「食による地域おこし」術
消費者に届くまでを意識する

 「田舎力 ヒト・夢・カネが集まる5つの法則」(NHK出版生活人新書)は、発売から1年半たつが現在もインターネット書店アマゾン「地域経済部門」で、ほぼ1位を維持する。著者は食環境ジャーナリスト、金丸弘美氏。全国の食の現場を取材するうちに、その経験、知識を活かして自らが食総合プロデューサーとして「食による地域おこし」に携わるようになった。金丸流「食による地域おこし」術を聞いた。

【沖永 篤郎】

「食のテキスト化で財産共有」

「徹底した地域調査と食のテキスト化」

 食による地域おこしに携わるなかで、金丸氏は地域食材のブランド化の依頼を多く受ける。埋もれている地域食材をブランド化し、大市場である東京など都市部に売り込みたいというもの。 最近では、総務省が認定する地域力創造アドバイザーとして茨城県常陸太田市の「常陸秋そば」、農林水産省のブランド化事業として岐阜県高山市の「宿儺(すくな)かぼちゃ」のブランド化に携わった。

金丸 弘美氏

 地域食材をブランド化するうえで必ず使うのがテキスト化の手法だ。食材の文化的背景、栄養価、栽培法、収穫時期、生産地、料理例などを改めて徹底的に調べ、その食材の物語をテキストとしてまとめる。「背景を説明できるテキストを準備し、ただ『おいしいですよ』だけでは終わらない売り込みをはかろうという戦略」。

 自分が売り込む商品を熟知していなければ、客に商品の魅力を納得してもらい購買につなげることはできない。テキストはいわば営業ツールといえる。金丸氏は「生産偏重の農業政策のなかで、生産者側は生産することだけに一生懸命で、その先で消費者がどういう反応をしているのか、出口がどうなっているのかが見えていない」と強調する。その食材を使ってどういう料理への用途があるのか、健康にどういいのかといった提案がなければ、次の展開につながらない。

 

※ 詳細は本紙1401号または日経テレコン21でお読みいただけます。

22回おかみの集い 有村さんが運営委員長に

 
全国旅館おかみの集い運営委員会は11月10日、運営委員会を開き、互選で新しい委員長に有村政代さん(熊本県人吉温泉・清流山水花あゆの里)を選んだ。有村女将は「これまで積み重ねてきたものを大切にしつつ、参加者が楽しめる会にしたい」と次回のプログラムづくりについて自身の考えを伝えた。

この意向を受けて、基調講演講師や分科会(勉強会)の在り方について意見交換した。分科会では近年、外部から講師を招き、ややもすれば参加の女将たちが聞き役に回る場面も見られた。これを軌道修正し、女将たちが互いに発言し合う場という、立ち上げ当初のスタイルに戻すことで一致した。

開催スケジュールについては、今年初めて実施し、好評を得た「1日」開催を踏襲する。基調講演講師については、数名の候補を選び、関係各位に出演の依頼をする。第22回の集いは、来年7月の開催を予定している。

 

東京1位、日本2位、英国紙の観光地ランキング

 英国の高級日刊紙「ガーディアン」がこのほど発表した「ガーディアン・トラベル・アワード2010」で、東京が都市別部門の1位、日本が国別部門の2位に選ばれた。

 「ガーディアン・トラベル・アワード」は、全22部門の各賞をいずれも読者の満足度投票で決める英国で最も権威ある旅行賞の1つ。都市別部門は、1位東京(満足度97・4%)、2位ベルリン(同96・9%)、昨年まで2年連続1位だったシドニー(同95・4%)が3位となった。国別部門は、1位モルジブ(同97・8%)2位日本(同97・5%)。