ペア宿泊券は58組、38の名産品を各3名様に!
全国の旅行会社が「プロの目」で選出した優秀ホテル・旅館、観光・食事、土産物施設、観光バス会社をランキング発表する、プロが選ぶ100選(旅行新聞新社主催)が決まりました。
発表を記念して、入選施設の「旅館宿泊券」(ペア1泊2食付)と「名産品」を ホームページをご覧の皆様にプレゼントします。皆様のご応募をお待ちしております。
ご応募はコチラ(弊社のプレゼントページへリンクしています)から!
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観光庁はこのほど、1月11日に閣議決定した2012年度第1次補正予算に盛り込まれた「官民協働した魅力ある観光地の再建・強化事業」を進めるため、観光地の特色ある資源の商品化に向けた意欲的な取り組みの募集を開始した。
同事業は、観光地の魅力となりうる資源を見直し、地方公共団体、事業実施団体、旅行会社、交通事業者、旅行メディアなどの総力を結集した確実な旅行商品化と情報発信を通して、魅力ある観光地づくりを推進。募集した観光資源の商品化に向けた意欲的な取り組みの中から、第三者で構成する委員会で対象を選定し、商品化に向けた支援をしていく。
選定された取り組みは、旅行会社のバイヤーや旅行メディア、地域活性化プランナーなどの観光資源の「目利き」と「観光地の担い手」が協働して磨き上げた観光資源を題材にモニターツアーと効果検証を実施。旅行商品と観光地の魅力を全国に発信し、旅行商品のランク付けなどによる市場からの評価を行うことで確実な商品化をはかっていく。
応募期間は3月1日までとしている。
詳細は、観光庁HP=http://www.mlit.go.jp/kankocho/news05_000137.html 。
なお、補正予算では同事業に15億7千万円が計上されている。
ピンクリボンのお宿ネットワークの会員施設の鷹泉閣岩松旅館(宮城県作並温泉)はこのほど、4月10日をピンクリボンデーに設定した。
乳がん手術を受けた方、乳がん治療中の女性を限定としたプランで当日は全館貸切で受け入れる。また特典として(1)食事は養生に配慮した料理を用意(2)ゆっくり寛いでもらうためチェックインは午後2時、チェックアウトは午前11時(3)バスタオル、フェイスタオル、浴衣をそれぞれ2枚用意(4)プラン専用のアメニティを用意(5)チェックイン時のウェルカムドリンク(6)翌日出発前のコーヒーサービスが受けられる。
料金は客室や夕食の提供場所で異なる1人1万500円、同1万2600円、同1万5750円の3タイプ設定している(別途それぞれ入湯税150円がかかる)。
なお、家族で手術後の配慮のできる人は女性限定で同伴可能。
問い合わせ=電話:022(395)2211。

浮世絵の舞台モチーフに
東京都江東区の亀戸地域の5つの商店街が連携して亀戸の活性化に取り組む「亀戸いきいき事業協同組合」は、亀戸の地元住民および観光客向けの商業施設「亀戸梅屋敷」を3月17日に開業する。
亀戸梅屋敷は、江戸時代に亀戸に実在した「梅屋敷」と呼ばれる別荘をモチーフに建設する。かつての梅屋敷には約3600坪の広大な庭園があり、一面に梅の木が植えられていた。江戸時代に活躍した浮世絵師の歌川広重は梅屋敷の情景に魅了され、多くの作品を残している。なかでも晩年の大作、名所江戸百景で描いた「亀戸梅屋敷」は後に画家のフィンセント・ファン・ゴッホが模したことでも有名。
新設される亀戸梅屋敷は下町ならではの純和風建築で敷地面積は約400坪。部材には江戸時代から貯木場として栄えた江東区木場をイメージさせる銘木を多く使用する。施設内には物販コーナー、展示ギャラリー、伝統工芸実演コーナー、観光案内所、休憩所、多目的ホールのほか、水陸両用バス・観光バス・人力車の発着ターミナルとしての機能も持たせる。
亀戸梅屋敷の広場では定期的にマルシェ(青空市)を実施、地元の名産品販売のほか、日本全国から出店者を募り、各地の名産品も販売予定。さらに亀戸各商店街の食を楽しみながら歩くグルメイベントや、亀戸フェスティバルや梅まつりなど地元のまつりと連携したイベントも開催していく計画という。館長(企画・運営業務全般担当)は一般公募で募集し、2月中旬頃に決定する予定。
入場料は無料。開館時間は午前10時から午後6時まで、年中無休(施設点検などで臨時休業あり)。
問い合わせ=亀戸いきいき事業協同組合事務局 電話:03(3681)2685。

仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会(会長=村井嘉浩宮城県知事)は2月15日、仙台市内のホテルで4月から始まる「仙台・宮城デスティネーションキャンペーン(DC)」の概要を発表した。震災からの復興を全国に発信し、落ち込んだ観光客数(11年・4316万人)を震災前の水準(10年・6129万人)に戻すことを目指す。
村井会長のほか、副会長の奥山恵美子仙台市長、里見雅行JR東日本仙台支社長らが同席した。DCは宮城県全域と福島県福島市など隣接する地域で、4月1日から6月30日まで実施する。キャッチフレーズは「笑顔咲くたび伊達な旅」。
宮城県での実施は5年ぶり2回目。観光の力で東日本大震災からの復興に貢献するとともに「花、食、復興・鎮魂」をテーマに、各エリアの特性を生かした旅を提案する。
一目千本桜(大河原町)や徳仙丈山のツツジ(気仙沼市)など、花の咲く春のイメージを前面に打ち出す。震災の教訓を語り継ぐ取り組みが活発化するなか、復興商店街やJR気仙沼線に導入したBRT(バス高速輸送システム)、08年の岩手・宮城内陸地震で被害を受けた栗駒山地域の復興などの情報発信にも力を入れる。

わたらせ渓谷鐵道(樺澤豊社長、群馬県みどり市)は、3月1日から運転免許証を自主返納した65歳以上の高齢者に対し、50%の運賃割引を実施する。群馬県内では初めての取り組み。
移動手段が限られた高齢者の移動の利便性を高めるのが目的。同社は「公共交通機関として本来の機能を発揮できるもの。半額で利用できることで外出機会が増え、健康や生きがいづくりになり、高齢者の交通事故減少にもつながればと期待している」。
対象は、同社が結ぶ群馬県桐生市とみどり市、栃木県日光市に住所があり、運転免許証を自主返納して「運転経歴証明書」を持つ65歳以上の高齢者。運賃割引は普通運賃の50%引きで、トロッコ整理券など乗車券以外は割引にならない。また、企画乗車券や定期、回数券も適用外。
利用方法は、乗車時に整理券を取り、降車時に運転士か車掌に「運転経歴証明書」を提示して規定の料金を払う。
合格率は14・3%
日本政府観光局(JNTO)はこのほど、2012年度通訳案内士試験の最終合格者を発表した。総受験者数5千人のうち合格者は713人、合格率は14・3%となった。合格者のうち、外国籍の人は80人で構成比は11・2%。
言語別の内訳は、英語が398人(合格率13・3%)、中国語が143人(同13・6%)、韓国語が52人(同12・7%)、フランス語が45人(同23・1%)、スペイン語が24人(同23・5%)、ドイツ語が15人(同22・4%)、ロシア語が13人(同18・1%)、イタリア語が11人(同20・4%)、ポルトガル語が9人(同19・6%)、タイ語が3人(同20・0%)。
年齢別にみると、40代が217人(構成比30・4%)と最も多く、30代が188人(同26・4%)、50代が159人(同22・3%)、60代が70人(同9・8%)、20代が67人(同9・4%)、70代が8人(同1・1%)、10代が4人(同0・6%)と続く。
なお、通訳案内士試験は通訳案内士法に基づき、JNTOが国の試験事務代行機関として毎年1回実施。試験は外国語(10言語)、日本地理、日本歴史、一般常識に関する筆記試験(1次試験)と、外国語による口述試験(2次試験)で行われる。

日本政府観光局(JNTO、松山良一理事長)は1月31日、東京都内で「第10回JNTOインバウンド旅行振興フォーラム」を開き、重点地域の海外事務所長らが、各地域での訪日旅行に対するニーズなどを報告する市場説明会と個別相談会を行った。JNTOは訪日外客数1千万人を目指し、質の向上と量の拡大を掲げ、伸びが期待されるASEANは富裕層と中間層の取り込みを狙う。フォーラムには会員の旅行会社や宿泊施設、賛助団体の自治体など約590人が参加。各市場の動向を紹介する。
【内川 久季、伊集院 悟】
◇

松山理事長はフォーラム冒頭、「2012年の訪日外客数は836万8千人となり、年別では10年に次ぐ2番目。全体的に、震災の影響からほぼ回復した」との見方を示し、「市場別では、中国、台湾、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インドが過去最高を記録。LCCの就航や航空運賃の低下、クルージング、ビザ発給の緩和などが追い風になった」と振り返った。13年については、「今年は日本ASEAN協力40周年、日本ベトナム友好年、日豪観光交流年。質、量の両面で訪日外客数を増やし、1千万人達成を目指す」と強調。「海外での日本のイメージは、イタリアと並ぶぐらい良い。今後は、日本へ行きたいと思わせる整備が大切だ」と述べた。
13年のJNTOの取り組みは、(1)質の向上と量(裾野)の拡大(2)訪日旅行への受け入れ体制の整備促進(3)MICE誘致の拡充強化――の3点を挙げた。
「質の向上と量(裾野)の拡大」では、ASEANの中間層が顕著に伸びており、今年はジャカルタ事務所を開設。富裕層と中間層の取り込みとリピーターの確保、教育旅行の強化を行う。量の拡大は、とくに中国、韓国、台湾に注力する。
「訪日旅行への受け入れ体制の整備促進」は、Wi―Fiの完備と、海外クレジットカードの使用可能場所の拡大を訴求した。「MICE誘致の拡充強化」は、シンガポールやソウルに奪われている国際会議やインセンティブ旅行を、日本へ戻すための誘致強化を積極的に行う。
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各市場の動向は次の通り。
タイの12年訪日数は3月を除く各月で単月として過去最高を記録。バンコク事務所の益田浩所長は「現在の韓国、台湾、中国、アメリカ、香港の5大市場のなかに、6大市場として入ることが目標」と話した。日本の人気がとても高く、訪日人数が多い月は4、10、3月の順で、桜人気を強調。高額支出を控えるため、欧州などの遠方よりもアジアツアーの人気が高く、昨年からマルチビザも導入されFIT化が進み、旅行形態が個人旅行化している。益田所長は「今後は、オンラインの事業者も増えるだろう」と予測。「タイには春夏秋冬の感覚がないので、何月なのか明確に説明する必要がある」などセミナーでのポイントをアドバイスした。
シンガポール市場は、放射能への懸念が根強く残り、とくに東京は厳しい状況が続いている。シンガポール事務所の足立基成所長は、今までのターゲット層だった富裕家族層からの「5年は放射能が心配で日本へ行けない」「子供や孫を連れて行くことはできない」「日本に行くと妊娠に影響がでるという噂がある」という声を紹介し、「シンガポールは、衛生管理が行き届き、綺麗で整備された街なので放射能の問題はとても大きい」と述べた。このため、13年はターゲットを富裕層からミドル家族層へシフト。また、約8割がFITである現況を踏まえ、個人旅行比率の増加、とくに若者層へ注力していく方針だ。
マレーシア市場は、12年9月からマルチビザの申請受付を開始し、FIT層の需要も伸長。足立所長は「ターゲット層の中華系富裕層、中間層に加え、ムスリムのマレー系にも訪日の関心が高く日本からマレーシアへの修学旅行が増え、学校交流も盛んになった」と報告した。JNTOはマレーシア旅行業協会(MATTA)と連携し、ムスリムに対しての理解度を高め、より一層の訪日促進活動を行うという。ムスリムツアーの誘致は、魅力的な観光素材とハラルフード、お祈りへの対応の重要性を強調した。
インドネシア市場は、親日家が多く、訪日旅行は堅調に拡大。親戚を含めた20―30人の家族旅行が主流で、日本でのショッピングやテーマパークが目的という。足立所長は懸念材料として「近年は韓国の露出が高く、日本よりも目立っている。いかに露出できるか、目立てるかがカギ」と語った。アッパーミドル層の増大が顕著で、外国旅行の需要は2015年に4千万人、20年に8千万人になる巨大なマーケット。マレーシアと同じく、中華系に加え、ムスリムマーケットの加速も見られる。さらに、若者はLCCでの訪日が増え始め、今後は富裕層だけではなく幅広い訪日促進活動をしていくという。
ASEAN市場ではインドネシアに最も注目しており、今年の5月にはジャカルタ事務所を開設予定だ。経済発展にともない、外国旅行がレジャーとして定着。足立所長は「ムスリムは2億人市場といわれ、いまだ開拓されていない市場。信頼を得て、今後この市場の開拓をしていく」とし、東南アジアからの訪日を69万人から100万人に拡大する目標を示した。
韓国市場についてソウル事務所の鄭然凡所長は、「放射能による風評被害や竹島問題の影響からは回復してきた」とし、13年は日韓の地理的な近接性を活かした1泊や2泊の短期旅行の需要拡大を狙う。5日間で周遊できる北海道プランは依然として人気が高く、近年ヒーリングブームが起こり訪日旅行に盛り込まれることが増えたという。また、昨年秋田県が誘致した韓国ドラマを事例にあげ、今年も東北需要促進をはかるとした。
台湾市場は、震災時210億円も義援金が集まるほど親日家が多く、訪日客の7割以上がリピーター。航空便増加で、とくに首都圏・関西圏への個人旅行が増加している。震災後は、格安ツアーの乱売で中間価格が売れづらい状況だが、富裕者層の高級ツアーの売れ行きは好調。また、訪日促進の最も重要ポイントとして、日本交流協会台北事務所経済室の山田敬也主任は「インターネット環境の整備」を挙げ、「台湾人はネット好き。Wi―Fi、無線LANの整備をし、ロビーと部屋で使える環境作りが必要」と説明。フェイスブックの普及率も日本より高く、ネット利用者の8割が利用し、旅行中に画像や日記を公開できるかを気にするという。
中国市場は、引き続き高い成長が期待され、海外旅行者数は増大する見込み。12年には2千万人を超えるとされ、15年には8300万人と予測した。北京事務所の飯嶋康弘所長は「旅行会社は新聞と違い政府管理がなく自由に動けるので、もっと訪日プロモーションをしてほしい」と訴えた。
上海市場は、中国全体の団体旅行中4割を上海が占め、最も多い送客数を誇っていたが、尖閣問題の影響を受け3―8割減となっている。MICE誘致やインセンティブ旅行の強化を訴え、上海事務所の小沼英悟所長は「MICEは観光旅行のオフシーズンの秋に需要が高まる」と説明。人気のアクティビティは雪合戦で、「ツアーには中国語が話せるスタッフ・ランドオペレーターが必要」と強調した。
香港市場は、13年の訪日客数が60万人の壁を突破すると見込む。海外旅行需要は韓国から日本へシフト。香港事務所の平田真幸所長は「中国と香港は別に考えるべき。政治的な理由で日本観光が減少することはないが、放射能がネック。最近は東京への観光が戻ってきている」と報告した。

長野県は2月4日、県観光大使に下條村出身の俳優でタレントの峰竜太さんを任命した。同日に東京・有楽町で開いた「楽園信州ファンクラブ」ファンの集いの席上で、長野県の阿部守一知事が直接、任命書を峰さんに手渡した。
長野県が観光大使を委嘱するのは今回が初めて。峰さんの発信力を通じて信州の魅力や県内各地の観光情報を全国に広めてもらうのが狙いだ。
観光大使に任命された峰さんは「信州人はあまり自分のことを宣伝しない性格なので、もう少し前向きに力を入れて長野県を宣伝していきたい」と意気込みを語った。
ファンの集いは4月1日からスタートする会員制の長野県応援団「楽園信州ファンクラブ」のPRと会員募集を目的に、県観光部移住・交流課と信州・長野県観光協会が企画したもの。JR有楽町駅前広場で屋外イベント、同駅前にある東京交通会館で地元特産品を集めた出展ブースによる観光PRを行った。ステージイベントでは県観光大使として初仕事になる峰竜太さんと阿部知事のトークショーのほか、長野県観光PRキャラクター「アルクマ」の楽しいパフォーマンスや伊那市観光大使を務める3人組アイドルグループ「オトメ☆コーポレーション」などが信州の魅力をアピールした。
また、おたのしみ大抽選会では、信州の宿泊券やそば、ワイン、お酒などが総勢200人にプレゼントされ、会場内は大いに盛り上がった。

観光庁が主催する観光立国推進ラウンドテーブルが1月29日に開かれ、「観光産業の今後について」をテーマに、宿泊業や旅行業のトップ、まちづくり従事者や大学教授など幅広い分野の有識者がテーブルを囲んだ。(1)個々の事業者の収益力アップ(2)国際競争力の強化(3)人材育成――の3点に的を絞り議論。なかでも評価制度の導入について多くの意見があがった。宿泊施設業界の一部からは懸念の声も聞こえるが、今後、観光庁を中心に評価制度の導入へ向け動き出しそうだ。議論の一部を紹介する。
【伊集院 悟】
◇

モデレーターを務めた首都大学東京都市環境学研究科観光科学域特任准教授の矢ケ崎紀子氏は議論のポイントを(1)個々の事業者の収益力アップ(2)国際競争力の強化(3)人材育成――の3点に絞り、進行した。
「個々の事業者の収益力アップ」では、北海道観光振興機構の副会長も務める鶴雅グループ代表取締役社長の大西雅之氏が、「利益を生み報酬を社員に払える企業水準にしなくてはいけない」と問題提起。ネットで周りの宿の価格を見て値段を下げあっている宿泊業界の「進み過ぎた低価格競争」について指摘した。また、地域が疲弊し、新しい観光地を目指す財源がない現状を報告。「街に余力がなくなっており、財源を見直す必要がある」と語り、阿寒湖で入湯税を上げて、それを地域で環境整備などに使うシステムを検討していることを紹介した。
ホテル事業を手掛ける森観光トラスト代表取締役社長の伊達美和子氏は税制の問題も指摘し、「宿泊業は装置産業なので当然投資が必要だが、その体力がない。税制の補助制度なども必要ではないか」と語った。
観光産業政策検討会で座長を務める一橋大学大学院商学研究科教授の山内弘隆氏は日本航空(JAL)の好業績を例に、製造業の仕組みを観光業に取り込む重要性を提起。「日本の製造業の管理体制は世界でも大変優れている。生産効率や管理システムなどをいかに観光業に組み込めるかが次のステップだ」と語った。
4月に全旅連青年部第21代部長に就任する「ほほえみの宿 滝の湯」専務の山口敦史氏は旅館業法の問題点を指摘し、「学校などの公共施設から100メートル以内に旅館があってはいけないと決められている。旅館業が公序良俗に反するという考えはおかしすぎるのではないか」と語った。
日本旅行業協会会長でワールド航空サービス代表取締役社長の菊間潤吾氏は、世界の観光業界の中で日本が「ユニークカントリー」と揶揄されている現状を指摘。「取消料は60日前からが世界スタンダードだが、日本は30日前からのため海外の宿泊・観光施設をパッケージに組み込みにくく、海外に対し取消料を30日前からにしてくれないかとお願いしているのが現状だ。世界のスタンダードからズレすぎている」と語った。また、インバウンドにおいては、登録制度の必要性を訴え、「法規制がないため、訪日事業は誰がやってもいい状況になっている。外国人が来日するのに、日本にいる親戚が代理店を通さずにすべて手配するようなことがOKとされる状態。ランドオペレーターの認証制度を作り、正規のバス会社やガイドを使って高品質の旅行を提供する必要がある」と語った。
また、事業者の収益力アップの議論のなかでは、評価制度導入について多くの意見が出た。評価制度導入へ口火を切ったのは、群馬県みなかみ町でキャニオニングツアーなどを手掛けるキャニオンズ代表のハリス・マイケル・ジョン氏。「顧客の満足度を上げるため、評価制度があった方がよい。ベンチマークで質が上がる」と語った。
大西氏も「日本人は格付けされたものを好む割に、自分が格付けされるのを嫌う傾向がある。皆が同じ基準で5つ星を目指すのではなく、多くの座標軸のなかで評価されることで、よりその宿の特徴や強みが浮き彫りになってくるのでは」と評価制度導入の利点を強調した。
観光庁長官の井手憲文氏も「外からの評価は大切。評価されることから逃げずに、自信を持った経営をすることが重要ではないか」と肯定意見。
山内氏は東京都内のタクシー業界でランク分け評価制度が導入されたことを例にあげ、「ランクが低かった事業者も上を目指し、よりサービスに力を入れるようになった」と紹介した。
評価軸について早稲田大学商学学術院教授の恩藏直人氏も、朝日新聞の企業イメージ調査で、「一流」の項目では「TOYOTA」などが上位となったが、「身近」の項目では「キューピー」がトップとなったことを紹介し、「ある評価軸では低くても、別の評価軸では高いなど、評価の軸はたくさんあれば差別化や強みにつながる。評価軸の立て方も重要」と語った。
伊達氏は評価制度のあり方について「すでにネット上で、社会が口コミで評価をしているので、いまさら評価されることに躊躇することはないのではないか。ただ、ミシュランなどのマーケット評価に顧客が付いてくる現状もあるので、評価制度を導入する際には、公的(社会)評価とマーケット評価のすみ分けが必要」と指摘した。
国際競争力強化の議論では「マーケティング」や「チーム力」などのキーワードがあがり、ユナイテッドツアーズ代表取締役社長の越智良典氏は韓国と比較し、「観光庁以外にも外務省や文部科学省の海外交流事業、経済産業省のCOOL JAPAN事業、在外公館の事業などそれぞれがさまざまな動きをしている。オールジャパンという標語はいいが、実際にうまく機能していない」と指摘した。
地域活性・観光振興のコンサルティングに多数関わった日田市観光協会事務局長の佐藤真一氏は「成功事例が見えない」と指摘。観光庁が進める観光圏事業を批判し、「全国47カ所に予算を分散するのではなく、予算の選択と集中で、3、4カ所に一点集中し、成功モデル・成功理論を作ってほしい」と意見した。
人材育成の分野では、ドン・キホーテグループ全体のインバウンドと地域連携事業を手掛ける社長室ゼネラルマネージャーの中村好明氏が学校教育の重要性を語り「子供に旅の楽しさや旅文化を教え、将来観光業界に就きたいと思わせなくてはいけない。『外貨を稼ぐための観光業』をしっかりと認識し、高度な観光業を学ぶことも大切」と語った。
恩藏氏は、「大学に観光講座を設けるだけでなく、観光業界が大学・教育に目を向けて、単なるインターンシップではなく、もっと踏み込んだ中身のあるものを作る必要がある」と一歩進んだ産学連携の重要性を語った。
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