今後10年の戦略発表、KTR運行で街づくりを(ウィラー20周年)

村瀬茂高代表
村瀬茂高代表

 高速バス事業などを展開するウィラーグループ(村瀬茂高代表)は5月24日、創業20周年を迎えた。前日の23日には東京都内で、報道関係者らを集めて今後10年の成長戦略について説明した。村瀬代表は5月上旬に北近畿タンゴ鉄道(KTR、京都府)の運行委託会社になったことを報告したうえで、戦略の柱の1つ「街づくりと交通」は、KTR事業を通して展開するとした。

 村瀬代表はスキーバス事業者として創業し、高速ツアーバスの展開などで利用者を拡大してきた過去20年について、第1、2期の戦略で成長してきたと振り返った。それを踏まえ、今後の10年は「第3期成長戦略」を掲げ、「価値の創造で交通の未来を変えたい」と意気込んだ。戦略の柱は「グループの組織変革」「新しい個人旅行のスタイル創造」「街づくりと交通」の3つ。

 組織改革では各会社の自立をはかり、完全に分離させる。ウィラートラベルはグループの高速バス・ウィラーエクスプレスだけではなく、他社のバスも販売し、全国のバスをつなげていくなど、各社が各業界に新しい価値を提供するリーディングカンパニーを目指す。

 新しい個人旅行のスタイル創出は、旅行で高速バスを利用する割合を現在の8・1%から20―25%まで増加させるべく、高速バスを乗り継ぐ旅行の提案などを行う。また、これまで若年層向けにサービスを提供してきたが、今後はシニアにも注力する。

 最後の柱はKTR事業の展開で、街づくりと交通の新しいビジネスモデルに挑戦する。駅を街のシンボルとし、にぎわいのある街を創出。マイカーがなくても生活できる街づくりを目指していく。運行列車のウィラートレインは15年3月の運行開始予定。当面は、現行の年間利用人員200万人の維持をはかる。

キットカットが切符に、三陸鉄道全線再開を記念

切符になるキットカット
切符になるキットカット

 ネスレ日本はこのほど、世界初の切符機能つき製品「キットカット ミニ 切符カット」を発売した。同商品は三陸鉄道の全線再開と開業30周年を受けて企画されたもの。外箱パッケージを三陸鉄道全線で190円区間切符として使用できる。

 発売に先立って開かれた発表会では、望月正彦・三陸鉄道社長が沿線の現状について「まだ周辺に家もなく、運行再開後も厳しい」と説明。「三陸沿岸を訪れて地域の復興に力を貸してほしい」と呼びかけ、切符カットが訪問のきっかけとなることを期待した。

 ネスレ日本は1995年の阪神淡路大震災で神戸市の本社が被災。その経験から、東日本大震災で被災した三陸鉄道を地域復興の象徴として支援し、これまでも駅舎や車両のラッピングなどを手掛けてきた。

 切符カットは希望小売価格108円(税込)。東北各地のコンビニエンスストアのほか、全国の鉄道系コンビニエンスストアで発売している。切符としての利用期間は来年5月31日まで。

ピンクリボンのお宿、新年度会員募集

 乳がん経験者に優しい宿づくりを進める「ピンクリボンのお宿ネットワーク」(事務局・旅行新聞新社)は現在、7月1日から始まる新年度会員を募集している。

リボン宿ネットのマーク
リボン宿ネットのマーク

 ピンクリボンのお宿ネットワークは、乳がんの手術を受けて回復の道を歩みながらも、術後の痕を気にして旅をあきらめてしまうという方に、もう一度旅に出かけ、心ゆくまで旅館・ホテルの入浴を楽しんでもらおうと、2012年7月に設立した。

 現在、約100の宿泊施設が加盟し、「タオルを多めに用意する」「入浴着の貸し出しを行う」「ピンクリボンデーを設ける」など、各宿が今できるところから取り組みを行っている。また、観光協会や女将会などの団体、企業等も会員募集し、ともに活動を推進する。

 7月29日には、浜松町東京會舘(東京都港区)で第3回総会を開き、総会後は講演会や交流会も予定する。また、10月には加盟施設情報をまとめた「ピンクリボンのお宿」冊子を発行予定で、全国約800カ所以上の病院などで無料配布を行う。

 問い合わせ=ピンクリボンのお宿ネットワーク事務局(旅行新聞新社) 電話:03(3834)2718。

まるごと旅情報 『2014伊豆エリア特集』 公開

まるごと旅情報 『2014伊豆エリア特集』 を公開いたしました。

第1545号掲載(2014年6月1日発行)
『2014伊豆エリア特集』の紙面がご覧いただけます。

詳細はコチラから!(弊社の『2014伊豆エリア特集』ページへリンクしています)

 
☆まるごと旅情報とは☆
弊社の「旬刊旅行新聞」にて掲載した全国の観光情報に関する特集記事をご紹介しています。
過去1年間分の紙面の一部をご覧いただける旅の情報ページです。

【プレゼント】旅行新聞×地球の歩き方「朝ごはんのおいしい宿」アンケートキャンペーン

プレゼント企画『旅行新聞×地球の歩き方「朝ごはんのおいしい宿」アンケートキャンペーン』を開始

旅行新聞×地球の歩き方「朝ごはんのおいしい宿」アンケートキャンペーンを6月末日まで実施中!
朝ごはんがおすすめの宿を推薦してギフトカード3万円分やガイドブックが当たります。

詳細はコチラから!(地球の歩き方facebook『キャンペーン』ページへリンクしています)

 
☆「朝ごはんのおいしい宿」とは☆
 旅行形態の変化に伴い、朝ごはんも宿泊客を呼び込む重要な要素になることを受け、本紙やインターネット上でアンケートを実施。本紙でいくつかの宿泊施設の自慢の朝ごはんもご紹介します。

まるごと旅情報 『沖縄特集』 公開

まるごと旅情報 『沖縄特集』 を公開いたしました。

第1544号掲載(2014年5月11・21日合併号発行)
『沖縄特集』の紙面をご覧いただけます。

詳細はコチラから!(弊社の『沖縄特集』ページへリンクしています)

 
☆まるごと旅情報とは☆
弊社の「旬刊旅行新聞」にて掲載した全国の観光情報に関する特集記事をご紹介しています。
過去1年間分の紙面の一部をご覧いただける旅の情報ページです。

【6/21・22】ご当地グルメの祭典、宮城で地元料理の祭典開催(おおさき食楽まつり)

 宮城県大崎市は6月21・22日の2日間、ご当地グルメの祭典「おおさき食楽まつり2014」を開きます。大崎をはじめ各地域を代表する料理人が集結し、仙台和牛や地元野菜をその場で調理するほか、郷土料理や特産品、限定の絶品スイーツなどを販売します。

 料理は200円からで、鳴子オリジナル地ビール「鳴子の風」や地酒、三本木「青愛」の自家米で作るおこわや野菜なども販売。岩手の北上コロッケや山形の芋煮なども出展します。ぜひこの機会に足を運んでみては。

 このほか、蕎麦打ちや笹まき作り、バターづくりなどの食の体験企画。チェンソーアートやバルーンアートの見て楽しめる企画など盛りだくさんです。

◆日時 6月21・22日 午前10時30分-午後3時 ※荒天時は中止。
◆会場 鳴子峡レストハウス特設会場(駐車場無料)
◆問い合わせ 食楽まつり実行委員会事務局 電話=0229(83)2266
◆HP:http://oosakirakuyuukai.web.fc2.com

TBS系列局放送「水トク! 特大がっちりマンデー」でご紹介されます

TBS系列局放送「水トク! 特大がっちりマンデー」でご紹介されます。

本日6月11日(水)、TBS系列局 午後7時56分放送
『水トク! 特大がっちりマンデー』で旅行新聞が紹介される予定です。

6月11日放送では「2014年上半期の業界新聞」を特集。
このなかで、「第34回プロが選ぶ観光・食事施設100選」「第34回プロが選ぶ土産物施設100選」の両部門1位で、今、流行の道の駅や高速道路のサービスエリアの手本となったと言われている
「浅間酒造観光センター」さんの情報などが紹介されます。

番組詳細はコチラから!(『水トク! 特大がっちりマンデー』ページへリンクしています)

No.373 レベニューマネジメント - 売上5%アップの可能性

レベニューマネジメント
売上5%アップの可能性

 適切な商品を適切な顧客に適切な価格で――。航空業界などで取り入れられている販売管理手法であるレベニューマネジメント。定常化することで売上が5%以上増収する可能性を秘めており、日々逃している収益を確保しながら、そこで得られるデータを活用して今後の施策にもつなげられるのがメリットだという。言葉の意味から考え方、活用の可能性について、三菱総合研究所の主席研究員で先進ソリューションセンター、RMソリューショングループリーダーの林義幸氏に聞いた。

【飯塚 小牧】

 
 
 
日々の売り損ない防ぐ、データは今後の施策に活用

三菱総合研究所 主席研究員 林 義幸 氏
三菱総合研究所 主席研究員
林 義幸 氏

 ――「レベニューマネジメント(RM)」とは何か、基本的なことから教えて下さい。

 RMとは、需要に応じた在庫配分と価格調整により、適切な商品を適切なタイミングで、適切な顧客に適切な販売チャネルを通して適切な価格で販売し、企業の収益と顧客の購入機会を最大化する管理手法です。

 分かりやすく解説すると、列車の座席やホテルの部屋など、施設や設備、場所のキャパシティが固定化された商品(サービス)を販売している場合、乗車日や宿泊日が過ぎると商品価値がなくなるほか、需要に応じて簡単に商品を増減することができません。そこで、稼働率を上げようと考えると、席や部屋などを「埋める」ことに気持ちが向くため、安い料金にしてでも、できるだけ空きができないように販売しようと努力されると思います。それ自体は間違ってはいないと思いますが、現実、需要には波があります。需要の波はシーズンや特定の経済状況などが絡みますが、突発的なものと予測ができるものがあります。この予測できる需要の変動を上手く活用し、できるだけ安売りを避ける方法はないかというのがRMの一つの考え方です。

 例えば、美容院は座席数が決まっていますが、…

※ 詳細は本紙1547号または6月17日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

日本がつながる ― 観光PRは世界を視野に

 舞鶴若狭自動車道の小浜IC―敦賀JCT間の約39キロが7月20日に開通する予定だ。これにより同自動車道は、吉川JCT(兵庫県三木市)から敦賀JCT(福井県敦賀市)まで約162キロが全線開通する。NEXCO中日本によると「中国自動車道、名神高速道路、北陸自動車道と一体となって、近畿・北陸・東海地方の広域ネットワークを形成するとともに、若狭地域の観光促進、産業振興にも大きな役割を果たす」としている。来年3月には北陸新幹線が開業し、東京―金沢間が最短で約2時間半で結ばれる。首都圏から「心理的に遠い」と感じられていた北陸エリアだが、多方面で鉄道や高速道路が結ばれることで、今後さまざまな広域観光ルートの設定が可能になる。

 日本国内は急速につながりつつある。今年3月には、東九州自動車道が宮崎県内で全線開通した。伊勢自動車道から接続する紀勢自動車道の勢和多気JCT―尾鷲北ICも全線開通した。北では、15年度末までに北海道新幹線(新青森―新函館間)の開業も予定され、“ミッシングリンク”と呼ばれていた地域を含め、日本全国が一本に結ばれようとしている。

 石川県の能登半島の先端にある珠洲市と新潟県の佐渡島は世界農業遺産の認定地域同士で、5月から7月まで高速船のチャーター便を就航させている。北陸新幹線開通を睨み、周遊型観光へつなげていきたい考えだ。

 陸路だけでなく、空はLCCによる新規路線が増え、海路は船による新たなネットワークが結ばれつつあるのは、「廃線」「撤退」などのニュースとは違い、観光産業においては、うれしい動きである。

 舞鶴若狭自動車道がまもなく開通することを受け、福井県では、旧北陸本線(敦賀―今庄間)隧道はかつてSLも走った11基のトンネル群が産業道路として存在しているが、これを観光利用しようと、「ガイドとめぐる近代化遺産バスツアー」なども企画している。これまであまりスポットの当たらなかった観光資源を活用したツアー造成の試みは歓迎したい。同エリアには、北前船の寄港地としての歴史があり、その後、鉄道が開通したことで北前船が廃れ、今はその旧北陸本線隧道が遺産となっているのが面白い。福井県観光振興課の吉川英児主査も「歴史的なストーリーを前面に出していきたい」と話す。

 高速道路や新幹線がつながることで、地域に産業振興や観光客増大の期待が集まる一方で、大都市や人気観光地間の単なる通過地点になってしまう恐れもある。ストロー現象として、より大きな都市に地元の若者が吸い上げられる危惧もある。

 だが、世界に目を向ければ観光客が爆発的に増え続けている。道路や新幹線がつながれば、東京や大阪を訪れた外国人旅行者が足を伸ばす可能性も高まってくる。もはや観光PRは日本国内だけを見るのではなく、世界を視野に行う時代へと変化している。2027年の開業を目指すリニア中央新幹線東京―名古屋間では、長野県飯田市や岐阜県中津川市周辺などに駅の設置が予定されており、予定地周辺では早くもリニア開通後の地域活性化や観光振興に大きな夢を馳せている。

 時代が移り変れば、交通網も変化する。時代の動きと呼応しながら、過去、現在、未来を見据えた地域づくりが大切である。

(編集長・増田 剛)