JKK 「学び宿で生かして」 京都で定例会議開く

2022年7月23日(土) 配信

会議のようす

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会女性経営者の会(JKK、小林佳子会長・御宿はなわらび)は7月5日、エースホテル京都(京都市)を会場に、2021・22年度定例会議を開いた。

 小林会長は「会長となり2年目を迎えたが、今回、初めて定例会議をリアルで開催できた」と語った。そのうえで「コロナ禍で、なかなか前に進めない、もどかしい日々が続いているが、せっかくのリアル開催を無駄にせず、見聞きするもの、触れるものすべてを身につけ、今回学んだことを、それぞれの宿で生かしてほしい」と呼び掛けた。

 今回は全国から約40人の女将らが参加。定例会議の前には、全旅連青年部政策委員会の亀岡勇紀副委員長が、宿泊・観光業における補助事業の活用法や取り組み方などをレクチャーした。

 また、淡路島などで“食”を軸にした地方創生事業に取り組む飲食店の企画・経営会社「バルニバービ」の佐藤裕久会長が「これからの宿泊業・観光業界が生き延びていくヒント」と題して講演を行った。

 佐藤会長は、淡路島で展開するレストランやホテルなどを備えたエリア開発事業などを紹介しながら「当初は、周囲から失敗すると言われたが、自分が客なら、ここにレストランがあれば来るだろうかと考えたとき、絶対に来ると確信したので始めた。根拠のない単なる妄想のように思われるかもしれないが、“絶対”と思えるポイントがあることが重要。今後は観光業にもかなりの資本が流れ込んできて、さらに激しい競争が起こる。そうなると“まあまあ良い”程度では決して生き残れない」と述べた。

 定例会議では、各委員会が今年度のこれまでの活動を報告した。次回定例会議は10月12―13日に開催予定。

海外旅行の需要増加、意識調査で復活の兆し見せる(エクスペディアグループ)

2022年7月22日(金)配信

意識調査の結果を話すエクスペディアグループリテール日本統括ディレクターの木村奈津子氏

 エクスペディアやホテルズドットコムなどのOTA(オンライン旅行会社)を運営するエクスペディアグループはこのほど、東京都内で最新旅行トレンド発表会を開いた。エクスペディアグループリテール日本統括ディレクターの木村奈津子氏が、2022年7~9月の海外旅行に関する意識調査の結果を発表し、長い間行けなかった海外旅行の需要が増えている実態を明らかにした。

 同調査は6月1~8日まで、最低3年に1回は観光目的の海外旅行か国内旅行をする18~45歳の男女計1000人を対象に、インターネットで実施。今年7~9月の海外旅行について、約半数となる49%が「興味がある」と回答した。さらに、海外旅行の計画について25%が「今後3カ月以内に海外旅行を検討中」と回答し、海外旅行の需要も復活の兆しを見せている。

 20、21年と比較して、今年7~9月はどの程度旅行をするのかについては、21%が「より多くの旅行をするつもりである」と回答。旅行制限が徐々に解除されるなか、人々が旅行に向けて動き始めていると伺える。加えて、より多くの旅行をする理由については、52%の「旅行できないことに飽き飽きしているため」が最も多かった。

 一方、今年7~9月の海外旅行を計画していないと回答した人は64%に上った。行くことをためらう理由については、「新型コロナウイルスの感染リスク」「現地の感染状況や必要要件などの情報不足」「費用の高騰」などが上がった。

海外旅行のトレンド、検索データから見る

 海外旅行の全体的な検索件数については、昨年7~9月旅行期に比べて約3倍に増加していると説明した。渡航先としては、1位がハワイ・オアフ島、2位がバンコク、3位がパリ。コロナ禍でも、ハワイ・オアフ島が揺るぎない根強い人気を保ちつつ、旅行制限が緩和された欧米がランクインする結果になった。

 また、エクスペディア利用者の検索実績を見ると、コロナ禍で「施設やサービスの充実度」「無料キャンセルの可否」が宿泊施設の選定基準として新たに加わり、宿泊体験により充実度を求めるようになったと述べた。

パネルディスカッションのようす

 発表会の後半、ハワイ州観光局日本支局マーケティングマネージャーの高橋あやか氏、女優・歌手のすみれさん、ハワイ在住メディアコーディネーターのマキ・コニクソンさんを招き、パネルディスカッションを行った。これまでの自身の旅行の経験から見た、コロナ禍の「新しい形の海外旅行」についての考え方や、久しぶりの海外旅行で行きたい場所などについて話した。

女優・歌手のすみれさんは「まずハワイの家族に子供を合わせたい」と話した

南三陸ホテル観洋 、50周年で3つの企画

2022年7月22日(金)配信

観洋外観

 南三陸ホテル観洋(宮城県・南三陸温泉)は7月10日(日)に開業50周年を迎えたのを記念して、3つの企画を実施している。

 ウェディングフォトプレゼント(抽選で5人)は、館内や志津川湾観光船など南三陸の美しい風景の中で、思い出になるウェディングフォトを撮影。衣装はレンタルする。応募受付は8月31日(水)までに同館へ。当選者には9月末に同館から直接連絡があり撮影日など相談する。

 南三陸ホテル観洋SNSフォトコンテストは、南三陸町内で撮影した写真をツイッターまたはインスタグラムで同館公式アカウントをフォローの上、「#南三陸ホテル観洋50周年」を付けて投稿する。投稿期間は11月30日(水)まで。抽選で同館のペア宿泊券(1人)、南三陸キラキラ丼ペア食事券(3人)、同館の館内利用券5000円分(5人)が当たる。

 タイムカプセルプロジェクトは、8月10日(水)までの来館者に専用用紙を渡し、メッセージを書いてもらい同館が保管し、5年後の7月に開封する。

 その他詳細は、南三陸ホテル観洋開業50周年記念の特設サイトから。

アクアイグニス淡路島 国営公園に温浴施設 海一望のレストラン併設

2022年7月22日(金) 配信

水着で入る混浴温泉

 複合型天然温泉リゾート「アクアイグニス淡路島」が7月13日、兵庫県淡路市の国営明石海峡公園内の淡路地区海岸ゾーンに開業した。

 国営公園として初めて認定されたPark―PFI(民間資金を活用した整備・管理手法)事業だ。

 同施設は「食と健康」をテーマに、大阪湾を一望する海の眺望を生かし、温浴施設やレストランなど各施設を整備した。

 地下1千㍍から湧出する天然温泉「伊弉諾の湯 (いざなぎのゆ)」が楽しめる露天風呂や内湯のほか、水着で入る混浴温泉「伊弉冉の湯湯(いざなみのゆゆ)」などで構成する。

 地産地消をテーマにしたレストランは、東京・西麻布のイタリア料理店「アルポルト」の片岡護シェフがプロデュースする本格イタリア料理店や、淡路・岩屋の予約困難の寿司店「鮨 希凛」を経営する丹野昌也氏プロデュースによる寿司店などがそろう。

 このほか、電動アシスト付きクロスバイク「E―BIKE」や本格的なロードバイク、子供用自転車などをそろえるレンタサイクルショップも開設した。

〈観光最前線〉「かまいたち」による音声ガイド

2022年7月22日(金) 配信

 島根県出雲市の出雲観光協会などは、吉本興業所属の人気お笑いコンビ「かまいたち」をナレーターに起用した有料の音声ガイドを来年3月末まで配信している。

 全国の観光スポットの音声ガイドを収録するアプリ「Pokke」内で展開する。音声ガイドを視聴するチケット(500円)を同協会ホームページや現地の観光案内所などで販売。アプリ内からの課金(610円)も可能だ。

 出雲大社や周辺の計30カ所で、絶妙な掛け合いによる音声ガイドが聞ける。歴史や物語をわかりやすく話し、出雲観光がより印象深いものになるという。音声ガイドは現地以外でも聞くことができる。

 購入特典として、同市内の土産品店や道の駅、宿泊施設など30店舗以上で利用できるデジタルクーポンが付く。

【土橋 孝秀】

山陰松島遊覧 バーガーなど販売 遊覧船のりばにカフェ

2022年7月22日(金) 配信

ホタルイカバーガー

 鳥取県・岩美町の浦富海岸(うらどめかいがん)で遊覧船運航などを行う山陰松島遊覧(川口博樹社長)は7月16日、遊覧船のりばエリア内にシーフードバーガーとビスクを販売する「港カフェ」をオープンした。

 同エリア内にある建物を一棟丸ごと、港の倉庫をモチーフに、カフェスペースに改装した。テラススペースも備えた。

 メニューは同社若手スタッフが、地元のフードコーディネーター西本敦子氏と連携しながら考案した。バーガーには漁業が盛んな地元ならではの魚介を使用する。フライにしたホタルイカをイカ墨のバンズで挟んだ「ホタルイカバーガー」(税込600円)などを提供する。

 甲殻類を使用したフランスのスープ「ビスク」は、エビ殻を再生利用したものやイカ墨カレーを生かした商品などを売り出す。

 営業時間は午前10時から午後3時30分。

武内涼氏が安来市取材 「尼子経久伝」の著者

2022年7月22日(金) 配信

武内涼氏(前列右から2人目)を歓迎した

 島根県安来市の月山富田城(がっさんとだじょう)を拠点に山陰・山陽を支配した戦国大名、尼子経久(あまご・つねひさ)の生涯を描く歴史小説「謀聖 尼子経久伝」(講談社)の著者、武内涼氏が6月下旬、取材のため同市を訪れた。

 武内氏は2011年、日本ホラー小説大賞最終候補作となった原稿を改稿した「忍びの森」で作家デビュー。15年には「妖草師」シリーズで徳間文庫大賞を受賞するなど、時代小説の気鋭作家で知られる。

 尼子経久の作品は文庫書下ろしのシリーズもので、第1弾「青雲の章」を1月に、第2弾「風雲の章」を5月にそれぞれ発刊した。第3弾を9月に発刊し、12月の第4弾で完結する予定だ。

第1弾の「青雲の章」

 居城としていた月山富田城を追われながらも奪還し、山陰山陽11カ国太守となる勢力拡大の過程などを描く。計略に優れ「謀聖」と称される一方、「天性無欲正直の人」とも評される経久の謎に満ちた人物像も読みどころだ。

 今回の取材は同市の田中武夫市長への表敬訪問で始まり、市図書館、清水寺、洞光寺境内にある経久の墓、市歴史資料館を周った。資料館では横断幕で出迎えを受けるなど、各所で地元からのもてなしを受けた。

【土橋 孝秀】

星野リゾート 九州など4軒開業へ 都市苦戦で温泉地好調

2022年7月22日(金) 配信

「界-由布院」の棚田テラス
星野佳路代表

 星野リゾート(星野佳路代表)は6月27日、福岡県福岡市で九州プレス発表会を開き、今年8月以降に九州・山口で温泉旅館「界」など4施設の開業計画と、沖縄・山陰地区での展開を発表した。

 星野代表は国内施設の予約状況について「旅行需要は戻っているが、地域とホテルタイプで差がある」と話し、「東京などの都市や飛行機で行く沖縄、北海道などは完全回復していない」と説明した。

 ただ、「都市周辺の軽井沢、那須、箱根などの観光地は好調で、温泉地は単価も上がり、稼働も高い。全国の温泉地も同様だろう」と述べ、「海外旅行していた日本人が温泉地に戻り、訪日観光客を失った都市が苦戦している」と分析した。

 九州のインバウンド市場は、「極端にアジア依存で、欧米豪の比率を高めることが重要」と指摘した。

 4施設のうち、「界 由布院」(大分県由布市)は8月3日に、開業する。客室数は45室で、棚田を中心に四季の表情を感じる温泉宿に仕上げる。

 11月25日に開業するのは「界 雲仙」(長崎県雲仙市)で、客室数は51室。噴気や湯気に硫黄の香りが漂う雲仙温泉で、異国情緒あふれる温泉宿をイメージする。

 2023年春には、熊本県熊本市に都市ホテルブランド「OMO」が九州に初進出する。「OMO5熊本by星野リゾート」は熊本城を見上げるメインストリートにあるホテルで、客室数は160室。街歩きを楽しくする旅を発信する。

 山口県下関市の関門海峡に面した「あるかぽーと」には、25年秋にリゾートホテル「リゾナーレ下関」(仮称)を開業。客室は約190室を予定する。

 このほか、島根県出雲市には、11月16日、「界 出雲」を開業する。また、同日には同県松江市にある玉造温泉の「界 玉造」がリニューアルオープンする。

JTB、夏休み旅行は7000万人 遠方への旅行傾向強まる

2022年7月21日(木)配信

夏休み旅行動向推計数値(JTB資料より)

 JTB(山北栄二郎社長)はこのほど、「夏休み(7月15日~8月31日)に1泊以上の旅行に出かける人」の旅行動向見通しを発表した。夏休み期間中の国内旅行人数は7000万人で、前年比75.0%増と大幅に増加。近場旅行が減少する一方で、日数を増やし遠方に旅行する傾向が強まり、大都市圏への旅行が回復傾向になると予測する。

 今夏の旅行の傾向は、同行者が近しい家族中心から友人・知人などに拡大傾向がうかがえ、行先はテーマパークやレジャー施設などが増加する傾向がみられる。また、鉄道や航空機、バスなどの他人と同乗する公共交通機関の利用も増加するとみられ、旅行費用も前年と比べて増加の見通し。

 国内の旅行動向は、各種経済指標や交通機関各社の動き、宿泊施設の予約状況などを基に算出。国内旅行人数は7000万人(2019年比3.3%減)、国内旅行平均費用は3万5500円(前年比7.6%増、19年比2.7%減)、総額2兆4850億円と推計する。

 旅行日数は「1泊」が35.7%と最も多く、次いで「2泊」が33.1%、「3泊」が18.3%の順。「1泊」は同6.2ポイント減となった一方で、「2泊」「3泊」はそれぞれ増加し、旅行日数は長くなる結果となった。

 旅行先は、居住地と同じ地方である域内旅行の割合がすべての地域で減少した。一方で首都圏を含む関東居住者はとくに北海道、九州・沖縄を、近畿居住者も北海道、関東、九州・沖縄と、遠方を旅行先に選ぶ傾向が増えた。地方部からは関東、近畿のような大都市を含む地域への旅行も増加した。

 利用宿泊施設は、「ホテル(63.2%)」が最も多く、前年より20.1ポイント増加し、都市部への旅行の回復がうかがえる。次に「旅館(24.3%)」、「実家や親族の家(18.9%)」となったものの、いずれも減少。これまで感染対策を兼ねて、「キャンプ場・グランピング・キャンピングカー・車中泊など、アウトドアに関する宿泊(5.1%)」や「民泊・貸別荘(2.2%)」が増加していたが、今夏はいずれも減少となった。

 調査は22年6月22~24日の期間、全国の15~79歳までの男女1万人を対象に、インターネットで実施した。夏休みに旅行に「行く」または「たぶん行く」と回答した人の合計は36.1%。生年代別でみると、男女とも若い年代ほど旅行意向が高くなる傾向がみられた。

 旅行に行かない理由は「夏休み期間は混雑するから」が29.3%と最多で、「家でのんびりしたいので」(25.0%)と続いた。また、「新型コロナウイルス感染症がまだ収束していないから/拡大の懸念があるから」(24・8%)は、前年から39.7ポイント減と大きく減少した。

 なお、夏休み期間の海外旅行人数は50万人(前年455.6%増)を予測。海外パッケージツアーの一部再開に伴い関心は高いものの、水際対策や入国者数制限に伴う出入国手続き、入国規制が現在の大きな壁になっているとみている。

県民割は8月末まで、最繁忙期も含めて延長 観光目的入国希望者は1万4580人(観光庁長官会見)

2022年7月21日(木) 配信 

観光庁の和田浩一長官は7月20日(水)、会見を開いた。

 観光庁の和田浩一長官は7月20日(水)に開いた会見で、全国旅行支援を延期し、県民割支援の期間を8月末まで延長したことに触れ、「全国的に感染状況が落ち着けば県民割支援の終了を待たず、全国旅行支援を開始する場合がある」とした。また、6月の訪日外国人観光客数は252人。7月18日(月)時点での7月以降の入国希望者は約1万4580人だったと報告。今後の新規入国希望者数については、毎週公表する考えだ。

 政府は7月14日(木)、全国的な新型コロナの感染拡大などの影響を受けて、全国旅行支援の開始を見送った。和田長官は、「全国旅行支援やGo Toトラベル事業の再開など、今後の観光需要喚起策は、感染状況や観光需要の動向などに注視し、臨機応変に対応していく。政府の考えとして、新規感染者数や病床使用率、療養者数、死亡者数など感染状況を見極め、専門家会議の評価を踏まえて総合的に判断する」とした。

 旅行の考え方として、「今年3月にまん延防止等重点措置が終了して以降、国としては移動や旅行の自粛を求めてはいない。観光庁としては専門家会議の判断を踏まえ、『全国一律の旅行支援』は見送ったが、県民割支援はお盆の期間など最繁忙期を含めて実施期間を延長するなど、地域の状況に応じた観光支援をしていくこととしている」と説明した。

 また、旅行自体が感染拡大に直結しているという認識は持っていないとして、「旅行者の皆様には『新しい旅のエチケット』を参考にした基本的な感染対策の徹底をお願いする。そのうえで、8月末まで延長した県民割などを利用してもらいながら、旅行にお出掛けいただきたい。観光・交通事業者の皆様にも業種別ガイドラインを遵守してもらいたい」と呼び掛けた。

 

訪日再開への第一歩 段階的緩和待たれる

 6月10日(金)から添乗員付きパッケージツアーによる訪日観光客の受け入れが始まったことを受け、和田長官は、「インバウンド再開の第一歩と認識している」とした。なお、6月の入国者数は252人。入国予定者の事前登録に使われる入国者健康確認システム(ERFS)の事前申請受付済証が発行された数から計算したところ、7月以降の新規入国希望者数は、7月18日(月)時点で約1万4580人だった。入国希望者のおもな国籍は、韓国、タイ、米国、インドネシア、フランスなど。

 インバウンドやアウトバウンドの本格的な回復が待たれるなか、入国者数の上限や72時間前の陰性証明、ビザの免除措置などが大きな課題になるという声が業界団体から上げられている。

 和田長官は、日本旅行業協会(JATA)の幹部が観光庁を訪ね、水際対策緩和の要望があったと報告。「政府としては、感染拡大防止と社会経済活動のバランスを取りながら水際対策の段階的案緩和を進めているところ。今後は、内外のニーズや検疫体制を鑑みて、感染状況、主要国の水際対策状況を踏まえ政府全体で適切に判断する」考えを示した。