時刻表復刻版「1972年3月号」を発売(JTBパブリッシング)

2023年8月28日(月) 配信

「時刻表復刻版1972年3月号」表紙

 JTBパブリッシング(盛崎宏行社長、東京都江東区)は8月28日(月)、「時刻表復刻版」の第10弾として、「時刻表復刻版1972年3月号」を売り出した。

 月刊誌「JTB時刻表」の前身である、国鉄監修「交通公社の時刻表」の1972(昭和47)年3月号を、広告を除き当時のまま掲載。新幹線「ひかり号」の岡山への直通運転を柱に、在来線主要幹線の特急列車と、地区単位の快速列車網の増強に主眼がおかれた全国的な白紙ダイヤ改正号となっている。

 さらに国鉄の旅行キャンペーンが盛り上がりを見せるなか、鉄道旅行を楽しみたいという読者の期待に応えるべく誌面が改良され、別冊付録として特急列車時刻表付き。

 表紙にはカバーを付け、資料としても保存しやすい仕様とした。カバーをとった表紙には、当時のままのデザインを再現。注目するべき誌面のポイントを、元「JTB時刻表」編集長で、現在は鉄道ライターなどとしても活躍する木村嘉男氏が解説している。

 B5判、定価2310円(税込)。全国の書店やネット書店で購入できる。

飛騨のSATOYAMA EXPERIENCEが国内地方部で初取得 持続可能な観光の国際基準

2023年8月28日(月) 配信

飛騨里山サイクリングなど展開

 美ら地球(山田拓社長、岐阜県飛騨市)が運営するツアーサービス「SATOYAMA EXPERIENCE」は8月18日(金)、欧米の国際認証が認定する持続可能な観光に関する国際基準「トラベルライフパートナーステージ」を受賞した。同レベルの取得は日本国内で4社目、国内の地方部では初めての取得。「SATOYAMA EXPERIENCE」は飛騨市で「暮らしを旅する」をテーマに、飛騨里山サイクリングや分散型ホテルの営業などを行っている。

 欧州委員会の支援で設立された国際認証団体「トラベルライフ」はオランダに本部を置き、ツアー事業者や旅行会社を対象に審査を行っている。ABTA(英国旅行業協会)やPATA(太平洋アジア旅行業協会)など35カ国以上の旅行業協会が推進する。

 トラベルライフの基準は、環境と生物多様性、人権、労働関係などISO26000の企業の社会的責任に関するテーマを包括しており、国連が認識する「グルーバル・サステイナブル観光基準」に準拠していると正式に認定されている。

  「SATOYAMA EXPERIENCE」はトラベルライフ社が定める事業所の運営管理や旅行商品、国際的なビジネスパートナー、顧客情報などに関する100以上の基準をクリアしている。

 トラベルライフツアーオペレーター部門の代表のナウト・クスターズ氏は、「ツアーオペレーター部門におけるサステナビリティが勢いを増していることを嬉しく思っている。フロントランナーであるSATOYAMA EXPERIENCEの受賞は、日本の他の企業にも同じ道を歩む勇気を与えるでしょう」と評価した。

スパ・ガーデンオアシス(兵庫県川西市)事業停止 負債は推定10億円(帝国データバンク調べ)

2023年8月28日(月) 配信

 スパ・ガーデンオアシス(松下泰代社長、兵庫県川西市)は8月8日(火)付で事業を停止し、債務整理を弁護士に一任した。帝国データバンクによると、「負債は推定10億円」としている。

 同社は2017(平成29)年10月に設立されたスーパー銭湯の運営業者。19年8月から川西市の商業施設内で「美健SPA湯櫻」を運営し、季節ごとに全国各地の名湯・秘湯の湯質を再現する「美健の湯」や、高濃度炭酸泉など多彩な風呂と岩盤浴のほか、フィットネスジムや飲食店なども併設。1000坪を超える地域最大級のスーパー銭湯として、会員やリピーターの獲得を進めていた。

 しかし、20年以降は新型コロナの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発出により休業をするなど、厳しい運営を余儀なくされていた。賃料や設備維持費の負担も重く採算を確保できず、営業段階からの欠損計上が常態化していた。

 その後は、まん延防止等重点措置の解除や、22年6月から入浴料金の値上げを行ったことで一時的に持ち直した。22年9月期には年間売上高約3億5000万円を計上していたが、光熱費の高騰や人手不足などにより、業況は悪化していた。

 この間、金融機関に支援を要請するなど資金繰りの改善をはかっていたが奏功せず、今年6月26日以降は休館し、8月8日をもって閉店することを発表していた。

HIS、ハワイ・マウイ島への復興支援始める 物販事業の収益や500万円を寄付 

2023年8月28日(月) 配信

今後、独自にマウイ島への救援金を受け付ける

 山火事の被害を受けたハワイ・マウイ島西部の復興を支援しようと、エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は9月30日(土)まで、ハワイの魅力や文化を伝えるために店舗とオンラインショップでお土産や雑貨など販売する物販事業の収益の一部をハワイ州が推奨する「マウイストロング基金」へ送る。

 また、ハワイ州観光局の「ハワイ州マウイ島西部 山火事救援金」へ日本円で500万円を寄付した。今後はより多くの支援の輪を広げていくため、HIS独自にマウイ島への救援金を受け付ける。

 同社は「観光業に従事するものとして1日も早い復興を願っている」とした。

JR西がインバウンド専用ツアー 観光列車「etSETOra」乗車や町並み散策など

2023年8月28日(月) 配信

観光列車「etSETOra」

 西日本旅客鉄道(JR西日本、長谷川一明社長、大阪府大阪市)は8月25日(金)、広島県の呉線を走り瀬戸内海の絶景が楽しめる観光列車「etSETOra(エトセトラ)」の乗車や歴史的な町並み散策などを組み合わせたインバウンド専用ツアーの販売を始めた。

 9月14日(木)から12月28日(木)までの毎週木曜日に、計9本のツアーを設定した。10月19日、11月23、30日、12月7日は催行しない。

 ツアーは、午前7時30分にホテルグランヴィア広島(広島県広島市)で着物の着付けと髪型のセットから始まる。同9時32分広島駅発の「etSETOra」に乗車し、竹原駅(同県竹原市)下車。NIPPONIANホテル竹原製塩町で昼食後、たけはら町並み保存地区を自由散策する。帰路は「etSETOra」と新幹線で広島駅に戻る。

 料金は1人3万円(税込)。「etSETOra」車内では、日本最大の筆の生産地である同県熊野町で製造される「熊野筆」を使った水書き体験や日本酒の試飲体験を行う(催行日によりメニューが異なる)。

ソラシドエアがオンラインで産地直送を開始 第1弾は日南市のキャビア

2023年8月28日(月) 配信

日南発キャビア

 ソラシドエア(髙橋宏輔社長、宮崎県宮崎市)は9月1日(金)から、同社オンラインショップで九州・沖縄の商品を直接届ける「産地直送」を開始する。第1弾として、包括連携協定を結んでいる宮崎県日南市の「キャビア」を販売する。

 日南市の井上酒造は、蔵内に湧き出す名水「榎原湧水(よわらゆうすい)」を活用し、長い年月をかけてチョウザメを育て、その卵で国産キャビア「日南発キャビア」を製造している。また、うまみ成分を多く含み、クセのない淡泊な味わいで栄養価も豊富なチョウザメの白身は燻製に仕上げている。

 販売商品は「日南発キャビア(化粧箱付)」8500円(税込)と、「日南発キャビア(化粧箱付)とキャビアフィッシュの燻製」9300円(税込)。内容量はキャビアが20グラム、燻製が50グラム。

「津田令子のにっぽん風土記(100)」「安曇野暮らしツーリズム」を掲げて(前編)~長野県安曇野市編 ~

2023年8月27日(日) 配信

ご実家の近くから見る田園地帯と北アルプス
安曇野市商工観光スポーツ部観光課長 下里 強さん

 安曇野市で観光を担当されて通算5年目になるという下里強さん。「一昨年、太田寛市長が就任されてからアウトドアスポーツの聖地化や観光振興にも力を入れ、従来の北アルプス登山以外にもトレッキングやウォーターアクティビティなどのブラッシュアップなどを進めています」とおっしゃる。

 

 アドベンチャーツーリズムに対応した海外のガイドカリキュラムに準じ、地域通訳案内士制度を活用した英語登山ガイドや、まちあるきガイドの育成にも取り組んでいるという。

 

 確かにここ数年の安曇野は、これまで以上に積極的かつ貪欲に、しかもアクティブに観光と向き合っているように映る。

 

 2回にわたる下里課長へのインタビューからも観光への熱い思いが伝わってきた。前編では、主に安曇野の魅力やこの時期おすすめのスポット、心に響く風景を紹介いただいた。後編では、秋に行われるイベント情報やこれからの安曇野、さらに下里さんのライフワークや夢についても伺った。

 

 地元で役に立ちたいという思いが叶い、ふるさとで働けていることへの感謝を忘れていないという下里さん。「進学で県外に出たことで同じ田園風景でも安曇野の風景との違いに寂しさを感じ帰省する度に当たり前の風景にホッとし、ふるさとのありがたさを感じました」と振り返る。

 

 地元に戻り、人も、風景も、食も含め、この地で暮らす豊かさや誇りを改めて実感し、今その魅力を内外に発信されているのだ。

 

 安曇野の最大の魅力を「シンボリックな形をした常念岳を中心に雄大な北アルプスが聳え、その麓に屋敷林が点在するのどかな田園風景。そしてわさび田を育む清らかな水の流れ、訪れた人がどこか懐かしくてホッとするような心地よさを感じ時間を過ごせるところでしょうか」と語る。

 

 この時期のおすすめのポイントは「旧国鉄篠ノ井線廃線敷です。明治時代の面影が色濃く残る総煉瓦造りのトンネルがあり、時が止まったようなノスタルジックな空間が広がっています。夏は青々とした草木を、秋は紅葉を楽しみながらトレッキングが楽しめます」と語る。

 

 「長峰山から眺める北アルプスと、眼下に広がる田園風景は絶景です。とくに実家近くの北アルプスを背景に安曇野スイス村から大王わさび農場へ続く電柱が一本もない田園地帯は素晴らしく、住んで良かったと実感できる瞬間です」と話す、下里さんの安曇野愛に満ちた表情が印象に残る。(後編に続く)

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

「観光人文学への遡航(38)」 信念に従って言いたいことを言う

2023年8月26日(土) 配信

 ある日曜日の早朝、寝つきが悪くてたまたま目が覚めた。そのまままた眠ろうとしたけれど眠れなかったので、テレビをつけたら、短歌の番組をやっていた。この番組に、山本一成という人が登場していた。初めて名前を聞く人だったが、将棋のプログラミングを作って人間の名人に勝った人らしい。その後、自分のプログラミング能力を生かして、交通事故のない世界を実現したいとの思いから、車の自動運転技術の会社を立ち上げた。

 

 このバリバリ理系脳の人が、見事な短歌を作る。「短歌は初めて」だと言いながら。

 

 私が見た回で課せられたお題は「予約」。私たち観光関連産業に関わる人間ならば慣れ親しんだ言葉だ。予約という言葉を普段私たちはなにも意識せずに使っている。その脊髄反射的に使っている言葉である予約の意味をここまで深く考究したことは今までもなかった。それをこの山本氏は見事に料理した。

 

 自動運転ハンドル捌き穏やかに心ざわめく歯医者の予約      山本一成

 

 自動運転で歯医者に向かっている。自動運転のハンドルさばきはとてもスムーズなのに、予約時刻が迫り来るごとに歯を失う悲しみで、心が穏やかではいられない気持ちを表現した。人の運転は感情によって往々にして乱れるものだが、自動運転ならば常に安定して運転できる。これにより事故を減らせるのではないかという思いを込めたと背景を語っていた。

 

 それを踏まえて、選者であるプロの歌人が返歌をした。

 

 たましいをやすめて車を走らせる抜歯を終えて蛻の帰路に     岡野大嗣

 

 抜歯の前と後、その心情の大いなる変化をこの“返歌”は対比している。岡野氏は単に歯が抜けてあるものがなくなったその喪失感を表現したと同時に、私は、人間だって機械に頼らずとも自分で感情の制御もできるんだぞという決意にも感じた。走らせるという強い意志を感じることばを使うことにより、あくまでも自分にイニシアチブがあることを主張している。あたたかくほんわかと、争いとは真逆の雰囲気の中で番組は終わりを迎えたが、私はこの両名のそれぞれの仕事に対する誇りと確信を痛いほど感じることができた。2人に共通するのは、自分のイニシアチブで自分の信じた道を進むという点だ。これはほかでもなく自由の追求だ。

 

 言いたいことが言えないこんな世の中にいつからなってしまったのだろう。

 

 反町隆史がこのフレーズを唄に込めてからもう25年も経ったが、あのころはまだ人を許す大らかさがあった。そのころよりもずっと生き辛い世の中になってしまったが、それでも一人ひとりのちっぽけな市民が信念を主張できる世界でありたい。

 

島川 崇 氏

神奈川大学国際日本学部・教授 島川 崇 氏

1970年愛媛県松山市生まれ。国際基督教大学卒。日本航空株式会社、財団法人松下政経塾、ロンドンメトロポリタン大学院MBA(Tourism & Hospitality)修了。韓国観光公社ソウル本社日本部客員研究員、株式会社日本総合研究所、東北福祉大学総合マネジメント学部、東洋大学国際観光学部国際観光学科長・教授を経て、神奈川大学国際日本学部教授。教員の傍ら、PHP総合研究所リサーチフェロー、藤沢市観光アドバイザー等を歴任。東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程満期退学。

阿寒湖にワークショップ可能な1棟貸しの温泉付ホテル 鶴雅グループ、7月末に「阿寒terrace」開業

2023年8月25日(火) 配信

ダイニングテーブルやモニターを完備した「コミュニティラウンジ」

 鶴雅グループは7月31日(月)、北海道阿寒湖温泉にグループ初となる1棟貸しのホテル「阿寒terrace」を開業した。

 ツインルーム15室を備えた、最大30人程が宿泊できる2階建てのコミュニティーホテルだ。広々としたラウンジやモニター付きのミーティングルームをはじめ、鉄板グリル台のあるキッチンも完備。友人同士のグループや企業研修、セミナーなどでの利用を見込む。

 広さ約20平方メートルのツインルームは、木のぬくもりが心地いいナチュラルな空間。十分な収納と広い机があり、長期滞在やワーケーションに最適だ。コミュニティラウンジは、大きなダイニングテーブルやモニターを完備し、研修やセミナー、勉強会などのオフサイトミーティングが行える。北海道や阿寒にまつわる書籍やボードゲームを備えたライブラリラウンジでは、ティータイムや読書など、団らんのひと時を過ごすことができる。

 食事は、グリル台のあるキッチンで持ち込んだ食材を調理できるほか、温泉街で地元料理を楽しむなど、滞在スタイルにあわせて自由に選ぶことができる。男女別の大浴場には、阿寒湖温泉の源泉が注がれている。

 貸切料はシーズン(オフ・オン・ハイの3期)や宿泊人数、滞在日数ごとに1泊あたりの単価を設定している。

「かわまち大賞」募集開始 河川とまちが融合した良好な水辺空間の形成(国交省)

2023年8月25日(金) 配信

国土交通省

 国土交通省は8月25日(金)から、2023年度「かわまち大賞」の募集を始めた。同省では、河川空間とまち空間が融合した良好な水辺空間の形成を目的とした「かわまちづくり」を推進している。

 これからの「かわまちづくり」の質的向上をはかり、民間事業者のより一層の参入を促すため、全国ですすめられている「かわまちづくり」の中から、地域を流れる川を生かして賑わいを作り出し、モデルとなるような先進的な取り組みを表彰する。

 かわまちづくり計画が登録されている264カ所のうち、計画に基づき、全部または一部が供用されている箇所において、取り組みにより地域のニーズに応じた利活用がはかられ、地域活性化に一定の成果を上げているところを対象とする。

 募集期間は9月29日(金)まで。12月ごろに表彰式を開く予定。