クラブツーリズム×deleteC、がん研究寄付をツアーで 第1弾は秩父とSL乗車

2023年9月4日(月) 配信

旅行代金の一部が、がん治療研究の寄付へ

 クラブツーリズム(酒井博社長)は、NPO法人deleteC(デリート・シー、小国士朗代表理事)と共同で、旅行代金の一部が、がん治療研究の寄付につながるツアーを企画する。第1弾として、酒の聖地・秩父番場通りで飲み食べ歩きができ、秩父鉄道のSLパレオエクスプレスに乗車する日帰りバスツアーを新たに企画し、9月2日(土)から販売を開始した。

 東京・新宿出発の観光バスで、由緒ある秩父神社を訪れ、番場通りでの地酒や名物を飲み食べ歩き、SLパレオエクスプレスに乗車するなど秩父の魅力を満喫できるプラン。10月末に番場通りで開催されるイベントに合わせて設定し、歩行者天国となったレトロな街並みの中で、アウトドアダイニングが楽しめる特別な体験を用意している。

 出発日は10月29日(日)。旅行代金は1万2500円(幼児・子供料金は1000円引き)。旅行代金の一部が、deleteCを通じてがん治療研究の寄付へとつながる。

JALふるさと納税返礼品のクーポン一新 参画自治体は10自治体に

2023年9月4日(月) 配信

9月1日にリニューアル

 日本航空(JAL)とジャルパック、JALUXはこのほど、航空券とホテルがセットになったJALふるさと納税オリジナル返礼品「JALダイナミックパッケージ旅行クーポン」を大幅にリニューアルした。予約期限と利用期限の延長や、参画自治体を10自治体に拡大するなど、より使いやすくした。

 今回のリニューアルで、寄附完了日から2~7日程度でJALダイナミックパッケージのクーポン獲得ページから獲得可能になった。また、利用ステップはこれまでの13ステップから5ステップに大幅に短縮し、通常の予約サイトから利用できるようにした。利用期限は寄付した翌年の12月30日までに大幅延長したほか、予約可能期限は出発前日の午後4:59分までと利便性を向上させた。

 寄附対象自治体は倶知安町(北海道)と兵庫県、奄美市(鹿児島県)、那覇市(沖縄県)、読谷村(同)、恩納村(同)、石垣市(同)、宮古島市(同)、竹富町(同)、久米島町(同)の10自治体。

 また、リニューアルを記念して、9月14日(木)までに合計1万円以上寄附した人のなかから抽選でJALダイナミックパッケージに使える利用券をプレゼントする。1万円を1口として応募を受け付ける。なお、事前に「JALふるさと納税」への登録、JALマイレージバンク会員認証が必要になる。

大賞に「BEPPU PROJECT」 JR九州の観光まちづくり表彰

2023年9月4日(月) 配信

大賞を受賞したNPO法人BEPPU PROJECT

 九州旅客鉄道(JR九州、古宮洋二社長、福岡県福岡市)は8月30日(水)、九州各地で魅力的なまちづくりに取り組む人物・団体を表彰する「九州観光まちづくりAWARD2023」の受賞者を発表した。

 大賞は大分県別府市のNPO法人BEPPU PROJECTが受賞した。同法人は2005年4月の発足以来、現代芸術の紹介や展覧会、イベントなどに取り組み、アートを生かした課題解決や価値創出を行っている。審査では「温泉地をアートで盛り上げ、収益を生み出す循環ができている」点などが高い評価を得た。

 部門賞は、「食」が花の香酒蔵(熊本県玉名市)、「ものづくり」が小倉縞縞(福岡県北九州市)、「にぎわいづくり」がNPO法人頴娃(えい)おこそ会(鹿児島県南九州市)、「宿(おもてなし)」が伝泊(同県奄美市)となった。

 特別賞は鹿児島県阿久根市で、古くから伝わる干物「ウルメイイワシの丸干し」を製造・販売し、加工工場やショップ・カフェ、ホステル(簡易宿泊施設)を併設した複合ビル「イワシビル」を2017年に開業した下園薩男商店が受賞した。

 同アワードは昨年実施した「西九州観光まちづくりAWARD」を発展させ、今年新たに創設した。

「提言!これからの日本観光」 頑張る本州最北の民鉄

2023年9月3日(日) 配信

 青森県の五所川原駅(五所川原市)から津軽中里駅(中泊町)間を結ぶ「津軽鉄道」は、本州最北の約20㌔の民鉄である。

 沿線人口の減少から乗客の伸びが期待できず、厳しい経営が続くが、冬期は降雪地帯の住民の大切な足としての役割も担っており、さまざまな経営努力を重ねて頑張っている。

 蒸気暖房が使えない旧型客車を逆手にとって、「暖炉列車」と銘打って車内のストーブ周辺に温かい乗客同士の対話の場を設け、話題となったり、冬期の厳しい気象条件を観光資源にする「地吹雪観光」の提案などユニークな営業施策が話題を呼んできた。

 冬の「ストーブ列車」をはじめ、夏の7、8月の「風鈴列車」、秋の9、10月の「鈴虫列車」など四季折々の風情を味わう列車の運行も話題を呼んでいる。見事な沿線の桜を眺めることができる「花見列車」も話題の1つとなっている。

 冬期のシビルミニマムとして廃線やバス転換などの効率化対策がとれない厳しい経営環境を逆手にとり、乗客誘致に活用して、冬期も含め四季折々の観光客で賑わう本州最北の民鉄として訪れる人も増加してきた。

 全路線約20㌔と短い鉄道であるため、めぼしい観光資源も少ないが、前記のようにその“逆境”を活用して、観光資源化する工夫を重ねるなど絶えず誘客努力を重ねて、本州最北の観光鉄道としても近年注目を集めていることは心強い。

 さまざまなアイデアを生かす適切な情報発信に加えて、「最北」という観光については“逆境”を逆手にとった誘客努力で観光鉄道としても着々とその実績を収めてきた。

 その1つをとってみても恐らく唯一の例であろうが、社長の署名捺印のある「特製乗車券」を観光客向けに発券し、きっぷマニアの人々の注目を集めた。

 「本州最北の津軽鉄道へようこそ 見どころ満載沿線観光をお楽しみください」のメッセージと共に、「社長」の署名捺印の入る特製乗車券もその話題作りの1つだ。沿線の写真も添えられたこのきっぷは、観光きっぷとして収集家の注目を集め、上り下りで地紋の色を変えるなどの工夫もされ、「きっぷばなれしたきっぷ」としてのきっぷ収集家の注目を集めている。

 降雪地帯では、冬期の重要な足を確保するため、乗客の少ない鉄道でも安易に廃線することはできない。

 いろいろ知恵を出し、またさまざまな演出を考える「津軽鉄道」は地方鉄道生き残りのために、“逆境”を逆手にとったさまざまなアイデア施策の活用で本格的な“観光鉄道”への脱皮に成功した好例といえよう。

 「観光資源の少ない鉄道」ということ自体を逆手にとり、「話題の多い鉄道」を演出した地方民鉄の努力に敬意を表したい。

 戦前ほとんどの私鉄が廃止した二等車(現グリーン車)を、敗戦時の最後まで守ったことが思い出される。

 

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏
 
 
 
 

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(223)」 木彫刻のまち井波の新たな試み(富山県南砺市)

2023年9月2日(土) 配信

北陸最大級の木造建築物といわれる瑞泉寺

 まち全体が「木彫刻の美術館」と呼ばれる富山県井波のまち。現存する北陸最大級の木造建築物といわれる瑞泉寺門前は、緩やかな勾配の参道に石畳が敷き詰められ、その両側に、工房や町家が軒を連ねている。どの家も、鳳凰や龍、七福神、動植物などの多彩なデザインの木彫看板や表札が掲げられ、いかにも木彫の町という風情である。

 木彫刻職人の工房はどれも通りに面していて、作業風景を見学できる。1枚の大きな分厚い板に墨で下絵を書き、200~300種類もあるといわれる彫刻刀を使い分けて、荒落し・荒削り・小彫り・仕上げ彫りといった段取りで作業が進む。大きな欄間や繊細な仏具などは、完成までに数カ月から数年かかると言われ、その間、職人たちは一心不乱に働き続ける。

 木彫のまち井波の発端は、1762(宝暦12)年の瑞泉寺大火が発端と言われる。大火後の瑞泉寺再建に、京都から派遣された東本願寺の御用彫刻師・前川三四郎に、井波の宮大工4人が師事した。井波の宮大工たちは、京の芸術性の高い匠の技を磨き、受け継ぎながら、華麗で繊細、かつ豪壮で大胆な井波彫刻を育てていった。
 瑞泉寺山門にある「雲水一疋龍」は、前川三四郎の作と言われる。また本堂に隣接して大正時代に建てられた太子堂は、各所に井波の職人たちの技の真髄がみられる。

 このような井波の宮大工や木彫の町の物語が2018(平成30)年、「宮大工の鑿一丁から生まれた木彫刻美術館・井波」として日本遺産に認定された。

 木彫刻の作品は、これを支える多様な技術が不可欠である。参道を北に下る本町通りには、鑿屋、刀屋、建具屋、木地屋、装飾屋などが並ぶ職人街があり、井波彫刻を支える職人たちである。現在、井波には約200軒の工房があると言われる。若い職人も各地から集まり、腕を磨き、日本各地の曳山や屋台、寺社仏閣や城郭の彫刻など日本の伝統文化を支えている。

 しかし、時代の嗜好の変化などで木彫刻の需要自体が減り、かつてと比べると職人の数は減っている。地域に空き家も増え、まち中の賑わいは薄れてきているのも事実である。

職人技が生きる古民家再生のBed and Craft

 そんななか、井波の街中ではここ数年、注目すべき動きがある。元建具屋や料亭、病院などの空き家(古民家)を活用して、木彫刻などの職人との縁を大切にする宿泊施設「Bed and Craft」である。職人がそれぞれの技をフィーチャーし、「一棟一職人」をキーワードとした職人やその作品と触れ合える宿である。各宿はオーナー制だが、職人が自らの技を駆使した拘りの宿は既に6軒を数える。どの作家の宿に泊まるかを選ぶことも楽しみの1つであり、そこで出会った作品は購入することもできる。

 井波と同じことはできないが、こうした地域再生の手法は、日本の各地に残る伝統工芸の町には大きな参考となろう。

(日本観光振興協会総合研究所顧問 丁野 朗)

専門家派遣事業「地域の核となる歴史的資源の活用」 10月6日(金)までエントリー受付(観光庁)

2023年9月1日(金) 配信 

観光庁はこのほど専門家派遣事業のエントリーを始めた

 観光庁はこのほど、「地域の核となる歴史的資源の活用」に向けた専門家派遣希望地域のエントリーを始める。このような歴史的資源について、宿泊・滞在型コンテンツとしての活用を検討または活用の意欲がある事業者などが対象となる。

 事業計画の作成を目指し、専門家によるWebミーティングや現地訪問による各種ヒアリング・コーチング支援、地域ワークショップ、先進地視察などで、地域ビジョンの実現や課題解決に向けた道筋の具体化を目指す。

 応募受付期間は10月6日(金)まで。

 このほど派遣される専門家は次の通り。

▽地域経済活性化支援機構 西村寬子氏
▽東京スター銀行 岸田豊彦氏
▽創造遺産機構 金野幸雄氏
▽バリューマネジメント 他力野淳氏
▽工学院大学 後藤治氏
▽國學院大學 下村彰男氏

楽天トラベルスーパーSALE開催 9月4(月)~20日(水)まで(楽天トラベル)

2023年9月1日(金) 配信

楽天トラベルスーパーSALEを開催

 楽天トラベルは9月4(月)~9月20日(水)まで、「楽天トラベルスーパーSALE」を行う。全国の宿泊施設で利用できる1万7000点以上のお得な宿泊プランや、多数のクーポンを提供する。

 特別割引クーポンは、国内宿泊に1時間限定で利用できる1万円オフクーポンや、テーマパーク提携ホテルで利用できるもの。年末年始の宿泊に利用できるものなど、日ごとに利用できるさまざまな種類のクーポンを多数配布する。対象サービスは国内宿泊・国内ツアー・海外ツアー・レンタカー・高速バスなど。

 さらに、家族やグループでの旅行がお得になる「秋の旅行応援! 家族・グループ3人以上のご旅行で最大3000㌽還元!」キャンペーンも同時開催。

 エントリー期間は9月1(金)~20日(水)まで。予約対象期間は9月4(月)~20日(水)。旅行対象期間は、9月4日(月)チェックインから、2024年2月20日(火)チェックアウト分まで。

クイズ大会で旅行者にマナー啓発 ツーリストシップらが京都錦市場で

2023年9月1日(金) 配信

過去のイベントのようす

 京都錦市場商店街振興組合(初田信行理事長、京都府京都市)とツーリストシップ(田中千恵子代表理事、京都府京都市)は9月2日(土)~5日(火)まで、京都錦市場内京都アーバンリサーチ店舗前で、旅先クイズ会を実施する。オーバーツーリズムのマナー啓発が狙い。

 旅先クイズ会は、旅先の歴史や文化、地域課題を○✕形式のクイズにしたもの。答えていくなかで、旅先に優しい旅「ツーリストシップ」に共感し、自分の旅行スタイルを見直してもらう。

 これまでツーリストシップが自治体や地域企業とコラボレーションし、京都のほか奈良や滋賀、広島、東京などで開催。奈良では鹿の餌やりの仕方などを伝えた。今回は、商店街での振る舞いを啓発する。

 また、同イベントは誰でも無料で参加できることから、観光客同士や住民との交流拠点にもなるという。さらに、観光客へマナー周知を行っていることを住民にアピールすることで、住民の観光への支持率向上も期待できる。

 ツーリストシップによると、コロナ後の需要回復でオーバーツーリズムやツーリズムファビオ(観光客嫌悪)が再発していることから、今後も全国のさまざまな地域で実施を予定しているという。

東武トップツアーズ、山形・西川町の公園 命名権をオークションで

2023年9月1日(金)配信

オークション期間は9月1日(金)19:00~10日(金)21:59

 東武トップツアーズ(百木田康二社長、東京都墨田区)は、山形県・西川町、メディアエクイティと連携し、日本で初めて実在する公園の命名権をNFT(非代替性トークン)化してオークション販売を開始する。

 西川町の関係人口の創出と地域活性化を目的とした前例が無い取り組みとして、東武トップツアーズが西川町に提案したことが始まり。同社はオークション参加者が西川町に興味を持ち、実際に足を運ぶきっかけになると期待でき、「命名権がNFTオークションで落札された公園」として新たな名所になると予測。落札収益は西川町の発展のために使われるため、西川町の賑わい創出の一助とも成り得るとした。

 命名できる公園は、西川町の道の駅に隣接し、イベントなども数多く行われる同町の代表的な公園の1つ。落札者が命名した公園名は実際に看板として設置し、訪問者の目に留まることになる。

 入札開始価格は1000円。オークション期間は9月1日(金)19:00~10日(金)21:59。公園住所は山形県西川町大字水沢2297。オークションはメディアエクイティが運営するNFTマーケット「HEXA(ヘキサ)」で行う。

全旅連、髙橋観光庁長官に要望書 「人手不足や低収益性の解決支援を」  知床エリアの回復支援も要望

2023年9月1日(金) 配信

(左から)亀岡勇紀専務理事、塚島英太青年部長、西海正博会長代行、髙橋一郎長官、井上善博会長、高橋美江JKK会長、桑島敏彦青年部副部長

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(井上善博会長)は8月31日(木)、観光庁の髙橋一郎長官を訪れ、要望書を提出した。宿泊業界はコロナ禍前から人手不足や低収益、低生産性などの課題を抱えるなか、業界だけでの解決が難しい課題への支援を求めた。

 要望書では、多くの宿泊観光事業者が人手不足に苦しんでいることから、宿泊観光産業の従事者や就職を考えている人に宿泊産業で働くことの矜持を与えるために、国から「観光が我が国にとって大事である」や「宿泊産業が我が国の基幹産業である」などのメッセージの発信を求めた。

 さらに、人手不足の状況下でも高付加価値なサービスを提供できる体制を構築するため、清掃・配膳ロボットの導入費用の支援も要望した。

 高付加価値化補助金の継続については、廃屋の撤去へのサポートを強く要望。廃屋の撤去による宿泊費の値上げは消費者から理解されづらいことから、国による廃屋を生まない仕組みづくりの構築を求めた。高付加価値化補助金は相次ぐ自然災害で被災した宿泊施設にとって大きな希望となることを踏まえ、継続的な実施も要請した。

 また、債務ではなく、自己資本としてみなされるほか、民間の金融機関からの融資を受けやすくなる政府系金融機関の日本政策金融公庫などで実施し、9月末に期限を迎える新型コロナ対策劣後ローンの延長を要望した。なお、同制度は8月30日(水)に、24年3月末までの延長が決まった。

 井上会長は「人手不足は大きな課題。宿泊業界も一丸となって力を入れるので、支援策を講じてほしい」と訴えた。

 髙橋長官は「宿泊観光産業は地域の経済波及効果が大きい。支援の継続や新たな施策の整備などを検討したい」と話した。

 また、今回は日本各地で需要が回復するなか、22年4月に発生した知床遊覧船沈没事故で北海道・斜里町の宿泊人数が回復していないことを受け、大雪山白金観光ホテル(北海道・美瑛町)の社長で、全旅連の西海正博会長代行と、北こぶし知床ホテル&リゾート(同・斜里町)専務で青年部の桑島敏彦副部長も出席。

 桑島副部長は宿泊人員がコロナ禍を含めた長期間、少ない状態であることから、「地域の人に希望を持たせる施策を国で講じてほしい」と求めた。

 髙橋長官は国土交通省で海事局長を務めた経験から「沈没事故後の観光客の回復が難しいことは理解している。支援を検討したい」と応えた。