南阿蘇鉄道でフェス 震災から全線復旧記念

2023年9月22日(金) 配信

イベントのチラシ

 九州運輸局と九州内の鉄軌道会社18社で構成する「鉄道の日」実行委員会は、熊本県南阿蘇を走る南阿蘇鉄道(熊本県・高森町)を舞台に「鉄橋トレインスケッチ大会とトロッコ列車ピクニック」を10月29日に開催する。

 参加費は無料で、10月2日必着で参加者を募集している。

 同鉄道は2016年4月の熊本地震で鉄橋などに大きな被害を受け、約7年間にわたり中松―高森間で部分運転を行い、今年7月15日に立野―高森間で全線復旧し運転を再開した。

 イベントでは、立野橋梁を走る列車が一望できる立野展望所を会場に、スケッチ大会を開催。立野駅発のトロッコ列車を貸切り、「カフェトレイン」も運行する。

 募集人員は40人で、10月2日までにメールまたはハガキで申し込む。宛先は九州運輸局鉄道部計画課「レイルフェスタ九州2023申込」。メールはqst-kyushutetudou@ki.mlit.go.jp

 

9月23日~10月9日に韓国で大百済典開催 歴史紹介する水上ショーやパレードなど実施 (百済文化祭財団)

2023年9月21日(木) 配信

大百済典のポスター

 韓国の百済文化祭財団(申光燮代表理事)は9月23日(土)~10月9日(月)に、錦江新官公園(韓国・公州市)と百済文化団地(韓国・扶余郡)で13年ぶり2度目となるイベント「大百済典」を開催する。

 百済は紀元前18年から660年にあった国。475~538年に現在の公州市である熊津に、538~660年に現扶余郡の泗沘にそれぞれ首都が置かれていた。また、日本をはじめ、現在の中国や東南アジア、インドへ技術や文化の発信を行っていた。当時奈良時代だった日本との交流については、日本書紀に記されているという。公州市と扶余郡にはさまざまな歴史遺跡が残されている。

 両会場では、百済の歴史と文化を水上で紹介するマルチメディアショーや、当時を再現した伝統公演を行う。錦江新官公園では百済の王「武寧王(ムリョンワン)」の功績をミュージカルで紹介。百済文化団地では、現在の公州市である熊津から、現扶余郡の泗沘に首都を移転した際に実施されたパレードを再現する。

 錦江新官公園へはソウル高速バスターミナルから高速バスで約2時間。百済文化団地は、東ソウルバスターミナルから直行バスを利用した場合、2時間40分ほどで行くことができる。会場間はバスで約30分。

平日旅セールで国内線復路888円に マニラ・台北は復路8888円 ジェットスター・ジャパン

2023年9月21日(木) 配信 

ジェットスター・ジャパンはこのほど、「パ!パ!パ!平日旅セール」を始める

 ジェットスター・ジャパン(片岡優社長)は9月22日(金)から、「パ!パ!パ!平日旅 キャンペーン」の第2弾として、往復購入で復路が888円になる「パ!パ!パ!平日旅セール」を始める。同社は、ピークシーズンの旅行を避ける平日旅は、「費用対効果(コスパ)」や「時間効率(タイパ)」、「期待価値(バリュパ)」への満足度が向上するとして、今年8月からCPを行っている。

 国内線の往復航空券を購入すると、復路が88席限定(曜日限定)で888円になる。また、マニラや台北路線の復路が8888円となるセールも実施する。

 期間は9月22日(金)午後5時~25日(月)午後5時まで。

 搭乗期間は、国内線が10月31日(火)~12月21日(木)。マニラ路線が10月19日(木)~12月15日(金)。台北路線が24年1月9(火)~31日(水)。

訪日欧米人旅行者から注目される地域 人気急上昇エリアを分析 ナビタイムジャパン

2023年9月21日(木) 配信

欧米各国の人気急上昇トップ10を比較、複数のローカルエリアに着目(ナビタイムジャパン調べ)

 ナビタイムジャパン(大西啓介社長、東京都港区)はこのほど、訪日外国人旅行者のなかでも欧米人に人気が急上昇している地域の分析結果をまとめた。

 調査はコロナ前の2019年3月1日(金)~7月31日(水)と、コロナ後の23年3月1日(水)~7月31日(月)で、訪日外客向けのナビゲーションアプリ「Japan Travel by NAVITIME」の利用状況から、米国・イギリス・ドイツ・フランス・スペイン・イタリアの旅行社の滞在増加率を比較した。

 米国では1位が茨城県坂東市、2位長野県・坂城町、3位福島県・泉崎村、4位山形県新庄市、5位福井県大野市。

 イギリスは、1位が秋田県・小坂町、2位広島県大竹市、3位愛知県長久手市、4位高知県・東洋町、5位東京都・檜原村。

 ドイツは、1位が宮城県石巻市、2位山梨県・身延町、3位福島県郡山市、4位愛媛県・上島町、5位山形県長井市。

 フランスは、1位が愛知県長久手市、2位群馬県・草津町、3位青森県・野辺地町、4位青森県・六ケ所村、5位熊本県菊池市。

 スペインが1位新潟県長岡市、2位岩手県盛岡市、3位群馬県・草津市、4位福岡県・篠栗町、5位山形県鶴岡市。

 イタリアが、1位が群馬県・草津町、2位長野県・小川村、3位岐阜県美濃市、4位熊本県・益城町、5位兵庫県淡路市。

 愛知県長久手市がイギリス・ドイツ・フランス・スペインのトップ10にランクインしているため、22年11月にオープンしたジブリパークが影響していると同社は推測している。

 また、フランス・スペイン・イタリアの3カ国で草津市が急上昇していることから、温泉文化への関心の高さが伺える。

 ランキングによると、空港からの距離もあり、交通利便性のあまり高くないローカル地への訪問が注目されている。刀匠の街である長野県・坂城町や、秋田犬で有名になった秋田県小坂市、城下町が保存され大洲城の宿泊ができる愛媛県大洲市など、魅力的な観光資源を持っている地域がランクインしている。

 東京や京都などの人気の高い地域だけではなく、日本のローカルに興味を持つ旅行者が増えていることが分かった。

日本バス協会、コロナ禍で路線4000億円の赤字 深刻な人手不足と燃料高も

2023年9月21日(木)配信

清水一郎会長

 日本バス協会(会長=清水一郎・伊予鉄グループ社長)は9月19日(火)、東京都内で通常理事会を開いた。清水会長は「コロナ禍3年間で路線バスだけでも4000億円の赤字。コロナ前からバスは厳しく、少々需要が回復するぐらいでは4000億円を返すどころかドンドンと膨らんでしまうぐらい厳しい。加えて、人手不足、燃料高と追い詰められている状況」と、バス業界の苦しい現状を訴えた。

 とくに人手不足の問題により、全国的に路線バスの減便や廃止などが相次いでいると説明したうえで、運転者不足の解消に向けた賃金の値上げが不可欠と強調。このための財源確保としても、定期的な運賃改定の検討を呼び掛けた。

 路線バスの補助制度については、赤字額と補助金には大幅なギャップがあると指摘。これは補助金算出のコストが、地域ブロック平均単価とされていることが問題であるとして、国も地方自治体も補助金を算出する際、この地域ブロック平均単価により抑えられてきていたと説明した。路線バスの維持のため、実勢コストによる補助制度に改めることが喫緊に必要との考えを示した。

 団体旅行の激減で苦しむ貸切バスについて、清水会長は「質の確保が非常に大事」と述べたうえで、貸切バスが安心安全な運行管理であると証明することが必要と語る。具体的には、点呼時の動画撮影、画像データの保存機能を有するアルコール検知器やデジタルタコグラフの義務化など、来年春の施行を目指して取り組むとした。

 このほか、今年度中の「貸切バス事業者安全性評価認定制度」の全面的な見直しの検討や、来年度のEV(電気自動車)バスの補助金増額に向けた活動、全国的なキャッシュ化の加速を目指すと話した。

 なお、「バス危機突破総決起大会」と臨時総会の開催が決議され、11月8日(水)に自由民主党本部で行われると決定した。

神戸空港で「空の日イベント2023」 10月22日に開催

2023年9月21日(木) 配信

空港や航空機に親しんで

 関西エアポート神戸は10月22日(日)、神戸空港で「空の日イベント2023」を開く。就航航空会社によるブース出展やグッズ販売、仕事体験、ワークショップなどを企画するほか、普段は立ち入れない飛行場周辺の道路をバスで巡る「空港場内バスツアー」などを行う。

 9月20日の空の日を記念して、空港や航空機に親しんでもらうために企画した。空港場内見学ツアーのほか、事前応募制の管制塔見学ツアーも実施する。応募は同社ホームページから。

 時間は午前10時~午後4時まで。神戸空港ターミナルビルやスカイマーク格納庫などで開く。

10月13日 横浜でONSEN・ガストロノミーウォーキング初開催 参加者募集中

2023年9月21日(木) 配信

「BAYWALK YOKOHAMA」と、「横浜中華街」を歩く

 神奈川県横浜市で10月13日(金)、ONSEN・ガストロノミーウォーキングが行われる。

 臨海部の観光名所をつなぐ臨港パークから山下公園までの水際線コース「BAYWALK YOKOHAMA」と、「横浜中華街」を歩く約7㌔の都市型ガストロノミーウォーキング。臨港パークをスタートし、「ハンマーヘッド」や「赤レンガ倉庫」、「大さん橋」、「山下公園」などみなとみらいエリアの人気観光スポットを巡り、横浜中華街にある「景徳鎮 酒家」を目指す。

横浜発祥と⾔われるスパゲッティナポリタン

 途中設けられたガストロノミーポイントでは、横浜発祥と言われるスパゲティナポリタンや、ハンマーヘッド内にある醸造所と蒸留所、焙煎所が併設された体験型レストラン「QUAYS pacific grill」のオリジナルサーモンとクラフトジン、四川料理の専門店「景徳鎮 酒家」の麻婆豆腐、ビール発祥の地横浜でビール造りの歴史と伝統を受け継いだクラフトビールなどが楽しめる。

「QUAYS pacific grill」のオリジナルサーモン

 担当者は、「信号も無く、ノンストップで絶景ウォーキングが楽しむことができる、『港横浜』を象徴するウォーキングコース「BAY WALK YOKOHAMA」を歩きながら、横浜グルメや地ビール、クラフトジン、オリジナルカクテル、紹興酒が味わえるプレミアムガストロノミーウォーキングを企画しました。地方には無い都市部の魅力を余すところなくお楽しみください」とPRする。

 参加料金は、大人7000円、子供(小学生)3500円(ガストロノミー〈食事・飲み物〉・傷害保険込み)。

 加えて、古来より名湯として知られる「熱海温泉」と「湯河原温泉」の源泉から毎日運ばれて来る湯を、露天風呂やひのき風呂、大浴場などで楽しめる湯処「横浜みなとみらい万葉倶楽部」の入浴券付きプランも大人9400円、子供4930円(+現地で100円の入湯税)も販売している。なお同ウォーキングイベントは11⽉24⽇(⾦)、12⽉15⽇(⾦)にも実施される。各回定員は100人。

富士山が危機的状況へ悪化、山梨県の長崎幸太郎県知事が説明

2023年9月21日(木)配信

富士山5合目は人が多く、人工的景観が目立つ(2023年9月2日午後1時ごろ撮影)

 世界遺産「富士山」は、2013年6月にユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録され、今年10周年を迎えた。以来、国内外から非常に多くの人が押し寄せ、自然環境などに悪影響を及ぼす「オーバーツーリズム」をはじめとした深刻な課題が顕在化し、現状はかつてない危機に見舞われている。コロナ規制が緩和されて観光客が急増し、ますます悪化が懸念されるなか、山梨県の長崎幸太郎知事が9月2日、富士山の現状や取り組みについて説明した。

長崎幸太郎知事

世界遺産登録10周年、本来の「信仰と芸術の源泉」取り戻す

精進湖から見える富士山(山梨県提供)

 日本を代表する霊峰・富士山(標高3776メートル)は、世界文化遺産に「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」として登録されている。古代から、日本人の自然に対する信仰のあり方や山岳信仰の対象となった点に加え、富士を描いた絵画を通じて世界に影響を与えるなど、芸術の源泉といえる点も高く評価された。

 一方で、世界遺産登録時にユネスコ世界遺産委員会の諮問機関であるイコモス(国際記念物遺跡会議)から、富士山の保全状況をより良いものに改善していくうえでの指摘・勧告を受けていた。懸念点として「人が多いため来訪者のコントロールが必要」「環境負荷が大きく排気ガスが心配」「人工的景観が目立つため信仰の場にふさわしい景観を」――の3点。県としてこれらの課題に対応すべく、富士山保全の理念として「富士山ヴィジョン」を制定した。懸念点に対して、登山者の混雑緩和に向けた目標設定と啓発、マイカー規制期間の延長、建物の修景ルールの作成などを実施してきた。しかしながら、長崎知事は「現状では課題解決とは逆方向」と明かした。

富士山頂でご来光を待つ人たち(山梨県提供)

 世界遺産登録前の2012年当時の富士5合目で既に年間約230万人が来訪していたが、コロナ禍前の19年は約2倍となる年間約500万人を超えた。そして、富士登山は今シーズンから新型コロナウイルス感染症の規制緩和などの追い風を受け、再び来訪者数が増加傾向に向かっている。

 環境負荷の低減、富士山の自然保護と交通渋滞解消のため、山梨県・富士河口湖町から吉田口5合目までをつなぐ有料道路「富士スバルライン」では、夏の登山シーズンにマイカー規制をかけている。これにより、普通自動車の通行台数は減少したものの、規制対象外の大型バスなどのガソリン車の通行台数が増加した。ハイヤーやタクシー、軽車両、指定車両、許可車両なども規制対象外。道路法の管轄下のため、交通を制限できない。マイカー規制が富士山での排気ガスの排出を抑制しきれず、解決策に至っていないのが現状だ。

 ただし、これは富士5合目に“ライフライン”が無いという特殊な環境が一因とみてとれる。上下水道や電気が引かれていないため、飲食店や土産物屋などの建物ごとに自家発電機や貯水槽が備えられ、発電機の燃料や水を供給するための運搬車両が不可欠だ。このうえで、来訪者の増加が進めば、発電量の増加が求められ、燃料・水の運搬回数も増加し、必然的に排気ガス排出量の増加も進んでしまう。上下水道もないため、公衆トイレの水洗便所は機能低下で詰まりやすく、故障の原因になっている。環境負荷の増大が懸念される。

5合目公衆トイレの個室にゴミを放置する人も(山梨県提供)

大きな課題となる「オーバーツーリズム」

 このような状況のなか富士山でも、環境・景観破壊や満足度低下につながる「オーバーツーリズム」が大きな問題になっている。長崎知事は「トップシーズンは東京や渋谷のスクランブル交差点のような人混みとなり、5合目から山頂に登るまでの道を人が連なって歩いているような大混雑状態。これが信仰の対象であり、芸術の源泉として相応しい状態なのか」と声を荒げて訴えた。

 また、県にもさまざまな声が届いているなか、オーバーツーリズムが原因で“来訪者の満足度”が極めて低い状態に陥ってしまったという。

 本来の富士山の姿は、「信仰の対象と芸術の源泉」。登山者はもちろんだが、それ以外の来訪者にも伝えていきたい。富士の麓にある「富士山世界遺産センター」では、富士山の魅力と情報を発信し、未来に向けて守り伝える保全の拠点、観光を中心とした地域振興の拠点として、展示を通して語り継いでいる。詳細を多言語対応の展示やガイドシステム、VR映像で楽しめ、これから向かう富士山観光に対する期待感を高めてくれる。しかし、実際に訪れて目にするのが大混雑では、来訪者の満足度を高める効果を得られないと示す。

満足度の低下で「ゼロドルツーリズム」

 長崎知事は来訪者の満足度の低下により、地元にお金が落ちない「ゼロドルツーリズム」につながっていると主張した。コロナ禍に入ってから富士山への来訪者数も下がったが、山梨県内全体の訪日外国人観光客における観光消費額が大幅に減少するものではなかったと語る。つまり、富士山に多く来訪者が来ていたにも関わらず、ほとんど地元にお金を落としていなかったと説明した。

 唯一無二の場所である富士山の維持に、このままでは地元の負担が増すばかりで、富士山を守っていくための担い手が持続可能でなければならないと強調。「疲労する前に『量』から『質』への転換が必要。そして来訪者の満足度を高めていく方向に、観光のあり方の舵を切らなければならない」と長崎知事は呼び掛けた。

次世代に向けて「富士山登山鉄道構想」

吉田口5合目の現状(山梨県提供)

 山梨県では、このような問題に対する解決策として「富士山登山鉄道」の実現に向けて構想を練っている。既存道路である富士スバルライン上に軌道を整備し、LRT(次世代型路面電車システム)を敷設するという構想だ。現在の自然環境を傷つけることなく、既存道路を利活用するのが基本的な考え方となる。

整備後、地形を復元し、周囲の風景に溶け込むグラウンドルーフをイメージする(山梨県提供)

 富士山登山鉄道構想がもたらすメリットは、懸念点の解消につながると話す。決められた時間・本数で運行するため「確実な来訪者コントロールが可能」で、軌道整備と一緒に地面からの給電方式や上下水道などの「ライフラインも整備可能」。自然と調和した駅舎整備など、5合目を「信仰の場にふさわしい景観に改善」でき、結果として“観光客の満足度向上”につなげる。

富士スバルライン上に軌道敷設し、LRTを運行する構想イメージ(山梨県提供)

 富士山を「信仰の対象と芸術の源泉」の世界文化遺産として、本来の姿を感じられる状態に取り戻せるように、長崎知事は「構想実現に向けた課題の調査・検討、地元住民・関係者などとの合意形成に取り組み、構想推進の本格化を進める」と締め括った。

隠れた魅力を紹介 「ますずし」食べ比べも 富山県

2023年9月21日(木) 配信

「ますずし」の奥深さを紹介

 富山県は9月6日、東京都内でマスコミを招き、「『富山で休もう。』メディアミーティング」を開催した。県と4市がこの日のために「話題」を用意し発表したほか、郷土料理「ますずし」の食べ比べも企画し、県内の隠れた魅力を紹介した。

 プレゼンテーションでは、「おりん」の音がそこかしこで聞こえる「1/fゆらぎのまち」(高岡市)や、ボートでしか行けない秘境「金屋石」の石切場(砺波市)、来年6月30日からの一般公開が決まった「黒部宇奈月キャニオンルート」などの魅力を伝えた。

 県や市町村のブースでは、自由商談を行ったほか、県内10店の「ますずし」食べ比べで、マスの肉厚や酢飯の固さ、酸味の違いなど、郷土料理の奥深さを体験した。
 県観光戦略課の山下章子課長は「北陸新幹線の敦賀延伸が来年3月16日に決まるなか、北陸3県で観光を盛り上げていきたい」と話す。

〈旬刊旅行新聞9月21日号コラム〉――観光業界に溢れる造語 「仕事のために館詰め」の方が潔い

2023年9月21日(木) 配信

 家の近くの中華料理屋さんがいつの間にか居抜きで別の店名に変わっていた。それで「どんなお店かようすを見て来よう」と思っていたところ、先日、ようやく行く機会が訪れた。料金はリーズナブルで、味も悪くない。何よりも接客が以前の店よりも格段に良くなっていた。外食することが少なくなったため、たまに行く安食堂や安酒場で、接客スタッフが笑顔で料理やドリンクを運んでくれるだけで気分が良くなってしまう。

 

 人手不足が深刻化しているなか、気持ちよく料理をテーブルに持って来てくれる、「人」によるサービスの価値が高まっていることを感じる。

 

 

 一方で、不思議に思うことが1つある。それは、高額の料金を設定しているグランピング施設の夕食が「バーベキュースタイル」という矛盾だ。ブランド牛肉など、ふんだんに高級食材が提供されているのだろうが、基本はキャンプのため、自分で火を熾し、食事の準備をして、調理しなければならない。施設側は食材さえ提供すれば、お客が好きな時間に勝手にバルコニーなどで肉を焼いたり、野菜を切ったり、皿を並べたりしてくれるのでラクである。「キャンプに高額の料金は出さないし、高額の料金を出すのであればキャンプはしない」派の私には、このスタイルが長く続くのだろうかと思うことがある。

 

 コロナ禍に高額な宿泊料金でありながら、各客室の冷蔵庫に予め入れている弁当を、お客自らが温めて食べるサービスを提供していた宿があったが、「旅館やホテルのサービスとは何か」について、深く考えさせられた。

 

 

 そういえば、今年の夏に、苫小牧港から八戸港にフェリーを利用したときに、荷台に牛を乗せた大型トラックが何台も乗り込んでいた。その日のフェリーは大きく揺れたため、私は夜中ずっと船内の狭いベッドで「牛たちはこんなに揺れるトラックの中で大丈夫だろうか」と心配になったのだが、おそらく、そのトラックの運転手たちと思われる人たちが、船のラウンジでビールを飲んでいた私の隣のテーブルで酒を飲み始めた。

 

 すると、その中の1人が「オレさ、この夏休みにカミさんが行きたいというグランピングに娘を連れて行くことになったんだ」と話した。「なにぃ、グランピングって何よ」ともう一人が聞いた。「何だか知らないけど、テントとか張ってるやつじゃないのかなあ」といったような会話をしていた。

 

 

 グランピングとは、「グラマラス」と「キャンピング」を掛け合わせて造語で、「ホテル並みのサービスを野外で愉しむ魅力的なキャンプ」とウィキペディアは説明している。わりと浸透した造語かと思っていたが、どうやらまだまだである。

 

 最近の観光業界はさまざまな造語で溢れている。「ワーク」と「バケーション」を掛け合わせた造語「ワーケーション」は、「普段の職場と異なるリゾート地や観光地で働きながら休暇を取ること」とある。一見、新しいスタイルに見せかけようとする言葉だが、どこか生ぬるい気持ち悪さがある。個人的には、仕事にも、休暇にも中途半端な姿勢を表す言葉に感じる。「仕事のために館詰め」の方が潔くて好きだ。「ビジネス」と「レジャー」で「ブレジャー」。「ホテル」と「バカンス」で「ホカンス」。ちょっと恥ずかしい。

(編集長・増田 剛)