会員数が102に倍増、ピンクリボン月間に新冊子発行

第2回ピンクリボンお宿ネットワークの総会

リボン宿ネット、第2回総会開く

 「ピンクリボンのお宿ネットワーク」(略称・リボン宿ネット、会長=畠ひで子・匠のこころ吉川屋女将、事務局=旅行新聞新社)は7月3日、東京都内で第2回総会を開いた。乳がん患者に優しい環境づくりを目指して、全国の宿や観光団体、企業と昨年7月10日に設立。会員は発足時の約2倍の102会員となった。昨年12月に発行した「ピンクリボンのお宿」冊子は、全国約800の病院に設置し、直接患者に配布している。

 今後、リボン宿ネットはピンクリボン月間の10月に合わせて新冊子を発行するほか、ウェブやマスコミなどを通じての情報発信や、全国の病院、医療関係者、乳がん患者団体とも連携しシンポジウムや勉強会を行う。

 畠会長は、「日本人女性の16人に1人が乳がんになるといわれ、毎年約5万人の女性が胸の切除や温存手術を受けている。8割以上の方が回復するが、そのことで旅を諦めるのは残念でならない。宿での宿泊、温泉入浴などさらに快適な環境作りに向けて努力し、業界のみならず広く社会に向けても啓発の輪を拡大していきたい」と意欲を示した。

【次号で詳細】

≪会員紹介≫

 【宿会員】野の花 焼山荘(青森県焼山温泉)▽結びの宿 愛隣館(岩手県新鉛温泉)▽ホテル森の風鶯宿(岩手県鶯宿温泉)▽ホテル偕楽苑(岩手県鶯宿温泉)▽鷹泉閣岩松旅館(宮城県作並温泉)▽名湯秘湯うなぎ湯の宿 琢琇(宮城県鳴子温泉郷)▽遠刈田ホテルさんさ亭(宮城県遠刈田温泉)▽夏瀬温泉 都わすれ(秋田県夏瀬温泉)▽日本の宿古窯(山形県かみのやま温泉)▽仙渓園 月岡ホテル(山形県かみのやま温泉)▽ホテル八乙女(山形県由良温泉)▽蔵王国際ホテル(山形県蔵王温泉)▽深山荘 高見屋(山形県蔵王温泉)▽匠のこころ吉川屋(福島県穴原温泉)▽庄助の宿 瀧の湯(福島県東山温泉)▽福住旅館(福島県飯坂温泉)▽ホテル華の湯(福島県磐梯熱海温泉)▽五浦観光ホテル(茨城県五浦温泉)▽あさやホテル(栃木県鬼怒川温泉)▽鬼怒川グランドホテル夢の季(栃木県鬼怒川温泉)▽湯けむりまごころの宿 一心館(栃木県鬼怒川温泉)▽源泉湯の宿 松乃井(群馬県水上温泉)▽湯の宿 山ばと(群馬県四万温泉)▽ホテル松本楼(群馬県伊香保温泉)▽ホテル天坊(群馬県伊香保温泉)▽鴨川ヒルズリゾートホテル(千葉県小湊温泉)▽箱根 花紋(神奈川県箱根湯本温泉)▽水が織りなす越後の宿 ホテル双葉(新潟県越後湯沢温泉)▽夕映えの宿汐美荘(新潟県瀬波温泉)▽ホテル丸松(新潟県咲花温泉)▽加賀屋(石川県和倉温泉)▽みどりの宿 萬松閣(石川県山代温泉)▽ホテル・アローレ(石川県柴山温泉)▽若草の宿丸栄(山梨県富士河口湖温泉郷)▽富士野屋夕亭(山梨県石和温泉)▽ユルイの宿 恵山(長野県昼神温泉)▽ホテル亀屋本店(長野県戸倉上山田温泉)▽RAKO華乃井ホテル(長野県上諏訪温泉)▽斎藤ホテル(長野県鹿教湯温泉)▽湯本旅館(長野県渋温泉)▽明神館(長野県扉温泉)▽緑翠亭景水(長野県大町温泉郷)▽上林ホテル仙壽閣(長野県上林温泉)▽野沢グランドホテル(長野県野沢温泉)▽富士乃湯(長野県浅間温泉)▽宝泉(長野県角間温泉)▽水明館(岐阜県下呂温泉)▽ホテルくさかべアルメリア(岐阜県下呂温泉)▽吉泉館(岐阜県下呂温泉)▽熱川プリンスホテル(静岡県熱川温泉)▽熱川温泉 粋光(静岡県熱川温泉)▽民宿与三郎(静岡県雲見温泉)▽ビーチコミューンシンプル―ス(静岡県伊東温泉)▽オーシャン ビュー ヴィラ ジェイズ(静岡県伊東温泉)▽花の湯や 蓮台寺荘(静岡県伊豆蓮台寺温泉)▽湯の風HAZU(愛知県湯谷温泉)▽サン浦島悠季の里(三重県本浦温泉)▽風待ちの湯 福寿荘(三重県磯部わたかの温泉)▽旅館 ふじごよみ(京都府宇治市)▽淡路インターナショナルホテルザ・サンプラザ(兵庫県洲本温泉)▽兵衛向陽閣(兵庫県有馬温泉)▽さこや(奈良県吉野山)▽三朝館(鳥取県三朝温泉)▽皆生つるや(鳥取県皆生温泉)▽依山楼岩崎(鳥取県三朝温泉)▽八景(岡山県湯原温泉)▽湯郷グランドホテル(岡山県湯郷温泉)▽湯元ことひら温泉琴参閣(香川県こんぴら温泉郷)▽高知プリンスホテル(高知県高知市)▽ホテルパーレンス小野屋(福岡県原鶴温泉)▽大正浪漫の宿 京都屋(佐賀県武雄温泉)▽東園(長崎県雲仙温泉)▽民芸モダンの宿 雲仙福田屋(長崎県雲仙温泉)▽阿蘇の司ビラパークホテル(熊本県阿蘇温泉)▽ふもと旅館(熊本県黒川温泉)▽ふもと旅館 別邸こうの湯(熊本県黒川温泉)▽清流山水花 あゆの里(熊本県人吉温泉)▽人吉旅館(熊本県人吉温泉)▽ホテル秀水園(鹿児島県指宿温泉)▽霧島スパヒルズ(鹿児島県霧島温泉郷)▽指宿シーサイドホテル(鹿児島県指宿温泉)

 【団体会員】新潟県旅館ホテル組合 新潟女将の会(新潟県)▽すわ姫会(長野県諏訪市)▽湯谷温泉おかみ会(愛知県湯谷温泉)▽黒川温泉観光旅館協同組合(熊本県黒川温泉)▽九重町観光協会(大分県九重町)▽嬉野温泉旅館組合おかみの会(佐賀県嬉野温泉)

 【企業会員】旅行新聞新社(東京都)▽サンプラネット(東京都)▽国際・風水協会(東京都)▽QOL総合研究所(東京都)▽ハイネット(東京都)▽アートネイチャー(東京都)▽アトリエシグマ建築設計事務所(東京都)▽池山メディカルジャパン(愛知県)▽観光ビジネスコンサルタンツ(大阪府)▽スヴェンソン(東京都)▽オールゲイン(神奈川県)

 【賛助会員】ミサワホーム(東京都)▽アデランス(東京都)

 【個人会員】五十川裕高〈東京海上日動あんしん生命保険〉(愛知県)▽小関誠(東京都)

“アクション起こす年”、1年で事業推進体制整う、JATA菊間会長

 日本旅行業協会(JATA)は6月26日、定例会見を開き、菊間潤吾会長が就任後の1年間の活動や今年の注力事業などを語った=写真。菊間会長は「JATAの事業推進体制が1年をかけて整ってきた。いよいよ会員の経営体質改善のためにさまざまなアクションを起こしていく年だと考えている」と強調した。

 今年注力する取り組みについては(1)JATA政策検討特別委員会(2)(株)ジャタの経営体制の強化(3)ツアーオペレーター品質認証制度などを活用した訪日旅行の拡大(4)旅行業法の改正について――の4項目をあげた。(1)は、昨年の議論で示したアクションプランの実行と、これまで取り上げなかった消費者への啓蒙や旅行会社のスキルアップ研修などを検討していく。現在すでに業界のスキルアップのための研修システムについては動きだしており、「eラーニング」の導入の検討などを今年度中にまとめる方針だ。

 (2)は、JATAでは難しい取り組みを㈱ジャタで展開する考えで、業界全体のコストカットのコンソーシアムや人材バンクの構築などを検討している。このほか、菊間会長は「旅博の事務局をするのもいいのではないか」と自身の考えを述べた。

 また、(3)については訪日旅行の会員の取り扱いシェアを1ケタ台から拡大することを目指し、会員が訪日旅行に積極的になるように取り組む。「我われが海外に向けて日本の良い所やブランドをアピールするための体制を構築していきたい」と意気込んだ。

 一方、(4)の旅行業法の改正については「今のグローバルスタンダードに合わせるだけではなく、各国が10年先を見据えてどのような仕組み作りをしていくのかを見極めながら、我われが遅れを取らないようにしなければならない」とし、同時に低収益の改善を含め、いかに旅行業の価値を高めていくのかを考える必要があると語った。初秋を目途に観光庁に要望を提出する予定で、全国旅行業協会(ANTA)にも連携を投げかけているところだという。

訪日商談会さらに充実、登録締切は7月19日まで(JATA旅博2013)

今年度は規模、質ともさらに充実

 日本旅行業協会(JATA)は9月12―15日の4日間、東京ビッグサイトで「JATA旅博2013」を開催する。12、13日の業界日に実施する「JATA国際商談会」は、昨年からさらに規模を拡大。とくに、昨年初めて行ったインバウンド商談会は、世界から厳選した100社のバイヤーを招聘する予定だ。商談会のオンライン参加登録は7月19日まで。

 今年の旅博は、より親しみやすく、覚えやすいように名称を「JATA旅博」に統一。国際観光フォーラムと国際商談会、展示会、顕彰事業の4大イベントを包括し、会場も、東ホールにすべてのプログラムを集める。海外旅行だけではなく、国内旅行、訪日旅行を含む旅行市場の活性化を目的に展開する。

 初日プログラムとなる「JATA国際商談会」はアウトバウンド商談会とインバウンド商談会、メディアミーティングの3つで構成する。今年の特徴は規模拡大と利便性を考慮し、すべてを展示会場東ホール6に集結するほか、商談件数を昨年の24セッションから28セッションに増やす。また、今後のビジネスにも役立てられるように、バイヤー・セラーリストと商談会ガイドブックを参加者全員に配布する。

 注目のインバウンド商談会は2日間ともバイヤーがデスクに着席し、セラーが訪問する事前アポイントメント・マッチング形式で行う。商談件数は1日目が15セッション(1セッション20分)、2日目が13セッション(同)の設定。バイヤーは、アジア地区、欧米豪地区から100社の実益につながる厳選した海外バイヤーを招聘する予定だ。

 アウトバウンド商談会は、1日目は事前アポイントメント・マッチング形式だが、2日目は昨年の参加者の声を反映し、セラーの出展ブースにバイヤーが訪問するオープン・セッション形式で展開する。また、1日目に行うメディアミーティングも充実させ、国内外のさまざまなメディアを同一会場に招いて出展者との情報交換や商談を実施する。

 商談会の参加者規定はインバウンド商談会のセラーが国内旅行関係の出展者で、出展者は原則1小間あたり2社4人までの登録が可能。参加費は無料。また、アウトバウンド商談会のバイヤーはJATA会員であれば無料で参加できるほか、非会員でも有料で1社あたり2人まで参加できる。費用は1人1万円。メディアミーティングのメディアは事前申込による登録制で参加費は無料。

 国際商談会のオンライン登録は公式ホームページ(http://tabihaku.jp )から。

 問い合わせ=国際商談会事務局 電話:03(5510)2008。

来秋から防火「適マーク」導入、福山市のホテル火災を受けて

 昨年5月に広島県福山市で発生したホテル火災を受けて、総務省消防庁は7月4日、消防関係法令に適合している宿泊施設に新しい適マーク「防火基準適合証」を来年秋に導入することを決めた。

 対象となるのは、収容人員30人以上で3階以上の旅館・ホテル。消防機関が立ち入り検査などを行い、基準をクリアしていれば、1年間有効の青地に銀色の文字のマークを表示する。これを3年間継続して取得すれば、金色の文字となる。

日航機事故から28年、空の安全へ 風化防げ

神田強平村長を囲んで島川ゼミの学生。 8月の御巣鷹山慰霊登山にも参加する

 

神田強平村長

上野村・神田強平村長が東洋大・島川ゼミで講演

 群馬県多野郡上野村の神田強平村長は6月24日、東洋大学(東京都文京区)国際地域学部国際観光学科の島川崇准教授のゼミ生に特別講演した。

 1985年8月12日18時56分、上野村の御巣鷹山尾根に日本航空123便が墜落して520人が犠牲となった。

 神田村長は、航空会社への就職を目指す学生らを前に、乗客が墜落直前に書いた遺書を紹介。「このような悲惨な事故を風化させてはならない。遺族の方々も、我われ上野村の住民も28年を経て世代交代している。事故を風化させないための手段を考える時期にきている」とし、「私は空の安全を祈願するために、事故発生から30年という節目に『空の安全科学館』をつくりたいと考えている。地球規模であのような事故が二度と起こらないように、上野村から世界に発信していきたい」と語った。

 日本航空で勤務した経験のある島川准教授は、「人間は誰でも都合の悪いものは忘れ、見たくないものを見ないようにする。でも、それでは災害や事故はどんどん風化が進んでしまい、次の世代になるとまったくつながっていかない」と語り、「航空機事故を風化させず、安全への意識を高めてほしい」との願いから、今年8月11、12日に学生らとともに、御巣鷹山に慰霊登山を行い、ボランティアスタッフとして慰霊式典などを手伝う予定だ。

 上野村は長野県、埼玉県に隣接し、群馬県内35市町村の中で最も人口の少ない1350人の村。村の面積の96%を森林で占める。村内には民間企業がなく、木質ペレットや菓子工房などの事業を村直営で行い、産業を興している。高齢化が進む村を滅ぼさないように、子育て支援事業を手厚く行い、現在村民の17%が「Iターン」で占められ、年少人口も多いことが特徴。

根本復興相を訪問、第24回おかみの集い委員

(左から)岡崎副委員長、小口委員長、根本大臣、渡辺副委員長、片桐委員

 第24回全国旅館おかみの集い運営委員会(運営委員長=小口潔子・四季彩一力女将)は6月26日、復興庁の根本匠復興大臣を表敬訪問し、7月25日に福島県郡山市内で「女将サミット」を開くことを報告。根本大臣に夕刻からの懇親パーティーへの出席を依頼した。

 岡崎純子副委員長(深山荘高見屋女将)、渡辺いづみ副委員長(風望天流太子の湯山水荘女将)片桐栄子委員(ホテル華の湯女将)、石井貞徳特別委員(旅行新聞新社社長)の4人が同行した。

 小口委員長は、昨年の宮城大会に引き続き、今年は福島開催が決まったことを報告。「福島ならではの手づくりで堅実な会を目指したい」と述べた。根本大臣は「復興はすべてに関わること。風評被害対策など、観光面も一生懸命取り組みます」と伝えた。

 第24回全国旅館おかみの集いは7月25日、郡山ビューホテルアネックスで開催する。「感謝そして未来へ~笑顔と交流、勇気と前進」をテーマに掲げ、プログラムでは基調講演講師に芥川賞作家で福聚寺住職の玄侑宗久氏を迎える。このほかテーマごとに分かれて意見交換する「分科会」や懇親パーティーを開き、参加者同士交流を深める。

温泉と地熱開発、“共存できない”(日本温泉協会)

大山正雄会長

日本温泉協会・大山会長が語る、地熱発電0.2%⇒0.4%のために温泉を危機的にする価値はあるか

 日本温泉協会(大山正雄会長、1448会員)は6月25日、福井県・あわら温泉のグランディア芳泉で2013年度会員総会を開き、大山会長は地熱問題について、無秩序な開発に反対との立場を改めて表明し、「温泉と地熱開発は 棲み分けはあっても共存はできない」との考えを示した。

 今年度は昨年11月に一般社団法人に移行した協会のあり方と事業の見直し、財政の再建に取り組む。

 大山会長は「会員数が減少しており、組織の見直しが必要」とし、「小粒でもステイタスの高い組織にしたい。熱意のある会員を待っている」と述べた。さらに、宿泊予約サイト「るるぶトラベル」との連携強化をはかる。

 今年9月には事務局を東京都千代田区平河町の全旅連と同じビルの「全国旅館会館」に移転する。また、来年度の会員総会は群馬県・四万温泉で開くことを決めた。

 地熱問題について、大山会長は次のように語った。

□  ■

 東京電力福島第一原発事故により、電力不足への懸念から、地熱開発が急速にクローズアップされてきた。地熱発電と温泉との問題は古くて新しい問題であり、長年にわたり日本温泉協会は温泉資源の保護のため、地熱発電について反対してきている。

 しかし、今回の地熱開発は国家的事業として、これまでと比べ強力であり、温泉の存亡に関わる段階に直面している。

 現在、日本の地熱発電所は全国で18カ所。生産される総電力は54万キロワット。この54万キロワットの電力に必要な熱量は、日本の中規模から大規模の温泉で利用している総熱量と同等で、1カ所の地熱発電所だけでも草津や箱根の大温泉地の全熱量に匹敵する。九州の八丁原や秋田県の澄川地熱発電所では大温泉地の数倍から10倍近い熱量を使っている。

 この地熱発電を当面2倍、将来は10倍にしようと計画され、着々と準備が進められている。現在の地熱発電でも全温泉地の全熱量に匹敵し、2倍となると温泉への影響があると考えるのが当然である。そして、さらに問題なのが地熱発電所が使った熱水を薬品を入れて地下に強引に戻すこと。これにより、地熱発電所が掘削している地下3千メートル付近までの地下環境は破壊される。これは地熱発電を止めたとしても永久に残ってしまう。

 地熱発電にとって必要なものは熱であって、熱水は汚れたものであっても構わない。しかし、温泉は、温泉の質そのものが大切。従って、地熱発電と温泉とは棲み分けはあっても、共存はできない。また、地熱発電所は無人化できるが、しかし、1カ所の地熱発電所に相当する規模の大規模温泉地は、温泉宿の従業員、お土産店、バスやタクシーなど数万人が働いている。雇用の面から見ても、納得できない。しかも、現在の地熱発電所の総電力は日本全体の0・2%。0・2%を0・4%にするために温泉を危機的状況にするだけの価値はあるだろうか?

 日本温泉協会は無秩序な地熱開発に反対する。

外客誘致強化へ5課体制、国際・交通の審議官を観光庁併任(観光庁)

 観光庁はこのほど、インバウンド政策の推進体制について、これまでの3課+1室体制から5課体制へ拡充し、「インバウンド政策推進事務局」を設置した。また、国際・交通部門の部長・審議官クラスを観光庁に併任し、国土交通省全体としてのインバウンド政策推進体制を整備した。

 総務課企画室を観光戦略室に格上げし、国際交流推進課を参事官に移行。国際観光政策課を国際観光課に名称変更した。これまでの3課+1室体制から、観光に関する基本的な方針の企画・立案を行う「観光戦略課」と、国際観光推進に関する企画や、目標管理とインバウンド事業のPDCAサイクル管理を行う「国際観光課」、ビジット・ジャパン事業の計画・実施・効果把握を行う「日本ブランド発信と外客誘致担当の参事官」、出入国手続や交通対応、多言語表記などの計画・実施・効果把握を行う「外客受入地域づくり担当の参事官」、国際会議などの誘致推進を行う「国際会議など担当の参事官」の5課体制へ強化した。

 新しく設置した「インバウンド政策推進事務局」は、事務局長に観光庁次長、事務局次長に観光庁審議官を置き、インバウンド政策推進官に観光戦略課長と国際観光課長に加え、3人の参事官で構成する。

 さらに、国際担当の大臣官房審議官と、総合政策局国際政策課長、地域戦略担当の大臣官房参事官、鉄道担当の大臣官房審議官、自動車担当の大臣官房審議官、海事と港湾担当の大臣官房審議官、航空局航空ネットワーク部長を観光庁に併任し、観光庁長官と次長の下でインバウンド政策推進を担う体制をとった。

筆頭副会長に川﨑氏、加藤氏が再任、近藤氏は新任(ANTA)

二階俊博会長

 一般社団法人全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長、5427会員)は6月25日、東京都内で第49回通常総会を開いた。任期満了にともなう役員改選により副会長に川﨑糺氏(大阪府・かつらぎ観光社長)、加藤正明氏(愛知県・ツーリスト・トップジャパン会長)、近藤幸二氏(岡山県・全観トラベルネットワーク社長)、専務理事に有野一馬氏が選任された。加藤氏、有野氏は再任、川﨑氏は前々期に副会長を務めており、近藤氏は新任となる。なお、筆頭副会長は川﨑氏。

 二階会長は「4月に一般社団法人に移行し、今年は新しいスタートの年。ANTAは観光業界で1つのポジションを得てきたが、より強力に前進させ、使命を着実に果たしていくために、会員それぞれが何をしなくてはいけないかをよく考え、行動してほしい」と呼びかけた。

川﨑糺副会長

 2012年度事業では、着地型旅行を推進する「第9回国内観光活性化フォーラムin群馬」に全国の会員・観光関係者2千人に地元参加者などを合わせ約5700人が来場。観光庁の「東北観光博」へ協力した「ANTA東北観光博応援ツアー」は7514人を送客し、旅行消費額は1億8千万円、経済波及効果は全体で3億5千万円におよんだ。そのほか、韓国麗水での「2012麗水世界博覧会」への送客支援、日中国交正常化40周年記念の「弘法大師・空海を偲ぶ日中交流使節団」を組織しての観光交流などに注力。また、一般社団法人移行への準備と諸課題の検討・対応に尽力してきた。

 12年度の苦情弁済業務については、苦情相談件数は418件と、前年度より18件減少した。認証申出は、被申出人5社に対する認証申出人が55者(社)で申出総額は882万1510円。このうち認証決議された申出人は55者(社)で認証額は601万2840円となった。被申出人5社の種別は、第2種3社、第3種2社。また、日本旅行業協会(JATA)との共催の苦情対応セミナーには、ANTA会員119人が参加した。

加藤正明副会長

 13年度は一般社団法人移行後の協会運営として、本部と支部間の緊密な連携強化、円滑な業務運営の確保、継続事業の的確な実施に尽力し、観光庁長官の指定協会として旅行業法に基づく事業の適正かつ円滑な実施をはかる。12年度に引き続き、東北・東日本観光振興キャンペーンの展開による送客支援や「第10回国内観光活性化フォーラム」の準備に注力する。 

 

 

新理事は次の各氏。

近藤幸二副会長

 【会長】二階俊博【副会長】川﨑糺(新任、大阪府・かつらぎ観光社長)▽加藤正明(愛知県・ツーリスト・トップジャパン会長)▽近藤幸二(新任、岡山県・全観トラベルネットワーク社長)【専務理事】有野一馬【理事】(五十音順)浅子和世(新任、埼玉県・藤邦旅行社長)▽國谷一男(栃木県・国谷観光社長)▽駒井輝男(新任、東京都・東日本ツーリスト社長)▽坂入満(神奈川県・ミサワツーリスト社長)▽髙橋幸司(新任、岩手県・水沢ツーリストサービス社長)▽髙橋光昭(大分県・富士見観光旅行センター代表)▽近兼孝休(日本旅館協会会長)▽積田朋子(新任、観光経済新聞社社長)▽中川宜和(新任、奈良県・ホリディプラン社長)▽永野末光(大阪府・西日本トラベルサービス社長)▽花岡正雄(新任、広島県・ニュートラベル広島社長)▽平田龍雄(福井県・相互トラベル社長)▽玄東實(アシアナスタッフサービス社長)▽藤木均(新任、千葉県・ロイヤルツーリスト社長)▽古田保廣(新任、愛知県・旅考倶楽部社長)▽三浦雅生(五木田・三浦法律事務所弁護士)▽三橋滋子(日本添乗サービス協会専務理事)▽山中盛世(高知県・香北観光トラベル社長)▽和田雅夫(北海道・ワンダートラベルサービス社長)

No.345 “耐震問題”緊急アンケート - 「旅館を防災拠点に」は概ね理解

“耐震問題”緊急アンケート
「旅館を防災拠点に」は概ね理解

 本紙は、5月22日に耐震改修促進法の改正案が成立したことを受け、全国の主要旅館・ホテル320施設に対し独自の「“耐震問題”緊急アンケート調査」を実施、82件の回答を得た。調査では、旅館・ホテルを「防災拠点」として広く認めてもらい、それに見合う補助金を要求する姿勢については概ね賛成意見。また、国や地方公共団体の補助制度が「分からない・不明」との回答は55・5%を占めたほか、耐震診断・改修の事業者を「決めている」施設は17%に留まった。

【編集部】

≪補助制度「不明」は55・5%、17%が耐震診断事業者「決めている」≫

 今回の“耐震問題”アンケートは、全国320軒の主要旅館・ホテルを対象に6月中旬に発送、同月末までに回答のあった82件を集計した。

 82件の施設の延べ床面積を規模別に見ると、5千―9999万平方メートルは23・8%、1万―1万1499平方メートルは25・0%、1万5千―1万9999平方メートルは11・2%、2万平方メートル以上は27・5%となった。また、規模では耐震診断の対象外となる5千平方メートル未満の施設も12・5%を占める。

 

※ 詳細は本紙1508号または7月17日以降日経テレコン21でお読みいただけます。