野口観光が50周年、感謝の集いに約360人招く

あいさつする野口社長
あいさつする野口社長

 今春開業50周年を迎えた野口観光グループ(野口秀夫社長)は4月14日、室蘭市の室蘭プリンスホテルで、旅行会社や旅館・ホテル、一般企業の関係者ら約360人を招き、「感謝の集い」を開いた。

 あいさつに立った野口社長は、先代の故秀次氏が「心の通うおもてなし、より良いものをより安く、より多くの人に職場を」との思いで、登別の地に開業した当時を振り返り、「夢を持ち続け、変化に対応してきた創業者のDNAを引き継ぎ、次の50年に向けて取り組みたい」と述べた。

 会場には山谷吉宏北海道副知事、鳩山由紀夫元首相、堀井学衆議院議員、星野尚夫北海道観光振興機構会長ら多くの来賓のほか、50周年に合わせて制作したテレビCMで脚本・演出を手掛けた脚本家の倉本聰さんも駆けつけ、半世紀の節目を祝った。

 野口観光は1964(昭和39)年4月に登別温泉で、登別プリンスホテル(43室)を開業した。4年間は赤字経営が続いたが、社長のイスの後ろには「新施設(165室)の図面が掲げられていた」(野口社長)という。その構想は約10年後の西館竣工で現実になった。30周年事業では、湯元名水亭(伊達市北湯沢温泉)を開業、40周年を迎えると「食彩維新」をキャッチフレーズに、食のもてなしにも力を入れるなど、多店舗化や顧客の要望に沿った施設づくりを続けてきた。50周年を迎えた今年、社是や経営理念を見直すほか、湯元名水亭のリニューアル(来春開業予定)にも着手する。

北海道新幹線を製作、新型車両の「H5系」発表

北海道新幹線「H5系」外観イメージ
北海道新幹線「H5系」外観イメージ

 北海道旅客鉄道(JR北海道)は4月16日、北海道新幹線の新函館駅(仮称)開業に向けて、新型車両「H5系」を4編成(40両)製作すると発表した。

 同車両は、東北新幹線への直通運転を考慮し、10両編成の車両構成や各種設備、走行性能などの基本仕様はJR東日本の「はやぶさ」をはじめとするE5系と同様にした。外装デザインは、東北新幹線と共通したイメージを持たせるため、基本の色構成はE5系をベースに、中央の帯はライラックやルピナス、ラベンダーなどをイメージさせる紫色に変更する。また、内装の一部にも北海道独自のデザインを取り入れ、旅への期待感や高揚感を演出したという。

 なお、今秋に第1編成が完成する予定だ。

第2回旅館甲子園出場募集、オンリーワンのおもてなし競う

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(山口敦史部長)は来年2月18日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で第2回旅館甲子園を開く。

 「旅館業界で働くスタッフぞれぞれのオンリーワンのおもてなしを発表し、皆で切磋琢磨しながら学び合う場としたい」(山口部長)としており、さまざまな「おもてなし」の取り組みの応募を呼び掛けている。

 応募締切は7月末。8月末に1次審査、9月末に2次審査を行い、来年2月に決勝本大会を実施する。最優秀賞には協賛スポンサーからの豪華景品も予定されている。

 問い合わせ=全旅連青年部 電話:03(3263)4428。

まるごと旅情報 『静岡東部エリア特集』 公開

まるごと旅情報 『静岡東部エリア特集』 を公開いたしました。

第1541号掲載(2014年4月11日発行)
『静岡東部エリア特集』の紙面をご覧いただけます。

詳細はコチラから!(弊社の『静岡東部エリア特集』ページへリンクしています)

 
☆まるごと旅情報とは☆
弊社の「旬刊旅行新聞」にて掲載した全国の観光情報に関する特集記事をご紹介しています。
過去1年間分の紙面の一部をご覧いただける旅の情報ページです。

No.369 学観連が「観光教育と進路」調査 - 観光教育の現状と課題とは

学観連が「観光教育と進路」調査
観光教育の現状と課題とは

 日本学生観光連盟(学観連)の4年生有志による「これからの観光教育学生会議」が観光系学部・学科の4年生に行った「観光教育と進路選択について」の調査によると、観光業界以外へ就職した学生のうち7割は、はじめから観光業界を未志望だったことが分かった。調査に関わった卒業生の藤野里帆さんと諸角智亜さん、学観連の顧問でもある宍戸学横浜商科大学商学部貿易・観光学科教授に、観光教育の現状と課題について聞いた。

【伊集院 悟】

 
 
他業界就職の7割が観光未志望
“大学で観光を学ぶ意義を明らかに”

 「これからの観光教育学生会議」は13年9月23日―10月27日の期間に、国内の観光系学部・学科に所属する大学4年生に「観光教育と進路選択についてのアンケート」調査を行った。有効回答数は120で、内訳は男性26人、女性94人。

「これからの観光教育学生会議」調べ
「これからの観光教育学生会議」調べ

 回答者の卒業後の就職先をみると、観光業界は、旅行系が12%、運輸系が12%、宿泊系が10%の合計33%。その他企業に進む学生60人のうち、観光関連企業が第1志望だったのは16人だけで、3割に満たなかった。この結果によると、観光業界へ「就職したくても就職できない」のではなく、「志望しない」学生が多いということが分かった。

 

※ 詳細は本紙1542号または4月25日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

10月に京都で全国大会、「旅館ブランド」世界に発信(全旅連青年部)

山口敦史青年部長
山口敦史青年部長

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(山口敦史部長、1380会員)は4月15日、東京都内で第46回定時総会を開き、「維新伝心~青年部(われら)の共創力(ちから)で未来を拓こう~」のスローガンのもと山口体制2年目を迎え、10の委員会の活動報告や、今年10月8日に京都で開催される全国大会に向けた事業展開、さらに「旅館ブランド」の海外発信などに積極的に取り組んでいくことを確認した。

 山口部長は「昨年4月に21代青年部長になって早1年。6月4日には仙台で行われる親会の全国大会に合わせて青年部45周年記念式典を開くほか、10月8日には京都で第22回全国大会『都プロジェクトin京都』の開催、さらに来年2月には第2回旅館甲子園などさまざまな事業が盛りだくさんに控えている」と語り、部員が一体となって事業に取り組んでいくことを求めた。また、「私がこの期でどうしてもやりたかった『旅館ブランドの世界発信』へさまざまな取り組みがこの夏花開きそうだ」と述べ、「5月にパリで開かれる経済開発協力機構(OECD)の閣僚理事会に出展する日本政府観光局(JNTO)のブースの一部を借りて日本の旅館の魅力を世界に発信する事業を行う。7月にパリで開かれるジャパンエキスポでも若者に向け旅館ブランドを発信していく」と強調した。

 山口体制の掲げる5つのミッションは(1)政策的課題の解決(2)流通課題への対応とインバウンド対策(3)構造的課題の解決(4)風通しの良い組織の構築(5)災害支援ネットワークの構築――。構造的な課題の解決では、日本学生観光連盟とのインターンシップ事業や、異業種コラボ事業の展開も精力的に行った。災害支援ネットワークの構築では、セミナー、研修事業などを含めてあらゆる可能性に備えていく――としている。

 地域の光輝く青年部の活動を10月の全国大会で表彰する褒章事業は、8月29日まで受け付けている。総額210万円が用意され、「地域活動」「県・ブロック活動」――の2部門で(1)プラチナアワード(副賞50万円)(2)シルバーアワード(同20万円)(3)ブロンズアワード(同10万円)がそれぞれ1本ずつ選ばれるほか、旅行新聞新社賞など各社賞では1本ずつ副賞10万円が贈られる。

京都での全国大会をPR
京都での全国大会をPR

人材難のサービス業 ― 空しさではなく「誇り」を感じたい

 先日、正午少し前に、丼物のチェーン店で安い牛丼を食べていると、店員が「いらっしゃいませ~。あちらの席で、合い席でお願いします」と来店してくる客に向かって指示した。1分置きくらいにお客が1人で入ってくると、また同じように1人で座っている客の席を指差し、「合い席」へと誘導した。

 まだ正午まで時間があったので、店内の半分以上が空席になっているなか、オートマチックに、義務感強く「合い席」を叫んでいたが、大きな荷物を持つ客が「こんなに荷物が多いので合い席は勘弁してくださいよ」と隣の空席に移動すると険悪な雰囲気が店内に流れた。そして別のスタッフが水を持って来て一言、「お客さんが来たら合い席でお願いします」。

 この店のスタッフは「いらっしゃいませ」のほかには、「合い席でお願いします」しか言っていない。大混雑時なら分かるが、まだまだ店内はガラ空き状態で、来るべき正午に向け、オモチャのように狭いテーブルにお客を「合い席」へと誘う。「合い席」はどうしても席が足りなく、お客に詰めて座ってもらう最終手段ではないのかと思うのだが、そのチェーン店の方針は違うらしい。テトリスの競技のように客を「まずは合い席で埋めていく」仕方だ。

 会社が秋葉原に近いせいか、周りにはインド人やトルコ人などの外国人が経営するエスニック料理店も多い。どのレストランや居酒屋に入っても今や外国人スタッフが接客する姿が自然に見られるが、エスニック料理店はその国を代表している意識が強いのか、テーブルも広く、ゆっくりと過ごせる空間づくりをしている。料金設定も価格競争に参入せず、母国人のスタッフは、すぐに辞めないで長く続いているようだ。昨今、日本の「おもてなし」がやたらと話題になっているが、日本のおもてなしと比べても遜色ないし、むしろ上である。当たり前のことだが、どの国であっても他国に負けない、自国文化の誇りである「ホスピタリティ」の心を持ち合わせているのだ。

 サービス業では、社員やアルバイトが集まらないとか、長続きしないという話をよく聞く。

 知識や技術の習得まで時間がかかる専門職は、一度スキルを習得すると、一生食べていける職種もあれば、重宝される人材として長く雇用される傾向が強い。また、営業職では仕事内容よりも、お付き合いしている顧客との人間関係を一生大切にし、そこに自分の成長と存在価値を見出していく人も多い。

 サービス業も日々の接客のなかで、コミュニケーション能力に磨きをかけていけば、待遇も年々厚くなり、プロとして重宝され、長続きもするはずである。しかし、なぜサービス業ではスタッフが慢性的に不足する人材難に悩まされ、長続きしない難局が続く企業が多いのか。

 最大の要因は働く人のモチベーションが上がらないからである。では、なぜスタッフの働く意欲が上がらないのか。この店でサービスするのが自分でない他の誰であっても変わらないことに「空しさ」を感じるからである。自分でない誰であっても、店の売上に大きな影響がない状況に、サービス業で働く人の誇りが得られるはずがない。自社の経営の勝敗が値引きなど価格競争が主で、「サービスはオートマチックでいい」では、慢性的な人材難は永久化するだろう。

(編集長・増田 剛)

可・不可の線引重要、ユニバ旅行のセミナー実施(JATA)

各旅行会社が参加
各旅行会社が参加

 日本旅行業協会(JATA)は3月14日、年に1度実施している「ユニバーサルツーリズム推進・実践セミナー」を羽田空港で開き、会員旅行会社から15人ほどが集まった。JATAバリアフリー旅行部会長による講演では、ユニバーサルツーリズムにおける、高齢者や障がい者への旅行前の聞き取りとその聞き取り項目、旅行会社としてできることとできないことの線引きの重要性などについて話した。

 田中穂積JATAバリアフリー旅行部会長は「旅行会社に求められる対応のポイントと実践方法」をテーマに講演。「障がい者というと、障がいの重い人を思い浮かべがちだが、軽微の障がいの方もいる。1―10すべてではなく、できる対応から始めて発展させていくのがよい」とアドバイスした。

 旅行会社に求められる対応のポイントとして、傷病の詳細や車イスの利用、同行者の有無、過去の旅行歴などを確認する「顧客のコンディションの把握」、旅行の目的や旅行先の要望など「顧客要望の確認」、単独オペレーションか添乗員の有無、周遊コースなど「旅行内容の説明」、観光地の階段の有無や旅行行程中のバリアの確認など「参加時のバリア確認」、空港車イスの手配や専用送迎車両の手配、福祉車両やバリアフリールームの手配など「バリア解消方法の確認」、「発生する費用の確認と説明」――を挙げた。JATAでは予約相談のときに、確認事項を記入するハートフル・シートを作成。同シートを使いながら確認していけば、先に挙げたポイントを網羅できる。田中バリアフリー旅行部会長は「事前にバリアの説明をしておくことが重要。さらに、旅行会社でできること、できないこと、追加料金でできることなどを、しっかりと切り分けて説明しておこう」とアドバイスした。

 また、旅行会社は資格が無いので、基本的に介助を行わず、人工透析など医療関係の手配も行わないという。「旅行会社に介助の義務はない。好意から手を出してしまい、事故などが起きたら大変な問題になる。資格を持っていないから介助をできない、医療関係の手配はできないということを事前にしっかりと説明しておくことが大切」と話した。さらに旅行会社は福祉団体やボランティアではないことにも言及し、「ボランティア精神やCSRだけでやっていると長続きはしない。利益あってのビジネス」と強調した。

 同セミナーではそのほか、全日本空輸(ANA)の対応や、羽田空港国際線旅客ターミナルビルのユニバーサルデザインの取り組みなどを学んだ。

高校生発案のクッキー

 島根県松江市の玉造温泉に、新しいお土産「姫神占い神社クッキー」が登場した。地元の女子高校生4人が考案し、同温泉のまちづくり会社が商品化した。

 個包装されたクッキーの形が占いになっているなど、高校生のアイデアが溢れる。食べてみたところ、ほんのりとしたショウガ風味で非常においしかった。

 現在、温泉街のまち歩き拠点施設などで販売しているが、売り上げの1%が高校に入るという。

 高校生や大学生が観光振興のためにアイデアを出したり、発表したりというケースは増えているが、それらが商売ベースで動いていることはほとんどない。

 クッキーの販売は始まったばかりだが、これが1つのビジネスモデルになればいい。

【土橋 孝秀】

6・9%減の95件に、50年以上の老舗が4割(ホテル・旅館の13年度倒産件数)

倒産企業の業歴別構成比

 帝国データバンクがこのほど実施した調査によると、2013年度のホテル・旅館経営者の倒産件数は前年度比6・9%減の95件と、東日本大震災の影響を受け倒産件数がピークだった11年度(129件)から2年連続の減少となった。また、7年ぶりに100件を割り込んだが、金融円滑化法などの影響で全体の倒産件数が抑制されている状況を考えると、「07年度以降の高水準から脱したとは言いにくい」(帝国データバンク)と分析している。さらに、「50年以上」の老舗と呼ばれる旅館・ホテルの倒産が全体の40・6%を占め、自主的に休廃業する老舗企業も散見され、倒産における老舗企業の比率が上昇基調にある。

 負債総額は同42・9%減の442億5700万円と大きく減少し、2000年以降で最低を記録した。負債額別に倒産件数の構成比をみると、1億円未満が32・0%、1―5億円未満が43・0%、5―50億円未満が25・0%で、今年度は50億円以上の大型倒産はなかった。小規模倒産が増え、大規模倒産が減る傾向は近年さらに強まり、「以前は、銀行からの多額の借り入れを元に積極的な設備投資が実らずに倒産につながるケースが見受けられたが、近年は慢性的な売上減少から運転資金にも事欠き、集客力にも劣る事業者が事業継続を断念するケースが多く、小規模倒産の増加に拍車をかけている」(同)としている。

 地域別にみると、中部が22件で最も多く、関東21件、近畿12件、東北11件と続くが、前年度に比べ関東、中国などが大幅に増加した。