神秘的な大谷資料館

 今年のGWには、以前から一度行ってみたかった栃木県宇都宮市の「大谷資料館」へ足を運んでみた。

 同館は地下30メートルに広がる大谷石の地下採掘場跡を公開したもので一歩足を踏み入れると、突如として眼前に神秘的な巨大地下空間が現れる。そこはまさに異空間で、映画のロケセットではないかと錯覚してしまうぐらいだ。さながら映画「インディ・ジョーンズ」の世界観とでも表現すれば、わかりやすいだろうか。

 坑内の平均気温は8度前後で、戦争中は地下倉庫や軍事工場として、戦後は政府米の貯蔵庫として利用されていたという。

 資料館周辺には、大谷石むき出しの岩肌が連なる大谷景観公園や自然の岩壁に彫られた高さ27メートルの平和観音、洞窟に覆われた大谷寺があり散策も楽しめる。

【古沢 克昌】

ロボット王国誕生、生産性高いテーマパークへ(ハウステンボス)

澤田秀雄社長
澤田秀雄社長

 ハウステンボス(澤田秀雄社長)は4月21日、東京都内で会見を開き、7月16日に世界最先端ロボットが登場する「ロボットの王国」をオープンさせることを発表した。同施設では過去5年間で(1)花の王国(2)光の王国(3)音楽とショーの王国(4)ゲームの王国(5)健康と美の王国――の5つの王国を展開。今回6つ目となる同王国では、「変なホテル」「ロボットの館」「変なレストラン」の3つのコンテンツを柱に、同施設は世界一生産性の高いテーマパークを目指す。

 変なレストランは、日本初のロボットが運営する本格ビュッフェレストランで、変なホテルのスピンオフとして位置づけられている。料理長のロボットは鉄板焼き職人で、見事なヘラ捌きで一からお好み焼きを作り、顧客に提供することができる。

アイドルロボット
アイドルロボット

 そのほかにも、10種類以上のカクテルやビールなどを提供できるバーテンロボットや、サービス業務を担当するロボットなどを配備。各テーブルの上には卓上ロボットの「タピア」を設置し、顧客とのコミュニケーションをはかりながら、空席状況のコントロールも行っていく。同レストランはオープンキッチンスタイルになっており、ロボットたちが調理する姿をガラス越しに見ることができる。

 ロボットの館は、(1)ロボットショーゾーン(2)企業ブースゾーン(3)ロボット体験ゾーン(4)ロボットヒストリーゾーン(5)ロボットショップゾーン(6)ロボット試乗ゾーン(7)ロボットアニメタイアップゾーン――の7つのブースで構成されている。ロボット試乗ゾーンでは、西日本では初登場となる1人乗りロボット「バトルキング」が登場。実際にロボットを操縦しながら、赤外線の銃で撃ちあうゲームをすることができる。さらに、ロボットステージゾーンでは、複数のロボットが繊細でコミカルなダンスを披露する。
 
 
 

富田直美経営顧問兼CTO
富田直美経営顧問兼CTO

 同社の富田直美経営顧問兼CTOは、同施設は私有地のため、許可を得ることなくさまざまな実用実験を行えることから、「ハウステンボスは実用実験をするには最適な場所。ロボット技術がここから世界につながるよう、数々の実験を行っていく」と語った。また澤田社長は、「世界一生産性の高いテーマパークを目指す」と意気込み、将来的にはロボット産業にも進出していく意向を明らかにした。

 このほど熊本・大分県で発生した地震による同施設への影響として、実際に震災以降、変なホテルのキャンセルが200―300人程度出ていることを報告。澤田社長は「2―3カ月は震災の影響を受けるが、それ以降は『九州、頑張ろうじゃないか』という動きに変わる」と述べ、今後「がんばろう九州キャンペーン」などを展開していくと語った。

(左から)タピア、パルミー
(左から)タピア、パルミー

着地型の“多様性”探る、実践者や有識者が議論

 全国旅行業協会(ANTA)は3月17日、鹿児島アリーナ(鹿児島市)で「第11回国内観光活性化フォーラムinかごしま」、翌18日には㈱全旅による「第2回地旅博覧会inかごしま」を開催した。これらに先立って16日には「第2回着地型観光事例報告会~着地型観光の多様性~」が開かれ、現状の課題や、今後に向けた提案などが熱く議論された。

 事前調査によると、現在、ANTA会員約5500社のうち、㈱全旅のホームページに企画掲載しているのは4年間で延べ約300社、このなかで継続的に着地型観光を事業化している会員は約2割のわずか60社との結果が出ている。観光庁をはじめ、ANTAも地旅を積極的に推進していく方針を掲げている一方、着地型観光は経営理論的に成り立ちにくいと考えられがちな一面もあり、まだ本格的な振興には至っていない。

 同報告会には、着地型観光実践者や学術有識者、民間企業、行政など幅広い分野から参加者が集まり、事例報告や今後の課題について意見交換を行った。

 主な意見としては、「着地型観光が何であるか、多くの旅行会社が未だに理解していない」や、「着地型観光は会社経営の軸というよりもサポート的な役割」などの実情を紹介する一方で、「継続して行っていると、成功事例を聞いた行政からバックアップの依頼があった」や、「地域にしかない独自性の高い“食”をテーマに小人数限定だと高価格でも引き合いが強い」といった報告、「紙媒体とウェブの両方で展開しているが、予想通りほとんどがウェブからの予約」、「目的地に到着してからの検索や予約でも対応が可能なことが大事」などの意見も出た。

 さらに、「日本は欧米と比較して、旅行・ツーリズムを学問として捉えた背景がないまま成長を続けた産業なので、現状の変化に順応する難しさもある。学びも必要」、「着地型観光研究会といった組織の立ち上げが必要」といった提案もあった。

 参加者からは「地域の力になれる可能性を感じた」などの意見もあり、今後も継続して意見交換を行う考えだ。

観光資源の育成を、魅力創造事業を公募(観光庁)

 観光庁はこのほど、2016年度の「地域資源を活用した観光地魅力創造事業」の公募を開始した。自治体から民間の観光関係者まで一体となった取り組みを促すことで、世界に通用する観光資源の育成が目的。地域の文化財などの観光資源を活用し、独創的かつ最新の観光動向を踏まえた取り組み提案を優先的に支援するとのこと。

 観光庁は、事業の実施に必要な経費総額2分の1以内の金額を、予算の範囲内で負担する。経費は「事業計画策定・マーケティング」と「滞在コンテンツの充実・強化」など地域の魅力を高めるための具体的施策を対象としている。支援期間は最大3年間。

 募集期間は5月27日午後5時まで。応募方法など詳細は観光庁HP(http://www.mlit.go.jp/kankocho/news05_000210.html)から。

大宮の地で40年、時代は〝継承から綜造ヘ〟(大宮綜合リザーブセンター)

久保田興生会長
久保田興生会長

 大宮綜合リザーブセンター(久保田力社長)は4月27日、埼玉県大宮市内で同センターの創立40周年を記念した祝賀パーティーを行った。同センターは1977年4月に埼玉県大宮市にて開設され、開設当初は会員数約30施設でスタートした。その後90年に法人へと組織変更を行い、94年には同センター協力会組織を立ち上げた。そして今年、会員数236施設で創立40周年を迎え、次なる時代に向け「継承から綜造へ」と成長し続けている。

 冒頭、同センターの久保田興生会長が、同センターの歩みを振り返りながら「この長い道のり40年のなかに、波瀾万丈の日々が多々あった。しかし、多くの皆様一人ひとりのご指導と愛によって、今回40周年を迎えることができた」と感謝の意を表した。続いて、伊香保温泉ホテルきむら代表で、同センター協力会の木村幸久会長が久保田会長の人柄について「人と人とのつながりを非常に大事にする人」と述べ、「この40周年を機に、50周年に向けて頑張っていただき、沢山の協力会のために、送客に尽力していただきたい」と語った。

木村幸久協力会会長
木村幸久協力会会長
浅子和世会長
浅子和世会長

 祝賀パーティーには来賓として埼玉県旅行業協会の浅子和世会長が出席。浅子会長は観光業界を〝家内制手工業〟に例え、「私どもをはじめ家族一丸となってやっていかなければ、できない商売である」とし、そのうえで「国の政策もインバウンド中心に考えられているが、今後はインバウンドだけではなく、アウトバウンドも頑張ってもらわなければならない」と、今後に向け課題を明らかにした。

40周年を祝し鏡開きを行った
40周年を祝し鏡開きを行った
石井貞德社長
石井貞德社長

 来賓あいさつ終了後は、同センターの40周年を祝し、旅行新聞新社の石井貞德社長ら8人によって鏡開きが行われた。その後、石井社長は乾杯のあいさつで「現在観光業界の案内所というのは、とても厳しい時代に入ってきていると思う。そのなかで40年という長い間、事業を続けてこれたのはやはり会長の力だと思う」と改めて同センターの40周年を祝った。

 乾杯後のアトラクションでは、浅草セグラスツーリズムエージェンシー「EN+(エンタス)」による昭和の歌謡曲の生歌・生演奏や、浅草六区を拠点に、昭和歌謡のレヴューショーを上演する「虎姫一座」による歌やダンス、アクロバットなどを取り入れたパフォーマンスが行われ、出席者たちは懐かしの音楽と、迫力あるパフォーマンスに酔いしれた。

 今後同センターでは40周年を記念し、同センター会員施設への送客実績(売上合計)の上位40社に、豪華賞品をプレゼントする特別キャンペーンを展開する予定。

受賞施設を大幅増、東北・北陸・中部、関東エリア(JALパックアワード)

受賞者記念撮影
受賞者記念撮影

 ジャルパック(藤田克己社長)は4月25日、東京都台東区の浅草ビューホテルで取引先施設を対象とした「JALパックアワード」の東北・北陸・中部と関東の2エリアの表彰式を行った。「お客さま評価部門」「企画部門」「Web販売部門」と3つのカテゴリーがあり、「Web販売部門」のみ金賞と銀賞を用意。ほか2つは金賞のみ。取引先施設を称えるための枠組みとして創設され、2回目の今年、Web部門を中心に受賞施設を大幅に増加した。

 藤田社長は「ジャルパックは宿泊施設の皆様に支えられている。これからも、1つでも多くの施設を表彰したい」と述べた。

 「お客さま評価部門」の東北・北陸・中部エリアで金賞を獲得したホテル日航金沢は、朝食バイキングの充実、駅近の好立地などソフトとハード両面での高い顧客満足度が受賞につながった。関東エリアの金賞はディズニーアンバサダー©ホテルが受賞した。

ホテル日航金沢受賞のようす
ホテル日航金沢受賞のようす

 「企画部門」の東北・北陸・中部エリアで金賞を受賞したホテルルーセントタカミヤを運営する高見屋旅館の岡崎彌平治社長は「これからも、少し背伸びをしながら日本航空のブランドとともに一緒によりよい商品をつくっていきたい」と喜びを語った。関東エリア金賞の東京空港交通は、羽田空港と東京ディズニーランドを結ぶ往復無料送迎バス「マジカルファンタジー号」の運行を担っており、安全と安心を心がけた丁寧な仕事が評価された。

 「Web販売部門」は2エリア、金・銀賞合わせて計13施設を表彰。関東エリアで金賞を受賞した品川プリンスホテルの杉江英人営業部門支配人は「これからは品質の改善、スタッフの教育訓練にしっかり取り組み、さらなるお客様満足度向上を目指していく」と述べた。

 同アワードは全国を7つのエリアに分けており、残る北海道エリア、関西・山陰・山陽エリア、四国エリア、九州エリア、沖縄エリアは、5月上旬から6月中旬までに発表予定。受賞施設はWebからも確認することができ、受賞を記念した特別商品の売り出しも行う予定だ。

 Web販売部門の受賞ホテルは次のとおり。

 【金賞】ホテルJALシティ青森▽ホテルルートイン金沢駅前▽ホテルサンルート青森▽京急EXイン品川駅前▽銀座グランドホテル▽サンルートプラザ東京▽品川プリンスホテル【銀賞】秋田ビューホテル▽ホテルモンテエルマーナ仙台▽ガーデンホテル金沢▽ホテルグレイスリー新宿▽ニューオータニイン東京▽ホテルJALシティ羽田東京

旅館と九州7県PR、日本旅館協会九州が出展(福岡ギフトショー)

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 九州最大のパーソナルギフトと生活雑貨の国際見本市「第12回インターナショナル福岡ギフト・ショー2016」(ビジネスガイド社主催)が6月6日から8日まで、福岡市博多区のマリンメッセ福岡を会場に開かれる。

 同期間中には美と健康をテーマにした、プロフェッショナルのための総合見本市「第5回福岡ビューティー・ショー2016」(同)も同時に開催。昨年は期間中に両展示会合わせて約3万3千人の来場者でにぎわった。

 今年は両展示会で生活消費財や美容関係の企業など約250社が出展し、流通、美容関係のバイヤーや最終日の一般消費者に向けて商品PRを行う。

 とくにギフト・ショー会場では、今回初めて旅行新聞新社の協力で、日本旅館協会九州支部連合会がブース出展し、会員旅館のパンフレットなどを配布してPR。さらに、九州7県とも連携して、観光パンフレットやポスター、DVDなどで九州各地の観光・文化の魅力を発信する。

 会場では「おもてなし」や「美容と健康」などさまざまなテーマのセミナーも開かれる。開場は午前10時から午後5時まで。現在無料来場登録を受け付け中。登録はインターネットで「福岡ギフト・ショー」検索。

【当選者発表】第41回プロが選ぶ100選宿泊券プレゼント

『第41回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選プレゼント当選者』が決定いたしました。

今回もたくさんのご応募ありがとうございました。
2016年3月31日の締め切り後、厳正なる抽選の結果、ご当選者が決まりました。
ご当選者の皆様には当選旅館・ホテルから近日中に宿泊券をお送りいたします。
どうぞ楽しいご旅行をお楽しみください。

ご当選者のお名前は
コチラから!(弊社の『プレゼントコーナー』ページへリンクしています)

 
☆「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」とは☆
 「プロ(=旅行会社)」の投票により、100選施設に値する優れたホテル・旅館を「もてなし」「料理」「施設」「企画」という4つの区分で5段階で評価。100選はその合計点によるランキングです。

東九州自動車道開通 ― 救援活動や今後の九州観光にも期待

 熊本・大分を震源とする地震で九州の大動脈・九州自動車道が一部区間で通行止めとなっていたが、4月中に全線通行可能になる予定という。九州新幹線の全線再開も4月27日の予定だ(26日現在)。被災者の救援や被災地の復旧に向けても、交通インフラの復旧は心強いニュースである。

 もう一つ、九州に大きなニュースがあった。

 東九州自動車道が4月24日、北九州から宮崎まで全線開通した。地震で大きな被害を受けた九州だが、新たなルートの開通によって、被災地の救援活動はもとより、今後の観光復興に向けても大きな役割を果たすはずだ。北九州市の北橋健治市長は「東九州道が(熊本地震を受けた)消防・救急活動や物資の輸送などに、早速その機能を発揮すると期待している」とコメントしたと、25日付の西日本新聞で報道されている。

 北九州市から宮崎市までは、国道10号線が通っているが、所要時間は約7時間を要し、とくに宮崎県は陸路での交通の便の悪さから、「陸の孤島」と呼ばれていた。

 東九州自動車道の周辺エリアにはすぐれた観光名所や温泉地、美味しい食材が存在するのだが、全国的な知名度はいまひとつだ。私の生まれた町もこのエリアの小さな町なのだが、自動車工場などが多く集積する工業地帯のため、観光への関心度は高くない。観光関係の仕事をしていることもあって、里帰りした折には、例えば、首都圏や関西圏の人に旅行してもらうには、どのような部分をアピールしたらいいのだろうと考えることもあるが、やはり多くの市町村の悩みと共通で、小さな町単独では遠方からわざわざ訪れてもらうだけの強烈なインパクトは与えることは難しい。

 東九州自動車道によって点から線につながったことで、個々でアピールしていた自治体も、連携をより強く意識した観光ルートづくりを目指してほしい。

 私はクルマで旅をするのが好きなので、観光説明会などに参加すると必ず資料のなかからマップを取り出して眺め、マップ上の道路に沿って旅を空想する。マップには主要な観光名所や、温泉地などが描き込まれているが、視覚効果を狙って、若干デフォルメして、人気観光地間の距離を短く見せているのも面白い。温泉街のマップを眺めるのも好きで、戸倉上山田温泉の旅館「亀清」の若旦那・タイラー・リンチさんが作った温泉地マップなどは見ているだけで楽しくさせてくれる。また、温泉地から足を延ばせば行ける観光名所をちゃんと書いてくれているマップも助かる。

 人気のある観光地や温泉地は、地図の描き方が上手い。魅力的な地図だから、多くの人が集まってくるという理屈も、少なからずあるかもしれない。

 東九州自動車道開通の話に戻るが、地震発生後、大分県内の別府や、湯布院など人気観光地でも旅行のキャンセルが相次ぎ、新たな予約も入らずに苦境に立たされている。直接的な被害のなかった鹿児島でも観光客が激減し、窮状を訴える現状を耳にした。もうすぐゴールデンウイークだ。被害の少なかったエリアから、少しずつ観光客が戻っていくことを願っている。そのためにも東九州自動車道は大きな役割を果たせると思う。周辺エリアに魅力的なルートマップができることも、期待している。

(編集長・増田 剛)

No.430 指宿を“医療リゾート”に、世界の富裕層を指宿へ誘致!

指宿を“医療リゾート”に
世界の富裕層を指宿へ誘致!

 鹿児島県・指宿温泉の指宿白水館(下竹原啓高社長)は、指宿市内にある世界最先端の陽子線がん治療施設「メディポリス国際陽子線治療センター」と連携したメディカルツーリズムを展開し、注目を集めている。“医療リゾート”という独自のキラーコンテンツで世界の富裕層を誘致し、完治するまでの間、砂蒸し温泉の入浴やトレッキング、森林浴などさまざまなメニューがそろう指宿で滞在してもらう。温泉地や旅館の生き残りをかける取り組みを取材した。

【九州支局長・有島 誠】

 
 
 今や2人に1人が「がん」になるという時代。「がん」は特別ではなく、誰もがなりうる病になりつつある。それゆえに、がんを治療する医療技術の進歩も目覚ましい。

 がんの治療方法は手術による外科療法、抗がん剤を使う化学療法、X線やガンマ線を使う放射線療法の3つがあるが、いずれも体への負担と副作用をともなうなど、リスクは大きい。

 指宿の「メディポリス国際陽子線治療センター」では、放射線療法のなかで、がん病巣のみピンポイントで照射する陽子線を用いた粒子線治療を行い、効果をあげている。

 陽子線は体内に照射される正常な細胞にほとんど影響がなく、がん細胞のみ死滅させることができるため、治療は熱くも痛くもなく、点滴チューブなど一切付けず、照射時間も1回当たり数分。これを4―40回、数週間かけて行い、がん治療は完了する。

 メリットとしては治療が短期間に集中することで、体への負担も少なく、高齢者や体力のない人にも適している。普段通りの生活ができ、治療後の社会復帰も早く、忙しい外国のVIPでも受診しやすいのが特徴だ。

 指宿白水館の下竹原啓高社長は「治療中に湯治やゴルフ、テニス、セーリング、トレッキングに森林浴などが楽しめ、美味しい地元食材を使った料理も味わえる。医療リゾートとしての指宿は最高の環境です」と強調する。

 実は下竹原社長自身も、昨年1月から2月にかけて、がん治療のため同センターで25回の陽子線照射を受け、見事に完治した体験者。その体験から得た実感は、国内外の医療リゾート地に対する指宿の優位性に説得力を与える。…

 

※詳細は本紙1627号または5月3日以降日経テレコン21でお読みいただけます。