ASEAN+3観光大臣会合、渡辺副大臣が参加 観光復興へ共同声明採択

2022年1月21日(金) 配信

左・渡辺副大臣、右・オンライン会合のようす(観光庁HPから)

 国土交通省の渡辺猛之副大臣は1月19日(水)、ASEAN+3観光大臣会合に出席した。カンボジア・シアヌークビルとオンラインでのハイブリッドで開催された同会合では、新型コロナの影響下において、各国がこれまで実施した観光施策に関する情報・意見交換を行った。これにより、観光復興に向けて今後も協力していくことを確認し、共同声明を採択した。

 参加国はASEAN10カ国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)と日本、中国、韓国の計13カ国。

 渡辺副大臣からは、今後の国際交流の再開に向け、持続可能な観光に関する取り組みや、無料Wi―Fiなどのインバウンド受入環境整備を進めていく旨を話した。

 また、日本アセアンセンターによる人材育成支援をはじめとした、日本のASEAN各国との交流拡大に向けた取り組みを紹介し、各国から謝意が述べられた。

22年は稼げる地域など4観点 県民割停止ルール追加(観光庁長官会見)

2022年1月21日(金) 配信 

観光庁の和田浩一長官は1月19日(水)、会見を開いた

 観光庁の和田浩一長官は1月19日(水)に開いた会見で、2022年の観光行政の舵取りについて、「観光は地方創生の切り札。国内交流の需要喚起や、観光経済の変革、稼げる地域、国際交流再開に向けての準備など、4つの観点から事業に取り組んでいく」と述べた。「オミクロン株による感染者急増というカタチで新年を迎えることとなったが、観光関連事業者には引き続き、事業継続と雇用維持への支援を行う」と語った。

 エイチ・アイ・エス(HIS)の子会社2社によるGo Toトラベル給付金の不正受給問題について、HISは1月18日(火)、観光庁に改善報告書を提出した。報告書では再発防止に向けたグループ全体の法令遵守への意識の向上や、コンプライアンス意識の確認などを挙げた。

 和田長官は、「子会社への管理監督が不十分であったと言わざるを得ない。まずは速やかにこれらの改善策を実施していただきたい」としたうえで、示された改善策がHISや関連会社において徹底されるかどうか注視していく。また、今月中を目途に事実関係に関する調査結果を報告するよう同社に指示した。

 再発防止策として、不正利用の疑いのある調査対象の拡大や給付金支払いに関する審査の厳格化、審査体制の強化など、新しいGo Toトラベル事業の開始までに必要な対策を講じる。

 

経団連の提言 「方向性は同じ」

 日本経済団体連合会は18日(火)、「持続可能でレジリエントな観光への革新」として観光立国推進基本計画の改訂への提言をまとめた。ワーケーションやブレジャーなどの推進や、平日需要の創出、滞在期間の延長、新しいコンテンツの展開、幅広い地域へのインバウンドの展開などが盛り込まれている。

 これを受けて、和田長官は「昨年12月に観光分科会で示した当面の観光政策の考え方と概ね方向性が同じだと受け止めている。引き続き、経済界を含めた関係者から広く意見を求めて参考にしていきたい」とした。

 

県民割停止ルール追加、まん防区域発着の旅行

 新型コロナウイルス感染症対策本部は1月19日(水)、基本的対処方針を変更し、原則として「ワクチン・検査パッケージ」制度について当面適用されないと判断した。これに伴い、観光庁では県民割支援の停止ルールの追加を決定した。

 県民割支援では、「ワクチン・検査パッケージ」を活用し、安全・安心な旅行を前提としてワクチン接種証明や、PCR検査陰性証明などを用いていることを支援の条件としている。また、県民割を実施する都道府県の知事が感染状況レベル3相当以上と判断した場合や、事業を行う県が緊急事態宣言の対象となった場合は県民割支援を停止することとしてきた。

 観光庁では、対策本部の決定により、まん延防止等重点措置の対象となった都道府県の県内旅行のうち、①措置区域を発着する旅行②措置区域への隣接県民による旅行③措置区域の居住者による隣接県への旅行──を停止対象に追加した。

 このほか、「知事の判断によって、措置区域にかかわらず県内全域を対象として県民割を停止することも可能」とした。

東武が会津のスキー場へ専用夜行列車を運行 3月5日までの週末

2022年1月21日(金) 配信

夜行列車で白銀の世界へ

 東武鉄道は3月5日(土)まで、福島・会津に向けスキー・スノーボード専用の夜行列車「スノーパル23:55」を週末を中心に運行している。

 夜行列車は、東京・浅草駅を午後11時55分に出発して福島・会津高原尾瀬口駅に午前5時23分に到着、バスに乗り継ぎ、たかつえスキー場に6時30分ごろ、だいくらスキー場には6時50分ごろに到着する。早朝のゲレンデを眺めながらの朝食や、朝一のパウダースノーを楽しむことができる。

 運行は1月7日(金)~3月5日(土)までの金・土曜日および祝前日の1月9日(日)、2月10日(木)、2月22日(火)から翌日の合計21回。

 同商品は東武トップツアーズの各支店で発売している。定員は138人、料金はリフト券なども込みで1人9600円から。追加1500円で隣の座席も利用できる「ゆったり2座席利用プラン」も用意している。

ONSEN・ガストロノミーツーリズムコラム 鹿児島の温泉の魅力(鹿児島県)

2022年1月20日(木) 配信

硫黄島東温泉

 源泉数では全国2位の鹿児島県。温泉県としてもっと知られていてもいいはずなのに、その知名度は決して高くない。全国的に知られている温泉地、霧島や指宿を有しているにも関わらず、だ。それなのに源泉数が多いというのは、見方を変えれば、いわゆる「観光地」ではない普段着の温泉地や公衆浴場が多いともいえ、実情もその通り。

 鹿児島県は地域密着型の温泉にあふれている。

 神社のお賽銭箱の下に源泉がある紫尾温泉、西郷隆盛が「仙境」と表現した栗野岳温泉、島津の殿様に「天下の名泉」と呼ばれた市比野温泉、住宅街にあるにもかかわらず国道沿いの案内看板から浴場にまでたどり着くのに迷う江之島温泉、不思議な出来事によって温泉神社の御神体が薬師如来という宮之城温泉、世界自然遺産の屋久島を望める絶景の露天風呂なのに無料で入れる東温泉と個性的な温泉は、南北600㌔のまさに県域に点在している。

 めぐっておもしろくない訳がない。

 さらに地球の息吹を感じさせてくれる活火山の桜島や開聞岳もおもてなししてくれる、それが鹿児島の温泉だ。

まちづくり地域フォーラム・かごしま探検の会 東川隆太郎

絵ろうそくまつりなど冬の福島・会津地方を堪能 東武トップツアーズの限定ツアー

2022年1月20日(木) 配信

(左から)大内宿、会津絵ろうそくまつり、ねぎそば(イメージ)

 東武トップツアーズ(百木田康二社長、東京都墨田区)は2月11日(金)出発限定で、福島県・鶴ヶ城をメイン会場に開かれる会津絵ろうそくまつりと、大内宿など冬の会津地方を堪能する1泊2日のツアーを売り出した。

 「会津絵ろうそく」は、1本1本に菊、牡丹、藤などの季節の草花が色鮮やかに描かれているろうそくで、すべて手作業で作られている。随所に職人の技が感じられる会津の伝統的工芸品の1つ。この絵ろうそくを広く知ってもらうために始まったのが「会津絵ろうそくまつり」。23回目を迎える今回は2月11、12日の2日間開催する。

 ツアーは東武特急を往復利用する。「会津絵ろうそくまつり」を訪れるほか、会津若松の奥座敷・東山温泉に宿泊し、合掌造りの町並みが残る大内宿をはじめ、雪景色が美しい日本の原風景を巡る。また、客車列車「DL大樹」に乗車し、冬の会津路でノスタルジックな夜汽車気分が楽しめる。

  北千住駅発着で、代金は1人4万7000円(大人・2人1室利用の場合)。同社北千住駅支店かWebサイトで受け付ける。

Airbnb、イタリアに滞在できるホスト募集 伝統家屋に家賃無料で

2022年1月20日(木) 配信

居住する伝統家屋。最低3カ月間連続して滞在することなどが条件

 Airbnb(エアビーアンドビー、田邉泰之代表)は日本時間2月19日午前1時59分まで、イタリア・シチリア島のサンブーカにある修復を経てスタイリッシュに変わった伝統家屋に家賃なしで滞在しながら、利用者を迎え入れることができるホストを1人募集している。人口減少を受けて、文化遺産の振興などに取り組む農村サンブーカで、コロナ禍で減った観光需要を回復させ、コミュニティの発展をはかる。

 テレワークなどが普及したことを鑑みた同社は、選ばれた人が家族などと共に移住できるようにし、ホスティングで得た収入をすべて得ることができるようにした。

 ホストの条件は、今年6月30日(木)から最低3カ月間連続してサンブーカに滞在することと、会話レベルの英語力(イタリア語が分かれば尚可)、施設内の1部屋をホスティングし、最低9カ月間ゲストを受け入れること、オリーブ摘みなど村の行事への積極的な参加、年齢が18歳以上であること、新型コロナウイルスに関する国・地域の規制の遵守――としている。応募は同社ホームページで受け付けている。

シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルで香港の家庭料理を 「香港フードフェアwith Grace Choy」開催中

2022年1月20日(木) 配信 

グレース・チョイ氏

 シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル(千葉県浦安市)で2月18日(金)まで、「香港フードフェアwith Grace Choy」が行われている。 

 “隠れ家レストランの女王“として知られる香港の料理家、グレース・チョイ氏監修の香港の家庭料理が味わえる企画で、同氏もキッチンに入る。

 2019年に「グルマン世界料理本大賞」を受賞したレシピ本に掲載されるメニューのなかから18種類が日替わりで楽しめる。

真鯛の中華蒸し

 高貴な香りと華やかな味わいが特徴の玫瑰酒で味付けし、長時間じっくり煮込んでホロホロに仕上げたジューシーな「鶏の中華風醤油煮込み」や、八角や乾燥させたみかん、紹興酒などで絶妙なバランスに味付けをした「牛ばら肉と大根煮込み」、蒸した真鯛に豆豉のソースを添えた「真鯛の豆豉醤」などが味わえる。またフェアでは同氏のシグニチャーデッシュである、「有頭エビと春雨のピリ辛煮」をアラカルトのスペシャルメニューとして提供する。

 グレース氏は、「白身魚の蒸したものや鶏肉を醤油で煮込んだものなどは、香港の一般的な伝統料理。ソースには基本的に本場のものを使用しているので、日本で召し上がるのものとの違いを楽しんでください」とPRする。

HIS、観光庁に改善報告書提出 原因や再発防止まとめる

2022年1月19日(水) 配信

HISはリスク・コンプライアンス委員会の活動で、グループの法令遵守への意識を向上させる

 エイチ・アイ・エス(HIS、澤田秀雄会長兼社長)は1月18日(火)、子会社2社がGo Toキャンペーンの給付金を不正に受給したことを受けて、問題発生の原因や再発防止策などをまとめた改善報告書を観光庁に提出した。

 同書では「子会社の自律性を尊重する企業文化が、問題取引の早期把握・是正への取り組みを遅らせた」と原因を説明。また、「子会社役員として任命したHIS役職員が多重兼務となるなか、生え抜き役員との意思疎通や、内部通報制度の存在通知が不足していた」としている。

 子会社に由来する原因として、ミキ・ツーリストについては、社長への権限集中と牽制機能の不全、ジャパンホリデートラベルは、社長の業務執行に対する不十分な監視とコンプライアンス意識の不足を挙げた。

 再発防止に向けては、HISのリスク・コンプライアンス委員会の活動を通じ、グループ全体の法令遵守への意識を向上させる。さらに、グループ各社のマネジメント層と面談を実施し、コンプライアンス意識も確かめる。

 これまでHISから選任されていない子会社の役員については、任命の要否を再検討する。一定金額以上の経常的な取り引きには、報告義務を課すことも決めた。

JTB「徐々に人流回復続く」、観光産業は感染対策を前提に

2022年1月19日(水)配信

JTBの山北栄二郎社長

 JTB(山北栄二郎社長)は1月13日(木)、事業パートナーを対象に「JTBニューイヤー パートナーシップ ミーティング2022」をオンライン形式で開催した。山北社長は、コロナ後の変化やデジタル化の加速に対応するために策定した中期経営計画「『新』交流創造ビジョン」が、このほど開始してから1年半が経過したと説明し、この1年間に事業パートナーと進めてきた3つの取り組み事例を紹介した。

 山北社長は冒頭、2022年も「コロナの拡大と収束は繰り返すものの中長期的に捉えると徐々に人流の回復が続いていく」との見立てを示した。このうえで、総務省の家計調査によると黒字幅がコロナ前と比べて大きく拡大していると指摘し、抑制されてきた消費が一気に盛り上がる「先送り需要の裏付け」と捉えていると言及。「経済の波及効果が大きなツーリズム産業としてもしっかりとした感染対策を前提に、交流を通じて社会に貢献していきたい」と意気込んだ。

21年の中期経営計画、取り組み事例を紹介

事例紹介はディスカッション形式で行われた

 スタートしてから1年半が経過した中期経営計画「『新』交流創造ビジョン」について、改めて説明を行った。山北社長は「国内だけでなく、世界中の法人や個人のお客様と事業パートナーとのつながりを作れることが、リアルとデジタルを併せ持つJTBの強み」と強調した。さらに「JTBだけではない幅広い販売チャネルと事業パートナーをつなげる仕組みや、お客様の日常シーンともつながる仕組みを整えている」と述べ、この1年間に事業パートナーと進めてきた3つの取り組み事例を紹介した。

 取り組み事例の紹介は山北社長を含む、JTB協定旅館ホテル連盟会長の大西雅之氏、東日本旅客鉄道常務執行役員の髙橋弘行氏とのディスカッション形式で行われた。

体験価値向上の取り組み、オンライン旅行相談で

 1つ目の取り組み事例は、今年度から全国で始めている「リモートコンシェルジュ」の仕組みを活用した旅行相談、申し込みによる事例。オンライン旅行相談や、JTBのWebサイトとアプリを活用して情報を発信することで、「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」「日常」と周期する持続的関係性と体験価値の向上につながると示した。

 お客の日常からさまざまな情報提供を行い、訪れたい地域の地元スタッフが旅行体験や地域の魅力を提案し、旅行終了後も訪問先とのつながりを持てる仕組みを提供している。

体験型商品を一元管理、MaaSの取り組みも

 2つ目の取り組み事例では、観光地デジタル化支援事業のサービスである「JTB+BOKUN」とMaaSについて事例をもとに紹介した。

 「JTB+BOKUN」は、日本人観光客だけでなく訪日外国人観光客も対応したツアーや、体験アクティビティの予約在庫管理システム。具体的な取り組みとして、新潟県・六日町温泉の「ryugon」の取り組みを紹介した。同システムを活用することで、自社ホームページでの販売や地域内での総合販売、海外OTA(オンライン旅行会社)での流通を可能にし、在庫の一括管理を実現した。

 MaaSは、地域と観光客をデジタルでつなぐ観光型MaaSのサービス。①商品登録販売機能②決済機能③複数モビリティ経路検索機能④利用ニーズに合わせた配車・AI運行策定機能――を搭載し、地域における周遊を促進し、滞在時間の拡大や消費支出向上につなげていく。導入事例として、実証実験を行っている「やまなし観光MaaS」を紹介し、山梨県全体で課題としていた2次交通の整備に向けて活用。周遊促進や消費の向上に加え、得られたデータを利活用して、観光地の磨き上げとファンづくりに役立てていく。

大町市との共創事業、「みずのわプロジェクト」

 3つ目の取り組み事例では、長野県大町市やサントリーらと発足した、「水」を起点としたまちづくりを進める連携組織「信濃おおまちみずのわプロジェクト」を紹介。プロジェクトに関わる事業者からの共創モデルへの期待や地域との関わり方、人流の創出に向けて連携に期待することなどを語った。

 最後に、山北社長は「コロナの影響はまだまだ見通せないなかだが、中長期的には国内での人流は確実に回復していく。交流や旅を求めるのは人の本質であり、状況が整えばまさに『新』交流時代が一気に押し寄せてくると確信している。明るい未来を信じて事業パートナーなど皆様と、『新』交流時代を切り拓いていく1年にしたい」と締め括った。

琵琶湖ホテル、全客室アメニティを4月から「プラスチックフリー」に

2022年1月19日(水) 配信

琵琶湖ホテル

 琵琶湖ホテル(前田義和総支配人、滋賀県大津市)は4月1日(金)から、全客室の使い捨てプラスチック製アメニティを設置せず、普段から使い慣れたアメニティを宿泊客が持参する「ライフスタイル型」の滞在を提案していく。

 今年4月には「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の施行が予定されている。同ホテルは「脱プラスチックはホテル・旅館事業者にとって取り組むべき大きな課題」と捉え、プラスチック廃棄物の抑制活動を本格化する。

 宿泊者に希望があれば、環境に配慮した客室アメニティ(歯ブラシ&歯磨き粉セット、髭剃り、ブラシ)の販売も行う。

 同ホテルは02年に「里山の食彩プロジェクト」を始動。棚田米や地酒など滋賀県産食材を提供することで、里山環境の保全や、多様な生物の生態系を守る活動を20年間続けてきた。

 09年からは「山野草プロジェクト」をスタートし、年々減少する草原に生息する貴重な動植物を守るため、ホテル内ガーデンに「棚田のあぜ」を再現。約100種類の山野草を栽培するなど、里山の自然風景を未来につなげる取り組みも継続している。