メイドイン函館の新造船「はやぶさII」 4月4日(火)デビュー 就航記念「青函ウルトラ割」実施(青函フェリー)

2023年3月30日(木)配信

 青森~函館を1日16便で結ぶ青函フェリー(熊坂高社長、北海道函館市)は、地元函館市の函館どつく(関川義紀社長、北海道函館市)で造船の「はやぶさII」を、2023年4月4日(火)の函館発14便(午後8時30分)から就航させる。就航記念キャンペーンとして、WEB予約限定でマイカー旅行をお得に楽しめる「青函ウルトラ割」を実施する。

 「はやぶさII(2999㌧・300人)」は、「あさかぜ5号(1998年就航、1958㌧・103人)」の代替船として建造され、大幅な輸送力がアップが実現する。メイドイン函館の新造船であることから、函館市にゆかりのあるモノ(五稜郭、おんこの木など)をグラフィック化したデザインを取り入れ、空間のオリジナリティーを演出する。船室はオーシャンビューの2等イス席やカーペット仕様の2等室、バリアフリーイス席、1室を貸し切り利用できるステートルームなどがある。

 「青函ウルトラ割」は乗用車(5㍍未満)航送の場合、通常期で1万7500円のところ、4月は1万円、5月は1万2000円で利用できる(ゴールデンウイーク中も同価格)など、マイカー利用向けのキャンペーン料金を設定する。予約は公式ホームページから受け付ける。

「大正ロマン×百段階段 文豪が誘うノスタルジックの世界 ~」ホテル雅叙園東京 百段階段で6月11日まで

2023年3月30日(木)配信

 ホテル雅叙園東京(東京都目黒区)は6月11日(日)まで、「大正ロマン×百段階段 文豪が誘うノスタルジックの世界 ~」を行っている。

 明治から昭和の名作文学に現代のイラストレーターが挿絵を添える立東舎の「乙女の本棚」シリーズとコラボレーション。東京都指定有形文化財「百段階段」の階段廊下をつなぐ6室に、泉鏡花の「外科室」や中島 敦 の「山月記」など6作品の物語の世界観を表現した立体展示に加え、同シリーズの該当作品に使用されているイラストやオリジナルの音楽と共に文学作品の世界観を味わえる。

 美人画の大家鏑木清方が造った「清方の間」には女性の美をテーマにした作品を多く残した谷崎潤一郎の「秘密」、一番広く窓がとられ葉桜の季節には窓の外に緑が望める「草丘の間」に太宰治の「葉桜と魔笛」と各部屋の特徴に合わせ、作品の世界観の展開。最初の部屋である「十畝の間」では、文化財「百段階段」が完成した年と同じ1935年に発表された萩原朔太郎の「猫町」をイメージした立体展示を見ることができる。

 担当者は、「歴史資料として作品を振り返るのでなく、3次元の展示を通じ文学の楽しさや世界観を全身で体験してほしい」とPRした。

JMRSと千葉県・芝山町、成田新滑走路の完成へ人材確保で連携 地域の交流人口増加も目指す

2023年3月29日(水) 配信

中鉢真輔社長(左)と麻生孝之町長
 JMRS(中鉢真輔社長、東京都新宿区)と千葉県・芝山町(麻生孝之町長)はこのほど、地域活性化包括連携を結んだ。その第1弾として、4月3日(月)から柴山町内に位置する同社の学習施設「空飛ぶ学び舎ラボ」の利用料を補助する「そらまなキャンペーン」を始める。
 
 2028年度末を予定する成田空港の新滑走路完成に向けて人材不足が予想されるなか、航空業界で働く魅力を多くの学生に伝え、人材確保をはかる。また、地域の交流人口を増やし、町民の誇りを醸成していく。
 
 第1弾では、「航空科学博物館」や「空の駅 風和里しばやま」などで構成されるスカイパークしばやまに訪れ、空飛ぶ学び舎ラボでの講座を受講または、空飛ぶ学び舎弁当を注文した学校団体のうち先着1万人を対象に、1人当たり500円の利用料と1000円の航空キャリア講座の費用を補助する。
 
 このほか、協定書では航空関連企業の創出や、国際理解・異文化理解の促進、地場産業と保有資源の活用などに向け取り組むことが盛り込まれた。両者は「今後さまざまな取り組みを展開する」としている。
 
 空飛ぶ学び舎ラボは昨年11月1日(火)に、オープンした。成田空港から車で10分の場所にある航空科学博物館の敷地内に位置する。現役のパイロットやCAが学校団体向けに、実物大機体の模型を用いて、仕事内容の解説や就職対策講座を開いている。

KNT-CTHD、小山次期社長が会見 事業構造改革の継続示す

2023年3月29日(水)配信

次期社長の小山佳延専務(左)と米田昭正社長

 KNT-CTホールディングスは3月27日(月)、東京都内で開いた記者会見で、次期社長に内定した代表取締役専務の小山佳延氏が今後も事業構造改革を継続する方針を示した。このうえで「旅行業の回復がなかなか進まないなか、さらなる改革により利益創出基盤を一層強化しようと、事業構造改革2.0に現在取り組んでいる」と述べた。

 本業の旅行業について、5月8日(月)に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」へ移行されることが、今後の回復への大きな節目になる考えを明かした。小山専務は、現状として「国内旅行が増加傾向にあり、全国旅行支援事業の4月以降の延長を追い風に現在販売を強化している。海外旅行は円安や原油高、国際情勢などの問題で旅行代金の高止まりが続き、復活には少し時間が掛かる。一方、円安が追い風となるインバウンドは回復が期待できる状況」と語った。

 今後は地域共創事業の取り組みを強化する方向性を示したうえで、現状は子会社それぞれが点の動きになっていると指摘した。これからは「クラブツーリズムが新たに挑戦する着型ビジネスや、ホールディングスで進めているナイトタイムエコノミー事業などの当社が持つリソースや他社との連携により、点から面への取り組みに深化させ、当社ならではの地域共創事業として強化していきたい」と力を込めた。

 会見に同席した米田昭正社長は「コロナ後の新たな経営に向けて取り組むことになる今年、新たな担い手にバトンタッチし、さらなる発展に向けた舵取りを託したい」と公言した。

「浜名湖花フェスタ2023」6月11日(日)まで開催 静岡県浜名湖各所で展開

2023年3月29日(水) 配信

浜松・浜名湖ツーリストビューローのPR隊

 静岡県浜松市では3月21日(火)から6月11日(日)まで「浜名湖花フェスタ2023」を開催している。

 浜名湖花フェスタは、はままつフラワーパークと浜名湖ガーデンパークを中心に、15の会場で花のリレーを展開している。このうち浜名湖フラワーパークでは1300本の桜と50万株のチューリップの庭園や170㍍に及ぶ藤棚に圧倒する。また浜名湖ガーデンパークではまるでブルーの絨毯を敷き詰めたような30万本ものネモフィラやバラのアーチが来場者を迎える。このほか花の奥山高原では1万株のあじさいのグラデーションや貴重なさきゆりが楽しめる。

 この花フェスタのPRのため、浜松・浜名湖ツーリストビューローの一行がこのほど、本紙を訪れ、概要を説明するとともに来訪を呼び掛けた。

「ぶしのくに静岡県」 東京駅で観光プロモーションを開催

2023年3月28日(火) 配信

観光プロモーションのようす

 静岡県は、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」「どうする家康」の放送を契機に、伊豆・富士山地域の歴史・文化資源を活用し、同エリアへの来訪や周遊促進、消費喚起に取り組んでいる。2月24(金)、25日(土)の両日には、首都圏からの誘客をはかる観光プロモーションを、東京駅八重洲中央口イベントスペースで開いた。

 静岡県ゆかりの大河ドラマが2年連続で放送され、全国の注目が集まっている好機に合わせて、歴史・文化資源、温泉、食材など多彩な魅力を発信した。

 展示大型パネルでは、静岡県内各地の名所や徳川家康公の生涯を紹介した「家康とふじのくに」年表をはじめ、静岡県ゆかりの武将たちや大河ドラマ館(静岡・浜松)、家康の散歩道、しずおか周遊割引キャンペーンなどを紹介した。通行客に観光パンフレットを配布し、会場で写真を撮影し、その場で交流サイト(SNS)へ投稿した来場者には、静岡市と浜松市の大河ドラマ館の招待券などをプレゼントした。

 「どうする家康」の静岡大河ドラマ館(静岡浅間神社内)は、来年1月28日まで開館する(開館時間=午前9時~午後6時、最終入館午後5時30分)。休館日なし。入館料は通常料金で大人400円、小中高生200円、未就学児無料。団体料金(20人以上)割引あり。

 同じく浜松大河ドラマ館(浜松城東)は、来年1月14日まで(開館時間=午前10時~午後6時、最終入館午後5時30分)。入館料は大人800円、子供400円、未就学児無料。
 県観光協会の担当者は「県内の主要観光地の宿泊者数も新型コロナ禍前の水準へ戻りつつある。大河ドラマを追い風に『ぶしのくに静岡』を首都圏にアピールして、大勢の人に静岡県へ足を運んでもらいたい」と話した。

KKday、保有率低下のパスポート申請促す ポイント還元CPで

2023年3月27日(月) 配信

最大5000㌽を付与する
 2022年12月末における日本人のパスポート保有率がコロナ禍前の19年比約6㌽減の17%となったことを受け、旅券の新規申請または更新を促そうと、アジアでオプショナルツアー予約サイトを運営するKKDAY JAPAN(⼤淵公晴、東京都新宿区)は5月14日(日)まで、ポイントを還元する「パスポート新規取得・更新応援キャンペーン」を実施している。
 
 同CPはパスポートを23年2月1日(水)〜5月7日(日)に、新規取得もしくは更新した日本国籍で、KKday会員本人または利用同行者の先着200人が対象となる。5月14日(日)までにKKdayでキャンペーン対象商品を購入・体験をすると、台湾や韓国、香港、タイ、シンガポール、ベトナムなどの商品利用者にKKdayポイントを3000㌽、ハワイやフランス、イギリス、アメリカ本土などには5000㌽をそれぞれ還元する。

 KKdayポイントは50㌽毎に0.25米㌦分(約32円)に変えることができる。対象商品は韓国・釜山の松島海上ケーブルカーと甘川文化村を半日で巡るツアーのほか、ベトナムのハロン湾日帰りクルーズ。ハワイのワイキキ初でオアフ島を周遊するツアーなども含まれている。

NAAグループ、新ブランド+NRT factory立ち上げる 地域の魅力世界に発信

2023年3月27日(月) 配信

ブランドのロゴ

 成田国際空港(NAA)グループはこのほど、地域の事業者と連動して開発した商品のブランド「+NRT factory(プラスナリタファクトリー)」を立ち上げた。地域の魅力を世界に発信し、振興をはかる。

 同ブランドは「地域と空港が一体となり、地域の魅力に+(プラス)の価値を付加し、空港利用者に成田空港ならではの“ワクワク”を届け続ける存在」になるという。

 3月18日(土)には、成田空港周辺の名産品さつまいもをチップスにした「PORIPO(ポリポ)」を発売。味はハニーバターとトリュフを用意した。4月1日(土)には、千葉県産のピーナッツを材料にしたピーナッツバタークッキーを売り出す。いずれも、空港内にあるNAAリテイリングの店舗で販売する。

成田空港周辺の名産品さつまいもをチップスにしたPORIPO

元祖もんじゃ屋形船「江戸前汽船」 4月9日まで、特別な花見便を運航中

2023年3月27日(月)配信

デッキから見るスカイツリー

 元祖もんじゃ屋形船「江戸前汽船」は4月9日(日)まで、特別な花見便を運航している。コースは勝どき橋を出航し永代橋や両国橋、言問橋を巡るルートと、新木場を出航し永代橋や勝鬨橋、お台場などを巡るルートの2種類。どちらも桜の時期の特別なルートで、東京の文化である屋形船を気軽に楽しんでほしいと、お得に楽しめるプランを用意した。

国産牛の塊のバーベキュー

 船内では、明太子もちチーズなどの本場月島もんじゃ焼き4種類やミックスお好み焼き、おつまみなどを提供。今年はより高級感のある演出として、国産牛の塊のバーベキューが楽しめるコースも新たに用意した。

 もんじゃ鉄板焼き食べ放題と飲み放題が楽しめる2時間の特別花見便は、午後零時30分発と午後4時発が大人6600円、4歳〜小学生4620円、幼児(3歳以下)1100円。午後7時発は大人7700円、4歳〜小学生5390円、幼児(3歳以下)1100円。2時間30分の展望デッキ付きの特別花見便はもんじゃ鉄板焼き食べ放題と飲み放題に加え国産牛の塊が味わえて、午後零時30分発と午後4時発が大人8800円、午後7時発は大人9900円。

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(218)」 バイオマス発電と産業観光(山形県新庄市)

2023年3月27日(月) 配信

東北各地商工会議所職員によるワークショップ

 

 地域には、一見、観光とは無縁と思われる多様な資源がある。今回訪ねた山形県新庄市は、豊かな森林資源を育みながら、これらを生かした木質バイオマス発電と、その視察や体験を産業観光プログラムとして展開するユニークな取り組みを行っている。

 新庄市は、四方を山で囲まれた新庄盆地の中心に位置し、北は秋田県湯沢市に接する。古くから交通の要衝として栄え、西南端を流れる最上川の舟運で栄えた。かつては新庄藩の城下町として栄えたが、1871(明治4)年に山形県に参入されてからは、最上地方の政治・経済の中心都市として発展した。

 観光面では、最上川右岸の丘陵地に新庄温泉があり、また江戸時代以来、東北一といわれる約20台の山車が繰り出す新庄まつり(ユネスコ無形文化遺産)などがあるが、他には大きな集客資源は少ない。

 今回の会議・視察は東北ブロック6県の商工会議所、観光担当の若手・中堅職員の研修会であった。新庄商工会議所の佐藤亜希子専務理事の活動報告、もがみバイオマス発電の鈴木洋一専務理事からの事業説明などを受け、現地を視察した。

 もがみ木質バイオマス発電は、柿崎力治朗新庄商工会議所会頭が経営する企業で、この活動を通じて、地域への多様な経済波及効果とともに、教育旅行(産業観光)を通じて、地域の新たな観光交流を促そうという事業である。その木質バイオマス発電は、2017(平成29)年から森林保全のための育種(植林)事業を開始するとともに、伐採した木材から、良質なA・B材を地域製材所に、また小径丸太や梢端など、放置していた未利用のC・D材をチップ化し、発電用燃料としている。

産業観光を受け入れるもがみバイオマス発電所

 木を育てることは森の水を育み、国土保全やCO²吸収など、地球温暖化対策に効果がある。この効果は日本全体で約70兆円超の経済効果があるといわれる(日本学術会議)。

 一方、バイオマス発電は、18(平成30)年末から操業、1日200~230㌧のC・D材をチップ化して燃焼し、年間330日稼働で、6800㌔㍗アワーの発電を行っている。これは一般家庭約1万2000~1万3000世帯のエネルギー消費量に相当するという。

 当日は、木質チップの製造工場と巨大なボイラー(流動床式)、ここで発生する蒸気によるタービン、発電電力の送電設備などを見せていただいた。

 この工場では、既に教育旅行として地元の中・高校生の受け入れをしているが、今後はインバウンド観光客を含む、一般の産業観光客を受け入れていく意向である。

 観光は「すそ野の広い産業」とよく言われるが、各地の商工会議所には製造業や商業など幅広い産業・事業所が会員になっている。これら多様な産業・事業所の連携が可能になれば、新たな観光を創造する大きな可能性が広がるものと思われる。

(日本観光振興協会総合研究所顧問 丁野 朗)