東京都旅行業協会、村山会長が再任 団体旅行の補助事業要望へ

2023年6月21日(水) 配信

都のDXの普及推進補助事業に協力し、各委員会の事業の見直しもはかる

 東京都旅行業協会(村山吉三郎会長、691会員)は6月19日(月)、東京都内で2023年度通常総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では、村山会長の再任を決めた。今年度は、団体旅行に特化した補助事業の実施を求めるほか、東京都が行うDXの普及推進補助事業に協力し、各委員会の事業の見直しと新たな事業を展開する。

 村山会長は全国旅行支援について「立て替えた割引額の振り込みの遅さなどで、制度から脱退した会員が多くいる」と報告。「この事態が今後発生しないよう、会員と一致団結して、新たな需要喚起策なども求める要望書を提出したい」と語った。

村山吉三郎会長

 また、北海道・函館市で発生したバスとトラックの衝突事故に触れ、「バスの運転手に非がない場合でも、事故を意識した消費者はバスに怖い印象を持ち、利用を控えるケースが見受けられる」と述べた。そのうえで「我われが旅行の楽しさをさらに開発し、利用を促す必要がある」と呼び掛けた。

 来賓の東京都の向井一弘観光部長は「観光業は幅広い産業に経済波及効果をもたらしており、回復基調にさらなる弾みをつけるべき」との考えを示した。これを踏まえ、都では5月、サービスの質を高めるためのDX化に向けた補助制度をスタートしたことを紹介。そのうえで、「業界の牽引役として、より一層東京の観光振興に協力してほしい」と呼び掛けた。

向井一弘観光部長

 ㈱全旅の中間幹夫社長は、東京都旅行業協会における22年度の全旅クーポンと全旅ペイメント、保険商品の取扱実績が全国1位だったことを説明し、「皆様の努力の賜物。要望と実情に沿った経営を続けていく」と話した。

中間幹夫社長

 東京都旅行業協会協定会員連盟の児島博司会長は「予約方法のオンライン化や客室の構造などの変革が求められている」と語った。このため、受入方法については毎年、東京都旅行業協会に向けて会員の宿を紹介する冊子をWeb化し、予約も受け付けられるように整備したい考えを示し、「一歩ずつでも改革しないと、時代に乗り遅れてしまうという危機感を募らせている」と述べた。

児島博司会長

余市ラフェト2023チケット付の商品販売 ジャルパック

2023年6月21日(水) 配信

9月3日に開催のラフェトでワイン堪能

 ジャルパック(平井登社長、東京都品川区)は6月27日(火)正午から、北海道・余市町で9月3日(日)に開かれるワインイベント「ラフェト・デ・ヴィニュロン・ア・ヨイチ(農園開放祭)」のチケットと往復航空券、宿泊、送迎を組み合わせたJALダイナミックパッケージ商品を売り出す。

 日本のワインは近年、国内外から高評価を受けている。なかでも、余市の特有な風土で育まれるワインは高品質なもので、日本ワインの発展を牽引する。

 同町で年に1度開かれるワインイベントは通称「ラフェト」や、農園開放祭と呼ばれ、同地域のワイナリーやブドウ農園を巡ってワインを楽しむもの。普段は立ち入ることができない畑の見学や希少性の高いワインを堪能できるため、全国のワイン愛好家の間ではチケット争奪戦が繰り広げられるという。

 JALグループは、余市観光協会や余市ラフェト実行委員会の協力で、チケット200枚を確保。予約は先着順で、ツアー用ラフェト2023チケットの予定枚数に達し次第、販売を終了する。

 ツアーは9月2日(土)出発で、2・3日間を用意。ダイナミックパッケージのため航空便や宿泊はそれぞれ選択し、価格は予約のタイミングで変動する。

【濃飛バス】記念デザインバスを運行 会社創立80周年、高速バス新宿線開業25周年で

2023年6月21日(水)配信

路線開設当時のデザインを復刻

 濃飛バス(水野敏秀社長、岐阜県高山市)は、会社創立80周年と高速バス「高山~新宿線」開業25周年を記念したデザインバスを、2023年6月24日(土)から運行する。

 「高山~新宿線」開業当時の車体デザインを、このほど導入した新造車に復刻した。同区間は、中部縦貫道・安房トンネルの開通を契機に、1998年3月から京王電鉄バスと共同運行を開始。1年半後の99年 9月には利用客数10万人を突破した。23年5月時点で、累計約 185万人が利用した(同社)という。

 復刻デザインは、飛騨の美しい山並みのイメージを背景に、「高山のまつり屋台」と「さるぼぼ」を描いた。飛騨高山の自然・伝統・文化をシンプルに表すとともに、バス天井には高層ビルから見下ろした際に目を引くよう「行かんかな 飛騨高山へ」の文字を大きくあしらった。

 運行は6月24日(土)の新宿行きからを予定。以降は新宿線や京都・大阪線を中心に名古屋線や岐阜線などで運行する。

〈観光最前線〉ときどき「和ろうそく」

2023年6月21日(水)配信

7代目・三嶋順二さんが丁寧に説明してくれる(三嶋和ろうそく店)

 電気代高騰ゆえ、ときどき「ろうそく」を灯しています――理由は冗談、行いは本当。和ろうそくの話です。

 何層も塗り重ねる製造工程やススが少ないなど、さすがという特徴が並ぶが、一番感心したのが「無風の室内でもゆらぐ炎」。太い芯の内部が空洞なので、空気の流動がなせる業という。その「イロハ」は、岐阜県飛騨市の「三嶋和ろうそく店」で教わった。

 気分転換で眺めるなら、1時間程燃焼する3匁(約10㌘)サイズがおすすめ。今は島根県安来産の「透かし燭台」が、最高の相方だ。鉄皿にドット模様が施され、炎と影、双方のゆらぎを楽しめる。

 飛騨をはじめ会津や七尾など、和ろうそくの産地を訪れた時、少量買い求めるのが楽しい。手元の燭台が生まれた「たたら製鉄の古里」にも、機会あればぜひ。

【鈴木 克範】

 

琴平グランドホテル桜の抄 「現代の名工」受賞祝賀会 「日々精進していく」

2023年6月21日(水)配信

「現代の名工」を受賞した山口和孝料理長(右)

 厚生労働大臣表彰の2022年度卓越した技能者(現代の名工)を受賞した、香川県こんぴら温泉郷「琴平グランドホテル桜の抄」(近兼弘幸社長)の山口和孝料理長の受賞記念祝賀会が5月22日、姉妹館の「湯元こんぴら温泉華の湯紅梅亭」で行われた。

 会には山口料理長の師匠である大田忠道氏(天地の宿奥の細道)や大田一門の兄弟弟子、取引業者など約100人が参加した。

 大田氏は冒頭のあいさつで参集への謝辞を述べた後、「山口氏はまだまだ上を狙える」と激励した。

 近兼社長は「山口さんとの出会いは18年前。数年後、オープンキッチン型のレストランを作り、さまざまな意見を交わすなかで料理の評価が上がってきた。山口さんの料理には喜怒哀楽があり、心がこもっている。さらなる高みを目指してほしい」と話した。

 山口料理長は「今回の受賞は昭和58年に弟子になって以来、ご指導いただいている大田のおやっさんのお陰」と師匠へ深い感謝の言葉を述べた。そのうえで、「オープンキッチンの花見世厨房『ゐきり』の設備投資の話しを聞いたときの興奮は今も鮮明に覚えている。席から見える金刀比羅宮や讃岐富士の景色が料理に華を添えてくれる。全国どこにもない最高の舞台で仕事ができる幸せを胸に刻み、日々一層の精進をしていく」と結んだ。

【土橋 孝秀】

パーレンス小野屋 露天風呂など一新 ラウンジもワーケ対応に

2023年6月21日(水)配信

庭園の中の露天風呂

 福岡県朝倉市・原鶴温泉の旅館「ホテルパーレンス小野屋」(宮川具久社長)は、男女庭園露天風呂や上質な高級ラウンジを3月にリニューアルオープンして話題を集めている。

 同館は九州一の大河・筑後川を望み、1881(明治14)年に創業した142年の歴史を誇る同温泉最古の宿。温泉は、クレンジング効果の単純硫黄泉と肌をつるつるにする弱アルカリ性単純泉の2つの泉質を持ち、さまざまな木々を植栽した日本庭園、九州の旬の味を楽しめる料理が自慢。

 リニューアルでは、自慢の庭園と肌にやさしい温泉を生かした庭園露天風呂を造り上げた。内湯は天井の梁が剥き出しの和モダンと黒のシックな石張り調。内湯の外に陶器の水風呂、岩風呂など木々の庭園に囲まれる。

 アロマ水をサウナストーンに掛け、蒸気を発生させるロウリュウ式サウナも男女に設置。館内にはこのほか、畳の大浴場や貸切風呂も完備する。

ゆったり広々のラウンジ

 中央館1階のラウンジは、庭園を眺めるワーケーションラウンジとして生まれ変わった。広々とした空間に、海外家具を使用のインテリア、ソファー席、書棚などのほか、コワーキング用のカウンターやテーブルを備える。午後3―6時にはコーヒー、甘夏ジュースなどフリードリンクで、ゆったり寛げる。子供向けに、アイスキャンディ4種類を用意して食べ放題にした。

 客室では、中央館に温泉露天風呂付きの客室2室も設置した。

埼玉県旅行業協会、浅子会長が留任 全旅協と政府に要望へ

2023年6月20日(火) 配信

今年度は資金調達や需要喚起策の実施を求めていく

 埼玉県旅行業協会(浅子和世会長、236会員)は6月13日(火)、さいたま市内で2023年度通常総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では、浅子会長の留任を決めた。今年度はコロナ禍で厳しい経営状況が続くなか、資金調達や需要喚起策の実施などを全国旅行業協会(ANTA)と共に政府へ要望していく。

 浅子会長は会員へ全国旅行支援の複雑さに苦労していることを労った。一方、地域クーポンの発行で手数料を得たことに触れ、「厳しい経営状況のなか、少しでも収入を得られるのはありがたいこと。今後は団体が回復していくだろう」との考えを示した。

浅子和世会長

 また、「役員共々、一生懸命勉強し、その都度色々なことに対応できるようにする」語った。

 来賓として出席した全国旅行業協会(ANTA)の駒井輝男副会長は「全国旅行支援の制度の複雑さを解消することを求めてきた」と報告。

駒井輝男副会長

 また、一部報道で中国において新型コロナウイルスの感染者が増加していることに触れ、「団体旅行が復活したら、怖い。旅行によるコロナ拡大だけは阻止しなければならない」とした。

 同日には(株)埼旅(梶田雅彦社長)も総会を開催した。任期満了に伴う役員改選では梶田社長の再任が決定した。

梶田雅彦社長

 梶田社長は、2人から旅館に宿泊できる商品らくパックについて、旅行会社への手数料のほか、利用客1人に付き館内利用券1000円分をプレゼントできることを説明。「団体より個人旅行の回復が早いなか、皆様の支援につなげたい」と利用を呼び掛けた。

創刊日6月20日「るるぶの日」制定 日本記念日協会が認定へ

2023年6月20日(火)配信

記念日登録証

 JTBとJTBグループで旅行・ライフスタイル情報を提供するJTBパブリッシングは、旅の情報誌「るるぶ」の創刊日である6月20日(火)を「るるぶの日」に制定し、日本記念日協会から記念日として認定された。

 「るるぶ」は、1973年に月刊誌「旅」の別冊として誕生。今年で創刊50周年を迎え、4月に周年記念のキャンペーンサイトを立ち上げ、プレゼントキャンペーン(CP)や特別企画展示、コラボレーション企画などを展開している。

 認定を記念して、ツイッター投稿CPを6月19日(月)~25日(日)まで行っている。るるぶ公式ツイッター(@jtbp_books)のフォローと「#るるぶの日」を付け、旅の思い出を引用リツイートで投稿すると、抽選で3人にJTB旅行券がプレゼントされる。

 このほか、「るるぶトラベル」で宿泊予約をすると、宿泊料が割引になるキャンペーンを6月26日(月)から実施する予定。詳細は周年記念のCPサイト内で公開する専用サイトから。

【特集 No.636】「ピンクリボンのお宿」シンポin花巻(いわて) 心が軽くなる「アピアランスケア」

2023年6月20日(火) 配信

 乳がん体験者が旅を楽しみ、安心して温泉を満喫できる環境をつくるピンクリボンのお宿ネットワーク(会長=畠ひで子・匠のこころ吉川屋女将、事務局=旅行新聞新社)は5月30日(火)、岩手県花巻市の新鉛温泉・結びの宿愛隣館で、「第9回ピンクリボンのお宿シンポジウムinいわて花巻」を開いた。CSRプロジェクト代表理事・桜井なおみさんの基調講演や、ポーラコーポレート室長の佐藤幸子さんの講演、会場となった愛隣館社長の清水隆太郎さんの会員活動報告が行われた。
                               【馬場 遥】

心ゆくまで温泉楽しんで 旅館、観光、患者会など約60人参加

 第9回「ピンクリボンのお宿シンポジウムinいわて花巻」には、同ネットワーク会員の旅館・企業・団体をはじめ、岩手県内の旅館や観光協会、行政、患者会など約60人が参加し、講演や活動報告に熱心に耳を傾けた。

 畠会長は、乳がんの手術や治療を受けて回復の道を辿りながらも、術後の痕などを気にして旅を諦めてしまう女性たちに、「誰の目も気にせず旅に出掛けていただき、心ゆくまで旅館やホテルでの温泉入浴を楽しんでもらおうと発足した」と会設立の経緯を説明した。

 「設立時は16人に1人といわれた乳がんも、今や9人に1人が罹患する病気。本日講演を聞いて学んだことが、皆様の生きる力になれれば幸い」と期待を述べた。

 地元の来賓として、八重樫和彦花巻市副市長、谷村邦久岩手県観光協会理事長(代理・佐藤健部長代理)、佐々木博花巻観光協会会長、安藤昭岩手県旅館ホテル生活衛生同業組合花巻支部長が出席。

 上田東一花巻市長(代読・八重樫副市長)は、「花巻市ではがんの治療によって生じた体や容姿の変化をカバーし、療養しながら安心して仕事や生活を送っていただけるよう、ウィッグや乳房補正具などの購入に対して補助金を出している」と市の取り組みを説明。「花巻市は北東北随一の規模を誇る花巻温泉郷を有する。ご参加の皆様には、温泉の魅力をご堪能いただきたい」と歓迎の言葉を述べた。

 谷村理事長(代読・佐藤部長代理)は、「協会には18年に『岩手バリアフリー観光情報案内所』を設置し、県内の宿泊施設の車いす対応などのバリアフリー情報の提供などを行い、観光関係者へのバリアフリー対応の普及啓発にも取り組んでいる」と紹介した。「今後もさまざまなお客様に岩手の旅を楽しんでもらえる環境づくりに取り組んでいきたい」と意気込みを述べた。

 

宿ネット11年目 新たな冊子・ポスターも

 同会の会員数は宿泊施設が98軒、旅館組合など団体が6会員、企業が16社の合計120会員。

 活動内容では、毎年10月に発行する「ピンクリボンのお宿冊子」で、会員施設や宿泊特典クーポンを掲載。10万部を発行し、会員や病院、患者会を通じて、希望者に届けた。

 2022年11月には、企業会員であるポーラが作成した「スキンケアとメークアップの本」という冊子を発行した。基本のスキンケアやメイクのやり方だけではなく、生き生きと明るい印象に見せるためのテクニックを紹介。リボン宿ネットに加盟している全国の宿泊施設で配布している。

 このほか、ピンクリボンのお宿や入浴着着用での温泉入浴のポスターを作成し、会員施設のロビーや脱衣所に掲示して、一般の利用者にも活動を周知している。

 会場には会員企業の製品を展示した。ウィッグや入浴着などを実際に手に取り、説明を聞く参加者の姿が見られた。

 講演では、桜井なおみさん(CSRプロジェクト代表理事)が「人生100年時代の『女性』と『がん』」、佐藤幸子さん(ポーラコーポレート室室長)が「たとえ『がん』になっても美と人生を楽しむ提案」をテーマに話した。

 会員活動報告は、結びの宿 愛隣館の清水隆太郎社長が「温泉旅館におけるピンクリボン活動とウェルカムベビーのお宿としての取り組み」を紹介した。

 講演後には、愛隣館の館内ツアーが開かれた。参加者は、リニューアルしたダイニングやキッズスペース、露天風呂付き客室を見学した。……

【全文は、本紙1904号または6月23日(金)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

黄金KAIDO立ち上げ 中部4県連携で観光誘客

2023年6月20日(火) 配信

4者が連携へ

 静岡、山梨、長野、新潟の4県連携の「黄金KAIDOプロジェクト」がこのほどスタートした。5月24日(水)に東京都内で4県知事や幹部が出席して記者会見を開くとともに、連携キャンペーンの中心となる4事業者が協定締結式を行った。

 知事や幹部が出席した記者会見では、発起人代表の川勝平太静岡県知事が「静岡県の伊豆には土肥金山が、新潟県の佐渡には佐渡金山があり、いずれも徳川幕府の直轄として栄えた。長野県、山梨県にも金山があり、佐渡から土肥までを黄金KAIDOと名付け、誘客に結びつける事業を展開していく」と宣言。

 「7月から高速道路4日間乗り放題(ETC搭載車)プランや佐渡汽船と駿河湾フェリーの割引をスタートさせる。また、徳川家ゆかりのスポットを巡り、葵の御門入りの御朱印を収集するイベントなど、さまざま事業で観光資源も食も満載な中部4県の交流人口を拡大していきたい」と結んだ。

 次に各県の知事・幹部が観光素材などを説明した。記者会見のあと、土肥金山と佐渡金山、佐渡汽船と駿河湾フェリーの4事業者が協定を締結した。