全旅連青年部の佐藤委員長など、カメラ付き検温器に顔認証加えたDX紹介(ホテレストレンドセミナー)

2023年2月16日(木) 配信

セミナーでは、観光客が感染拡大防止のための連絡先の記入を省けることなどを紹介した

 全旅連青年部組織力向上委員会の佐藤雄二郎委員長(高千穂離れの宿神隠れ、宮崎県)と、システム開発会社GlobalB上杉朋也CSOは2月9日(木)、第51回国際ホテル・レストラン・ショーのトレンドセミナー「地方観光地におけるDX事例」を開いた。

 カメラ付き検温器に顔認証機能を加えたことで、観光客は立寄施設で感染拡大防止のための連絡先の記入を省くことができ、施設は時間帯別の連絡先を即座に把握できるシステム「高千穂顔パス巡り」の実証実験の概要を紹介。佐藤委員長はシステムを応用し、観光客の周遊状況を把握するなどデータ分析も行いたい考えも語った。

 はじめに、上杉朋也CSOが登壇。 日本各地の宿泊施設がコロナ禍の影響を受けるなか、検温と施設内で感染が拡大した際に、濃厚接触者に連絡する業務が増えたことに触れ、「業務負担を軽減するため開発に至った」と話した。

上杉朋也CSO

 同システムは、宿泊施設の予約時に入力される宿泊者の名前や連絡先などを1カ所のシステムに保存。宿泊客はチェックイン時に、入力した個人情報を最終確認のうえ、検温を兼ねて顔を登録する。

 観光施設は、チェックアウト後に来訪したお客にカメラ付き検温器で体温の測定と顔認証を同時に行うことで、システムに保存された連絡先を把握できる。これにより、紙に書かれた連絡先をパソコンに入力する手間を省け、感染が拡大した時間に利用した観光客の連絡先を即座に知ることも可能となった。

 また、宿泊プランに立寄施設の入場券を加えている場合は、施設で顔認証をすることで、チケットを提示せずに入場できる。

 続いて、佐藤委員長が登壇。実証実験は2021年1~2月に4軒の宿と1カ所の観光施設で実施したことを報告した。

佐藤雄二郎委員長

 佐藤委員長は今後について、「客層別に周遊した場所を把握するなどデータを分析するため、ほかの観光施設や土産物店に導入を促したい」と話した。

 顔認証によるキャッシュレス決済については技術的に可能だが、実施していない。

 佐藤委員長は「お客様は個人情報を伝えすぎることに対する抵抗感が強い。納得してもらえる取り扱いルールを定めていきたい」とした。

海外旅行派、国内旅行派を調査 魅力と思う部分を比べる(阪急交通社)

2023年2月16日(木) 配信  

調査によると、国内旅行派が多数となった(阪急交通社調べ)

 阪急交通社はこのほど、海外旅行派と国内旅行派の割合を調べるアンケートを行い、結果を発表した。これによると、国内旅行派が62%、海外旅行派は13%であったことが分かった。

 アンケートは2022年11月21(月)~27日(日)、全国20代以上の男女に対し行われた。有効回答数は522人。

 年代別に見ると、全年代で国内旅行の方が多数派となった。40代よりも20代や30代の方が海外旅行派と答えた割合が高くなった。海外旅行派が最も多い年代は20代だった。

 それぞれを選んだ理由については、国内旅行派は、「行きたいと思ったときにすぐ行ける」、「海外旅行を一度もしたことがなく、言葉が通じないのが不安」、「身近に魅力的な観光地がたくさんある」、「安全である」などの回答があった。

 海外旅行派の回答では、「日本とは違う経験ができる」、「言葉が通じないところにいると、思ってもみないことが起こるのが楽しい」、「外国の街並みを見て歴史を感じたい」などの意見が寄せられた。

 国内・海外旅行それぞれで楽しみたいことについて聞くと、国内旅行では1位グルメ、2位温泉・サウナ、3位自然景観、4位買い物、5位建物や街並み──だった。

 海外旅行では、1位買い物、2位自然景観、3位グルメ、4位建物や街並み、5位芸術鑑賞──という結果になった。

 この結果に対して同社は、「温泉やサウナを楽しめる数少ない国として、日本国内旅行の楽しみとする人が多いようだ。コロナ禍で生まれたおこもり需要により、宿泊施設での滞在そのものを楽しむという考え方も浸透している」と分析した。海外旅行では、「ルーブル美術館やメトロポリタン美術館など、世界的に有名な美術館を訪れて、芸術鑑賞をしたい人が多いと考えられる」とみた。

海外旅行の5位に「芸術鑑賞」がランクインしている

ジョルダン、「えきねっと」と連携 「乗換案内」から新幹線・特急が購入可能に

2023年2月16日(木)配信

「乗換案内」の経路検索結果から新幹線・特急の予約・購入が可能に

 ジョルダン(佐藤俊和社長、東京都新宿区)は2月6日(月)、経路検索アプリ「乗換案内」と、東日本旅客鉄道(JR東日本、深澤祐二社長)が提供するインターネット予約サイト「えきねっと」との連携を開始した。

 「乗換案内」でJR東日本管内の新幹線・特急列車を含むルートを検索すると、「新幹線・特急予約」ボタンが表示される。表示された乗車区間や日時を保持したまま「えきねっと」に遷移するため、簡単かつ迅速に新幹線・特急列車の切符の予約・購入ができる。この連携により、出張や観光、帰省などの移動をより快適に支援する。

 サービスの利用に当たり、「えきねっと」への会員登録およびログインが必要。購入可能時間は午前5時~午後11時50分。1カ月+6日後までの乗車分を購入できる。

ジョルダン、岐阜バスの1日乗車券 モバイルチケットで発売

2023年2月16日(木)配信

岐阜バス「220エリアパス」

 ジョルダン(佐藤俊和社長、東京都新宿区)は2月15日(水)、岐阜乗合自動車(岐阜バス、瀧修一社長、岐阜県岐阜市)の「220エリアパス」をモバイルチケット化して売り出した。スマートフォン1つで岐阜バスの岐阜市内220円均一運賃区間が1日乗り放題となり、観光や買い物などの移動がより便利になる。

 同サービスによって、キャッシュレスで「220エリアパス」を購入でき、チケット購入のための窓口探しや時間に捉われることがなくなる。接触機会を最小限に抑えられ、利用者と事業者の安全・安心を守ることにもつながるとみている。

 沿線には織田信長の天下統一の拠点とした岐阜城、鵜飼で有名な長良川、岐阜県の重要文化財に指定される岐阜大仏(正法寺)などが点在。観光名所やグルメスポット巡りには利便性の高い交通機関となっている。

 チケットの価格は税込600円。ジョルダンが運営するアプリ「乗換案内」から購入できる。

千葉県旅行業協会、創立70周年式典開く 150人が祝い、二階会長も出席

2023年2月15日(水) 配信

千葉県旅行業協会協力会の会員も参加した

 千葉県旅行業協会(大原秀雄会長、231会員)は2月2日(木)、三日月シーパークホテル安房鴨川(千葉県鴨川市)で創立70周年記念式典を開いた。千葉県旅行業協会協力会の会員も参加し、約150人が祝った。来賓には衆議院議員で全国旅行業協会(ANTA)の二階俊博会長も出席した。

 大原会長は「コロナ禍は未曾有の事態だが、これまでもオイルショックやバブル崩壊、リーマン・ショックなどの危機を乗り越えてきた」と歴史を振り返った。

大原秀雄会長

 そのうで、「厳しいときこそ、自社のあるべき姿を考える好機。協会は70周年を機に、会員の声に一層心を寄せ、新しい時代の旅行業界を築いていく」と語った。

 来賓の二階会長は70周年で「コロナ禍でかつてない危機に直面したが、これまでもさまざなな局面を乗り越えてきた。旅行会社が互いに連携し、知識を生かすことで、いかなる困難も乗り越えられると信じている」と鼓舞した。

二階俊博会長

 さらに、「国民に地域の魅力を学んだり、楽しんでもらうことで、心と生活を豊かにできるサービスを提供していることに、胸を張って頑張ってほしい」と呼び掛けた。

 自由民主党観光立国調査会の林幹雄会長は「コロナ禍で苦しんだ3年分を取り戻す気概で邁進してほしい」と激励。「修学旅行などを通じて、多くの子供に旅行の楽しさを伝えることが会員の使命だ。会長として一緒に汗をかく」と語った。

林幹雄会長

 茨城県旅行業協会の木村進会長は、昨年11月に開催した同協会の70周年式典における旅行新聞新社の石井貞德社長の講演で聞いたこととして、コロナ禍では大人数の団体だけでなく、少人数のお客様にも力を入れる考え方「ローカルスモール」を紹介。「茨城だけでなく、皆様もこのように取り組んでほしい。観光が活性化すれば世界が明るくなる。前進していきましょう」と呼び掛けた。

木村進会長

銚電社長が登壇 「苦境も諦めない」

竹本勝克社長

 記念講演には銚子電気鉄道(千葉県銚子市)の竹本勝克社長が「絶対にあきらめない! 崖っぷち鉄道会社の生存戦略」と題して、登壇した。

 竹本社長は元社長の横領事件による1億円の弁済で、2006年11月に控えていた車両の法定検査費用約1000万円を万円を捻出できない事態だったことを紹介。加えて、国土交通省の監査で、老朽化していた踏切やレールの改善命令を受け、約5000万円を工面しなければならなかった。また、横領事件の影響で、金融機関からの融資と国からの補助金は停止され、資金難に陥っていたという。

 これを受け、副業であるぬれ煎餅の販売を強化。さまざまな会社に出向き販売したが、竹本社長は「想定より資金を集められなかった」と振り返った。

 そこで、ホームページに「電車運行維持のためにぬれ煎餅を買ってください」とのメッセージを掲載。インターネットで話題となり、「約3億円だった販売前の年間収益が6億円ほどになった」と述べた。

 竹本社長は「ネット社会だが、パソコンの向こう側にはアナログのあたたかい心を持った人がいる」と語った。

 また、ぬれ煎餅の販売が好調であることを受け、お菓子まずい棒の販売もスタート。この結果、21年度の純利益はコロナ禍でも21万円と黒字を計上した。

 最後に竹本社長は「何もやらないことが一番のリスク。『どんな問題も解決できる』と自信を持ってほしい」と述べ、知恵を絞ることを勧めた。

 式典後には祝賀の宴が開催され、盛会裏に終わった。

内藤会長が留任 入会の強化へ

 式典に先立って、千葉県旅行業協会協力会(内藤修也会長、51会員)が2022年度定時総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では、内藤修也会長の留任を決めた。副会長には、新たに岩室温泉ゆもとや(新潟県)の髙島勝朗氏(石川県)が就任。常任理事に三谷温泉 ホテル明山荘(愛知県)の杉山和弘氏が就いた。

 今年は千葉県旅行業協会の各地区への商談会に積極的に参加し、協会の会員との交流を深めるほか、入会の強化などに取り組む。

   ◇

 新役員は次の各氏。

 【会長】内藤修也【副会長】鈴木美砂子▽髙島勝朗【専務理事】並木恵美▽畠山弘樹▽村田章▽森田繁▽三枝俊弘▽日下部幸夫▽杉山和弘▽石川主税【監事】畠正樹▽養田博美

岡山県・矢掛町の取り組みをPR 地域分散型ホテルの事例を紹介

2023年2月15日(水) 配信

矢掛町・宿場町の街並み

 岡山県・矢掛町は2月14日(火)、アンテナショップとっとり・おかやま新橋館(東京都・新橋)でメディアを集め、情報交換会を開いた。近年では、分散型ホテルの代表的エリアとして知名度が上がり、「街の幸福度ランキング2022」(大東建託調べ)では中国地方で1位となっている。

 矢掛町はかつて参勤交代にも使われた「矢掛宿」があった宿場町として知られる。大名が宿泊した「旧矢掛本陣石井家住宅」と「旧矢掛脇本陣高草家住宅」は重要文化財に指定されている。宿場町の地割を留めたまま歴史的建造物が残っていたが、20年近く改修されず、空き家として放置されたままの建物がほとんどだった。

 街並み景観整備事業により、矢掛本陣通りにある72軒の建物外観を整備したほか、14年には古民家再生事業による施設の「やかげ町や交流館」や、「矢掛屋本館」・「矢掛屋温浴別館」などが相次いで完成。16年には「観光元年」と位置付けて、本格的な観光による地域活性化へ取り組み始めた。

 その後、町屋や古民家を再生して宿泊施設やカフェ、ショップなどが次々に開業。古民家再生を核としたにぎわい創出によるまちづくりの取組みが評価され、18年6月にはイタリア・アルベルゴ・ディフーゾ協会から「アルベルゴ・ディフーゾ」(分散型宿)の認定を受けた。

 21年には、日本初と言われている「やかげまるごと道の駅」というコンセプトのもと作られた道の駅「山陽道やかげ宿」が完成した。

 同町の取り組みと魅力をPRした矢掛町観光交流推進機構の金子晴彦理事長は、「景観整備や改修を続け、宿場町の街並みを後世まで残していきたい。観光については、ウィズコロナの時代において、マイクロツーリズムとインバウンドを改めてもう一回やり直したい」と意気込みを語った。

やかげDMOの金子晴彦理事長

クラブツーリズム、「キハ183系」ラストランを団体貸切で

2023年2月15日(水)配信

「キハ183系」(画像提供:JR北海道)

 クラブツーリズム(酒井博社長)は2月14日(火)、北海道旅客鉄道(JR北海道、綿貫泰之社長)の協力のもと、「キハ183系」ラストランを団体貸切で運行するツアーを売り出した。4月7~10日までのラストラン運行のうち、7・8日を貸し切り、特別編成で走行。「キハ183系」の札幌~函館間の走行は同ツアーがラストランとなる。

 「キハ183系」は、1986年の運行開始から37年間、北海道の大地を舞台として長きに渡り活躍した北海道を代表する特急車両。その歴史に敬意と感謝を表し、クラブツーリズムだけの特別ルートで北海道内を団体専用臨時列車として走行する。5両編成のうちグリーン車3両の特別編成で、普通車・グリーン車の各1車両がデビュー時の復刻塗装車両となる。

 車中では、クラブツーリズム鉄道部オリジナルの記念乗車証や、北海道特製のペナントの贈呈など貸切企画ならではの特典も用意する。

 旅行代金は1人につき日帰りが1万2000円から、宿泊付き2日間が3万6000円から。

東武トップツアーズ、「足利氏のふるさと」足利市巡るツアーを発売

2023年2月15日(水)配信

下野國一社八幡宮

 東武トップツアーズ(百木田康二社長、東京都墨田区)はこのほど、室町幕府を開いた足利氏発祥の地である栃木県足利市を巡るツアーを売り出した。出発日は3月3日(金)、6日(月)。足利市内の同氏ゆかりの寺社・史跡を特別ガイド付きで周るとともに、地場ワイナリーを見学し、同市が有する文化的・歴史的価値と地域の魅力を体験できる。

 同ツアーは、「足利氏のふるさと」ツーリズム観光誘客促進事業実行委員会からの委託を受け、企画されたもの。源義家を祖先とする足利氏代々の氏神である「下野國一社八幡宮」や、本堂が国宝に指定されている「鑁阿寺(ばんなじ)」など宮司や住職による特別ガイド付きで案内。日本最古の学校として知られる「足利学校」も訪れる。

 このほか、ワイナリー見学で訪れる「ココ・ファーム・ワイナリー」では、ワインのテイスティングを体験できる。

 発着地は東武鉄道の足利市駅またはJR足利駅。旅行代金は2200円(足利市からの助成金使用)、定員は各日先着順で15人。申し込みは同社Webサイト内の専用応募フォームから。

3年ぶりに「八戸えんぶり」開催 豊作と春を呼び込む郷土芸能 2月17日(金)から4日間

2023年2月14日(火)配信

一斉摺り

 青森県八戸地方に春を呼ぶ豊年祈願の郷土芸能「八戸えんぶり」が、3年ぶりに開かれる。会期は2023年2月17日(金)~20日(月)までの4日間。およそ30のえんぶり組が1日を通して八戸市中心街や市内各所でえんぶりを披露する。

 えんぶりは苗作りから、田植え、草取り、稲刈りを経て、米俵を大地主の旦那に収めるまでの一連の流れを表現したもので、豊作を祈願する「田植踊」の伝統芸能だ。一番の見どころは、太夫(たゆう)と呼ばれる舞手が、馬の頭をかたどった華やかな烏帽子(えぼし)を被り、頭を大きく振って舞う「摺(す)り」。「田んぼの上をならすように摺る」ことに由来する力強い動きで、冬の間眠っている田の神を揺さぶり起こす。

 口伝で継承されてきたえんぶりは、組によって各所に特色がある。烏帽子の絵柄や摺りの動き、唄や口上などの違いが各組の個性となるなか、個々の組や舞手のファンいるという。

 期間中は、市内の長者山新羅神社で行う「奉納摺り」(2月17日)や、中心街で30以上の組が一堂に行う「一斉摺り」(2月17日)などが見られる。国の登録有形文化財・更上閣(こうじょうかく)の庭で披露される「お庭えんぶり」(2月17~20日、要予約、有料)は、甘酒と八戸せんべい汁を味わいながらの少しぜいたくな観覧だ。

日本専門新聞協会、新春講演会開く 田中優子氏が現代に通ずる江戸時代の習慣紹介

2023年2月14日(火) 配信

田中優子氏

 日本専門新聞協会(入澤亨理事長)は1月27日(金)、東京都内で新春講演会を開いた。法政大学名誉教授(前総長)で、江戸東京研究センター特任教授の田中優子氏が「江戸から考える持続可能社会」をテーマに講演を行った。SDGsなど持続可能性についての意識が高まるなか、現代に通ずる江戸時代の生活習慣を紹介した。

 田中氏は冒頭、「江戸時代は循環システムの整備によって、持続可能な社会を構築した」と語った。その具体例として、着物は切れなくなるたびに仕立て直し、古着として再生。その後、布団のカバーから、風呂敷やクションを経て捨てていた歴史を紹介した。

 また、本を束ねる紐が切れた際は、専門の職人が新しい紐を用いて、くくっていたことも説明。読まれなくなった場合は、再度和紙をすき、本にしたり、トイレットペーパーとして活用していたという。

 田中氏は「循環の基本はものづくりを行う職人にある」とまとめた。