群馬県旅行業協会、会員大会を再開 協定会と連携深めコロナ禍から復活へ 

2024年2月26日(月) 配信

小林聡新会長

 群馬県旅行業協会(小林聡会長)は3月11日(月)、ホテルメトロポリタン高崎(群馬県高崎市)で「『郡旅協協定会 コロナ禍からの復活フォーラム2024』講演会・商談会」を開く。コロナ禍以降、ホテル・旅館などの受入施設で構成する協定会との行事「会員大会」を中止。旅行業協会と協定会の復活に向けて連携を強化するため、今年度は基調講演と商談会を中心とした会員大会を再開する。

 このうち、基調講演は「スマホで差のつく写真の撮り方」をテーマに、フォトグラファーの吉良幸恵氏が登壇する。ホームページやインスタグラム、X(旧ツイッター)などへの投稿に役立つ情報を提供するという。

 また、翌日には旅行業協会と協定会の会員の懇親をより深めるため、初めて親睦ゴルフコンペをサンコーカントリークラブ(群馬県高崎市)で開催する。表彰式では、多数の景品を用意するほか、軽食パーティーも行う。プレー代は7500円、参加費は2000円としている。

クラブツーリズム、2年連続の受賞 「台湾観光貢献賞」授与

2024年2月26日(月) 配信

記念トロフィーを授与される柏山卓士取締役旅行営業本部長(写真右)

 クラブツーリズム(酒井博社長)は2月22日(木)、台湾・台北市の圓山大飯店で行われた「2023年台湾観光貢献賞」の授与式で、台湾交通部の王國材部長から受賞記念トロフィーを授与された。

 「台湾観光貢献賞」は、台湾の観光振興に多大な貢献をした企業や団体、個人に対して台湾交通部観光局から贈られるもの。クラブツーリズムはこれまで、さまざまなテーマにこだわった商品を積極的に販売。鉄道旅行や貸切り天燈上げイベント、女性限定美容ツアーなど高品質で多岐にわたる台湾商品の販売促進を行ったと評価され、受賞の運びとなった。

 台湾交通部観光局によると、台湾旅行の誘客促進キャンペーンや説明会のほか、積極的にテレビ・新聞などの媒体を使って台湾観光促進に貢献したことが受賞の要因。

 受賞を記念して、成田発「グルメも観光も買い物も!台湾満喫いいとこ巡り5日間」のほか、関西発「キャセイパシフィック航空ビジネスクラス利用(関西~台北間)シャングリラに3連泊 週末出発または連休利用 台北の休日4日間」の2コースを売り出した。

JATA、第2回「SDGsアワード」募集開始 旅行業界のSDGs促進・拡大を目指す

2024年2月26日(月) 配信

JATAは3月31日まで、第2回「SDGsアワード」の応募を受け付ける

 日本旅行業協会(JATA、髙橋広行会長)はこのほど、第2回「SDGsアワード」の募集を始めた。旅行業界としてもSDGsへの取り組みが重要になるなか、会員企業の事例を広く周知・共有することで、業界における取り組みを促進・拡大させていく目的。

 前回は会員26社から75件の応募があり、大賞、優秀賞、特別賞、奨励賞など39件を表彰した。

 第2回アワードは、2023年4月~24年3月にJATA正会員がSDGs達成に向けて実施した活動・事業、近年継続して実施した活動・事業を表彰対象とする。なお、期間内に効果が見られたものに限る。

 1社で複数の応募が可能であり、部署・グループにより取り組みや、複数企業が連携した取り組みも含まれる。

 表彰部門は①社会・人権②経済・産業③地球環境④共創──の4つを設置した。

 応募期間は3月31日(日)まで。

「提言!これからの日本観光」 「観光」は〝ただの遊び〟ではない

2024年2月25日(日) 配信

 「観光」の仕事に関わるようになった当初に、戸惑ったことは、世上における多くの人々が「観光はただの遊び」と思っているらしいことであった。〝仕事〟の対象としては、なかなか認めてもらえなかったことを思い出す。

 「観光」は年間生産額(直接)約25兆円、間接効果を入れると50兆円近い額にのぼるため、日本の基幹産業ともてはやされている。その反面、「観光」の真の意味が今もって多くの人々に、正しく理解されていないことが残念だ。

 「観光」は、地域の「光」を「(心を込めて)見(観)る」、また「観す」ことによって、人的交流をはかる文化的経済行動だという正しい意味が理解することができるまでには、私もかなりの経験と時間が必要だった。

 多くの人々との交流関係を持つことで、ささやかな「文化」が創生し、発展すると考えるとき「観光は重要な文化活動」にほかならないと思っている。

 また「観光」によって関係する地域には、活発な経済(資金の循環など)の動きが発生している。

 このように「観光」は、文化的経済活動であることが世上、充分理解されているとは言い難い。それのみか「観光」は、〝ただの遊び〟にすぎないと看過されていることも多いため、観光業に携わる人々の社会的評価も実態を正しく反映していない点が多く見受けられる。

 これは、「観光」が人間の本能に根差す「文化的経済行動」であることを正しく理解するには、かなりの経験も必要となるからだ。

 確かに年間生産額約50兆円、雇用者数約百万人という数値を見る限りでは、「観光」は日本の基幹産業の1つにほかならない。実際に「観光」によって多くの街が勃興し、発展してきたのも、そのためではないかと思う。

 「観光」は人的交流を促進し、文化の創生発展をもたらす重要な行動だと確信している。また、それが「観光」に参加する人々が「観光」を味わい、かつ楽しみつつ成就されるところに、「観光」によるまちづくりが、各地で急速に進展する動機であったと考えられる。

 このような「観光」の推進に不可欠なものは、適時適切な「情報」を広く知らせることだと思う。絶えずに更新した観光地などからの充実した「観光情報」を送受信していくとき、日本においては国土のほとんどの地域が、魅力ある観光地としてなり得るといっても言いすぎではないと思っている。自分自身の出身地を観光地として考えて、適切な情報発信を行えば、全国どこもが多くの人が訪れたくなる観光地となるといっても決して大げさな表現ではない。

 特定の地域への観光のみでなく、国土全体を観光地とするために、万偏なく幅広い観光情報を発信することによって、この恵まれた国土を活かさない手はないと思われる。

 

 

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏
 
 
 
 

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(229)」地域レガシーの再生(群馬県富岡市)

2024年2月24日(土) 配信

世界遺産・富岡製糸場正面玄関と東置繭所

 地域には、歴史の中で輝き、大きな役割を果たした時代がある。そんな地域のレガシー(過去から引継ぎ、未来へとつなぐ)を学び、新たな地域レガシーを形成していこうという事業が動いている。観光庁が2021年から始めた「レガシー形成事業」である。

 この事業では地域再生のための抜本的プランを検討し、その実現可能性調査などを踏まえ、新たな活用計画の策定と実現を目指している。23年度現在、全国で14の事業が動いているが、その1つ、世界遺産富岡製糸場の事業に関わらせていただいている。

 富岡製糸場は、14年6月、ドーハで開催された第38回世界遺産委員会において世界遺産に登録された。「富岡製糸場と絹産業遺産群」は、富岡製糸場をはじめ、田島弥平旧宅(伊勢崎市)、高山社跡(藤岡市)、荒船風穴(下仁田町)の3市1町に点在する養蚕関連史跡によって構成される文化遺産である。

 300釜のフランス式繰糸器が並ぶ繰糸場をはじめ、長さ104㍍、高さ12㍍の東置繭所と西置繭所、動力場の蒸気釜所、フランス人技師ブリューナが滞在した首長館(ブリューナ館)、鉄製の貯水槽(鉄水溜)など、1872(明治5)年操業以来の製糸場の姿を今に伝える貴重な文化遺産が現存する。

内部改修が終わった西置繭所

 世界遺産登録された2014年は、大きな話題となり、それまで年間20万人ほどだった来訪者は一気に134万人まで急増した。しかし、製糸所内部の見学は、動かない機械類、飲食や土産などの制約、単調なギャラリーなど、「一度見たらもう十分」といった感想も聞こえてきた。案の定、登録2年後あたりから客足が衰え、コロナの影響もあり20年ごろには、登録前の水準に戻ってしまった。近年、少し回復したものの30万人に届かない。国宝・重要文化財・世界遺産の建物は、このままでは膨大な赤字を抱え、大きなお荷物になってしまう。

 事業では、世界遺産登録前の12年に策定した「旧富岡製糸場整備活用計画」の原点に戻ることから始まった。繰糸機の再生による生糸生産の再現を含む動態展示、国宝3棟を核とした世界遺産ミュージアムとしての全体整備、他施設での宿泊・滞在施設、レストラン・カフェ、教室などの再整備。さらには、製糸場周辺のまちなかにある古民家再生など、地域ぐるみの再生を狙う抜本的な活用計画の策定を意図している。

 富岡製糸場のレガシーとは何か。かつての整備活用計画では、友人であり、近代化産業遺産群33などをともに手掛けた故清水慶一氏(国立科学博物館)が掲げた「颯爽たる気概」を踏襲したいと思う。富岡製糸場が完成した明治初期、日本人は西洋列強に追いつき、これらを超える強い気概をもっていた。文化財であるがゆえに活用が難しいというのは本末転倒。重要な文化資源とその精神を守るためにも、多くの方々に訪ねてもらえる抜本的な活用が急務なのである。

(観光未来プランナー 丁野 朗)

「観光人文学への遡航(44)」 ライドシェア導入に対する疑問②

2024年2月23日(金) 配信

 十分な議論もなしに、あっという間に決まってきたライドシェアに関して、観光関連産業としても無関心ではいられない。むしろ、これは公共交通、観光事業にとどまらず、日本の今後のあり方を左右する大きな分岐点であるにも関わらず、政府は単なるデジタル化の一環のような扱いで、いつの間にか導入しようとしている。先月に続いて、ライドシェアの問題点を指摘する。

 

 現在旅客を有償で輸送する業務に従事する者に関しては、第二種運転免許保持者に限定されている。二種免許は、1956年から導入されており、旅客の安全性確保の観点から、私たちが一般的に保持している普通第一種運転免許よりもかなり厳格な試験を課している。そもそも、受験資格は21歳以上で普通免許や他の第二種免許を取得してから免停期間を除いて3年以上と規定されている。これは、2022年に道路交通法が改正され、「受験資格特例教習」を修了することにより、19歳以上かつ普通免許等を受けていた期間が1年以上あれば受験可能となったが、それでもかなりハードルは高い。現在でも合格率は10%程度といわれている。

 

 運用もかなり厳格になされていた。運転代行も、旅客の有償輸送なので二種免許が求められている。宿泊機関ではおなじみの最寄り駅との送迎に関しては、お客様から運賃はもらわずに自社社員が自家用車両を使って行っているため二種免許を必要としないが、商業施設などで行われている送迎バスは、お客様が運賃を支払うことはないものの、店舗がバス事業者に有償で運行を依頼しているので旅客自動車運送事業とみなされ、二種免許と緑ナンバー車両が必要になる。

 

 ライドシェアはこのプロセスを無きものにする。国土交通省は、今まで乗客の安全のためにとこれだけ厳格に運用してきたが、普通免許しか持たない素人ドライバーに有償旅客輸送を認めるということは、厳格な二種免許との整合性がまったくつかない。

 

 さらに、タクシー会社が日常的に徹底して運行管理を行っているということは、車両の安全管理やドライバーの健康管理にも責任を負っているということを忘れてはならない。業務開始時に車両の点検を行い、アルコールチェックはもちろん、ドライバーの心身の健康状態を見極めて、問題があれば乗務させないという厳格な強制力を持った対応を行っている。乗務時間も会社が管理して、超過勤務を防いでいる。会社ではドライバーの健診結果や服用中の薬も把握している。これをすべて個人に委ねて、既存タクシーと同様の管理ができるとは到底思えない。先行したフードデリバリードライバーの杜撰な運転を見たら、目先の水揚げアップのために真っ先に疎かになるのが日常の運行管理だということは火を見るよりも明らかだ。

 

島川 崇 氏

神奈川大学国際日本学部・教授 島川 崇 氏

1970年愛媛県松山市生まれ。国際基督教大学卒。日本航空株式会社、財団法人松下政経塾、ロンドンメトロポリタン大学院MBA(Tourism & Hospitality)修了。韓国観光公社ソウル本社日本部客員研究員、株式会社日本総合研究所、東北福祉大学総合マネジメント学部、東洋大学国際観光学部国際観光学科長・教授を経て、神奈川大学国際日本学部教授。教員の傍ら、PHP総合研究所リサーチフェロー、藤沢市観光アドバイザー等を歴任。東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程満期退学。

北陸応援割の開始日は各県ごとに判断 既存予約は対象外に(髙橋観光庁長官)

2024年2月22日(木) 配信

髙橋一郎観光庁長官

 観光庁の髙橋一郎長官は2月21日(水)に会見を開き、「北陸応援割」の開始時期について、「2次避難の状況や、住まいの提供状況を考慮した各県の意向を踏まえて実施していく必要がある。近々各県から開始日を広報される予定」と話した。また、既存予約については、同事業が令和6年能登半島地震の風評被害を早期払拭し、失われた観光需要を新たに喚起する目的で実施されることから、既存予約は制度の対象外とした。

 北陸応援割は、令和6年能登半島地震の被災者支援のため、「被災者の生活と生業支援のためのパッケージ」の一環として、観光支援策として実施される。国内・訪日旅行者を対象に、1人1泊当たりの旅行・宿泊料金の50%を割引支援するもの。

 期間はゴールデンウイ―ク前の3~4月とし、石川県、富山県、福井県、新潟県の4県が対象。

 一方で、北陸地域の宿泊施設は、現在避難者を受け入れる2次避難所として被災者を受け入れている宿があることから、髙橋長官は、「各県で今置かれている状況についてしっかりご判断いただいたうえで、具体的な開始日を決めるということなので、県としてのしっかりしたご判断のもと進められると考える。これを踏まえて柔軟に対応していかなければならない」とし、「観光庁としては、北陸応援割の円滑な事業実施に向けて、各県としっかり連携しながら取り組んでいきたい」との考えを示した。

 日本政府観光局(JNTO)による風評被害対策について、1~2月には被災地の復旧状況をみながら正確な情報発信と訪日プロモーションを行っている。具体的には、WebサイトやSNSに北陸の魅力や施設の再開に関する海外向けの情報発信・海外旅行博へのブース出展・海外旅行会社を北陸に招請し旅行商品造成促進につなげる──などに取り組んでいる。

 3月16日(土)に予定されている北陸新幹線延伸については、「国内・訪日拡大に向けて大変重要な機会であるため、外国人旅行者に北陸地域に来ていただきたい。インフルエンサーや海外メディアの招請など、海外メディア向けのニュースレターにより、北陸新幹線を利用した旅の魅力・モデルツアーを発信している。また、旅行会社との共同広告によって、北陸新幹線を利用した旅行商品の販売促進をはかっていきたい」考えだ。

 

8カ月連続で19年水準 訪日外客は好調に推移

 1月の訪日外客数は、268万8100人。能登半島地震発生により、東アジアを中心に訪日旅行への影響が一部みられたが、前年同月比79・5%増、19年同月比100・0%となった。

 台湾、フィリピン、米国などで外客数が増加し、23市場のうち10市場が1月として過去最高を記録したほか、韓国・台湾・豪州では単月過去最高を更新した。

 中国からの1月訪日客数については、19年同月比は約55%の42万人となり、一定の回復傾向にある。春節(2月9日~17日)期間中については、JNTOが現地の旅行会社に春節の予約状況を聞き取ったところ、「19年の同時期と比較すると、同程度あるいは今年の方が高いのでは」という見方を示した。

メキシコのトルーコ観光大臣、観光PRで訪日 成田山・新勝寺で能登半島地震の復興祈願を

2024年2月22日(木) 配信

(右から)観光庁・星野光明部長、御宿町・石田義廣町長、ミゲル・トルーコ・マルケス大臣、成田山新勝寺・松岡照英氏、メルバ・プリーア大使

 メキシコ観光省のミゲル・トルーコ・マルケス大臣は2月22日(木)、昨年10月にメキシコ南部のアカプルコ市で発生したハリケーン被害からの復興と、アカプルコ観光をPRする国外プロモーションの一環として来日した。トルーコ大臣の出張旅行の訪問地には、台風や地震などの自然災害による被害を受けたという共通点から日本・東京と、トルコ・イスタンブールが選ばれた。また、令和6年能登半島地震の復興を祈願するため、成田山新勝寺(千葉県成田市)に訪れた。

トルーコ大臣は能登半島地震の復興祈願を行った

 釈迦堂を参拝したのち記者会見を開いた。会見には、トルーコ大臣のほか、駐日メキシコ大使館のメルバ・プリーア大使、観光庁国際観光部の星野光明部長、アカプルコと姉妹都市である千葉県・御宿町の石田義廣町長が出席した。

メキシコ観光省のゲル・トルーコ・マルケス大臣

 トルーコ大臣は、能登半島地震への哀悼の意を述べたのち、「メキシコと日本は昨年、外交関係樹立135周年を迎えた。メキシコシティと東京間の航空便は1日2便の直行便が出ている。昨年にメキシコを訪れた日本人観光客は8万3258人。このほど、メキシコ湾と太平洋湾を結ぶ観光列車『マヤ鉄道』が全線開業すれば、リゾート地や古代マヤ遺跡が点在する半島を一周できる。メキシコが誇る歴史、文化、美食など、自分の興味に合ったものがきっと見つかる」と話した。

駐日メキシコ大使館のメルバ・プリーア大使

 プリーア大使は、「トルーコ大臣が訪日したのは、日本とメキシコの友好関係の再確認。能登半島地震やアカプルコを襲ったハリケーンなど、両国を自然災害が襲ったことから、能登半島地震における哀悼の意を捧げるために来日した」と説明した。

 石田町長は、アカプルコハリケーン被害へのお見舞いを述べ、「日本とメキシコの縁は1609年、ドン・ロドリゴ総督を乗せたサンフランシスコ号がフィリピンからメキシコに帰還中に台風に遭い、御宿町の岩和田海岸(現・田尻浜)で遭難した際、地元の人たちが船員317人を救助したことから始まった」と400年以上続くメキシコとの友好関係を話した。

 星野部長は、「アカプルコと同様に、能登を含む北陸地域でも観光を楽しんでいただける場所が数多く存在している。復興情報や観光情報を発信するため、日本政府観光局(JNTO)メキシコ事務所から積極的に訪日プロモーションを行っている。昨年1年間のメキシコからの訪日客数はコロナ前を超えている。メキシコ政府と連携して、双方向交流の拡大に努めていきたい」と力を込めた。

 観光庁からは石川県の伝統工芸である山中漆器の扇子、御宿町からはアカプルコ市のハリケーン被害への救援金目録が贈られた。

 メキシコからは、アステカの旅行者の守り神が描かれたレリーフが観光庁、御宿町、成田山新勝寺にそれぞれ贈られた。

ANTA、国内活性化フォーラムinあいち開催 地域活性化へ愛知県に10万人送客CPも決定

2024年2月22日(木) 配信

約1100人が集まった

 全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長)は2月15日(木)、愛知県名古屋市で第18回国内観光活性化フォーラムinあいちを開いた。全国47都道府県から約1100人が集まった。地域観光のさらなる活性化に向けて、愛知県へ10万人規模の送客キャンペーンの実施を決定し、会員の結束を強めた。

 地元実行委員会の森川雅史委員長は、愛知県には徳川家康や織田信長、豊臣秀吉にまつわる歴史があることや、キャベツや菊などの農産物、八丁味噌などのグルメを紹介。「多様な地元観光資源の発信のため、多くのブースを用意している。送客の参考にしてほしい」と呼び掛けた。

森川雅史委員長

 当日はANTAの近藤幸二副会長が二階会長のメッセージを代読した。「能登半島地震の被災者の復興へ、観光庁と手を携えて支援したい」と述べた。また、「フォーラムはコロナ禍からの完全復活を果たすための、重要な一歩だ」と話した。

近藤幸二副会長

 観光庁の髙橋一郎長官は地方活性化に向けて「国内外から地方へ誘客するべき。団体旅行と着地型旅行は地域を知り尽くした事業者でないとできない。地域への豊かな旅を造成するうえで大事な取り組みだ」との考えを示した。観光庁として「夢と誇りを持ってもらえるよう全力を尽くす」と語った。

髙橋一郎長官

 愛知県の大村秀章知事は県内に歴史やグルメ、産業観光などさまざまな観光資源を有することから、2015年をあいち観光元年として観光局を発足させ、観光振興に取り組んでいることを説明した。

大村秀章知事

 さらに、県の保有する愛・地球博記念公園内にオープンしたジブリパークは3月16日(土)に、全エリアが開業することを紹介し、「1日では回れない広さとなり、連泊を期待できる。これまで学校の団体は県内を優先的に受け入れてきたが、新年度からは全国を対象とすることが検討されている」と話し、「(グルメや歴史など)さまざまなテーマに応えられる愛知県に送客してほしい」と呼び掛けた。

 基調講演には観光庁観光産業課長の庄司郁氏が「これからの観光政策について」をテーマに、登壇した。

庄司郁課長

 庄司氏は訪日外国人客の23年の平均泊数がコロナ禍の19年比で1.4泊増の10.2泊だったことを説明。「泊数増加で地方に訪れる余裕が生まれる」とした。「地域に根差した企業などを対象に地域資源を生かしながら、季節などを体感できる特別なツアーの開発へ予算を計上している」と話した。

 その後、河村たかし名古屋市長によるウェルカムトークトークを開催。河村市長は、名古屋城の天守閣を木造で復元する計画を立てている一方で、市民などから当時存在しなかったエレベーターの設置を求められていることから、「名古屋城は市のシンボルになる。これには真正性が大事」と強調した。同城は1930年に国宝に指定され、太平洋戦争で焼失。復元された現在の建物は重要文化財に指定されていることから、「もう一度国宝にしましょう」と協力を求めた。

河村たかし市長(前列)。コスプレホストタウン応援隊と登壇した

 さらに、お釈迦様の骨を安置する日泰寺を紹介。「世界で名古屋市だけにある。世界的な歴史遺産として訪れてほしい」と呼び掛けた。

 「どえらい名古屋。オンステージ」では、名古屋市の大須商店街を拠点に活動するアイドルグループOS☆Uが、名古屋の朝と夜を意識した新曲ナゴヤリフレイン~名古屋観光PR ソング~の完成発表ライブを開いた。

新曲を披露するOS☆U(前列)

 山形送客キャンペーンは昨年4月1日~今年1月31日まで実施した。延べ2万4937人と5万人の目標は未達となった。最優秀会員は和楽旅行社(宮城県仙台市)。優秀賞はオーティービー(山形県尾花沢市)、準優秀会員は羽後交通(秋田県横手市)とトランスオーシャンツーリスト(山形県新庄市)だった。

 今年度は、愛知県への送客CPを展開。目標は10万人とした。期間は3月1日~12月31日までに設定した。

 次の国内観光活性化フォーラムの開催地は2025年1月28日に、東京都・有明を予定している。

 引き継ぎ式では、地元実行委員会の森川委員長から京浜地方支部長連絡会の村山吉三郎議長に、大会旗が渡された。

森川雅史委員長(左)と村山吉三郎議長

 村山議長は「スローガンを『ようこそ、まだ見ぬ東京へ』に設定した。東京には見知らぬ名所が多くある。当日はさまざまな東京の魅力を紹介する」と述べた。

 閉会あいさつで北敏一副会長は自身が石川県旅行業協会の会員であり金沢市内で経営していることから「能登半島地震は非常に強い揺れで一生忘れることはない。輪島や和倉温泉など能登の観光施設は、再開時期が分からない苦しい状況だ」と報告。「力強い応援は大変ありがたい。能登地域の粘り強い性格で必ず復興できる。力を合わせて大きな支えとなり、復興に貢献していきましょう」と呼び掛けた。

北敏一副会長

 会場では同県内の自治体がブースを出展した。フォーラム終了後には懇親会も開かれ盛会裏に終わった。

懇親会で次のフォーラムの成功に向け奮闘した東京都旅行業協会の村山会長(中央)、濵田副会長(左)、小松副会長

WILLER EXPRESS、七尾便を運行再開 運休経て1カ月半ぶり

2024年2月22日(木)配信

WILLER EXPRESS

 丸一観光(木下徳泰社長、石川県七尾市)とWILLER EXPRESS(平山幸司社長、東京都江東区)は、2月21日(水)から高速バス「WILLER EXPRESS」の東京~富山・石川(七尾)線の運行を再開した。東京発の運行再開は2月22日(木)から。

 今年1月1日に発生した令和6年能登半島地震に伴い一時運行を休止していたが、約1カ月半ぶりに再開。東京~能登エリアを乗り換えなしで移動できるようになった。ただし、和倉温泉駅への発着は道路状況を踏まえて、当面は取りやめる。

丸一観光

 丸一観光は震災以降、能登半島内での集団避難者やボランティアの貸切バス輸送を行ってきた。これまでに石川県は能登方面への不要不急の移動は控えるよう発信していることから、今回の運行再開は主に能登半島の住民向けとしている。また、同便が金沢駅も経由することから「県外から加賀地方への送客を担い、石川県全体の復興の一助となれば」と今回の運行再開を決めた。

 運賃は大人片道で高岡砺波・金沢発着が5200円から、羽咋・七尾発着が5900円から。