福島県・双葉町の撚糸工場「フタバスーパーゼロミル」 開業1周年控え、工場見学や町との共同開発ブランドPR

2024年3月6日(水)配信

河合達也常務執行役員と鈴木加代子グループ長

 福島県・双葉町で昨年4月、日本有数の撚糸(ねんし=糸によりをかけること)工場「フタバスーパーゼロミル」を開業した浅野撚糸の河合達也常務執行役員と鈴木加代子グループ長が3月6日(水)、本紙を訪れ、工場見学受け入れや双葉町と共同開発したブランドなどを紹介した。

フタバスーパーゼロミル(全景)

 見学のできる工場「フタバスーパーゼロミル」やタオルショップ「エアーかおる双葉丸」、パスタやデザートも楽しめるカフェからなる複合施設だ。岐阜県が本社の浅野撚糸だが、同社の浅野雅己社長が学生時代を福島で過ごした縁や、双葉町、経済産業省からの要望もあり、町へ進出を決めたという。開業後は月1万人前後が来館するが、「さらに多くの人に訪れてほしい」と意欲的だ。

 見学は予約なしでも可能(ただし月曜日は休館)。浅野撚糸の歴史と想いを紹介するコーナーや、窓越しに製造工程を見学できる。教育旅行や企業視察には案内付きのコース(要予約)も用意。工場に並ぶ20台の撚糸機を間近に見られるほか、若手社員から「復興への想い」を聞くことができる。

 ショップでは、吸水力と肌触りで消費者からの支持も厚いタオル「エアーかおる」を販売する。双葉町とのコラボ商品「ダキシメテフタバ」シリーズは、販売利益の一部を工場周辺の「緑化」に充てている。

 工場中庭をクラシックコンサートの会場にするという新しい試みも始まった。「地域交流拠点としての活用にも力を入れたい」。

京都の観光名所を巡る「おこしバス」で若者需要取り込みへ 京阪バス

2024年3月6日(水) 配信

「おこしバス」ラッピング車両

 京阪バス(京都府京都市、三浦達也社長)はこのほど、京都の観光名所を巡る「京都定期観光バス」の愛称を「おこしバス」に決定した。

 名称変更は若い年齢層の需要を取り込むことが狙いの1つで、新たに通常よりツアー時間が短い2つのコースも新設した。

 新設したコースは、所要時間3時間半と短いモノで、半日で気軽に利用でき、そのうえ安価であることを意識した。

 1つ目のコースは、京都観光で定番となる寺社仏閣以外の魅力を知ってもらえるよう、佐々木酒造やおたべ本館・京ばあむ、漬物商赤尾屋を巡るコース。2つ目は、清明神社や今宮神社など7カ所の神社を巡る。両コースは3月22日から運行を開始し、6月28日まで催行される。

松竹部長(左)と植垣課長が来社

 3月22日からの運行に先立ち、このほど京阪バス経営企画室部長兼ICT推進部部長の松竹淳二氏と運輸部観光企画課課長の植垣かおり氏が来社した。

 両者は「ツアーなので例えば紅葉シーズンでも人気のお寺に並ばずに拝観できるなど、利便性が最大の魅力」とPR。バスは京都駅を発着するので観光シーズンの混雑回避にもなるうえ、同ツアーに参加しないと拝観ができない社寺があるなど特別感もあるとしたうえで、「ぜひ、首都圏の方にも京都観光の際にご利用いただきたい」と力を込めた。

準UD客室整備を すべての人が使える客室へ(国際観光施設協会・野出木副会長)

2024年3月6日(水) 配信 

新UD客室のプロトタイプを紹介

 国際観光施設協会の野出木貴夫副会長はこのほど、東京都産業労働局が実施した宿泊施設バリアフリー化促進セミナーに登壇し、「健常者と障害者に分けて客室を考えるのではなく、両者が使える準バリアフリー客室を整備することも大切である」との考えを示した。

 国際観光施設協会ホテル都市分科会では、ユニバーサルルーム(新UD客室)の研究「e―WA プロジェクト」を推進している。

 バリアフリー法の基準を満たした客室に加え、法的基準には若干届かないが準じて使用できる「準バリアフリー客室」を増やすことを目的に、車いす使用者に便利で、健常者も抵抗なく使用でき、施設運営側も売りやすい客室を提案。車体に特殊な車輪を採用し、横移動も可能で回転直径を狭めた新型電動車イスを試作した。

 同セミナーでは、身体障害者が健常者の使用する一般客室を少ない改修を行うだけで利用できるさまざまなツールを紹介。そのほか、客室のドアを引き戸にしたうえで自動化するアイデアなど動画を用い説明した。

 一方で「今回のアイデアはさまざまなツールを盛り込んでいるので、構造などの問題で既存施設の改修に関してはハードルが高いモノもある」との課題感も提示。

 そのうえで、「新築ではなくても、工夫次第で可能な部分はあると考える。普段は健常者に使っていただきながら、車いすを使う人が利用されても使える客室を用意しておくことは、インバウンドや足腰は弱ってきているが旅行に出掛けたいと考えている高齢者の需要を増やすことにもつながる。ささやかな工夫を加えた準バリアフリー客室を増やすという考えもあることを知っていただきたい」と参加者に呼び掛けた。

 宿泊施設バリアフリー化促進セミナーは、障害者や高齢者などあらゆる人が利用しやすい宿泊環境の実現に向けて東京都が年5回行ったセミナーで、都内の民間宿泊事業者や備品製造事業者など、宿泊施設のバリアフリー化に携わる事業者がオンラインで視聴した。

JTBと東急不動産HDグループ、富裕層向け拡充へ 需要創出に向け協業始動

2024年3月6日(水) 配信

JTBと東急不動産ホールディングス、東急リバブルの3社が協業

 JTB(東京都品川区)は3月6日(水)、東急不動産ホールディングス(東京都渋谷区)と同HDグループの東急リバブル(同)の3社で、富裕層マーケットの新たな需要創出に向けた協業を始動すると発表した。

 JTBのラグジュアリー旅行専門店「ロイヤルロード銀座」と、同HDのグループ企業各社がそれぞれ保有する富裕層向けの経営資源を連携。取り組みの第1弾として、タイ王国バンコクへの不動産見学とタイ王国の魅力に触れる「バンコク・アユタヤの優雅なる魅力を再発見5日間」を、同日に売り出した。

 JTBと東急不動産ホールディングスは、多様なニーズに応える体制構築に向けて、2022年8月にビジネスマッチング契約を締結している。今回の東急リバブルを含む3社の協業により、さらなる顧客接点の強化と満足度の向上をはかり、人生100年時代における富裕層顧客との長期の関係構築を目指す。

4~6月、福岡・大分デスティネーションキャンペーンを開催 福岡県が目玉企画「よかバス」をPR

2024年3月6日(水) 配信 

「よかバス」のパンフ(右)とキャンペーン公式ガイドブック(左)

 福岡県では2024年2月22日(木)、東京都内にある県のアンテナレストラン「麹町なだ万 福岡別邸」で、マスコミを対象に4月から始まる「福岡・大分デスティネーションキャンペーン(DC)」と旬の食や福岡の酒をPRする催しを開いた。
 
 キャンペーンは4~6月の3カ月間、「至福の旅・大吉の旅 福岡・大分」をキャッチコピーに、大分県、JRグループと共同で開催する。福岡県観光振興課・金堀宏宣氏は、目玉企画として「よかバス」を紹介。各旅行会社が造成・販売する50コース・300本以上の県内周遊バスツアーを、統一ブランドとして販売する試みだ。公式サイトでは「ことこと列車とフレンチを満足」などのコースが一括して検索、比較ができる。キャンペーン公式ガイドブック「福岡・大分Walker」は約50万部作成し、県内の主な観光施設などで配布している。

 会場では、県産のスズキの造り、天然マダイの蕪蒸し、博多和牛のステーキなどの料理と共に、久留米市・花の露の「榮 純米吟醸」など5種類の日本酒を、市の担当者からの解説を聞きながら味わった。

                 【旅行ライター&エディター 三堀 裕雄】

宿・アクティビティの横断検索機能を試験提供 旅程作成・予約・管理も簡単に(じゃらんnet)

2024年3月6日(水) 配信

じゃらんnetは、宿・アクティビティを横断して検索・旅程作成ができる機能を試験提供する

 リクルートが運営する旅行サイト「じゃらんnet」はこのほど、旅行先エリアやプランが決まっていないタビマエ検討初期から、宿・アクティビティを横断して検索や旅程を作成できる機能を追加し、このほど試験提供を始めた。新たな旅行先や宿周辺・エリア内の体験情報に触れる機会が増えることで、地域や国内観光の活性化に期待を寄せている。

 これまでは、宿、アクティビティ、交通に関する情報の検索・予約が分断された画面表示とサービス提供になっていたところ、同機能によって横断して検討が可能になる。

 「テーマ検索機能」は、旅のイメージや求めているものを選択することで、そのイメージに合ったおすすめのエリア・宿・観光スポット・体験スポットを探せる。

 「旅程管理・かんたん予約機能」は、ひとつの旅において泊まりたい宿や行きたいスポットを自分好みに選択して、「旅程」として管理できる。すでにセットされたパッケージプランではなく、自由に組み合わせた自分だけの旅程プランを作成できるほか、地図で位置関係を把握しながら検討できる。

名鉄、瀬戸線で3月12日から「将棋とれいん」を運行 日本将棋連盟と協力

2024年3月6日(水) 配信

車内ポスターイメージ

 名古屋鉄道は3月12日(火)から、日本将棋連盟(羽生善治会長、東京都渋谷区)と協力して「将棋とれいん」の運行を開始する。名鉄瀬戸線の車内を、将棋のルールや詰将棋の問題を掲載したポスターなど将棋にまつわるコンテンツで装飾する。

 名鉄は瀬戸線を舞台に沿線自治体や教育機関、各事業者など地域と連携して沿線の新たな価値創造に向けた活性化に取り組む「瀬戸線沿線価値向上プロジェクト」を実施している。今回、同プロジェクトの一環として、将棋を通して地域の発展に取り組む日本将棋連盟と協力し、藤井聡太竜王・名人とゆかりのある瀬戸線をさらに活性化することを目指す。

 将棋を通した地域価値向上の“初手”として、地域の人々に将棋とのコミュニケーションを創出する。瀬戸線を地域住民との「コミュニケーションメディア」と捉え、1編成を将棋トレインとして運行する。車内はポスターでジャックするほか、車体は将棋駒のステッカーで飾る。運行は4月12日(金)まで。

 さらに“二手目”として、学校へ棋士を派遣する「将棋とれいんプロジェクト」を立ち上げる。子供たちに将棋と触れ合う機会を提供することで、集中力や考え抜く力などポータブルスキル(持ち運び可能な能力)を育み、教育分野での地域の価値向上をはかっていきたい考え。

ムーミンバレーパーク5周年祝い北欧ビュッフェ 休暇村奥武蔵

2024年3月6日(水) 配信

サーモンのオープンサンドやライスロールなど北欧料理が並ぶ

 休暇村奥武蔵(荒井泰博総支配人、埼玉県飯能市)は近隣観光施設のムーミンバレーパーク開業5周年を記念して、3月16日(土)から夕食ビュッフェ「春の北欧サーモン&いちごデザート」を始める。ムーミンスペシャルルームやムーミンバレーパーク1デーパス付プランの宿泊者にはムーミングッズが当たる抽選会も実施。オフィシャルホテルとしてパークの5周年を祝う。

 記念ビュッフェはムーミンの故郷「フィンランド」にちなみ、北欧の料理と春らしいいちごのデザートを用意した。同宿泊プランは4月7日(日)までで、平日2人1室利用で1人1万6500円(税込)から。

2023年6月に誕生したリトルミイのスペシャルルーム

 また、ムーミンとスナフキン、リトルミイの3室のスペシャルルームに3月16日(土)~4月5日(金)まで宿泊した人と、他の部屋でも1デーパス付の宿泊プランを利用した人には抽選会を行う。部屋ごとに1回の抽選でムーミンのぬいぐるみやカップなどが当たる。1デーパス付きは1人1万9500円(税込)から、スペシャルルームプランは1人2万4500円(税込)から。

海津大崎桜お花見クルーズ3月30日から運航 オーミマリン

2024年3月6日(水) 配信

日本さくら名所100選の海津大崎へ

 近江トラベル(伊藤孝樹社長、滋賀県彦根市)が運営するオーミマリンは3月30日(土)から4月14日(日)まで、日本のさくら名所100選(日本さくらの会選定)に選ばれている「海津大崎」の桜を鑑賞するお花見クルーズを運航する。

 彦根港発着で、日本のさくら名所100選の桜並木で下船して約45分散策する。所要時間は3時間。1日4便の運航で完全予約制となる。

 料金は平日が大人3700円、小学生1850円、土日が大人4000円、小学生2000円。オプションでお花見弁当が1300円(税込)で付けられる。弁当は3日前までに予約が必要。

大分県 関西でPR強化 4―6月DC開催に向け

2024年3月6日(水) 配信

あいさつする佐藤樹一郎知事

 大分県は2月10日、福岡県やJRグループなどと共同で行う大型観光キャンペーン「福岡・大分デスティネーションキャンペーン(DC)」(2024年4―6月開催)を控えるなか、大阪府大阪市のホテルヴェスキオ大阪で、関西圏の旅行会社やマスコミ関係者を集め、レセプションを開いた。

 県側からは佐藤樹一郎知事やツーリズムおおいたの和田久継会長、九州旅客鉄道(JR九州)の吉野敏成大分支所長らが参加した。

 佐藤知事は「DCまで1カ月半となった。大分の食や観光スポットなどの魅力を訴える発信力をさらに高めていきたい」と述べた。

 吉野支社長は「DCに合わせ、大分と福岡を結ぶ新D&S列車『かんぱち・いちろく』を投入する。風光明媚な久大本線を走り、両県の食材を使った一流シェフによるお弁当を用意する。途中、大分県内では天ケ瀬駅と恵良駅に停車し、地域特産品の販売やおもてなしを行う予定だ」と話した。

 なお、11、12日にはJR大阪駅のアトリウム広場などで、観光PRイベント「湯ったり♨️おおいた満喫フェア」を開催した。県から運んだ源泉使用の「手湯」の体験ブースを設置し、温泉の源泉数・湧出量とも日本一を誇る「おんせん県おおいた」をアピール。県内10市町が観光ブースを出展し、パンフレットやノベルティを配布した。

【土橋 孝秀】