ブルートレインで九州一周、クラブツーリズム

 クラブツーリズムは昨春、東京―九州間から引退したブルートレインを利用して九州を一周するツアーを、九州旅客鉄道と近畿日本ツーリストと共同で企画した。

 日本三大車窓の矢岳越えや、日本三急流の一つである球摩川沿いの風景など美しい眺望で知られる肥薩線のほか、竜馬伝で話題の長崎などを走行。昨年10月に日南線(宮崎県)で運行を開始した観光特急「海幸山幸」への乗車なども組み込んだ。途中、かつて九州を走っていたブルートレインの8種類のヘッドマークを付け替えて運行する予定。

 出発日は5月9日と16日。いずれも3泊4日。料金は東京駅発着・大人1人が9万9800円。

島と都会の中高生が出会う旅、観光甲子園受賞プラン実施へ、「ヒトツナギの旅」 島根県立隠岐島前高校

 高校生が作り上げた「地域観光プラン」を競い合う大会「観光甲子園」(同大会組織委員会主催、神戸夙川学院大学共催)で、グランプリの文部科学大臣賞に輝いた島根県立隠岐島前高校が、受賞した観光プランを4泊5日の「ヒトツナギの旅」として3月26―30日に実施することになった。

 観光甲子園は昨年8月に第1回が神戸夙川学院大学で開かれ、島前高校は島と都会の高校生が出会い、島人とのさまざまな交流を通じて、元気と自信を取り戻すという「ヒトツナギ~人との出会いから始まる君だけの島前三島物語」でグランプリを受賞した。

 ツアーはプランを実証的に確認するもので、グランプリ受賞時の高校生3人を中心に8人の生徒がグループになり、地域の人たちの協力を得ながら企画した。募集定員は島前地域外に住む全国の中高生10人と島前地域内に住む中高生10人の計20人で、2月5日から募集を行った。島外からは東京、神奈川、三重県などの中高生13人が応募。「自分の世界観を広げたい」「島の文化や自然への興味」「新しい人間関係を築きたい」などさまざまな動機が参加理由にあるという。最終的には10人に絞り込んだ。

 プランでは島外と島内の生徒がペアになり、隠岐島前の西ノ島町、海士町、知夫村3島の漁師や農家など10軒でホームステイ。漁師や牛の世話など体験するほか、伝統芸能での歓芸会、島内探訪、島の秘伝料理を習ってのパーティなどさまざまな仕掛けを準備する。

 今回のプロジェクトを指導してきた同校の岩本悠先生は「参加者が集まるか心配していたが、予想以上の反響だった。生徒もこの機に、島前の魅力を知って広めてもらうよう精一杯努力したいと張り切っている」と話し準備を整える。

 なお、ちなみに参加費は島根県の補助もあり、モニターツアーとして1人5千円となった。

日本に美容の実習、台湾の専門学校から生徒20人

 台湾の東呉高級工業家事職業学校美容科の生徒たちが技能実習のため日本を訪れ、湘南ビューティーカレッジ(井出隆夫校長、神奈川県平塚市)で2月23日から7日間、エステやヘアカット、メイクなどを学んだ。

 一行は1―3年生までの生徒20人と先生2人の計22人。22日に成田到着後、同校でオリエンテーションと歓迎食事会。研修は翌23日から3月1日まで。メイクアップやヘアカットをはじめ、サロン実習・体験、ネイル実習、アロマヘッドスパ、振袖着物の着付けなどに熱心に取り組んだ。

 また、研修の合間には東京・銀座の資生堂見学や美容機器メーカー見学なども精力的にこなした。

 研修終了後は6日間の日程で京都や箱根、浅草、お台場、東京ディズニーリゾートなどを訪れて楽しんだ。鄭宛青美容科主任は「日本の美容技術を学ぶだけでなく、歴史や文化を知る良い機会だったので生徒たちも喜んでいる」と、今回の研修の感想を話してくれた。

 同校は観光科や情報科、飲食科、保育科などの学科があり、生徒数は約5千人という。なお、観光科の生徒は今までに長野県内でスキー体験などを行っているという。

気迫の甲冑ダンス、名古屋武将隊 東京に初見参!!

 名古屋おもてなし武将隊は2月9―10日、東京・有楽町駅前の東京交通会館イベントプラザで開かれた名古屋開府400年観光物産フェアに登場。気迫のこもった甲冑ダンスを披露すると、通りかかったサラリーマンやOLなどが足を止めて見入った。なかには今話題の歴女らしき女性の姿もあった。

 名古屋は今年、名古屋城築城と、清須からの町ぐるみの移転「清須越」に始まる名古屋の町が生まれた1610年からちょうど400年に当たる。これを記念して「名古屋開府400年祭」を実施している。

 名古屋おもてなし武将隊は名古屋の魅力を全国に伝えるため、名古屋ゆかりの武将6人(織田信長・豊臣秀吉・徳川家康・加藤清正・前田利家・前田慶次)と4陣笹隊で結成された。毎日、名古屋城で観光案内や写真撮影などを行い観光客を出迎えるほか、土・日曜日、祝日には名古屋城天守閣前で武将隊10人が集まり、パフォーマンスを披露する。

 「名古屋開府400年」は年間を通して、名古屋城特別企画展「狩野派と名古屋城400年」(4月1日―5月6日)や8月の「世界コスプレサミット」、世界最先端の現代美術や舞台芸術を紹介する「愛知トリエンナーレ2010」(8月21日―10月31日)、10月の「名古屋城本丸御殿玄関の一分公開」などさまざまなイベントを予定する。

「もてなしの達人」「優秀バスガイド」、「100選」特別部門68人を表彰

 旅行新聞新社が主催する「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」「プロが選ぶ優良観光バス30選」の特別部門として、従業員やバスガイドにスポットを当てた第7回「もてなしの達人」、第8回「優秀バスガイド」の表彰式が2月19日、東京都港区の浜松町東京會舘で開かれた。当日は表彰のほか、恒例となったバスガイドによる1分間ガイドや、観光庁長官表彰の「おもてなし・人材育成」部門を受賞した加賀屋の客室係教育担当の岩間慶子さんの講演会なども行った。

 今回の「もてなしの達人」は57人を選出し、そのうち表彰式には31人が出席。「優秀バスガイド」は受賞者の11人全員が出席し、それぞれに表彰状と記念品が贈られた。

 表彰式で旅行新聞新社の石井貞徳社長は「現在はハードではなく、スタッフ一人ひとりがビジネスを左右するほど重要で、経営者ではなく、サービス一つに経営が左右される時代。皆さんは、旅行会社の職員から名前があがった方々なので、自信を持ってほしい。大変な時代だが、一人ひとりがお客様と接し、楽しい旅の思い出を提供していただければ、状況も変わってくると思う」とあいさつした。

 来賓を代表してあいさつに立った全国旅行業協会(ANTA)の木村茂男副会長は、「この事業の〝プロが選ぶ〟のプロは旅行会社ではない。旅行会社は何を基準に選ぶかというと、例えば宿泊施設の場合は施設や料理以上に、フロントや予約係がしっかりしているかどうか。訪れた際に、『あの施設にはあの人がいる』という安心感が大切で、我われの選定基準になる。ハードが一定基準に達していれば、人が重要だ。また、バスの旅は、ガイドさんが印象に残る。いいガイドさんはきちんとしたガイドをするということではなく、人柄や話し方などを重視する。仕事をお願いする場合も、会社ではなく、ガイドさんで選ぶこともある」と語り、「皆さんは日本の観光を支える底辺で、皆さんの努力で厳しい時代も乗り越えられる。この賞を励みに頑張っていただきたい」と激励した。

 賞状授与は、「もてなしの達人」を代表して夢龍胆支配人の平山昌伸さんが、「優秀バスガイド」は冨士交通の村上早苗さんが代表して登壇した。その後は、「優秀バスガイド」が1人ずつ「1分間ガイド」を披露。普段とは違う環境で緊張感溢れるなか、自身で設定したテーマでガイドし、会場を盛り上げた。

 また、講演会は加賀屋客室係教育担当の岩間さんが「おもてなしの心 先代女将に学んだ事」をテーマに、自身のこれまでの経験から感じた、もてなしの精神などを語った。

 表彰式後の懇親会で乾杯のあいさつに立った日本バス協会の藤井章治理事長は、「バス業界は厳しいが、旅行会社や利用していただいているお客様に支えられてやっていけると改めて感じた。また、現場の第一線で努力されている方たちの厳しいなかでの笑顔の力もあるのだなと、感じた」とし、「今後もこの企画を契機にもっと発展するよう頑張っていきたい」と語った。

 会場では料理を囲みながら、受賞者たちが互いの業を讃え合い、親交を深めた。

【飯塚 小牧】

「eビジネス推進連合会」設立、会長に楽天・三木谷氏、地域活性化や政策提言も

 eビジネス・ITの拡大を通じた日本の競争力強化と、民間の立場から各種提言や情報提供を実現していくことを目的に、一般社団法人「eビジネス推進連合会」が2月22日設立された。

 同日開かれた設立総会で、会長(幹事)には楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏が就任。副会長(幹事)には、ヤフー代表取締役社長の井上雅博氏、幹事にはサイバーエージェント代表取締役社長CEOの藤田晋氏、監事にはフューチャーアーキテクト代表取締役CEOの金丸恭文氏、事務局長にはヤフーCCO兼法務本部長の別所直哉氏に決まった。

 三木谷会長は「日本が将来にわたって国際競争に勝ち抜き、さらなる経済成長を続けていくためには、国をあげてITのさらなる戦略的な利活用によるeビジネスの推進、発展が不可欠」としたうえで、「日本では革命的なツールであるインターネットにどちらかといえば制約をかけていく方向にあり、次なる〝ガラパゴス〟を生まないよう、『オープンインターネット』を原則に、未来志向型でeビジネスの推進に絞った活動をしていきたい」と語った。

 主な事業計画は、医薬品の通信販売や、インターネットを利用した選挙活動に関する政策提言を行っていくほか、地域活性化など2、3分分野ついてワーキンググループを設置し活動していく考えだ。

 また、年1回「eビジネス白書」の発行や、twitterを利用したマーケティングなど、毎月会員向けの勉強会も開く。

 そのほか、その年に最もIT、eビジネスの発展に貢献したサービスに「日本インターネット大賞」(仮称)や、中高生に向けたeビジネス、ITに関するコンテスト「JeBAジュニアコンテスト」(仮称)なども計画している。

 入会企業は、正会員238社、賛助会員1427社の計1665社。近畿日本ツーリスト(KNT)やカラカミ観光も会員となっている。

老人ホームでハンドベル演奏、湯原温泉の女将会「シャクナゲ会」

 岡山県湯原温泉の旅館の女将で作る「シャクナゲ会」(上塩浩子会長=八景社長)のメンバー5人は2月8日、大阪市生野区の特別養護老人ホーム「インパレスみのり苑」を訪れ、ハンドベル演奏を披露した。

 ハンドベルは「仕事以外で何か楽しいことを見つけたい」(上塩会長)と1年半前から、女将業の合間をぬって練習を重ねてきたもので、地元の保育園や小学校などでは演奏を行っているが、県外での披露は初めて。

 入所者約50人を前にステージに立った女将さんたちが「花」「見上げてごらん夜の星を」「ふるさと」など6曲を披露。熱のこもった演奏に会場からは手拍子が起き、ハンドベルに合わせて歌ったりと和やかなムードに包まれた。

 施設側から花束と感謝状を受け取り、感激の面持ちの上塩会長は「皆様からパワーをもらいました。機会があればぜひ湯原温泉にお越しください」と呼びかけていた。

いばらきイメージアップ大賞、大賞などに4団体「鵜の岬」が奨励賞受賞(茨城県)

 いばらきイメージアップ大賞実行委員会(委員長=橋本昌茨城県知事)の今年度の表彰式が2月10日、東京・千代田区の都道府県会館で行われ、大賞はひたちなか市で毎年8月に開く野外ロックフェスティバル「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」に贈られた。同賞は茨城県の地域の活性化とイメージアップのため、2006年度に創設された。

 奨励賞は国民宿舎「鵜の岬」や木内酒造(那珂市)、野村花火工業(水戸市)、東京都港区の六本木ヒルズほかで、毎週土曜日に開いている「いばらき市(いち)」の3団体が受賞した。

 国民宿舎「鵜の岬」は1971(昭和46)年に県立の国民宿舎としてオープンした。1989年度に公立の国民宿舎の中で宿泊利用率が全国第1位となって以来、20年連続で日本一を維持している。

 きめ細かいもてなしで、多くの宿泊客に利用されリピーターも多い。茨城県のイメージアップに貢献したほか、県北周遊観光の拠点として今後も大きな役割を果たすことが期待されて、今回の受賞となった。

 総支配人の塙吉七さんは「平日でも多くのお客様でにぎわっているが、慢心することなくこれからもお客様の立場にたったおもてなしで、安心して泊まっていただけるようにしたい」と抱負を語った。

南房総の食と花PR、柿沢パティシエのスイーツも

「触れて味わって」森田知事らも出席

 千葉県(森田健作知事)は2月16日、東京都内で森田知事や佐久間清治富津市長、出口清袖ケ浦市長らが出席して南房総の食材や花など、農林水産物の紹介をメインとした「南房総・食と花」取材会を行った。

 森田知事は「風光明媚な千葉県だが食材も豊富。もうすぐカツオや筍が美味しい季節になる。見るだけでなく触れて味わって、多くの人にファンになっていただきたい」と述べた。

 また、「千葉県産東京湾ノリの8割は富津。量だけでなく味もおすすめ。また、3月13日からは潮干狩りが始まるのでお出かけを」(佐久間市長)、「袖ケ浦公園は梅の次は桜、あじさい。お花見にぜひ。袖ケ浦市農畜産物直売所・ゆりの里のアイスクリームも味わって」(出口市)とトップセールス。

 野菜スイーツの旗手、柿沢安耶パティシエも参加。君津市の生姜を使ったスイーツを披露した。

 会場では夷隅、安房、君津などエリアごとにブースを設け、いちごや菜花、房総太巻き寿司をはじめヨーグルト、アイスクリーム、日本酒、ストックやカラーなど、それぞれの地域の特産品や自慢の逸品をアピール。試食、試飲で担当者の説明にも一段と熱が入った。

1度リセットし再構築、差別化された域内商品を(KNT旅連総会)

 近畿日本ツーリスト(KNT)協定旅館ホテル連盟(西野目信男会長、2810会員)は2月16日、東京都内のホテルで第55回通常総会を開いた。09年の宿泊券販売は、目標の1230億円に対し、大きく割り込み1008億円。4年連続で目標達成できない状況。連盟としても自ら需要を創造する努力が必要であるとの認識から、「お客様の目線に合った着地型旅行商品の創出」「差別化された域内商品の開発、造成、販売」を目的として昨年から実施する「支部間対抗メイト商品コンテスト」を情報連絡員活動の最大のテーマとした。10年の宿泊券販売目標は、1100億と定めた。

 西野目会長は「業界全体が一気に冷え込み、逆風の強い1年だった」と振り返り、「1度リセットして新しく構築し直さなければ先は見えない」と強調した。「国内旅行がまだ柱の部分だが、インバウンドとネットがのびしろになる。海外展開については、KNTを通して宿泊券を買っていただければ、国内、国外のお客様かはかまわない」と語った。

 宿泊券販売目標1100億円については、「会社と、いろんな部分で協力し合い、何とかやりぬこうと確認した。お互い知恵を出し合い、それぞれの立場で協力していただければ」とし、全国の営業本部や営業支店、店頭販売会社、KNTツーリストなどと連携強化を訴えた。

 宿泊券増売につなげる委員会活動は(1)情報連絡員全国ブロック座長会議(2)Web委員会(3)教育旅行部会(4)インバウンド委員会の4つ。

 情報連絡員活動は「情報連絡員制度および活動が近旅連の屋台骨である」という認識のもと、各支部、連合会からの情報発信や商品開発を行う。各地で抱える課題や問題点については全国ブロック座長会議で会社役職者を交えて議論し、解決していく。

 そのほか、次代を担う若手経営者が抱える諸問題を議論、解決しKNTファンを育成する場とする平成旅館塾は第3回、第4回を実施予定。

「1100億円は必達目標、ネットとインバウンドに注力」(KNT吉川社長)

 KNTの吉川勝久社長はKNT旅連の総会で「宿泊券販売1100億円は必達目標」と強調。「会社と旅連の関係は、発地のニーズと着地のニーズを提案しあい、融合することにある。車の両輪として、関係の維持拡大に努めたい」と語った。

 「同業他社というより、マーケットそのものとの戦いだった。人が動かない。マインドづくりに苦心した1年だった」と振り返った。

 10年の営業展開については「昨年8月に策定した中期経営計画を、スピードを持ってしっかり実施していく」とし、施策の柱として、ウェブ販売とインバウンドをあげた。ウェブ販売は、2009年の取扱額114億円から12年に400億円に伸ばす計画。10年は180億円を目標とした。インバウンドについては、中国アジアセンターの新設や訪日旅行者向けサイトの整備などの取り組みを紹介し、「宿泊在庫を全世界へ販売していきたい」と述べた。

 国内個人旅行の製造・販売の一元担当を任された斎藤彰英常務は「会社の資源に横軸を通して、最大限の効果をあげるのがミッション。黒字達成に向けて組織再編を進め、1100億円をやりきり、もう一度安心を与えたい」とあいさつ。

 昨年、販売手法として伸びたのが4%増のウェブとし、「こういう数字を見ても方向性ははっきりしている。はじめからインターネットを想定した商品の企画、仕入、売り方をする。全体の30%は切り替え、4月以降の商品づくりに入っている」と語った。仕入センターは、商品づくりと販売の連携を強化するため仕入販売センターに名称を変更。「ウェブ担当者を配置し、早い時期にその場で公開できる形にしたい」と語った。

 そのほか、宿泊券1100億円達成のポイントとして、訪日インバウンド、教育旅行をあげ、とくにリアルの販売力の強化については「インターネットでは応えられないところがある。社員教育、研修は分厚くやっていく」と語った。