中東のファッションショーを開く

吉永 恵(よしなが・めぐみ)さん
吉永 恵 さん
(よしなが・めぐみ)

 7月15日に、東京の日本橋三井ホールで、本格的(500人規模)な中東のファッションショーを開く。実行委員長の吉永恵さんは、19歳の早稲田大学の学生。

 日本にとって中東やアラブは遠い存在。石油以外のイメージはあまりない。加えて、9・11以降はネガティブな印象が強い。吉永さんは、今年2月から約1カ月間かけて、アラビア半島を1周する旅をした。イスラム文化と、もてなしの素晴らしさに魅了され、この感動を何らかの形で日本で発信したいと思った。その切り口として、若者に関心の高いファッションショーを通じて発信しようと考え、即実行に移した。「中東のファッションショーは、日本では初めての開催で、非ムスリム(イスラム教信者)では世界で初めてなんです」と語る。

 ファッションショーはすべて、学生だけで運営。40人のモデルはレッスン中で、衣装はドバイの高級ブランドから直輸入する。当日は、中東と日本の学生による文化をテーマとしたパネルディスカッションも予定している。

 「国家ではなく、草の根レベルの国際交流が目的。日本の若い世代に中東のことを知ってもらえるきっかけになればいい。中東の方々は日本に対してとても友好的なんです」。

 生まれは中国・ハルビンで両親とともに日本国籍を取得。「色々な方々の援助を受けて育った。だから、その恩返しとして国際機関で働くことが夢でした」。でも、今回のイベントを企画してから、「自分がファッションがこんなにも好きだったと改めて気づいた」と話す。「将来はファッションブランドを立ち上げたいですね」。

【増田 剛】

 吉永 恵(よしなが・めぐみ)=早大とWディグリー(双方向学位制度)を行う北京大学に今年8月から学ぶ。「出発前に日本で何らかの形で社会貢献したい」。

カード型旅行券、旅行業界初の販売

 JTB(田川博己社長)はこのほど、旅行業界では初となる切符の購入や宿泊、国内・海外旅行などの支払いに利用できるカード型旅行券「JTBトラベルギフト」の販売を始めた。取扱目標は2012年度が15億円、16年度が90億円。

 販売金額は1―50万円まで自由に設定可能。有効期限は発行開始日から2年間で有効期限内であれば残高の範囲で繰り返し利用できる。同カード券は、JTBグループ販売店や電話販売での旅行代金の支払いに充当でき、今後はWebサイトで取り扱う旅行商品の支払いにも利用できるようにするという。

 カードデザインは基本デザインとオーダーメイドデザインの2種類。オーダーメイドでは贈るシーンに合わせてカード券面に手持ちの写真やメッセージを添えたオリジナルのデザインで作れる。購入は、JTBグループ店舗をはじめとする全国の販売店や、JTBホームページから。 

移住・交流センター開設、首都圏の受け入れ拠点に

移住・交流センター開設

 長野県は5月25日、東京交通会館(東京都千代田区)の長野県東京観光情報センター内に「長野県移住・交流センター」を開設した。「職」と「住」の相談にワンストップで対応できるよう、移住専門相談員とIターン相談員をほぼ常駐で配置。首都圏における信州・長野への移住・交流の拠点として、移住希望者と市町村や各関係団体を横断的につないでいく。

 長野県観光部の野池明登部長は、開設にあたり「ふるさと回帰の傾向もあるなか、長野には自然や温泉、人情などさまざまな魅力がつまっている。移住に向けた情報を発信し、具体的な要望に応えていきたい」と意気込みを述べた。また移住推進にあたり、本年4月からは県観光部内に移住・交流課を新設。既設の「楽園信州」推進協議会とともに、市町村や民間団体など幅広いネットワークによるフォローを強化していく。

 2010年度、長野県及び市町村の移住相談対応の移住者・Iターン就職者実績は396人(240件)。5年後の17年度に1千人を目指す。

 開設時間は日曜、祝日を除く午前10時から午後6時。

 問い合わせ=電話:03(3214)5655。 

旅行作家の会、年に一度の大集会開く

高峰温泉の後藤英男社長
高峰温泉の後藤英男社長

 旅行作家の会(代表=野口冬人氏、竹村節子氏)は6月5日、東京・池袋のホテルメトロポリタンで第27回「年に一度の大集会」を開き、80人を超える旅館経営者らが一堂に会した。

 開会のあいさつで野口冬人氏は「昨年は東日本大震災の影響で中止となったが、『今年はぜひ開いてください』という声を全国の皆さんからたくさんいただき、開くことができた。今後も互いに協力しながら旅行業界の発展に尽くしていきたい」と語った。

 講演会では、長野県・高峰高原の「ランプの宿高峰温泉」社長の後藤英男氏が「高峰温泉再建と時代に合わせた経営」について講演した。

 後藤氏は火災により、宿も顧客名簿もすべて焼けてしまった状態から、一通のお客様のお手紙によって勇気づけられ、再建に向かった話や、現在5千人のファンづくりを行っており、「時代や景気に流されない顧客づくりに取り組んでいる」と話した。

女将も壇上にずらり
女将も壇上にずらり

 続いて桜美林大学名誉教授で観光アドバイザーの内藤錦樹氏が「最近の旅行動向」について講演した。内藤氏は「今後、付加価値のある滞在型宿泊旅行が伸びて行くのではないか」と展望したほか、「現在は女性のひとり旅が多く、宿は採算の取れるしくみづくりが必要」と述べた。

震災前の同月水準に、井手長官「巻き返し簡単ではない」

 日本政府観光局(JNTO、松山良一理事長)が発表した4月の訪日外客数推計値は、前年同月比163・9%増の78万800人。震災前の2010年に比べ、4月単月で0・9%減、2012年1―4月累計ベースで4・0%減となり、震災前のレベルまでほぼ回復した。

 各市場の動向をみると、韓国は前年同月比139・1%増の15万2500人。多くのLCC新規就航で座席供給量が拡大するなどプラス要因もあるが、円の高止まりの影響が大きく、震災前の2010年と比べて19・6%減と震災からの回復は鈍い。

 中国は、桜の時期に向けたプロモーション効果などで観桜ツアーへの関心が高まり、2010年比0・8%減、2011年比96・4%増の14万9600人と、4月単月の過去最高に迫る数値となった。

 台湾は、オープンスカイによる新規路線就航や増便で日台間の航空座席供給量が増加し、2010年比26・5%増、2011年比287・7%増の13万8800人と4月単月の過去最高に迫る数値。

 香港は継続的な規模の大きい地震の報道の影響を受け2010年比5・1%減、2011年比665・5%増の4万4200人と10年より少し落ち込んだ。

 そのほかでは、タイが訪日旅行プロモーションの効果で2010年比10・8%増、2011年比409・9%増の4万800人と単月で過去最高を記録。インドも2010年比9・8%増、2011年比29・4%増の6100人と4月として過去最高を記録した。

 井手憲文観光庁長官は5月24日の会見で訪日外客数について「4月単体でみると2010年比で0・9%のマイナスとほぼ震災前の水準に戻っているが、1年の3分の1に当たる1―4月の数字でマイナス4%というのは結構大きく、巻き返しは簡単ではない」とコメント。「訪日の絶対数が一番多い韓国がなかなか回復しないのは厳しい。韓国に対してはこれまでもいろいろな対応を行い、5月にも観光庁でソウルへ行き、旅行会社やクルーズ船へ日本の安全・安心の発信やプロモーションを行ったり、スカイツリーにスポットを当てた韓国TVの番組作りを提案したりもしているが、すぐに回復するものでもないので、楽観的には捉えていない」と厳しい現状認識を語った。

 なお、出国日本人数は、2010年同月比15・0%増、2011年同月比25・1%増の139万5千人。4月として過去最高を記録し、10カ月連続の増加となった。

仙台・宮城DC来春に、全国販促会議に700人

復興状況や各地の魅力を伝えた
復興状況や各地の魅力を伝えた

 仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会(会長=村井嘉浩宮城県知事)は5月28日、ホテルメトロポリタン仙台で来年4月から6月に行われる「仙台・宮城デスティネーションキャンペーン(DC)」の全国宣伝販売促進会議を開き、旅行会社社員や、地元関係者ら約700人が参加した。

 08年以来5年ぶり2度目の開催。キャッチコピーの「笑顔咲くたび 伊達な旅」には、来県者を笑顔のもてなしで迎え、支援への恩返しをしたいとの思いを込めた。

 村井会長は、「全国からの支援に感謝し、鎮魂の意味を込めて仙台、宮城の明るい明日を紹介したい。たくさんの人が生きた証しとして、磨きあげられた観光の魅力を感じてほしい」とあいさつした。

 会長職務代行副会長の奥山恵美子仙台市長は「仙台の街を心にかけ、機会があれば訪れてみたいと思っている人たちの心をノックし、仙台・宮城からの案内状を届けて頂きたい」と送客を呼び掛けた。

 「仙台・宮城お国自慢」と題したプレゼンテーションでは、県内を5つのエリアに分け、商店主や観光ボランティアガイド、高校生らが登壇し、地元の魅力を伝えた。会場では各エリアの観光PRコーナーや南三陸町の語り部コーナーを設けたほか、旅行会社各社との商談会も開いた。

 参加者らは翌日から7つのコースに分かれて、南三陸町や石巻市などの被災地や松島、鳴子温泉などを訪れた。

No.312 地銀、観光振興に動く―前編― 地域産業間のコーディネーター

地銀、観光振興に動く―前編―
地域産業間のコーディネーター

 地元に多くの取引先を持ち、それぞれの細かなニーズを把握する地方銀行は、地域産業間のコーディネーターとして新たなビジネス創出の担い手となることが期待されている。先行きが不透明な時代、中長期的な視点から成長分野への投資が不可欠だ。なかでも観光業は成長分野の1つと位置づけられ、専門の行員や、部署を置く地方銀行が増えてきている。地銀の観光振興の取り組みにスポットを当てた。

【沖永 篤郎、飯塚 小牧】 

 

  

観光・環境分野担当 藤澤学 調査役

「成長分野を横断的に支援」 ― 千葉銀行 成長ビジネスサポート室

 千葉銀行は2009年8月、観光ビジネス支援を強化することを目的に初めて観光専門の行員を置いた。千葉県は東京ディズニーリゾートや成田空港を有し、全国でも有数の観光地。09年の延べ宿泊者数は1552万人の全国第4位と健闘している。震災の影響で昨年は減少したが、ここ数年は増加傾向にある。広報室の小笠原潤調査役は、「県が観光を盛り上げていこうという気運があるなかで、地方金融機関として、我われサイドからもムーブメントを起こしていきたい」と話す。…

 

 

黒岩祐介法人部コンサルティング
営業グループ長

「着地型のプレゼン会、観光振興に向け初開催」 ― 八十二銀行

 八十二銀行(山浦愛幸頭取、長野県長野市)の法人部は、リッキービジネスソリューション(澁谷耕一社長、東京都千代田区)と共催で5月22日、東京都内で長野県着地型旅行商品のプレゼン会を開いた。同銀行は、昨年4月、法人部コンサルティング営業グループ内に観光専門の担当者を配置するなど、地域経済活性化の観点から観光振興に力を入れており、今回もその一環として開催した。会では県内5地域が旅行会社に地域の魅力を紹介したほか、個別の商談会も実施した。…

 

 

 

澁谷耕一社長

リッキービジネスソリューション 澁谷社長に聞く ― 「銀行と企業をつなぐ」

 リッキービジネスソリューション(澁谷耕一社長、東京都千代田区)は、金融機関と企業をつなぐ経営企画のアウトソーシング事業や、金融機関向けの研修事業、サポート事業などを手掛ける企業だ。澁谷社長が長年の銀行勤務経験を生かし、2002年に単身で設立。今年で10周年を迎えた。現在は全国の地方銀行と組み、地域の食や観光を東京で売り込むイベントなども展開している。…

  

 

 

※ 詳細は本紙1464号または日経テレコン21でお読みいただけます。

プレスツアーのコース ― 人工的な公園よりも……(6/11付)

 今や、多くの地域が観光PRに熱心で、プレスツアーを行い、テレビや新聞、雑誌、ブログなどに観光素材をアピールしてもらおうという動きが活発化している。現地の行政トップや観光担当者、事業者との懇談会を設定し、忌憚のない意見を集めて、地域の観光に生かしていこうとする姿勢には、積極的な意欲と、柔軟さが感じられ、すごく好感を持ってしまう。

 けれど、自治体が主催するプレスツアーのコース設定に少し疑問を持つことがある。残念でもある。招待されておきながら、「つまらない」などと言うことは、大変口幅ったいことではあるが、でも、本気で地域観光に取り組もうとされるのならば、次のようなところはコースから外した方がいいのではないか。あえて言わせてもらえば、自治体が出資している○○公園や、○○交流館、資料館、記念館のようなものである。

 すべての地方に行っているわけではないので、当然例外があることは百も承知なのだが、基本的にそれら建物は綺麗で清潔感があり、予算が潤沢にあれば世界的な有名建築家、そうでなければ地元の建築家がデザインしたすっきりとした建物である。館内に入ると、大きなパネルの写真や年表などがガラスケースの中で展示され、中には電飾の装置が付いた大がかりな仕掛けで説明してくれたりする。また、公園の方は、敷地面積が広大で、壮麗な噴水があり、憩いの広場がコンクリートと芝生などで整備されている。ゴミもあまり落ちていないし、何かのイベントをやっていない時期には地元住民もあまり訪れない。観光客の姿など滅多に見かけない。そのような空間に、東京から飛行機やら新幹線やらを乗り継いで、大型バスからぞろぞろとカメラとメモ帳を持った記者やジャーナリスト、ブロガーが降りて周りを見回す。自治体の観光担当者が、公園の説明を20分ほどして、隅々まで1時間ほど散策するという流れだ。

 記者たちが本当に見たいのは、綺麗に整備された広大な公園などではない。このような公園は、各市町村に必ず一つはある。遠い未知なる地域を訪れたときは無機質で人工的な公園ではなく、魅力溢れる宝に会いたい。せっかく予算を使うのなら、ツアー参加者に「私たちのまちの何を見たいか」を、事前に聞いた方が効果的かもしれない。

(編集長・増田 剛) 

【当選者発表】第37回プロが選ぶ100選宿泊券プレゼント

今回もたくさんのご応募ありがとうございました。

2012年4月20日の締め切り後、厳正なる抽選の結果、ご当選者が決まりました。

このトップページ左側リンクバナー「プレゼント当選者発表」にご当選者のお名前を掲載いたしましたのでご覧ください。
ご当選者の皆様には当選ホテルから近日中に宿泊券をお送りいたします。どうぞ楽しいご旅行をお楽しみください。

東京スカイツリー開業、初日の5月22日22万人が来場

グランドオープンした 東京スカイツリータウン
グランドオープンした
東京スカイツリータウン

 東京スカイツリーを中心に展開する新しい街「東京スカイツリータウン」(東武鉄道、東京都墨田区)が5月22日開業した。都内最大級の312店舗をほこる商業施設・東京ソラマチも同日オープン。初日は施設全体で約21万9千人(うち東京スカイツリーには約9千人)が来場し、多くの人でにぎわった。

 東京スカイツリータウンは、とうきょうスカイツリー駅と押上(スカイツリー前)駅をつなぐ東西長さ約400㍍、広さ約3・69㌶におよぶ“新しいまち”。高さ634㍍の自立式電波塔・東京スカイツリーや、商業施設・東京ソラマチ、オフィスタワー、水族館、プラネタリウムにより構成される。東武鉄道は土日祝日など最大1日20万人、初年度来場者数を3200万人と見込む。

 同社は公共交通機関の利便性向上を目的に最寄り駅、とうきょうスカイツリー駅の全面リニューアルや同駅停車の特急列車ダイヤの改正等を実施。敷地内には乗用車1028台の駐車場を備えるが、同社・東京スカイツリータウン開業広報事務局は「混雑が予想される開業から一定期間はとくに、公共交通機関を利用してお越しいただきたい」と呼びかける。敷地内には観光バス30台の駐車場(完全予約制・2時間)も完備する。