越境ECサイト開く、日本の農林水産物を直販(JTB西日本)

J’s Agriトップイメージ

 JTB西日本(光山清秀社長)はこのほど、越境EC(電子商取引)サイト「J’s Agri」を開設。日本産農林水産物の海外直販を開始した。同社がプロデュースする食・農×観光ブランド「J’s Agri」の商品として、香港の消費者向けに岡山のシャインマスカットなど16品目を9月5日から販売している。11月にはシンガポールやマレーシアにも展開し、18年4月以降販路を拡大していく。

 同社ECサイトの特徴として、航空貨物便を利用した産地直送により、高い鮮度を保持。また、国内決済のため為替変動によるリスクも回避できる。

 さらに、商品の携帯端末からの購入を円滑化するために、スマートフォン用アプリ(iPhone/Android)の配信も予定している。サイトやアプリには、商品の産地や生産者の情報が掲載されるため、海外の消費者たちは、生産者から新鮮で高品質な商品を、手ごろな価格で小口購入することができる。商品不具合時の交換などの品質保証もあるため、安心して買い物を楽しめる。

 これまでJ’s Agriでは、商談会でのきめ細かいマッチングによる日本産農産物の海外販路の拡大や、インバウンド向け食農体験ツアーによる地域活性化などの好循環づくりに取り組んできた。

 今後は、レストラン事業者や輸入業者などB to BのECサイトの開設も予定しており、さらに事業を拡大していく考え。

メルマガ最大手買収、OTA競争さらに加熱(エボラブルアジア)

エボラブルアジア(吉村英毅社長、東京都港区)は9月12日、メールマガジン配信国内最大手のまぐまぐ(松田誉史社長、東京都品川区)の買収を発表した。月間PV数1500万、メルマガ会員数750万人を誇るまぐまぐ社を通じ、さらなる知名度向上を狙う。同社が運営する総合旅行プラットフォーム「AirTrip」(エアトリ)がオープンした昨年11月以降、一般ユーザー向けサービスの提供に力を入れてきた。9月11日には、人気芸人コンビ、オリエンタルラジオのイメージキャラクター就任発表会を行っている。外資を含め、OTA(オンライン旅行会社)の競争がさらに加熱しそうだ。

11日の発表会後、個別インタビューに応じた吉村社長。「エアトリの知名度向上につながるメディアに関心が高い」と強調した。まぐまぐ社との連携を通じ、旅行専門メディアを立ち上げる予定で、メルマガ会員をターゲットとした宣伝活動も行う。

国内航空券の販売で強みを持つ一方、知名度で他OTAに先行を許してきた同社。老舗メルマガサイトと人気芸人を活用することで、弱点を克服する。なお、運営するエアトリでは国内線を有する航空会社14社の航空券を比較・購入できる。

ともに力を入れる外貨両替事業では、地方でのインバウンド需要を取り込む。宿泊施設が不足するなか、ビジネスホテルなど中小規模の宿泊施設に泊まる訪日旅行者も多く、両替サービスの充実に対する需要は高いとみる。

同社では、IT技術を駆使することで両替の仕組みを簡素化。ビジネスホテルや旅館に対し、OEM提供することで収益拡大を狙う。

産学官で人材育成、倍増の6大学で開催(観光庁)

 観光庁は9月26日から、観光産業に従事する社会人を対象に経営学などの講座を全国の大学で開講する。今年度は講座内容や実施校数を充実させ、昨年度の3大学から倍増の6大学で実施。産学官で連携し、観光産業の中核を担う人材を育て、とくに宿泊業の経営力強化や生産性向上をはかる。

 実施大学は青森大学と大分大学、鹿児島大学、東洋大学、明海大学、和歌山大学の6校。講座内容は経営戦略や財務会計、マーケティングなどを中心に、業界有識者、大学講師陣の講義とディスカッションなどを予定している。

 6大学はコンソーシアム(共同事業体)を組んで協力し合い、講座を企画。事務局の運営は小樽商科大学が担当し、他大学への助言やコーディネーター派遣などを支援する。

 対象者は、旅館・ホテルの次世代経営幹部や、宿泊業と連携して地域の魅力を創造する観光産業事業者幹部など。受講料は無料で募集人数は各大学20人程度。参加は各大学に直接申し込み、選考後に結果を通知する。

3品目の円滑化支援、おみやげ農畜産物事業(JSTO)

検疫受検円滑化モデルのフロー

 ジャパンショッピングツーリズム協会(JSTO、田川博己会長)はこのほど、農林水産省の「おみやげ農畜産物検疫受検円滑化支援事業」の事業主体として、新たに3品目の取り組みを開始すると発表した。訪日外国人観光客が土産として購入した農畜産物を海外に持ち出す際に必要な、動植物検疫手続きの円滑化をはかるもので、2年前から取り組みを進めている。

 農畜産物は持ち出す相手国や品物によって、相手国から求められる動植物検疫の条件が異なり、その手続き方法も分かりにくいことから、訪日客の負担になっている。この課題解決のため、JSTOは検疫受検円滑化モデルとして、旅行者が空港で輸出検疫を受検した状態の農畜産物を受け取れる仕組みを構築。各地でそれぞれの品目のモデル販売を行ってきた。

 今回は、国外からの評価も高い、高知県北川村産ゆずなどの「かんきつ」をEUからの訪日客向け土産として用意。11月下旬から12月中旬まで羽田空港と成田空港でモデル販売する。

 もう1つEU向けに欧米諸国でも人気のある「盆栽」を展開。植物の輸出などを手掛けるジャパンホートビジネス(寒郡茂樹代表、東京都港区)が主体となり、すでに成田空港で販売を開始している。11月30日まで。

 米国向けには、「牛肉」を販売する。日本産和牛は牛肉の消費量が多い米国でも評価が高いため、岐阜県の飛騨牛などを用意する。9月中旬から2018年1月下旬までの予定。

 また、JSTOは過去2年間実施してきた円滑化モデルを広く活用してもらうことを目的に、全国で説明会を開く。対象は生産者や販売事業者、観光事業者、物流事業者など。説明会を利用して生産者と関連事業者のビジネスマッチングも実施するという。

 開催は11月から18年の2月にかけて、札幌と仙台、東京、名古屋、関西国際空港、岡山、福岡、那覇の全8会場を予定する。詳細はJSTOのホームページで発表する。

着地型商品の造成・販売へ、長崎めぐり旅ビューロー発足

世界遺産を活用した商品造成に取り組む

 長崎県内を巡る着地型旅行商品の企画・造成と発地での商品購入の環境整備を行うため、長崎県観光連盟や県内観光団体などが参加して「長崎めぐり旅ビューロー」を発足した。8月31日に長崎市内のホテルで、52の会員とオブザーバーの県や市町村担当者も出席して設立総会が開かれた。

 長崎県には2015年に世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」と、来年の登録を目指す「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」、さらに3つの日本遺産がある。これらを活かした周遊型の着地型旅行商品を開発し、滞在時間を延ばして観光消費拡大をはかることが、課題となっている。

 長崎県観光連盟が、着地型商品の造成・販売促進事業を行う事業者を公募。数社応募があるなかで、JTB九州がビューロー設立による事業展開を提案して受託した。

 事業発注者の長崎県観光連盟の加藤一征専務理事は「長崎県の宿泊旅行形態では、5回、10回と訪れるリピーターが少なく、来訪者の満足度を高めて、また来てもらう長崎ファンづくりが大きな課題」と指摘。「世界遺産や日本遺産、全国に誇れる食文化を活用したテーマ性の高い周遊型の着地型旅行商品を造成・販売するためJTB九州と連携して事業を進めていく」と経緯を説明した。

 議事では提案者のJTB九州の松尾俊裕長崎支店長が設立趣意書を読み上げたあと、規約、代表選出、事業概要などを発表し承認された。

 ビューローではJTB九州と旅行業登録のある法人が主催して、交通、体験メニュー、食などを組み合わせて造成した「めぐり旅ブランド」商品(離島7本、本土5本)を、大都市圏など発地の大手旅行会社に向け販売。一般向けの専門Webサイトを設置して、商品や体験メニュー単品、各種のクーポンなど販売する。

 なお、ビューローの代表には長崎県観光連盟の宮脇雅俊会長、副代表に佐世保観光コンベンション協会の飯田満治理事長が就任。事務局はJTB長崎支店内に設置され、事務局長には同支店営業担当課長の満木浩昇氏が就任した。

『おもてなしの原点 女将さんのこころ その二』

おもてなしの原点 女将さんのこころ その二

『おもてなしの原点 女将さんのこころ その二』

 著者:瀬戸川 礼子
 定価:1冊 1,980円(税込)
 送料:実費(1部430円)
 販売元:㈱旅行新聞新社
 仕様:単行本 237ページ
 発売日:2015年7月7日 初版発行


<内容紹介>
 旅館の紹介に留まらず、「どんな女将さんがどんな思いでやっているのか」、 おもてなしの原点である、人間・女将(おかみ)の思いに焦点を当てた本書。 普段、あまり聞くことのない女将さんのこころの声は、 物事のとらえ方、人生の覚悟、幸せ感など、笑いあり涙あり。 さまざまな気づきを与えてくれます。 赤い表紙の「その一」、緑の表紙の「その二」。 それぞれ全国55人の女将さんを顔写真とともに紹介しています。 一人一人が4ページずつの読み切りなのでどこからでも読め、 着物の柄のような鮮やかな緑の洒落たハードカバーで贈り物にも喜ばれています。

<目次>
◆北海道・東北:滝乃家/ホテル三浦華園/ホテル網走湖荘/四季亭/ホテルグランメール山海荘/不老ふ死温泉/日本の宿 古窯/小松館好風亭/湯主一條/雨情の宿 新つた/八幡屋/山水荘
◆関東:四万やまぐち館/草津温泉ホテル櫻井/つつじ亭/満ちてくる心の宿 吉夢/蓬莱屋/紋屋/助六の宿貞千代/七沢荘/四季の湯座敷 武蔵野別館
◆甲信越・東海・中部:柳屋/若草の宿 丸栄/湯本旅館/ホテル玉之湯/中棚荘/環翠楼/湯本舘/白玉の湯 華鳳/HATAGO井仙/招福の宿ゑびすや/ホテル天遊/湊のやど汀家/高山観光ホテル/ホテルくさかべアルメリア/しょうげつ/はづ別館/鯛屋
◆北陸:多田屋/やさしさの宿まつさき/べにや/四季彩の宿花椿/松風樓
◆近畿・四国:不死王閣/炭屋/松園荘保津川亭/銀水荘兆楽/あづまや/岩惣/湯郷グランドホテル
◆九州・沖縄:洋々閣/料亭御宿 坂本屋/由布院 玉の湯/旅館山河/リーフイン国吉

<著者について>
ジャーナリスト 瀬戸川 礼子 氏
ジャーナリスト・中小企業診断士。多様な業種の取材を通じ、「幸せのコツ」は同じと確信。働きがい、リーダーシップ、感動経営を軸に取材、講演、コンサルを行なう。著書『女将さんのこころ』、『いい会社のよきリーダーが大切にしている7つのこと」等。


『おもてなしの原点 女将さんのこころ その一』

おもてなしの原点 女将さんのこころ その一

『おもてなしの原点 女将さんのこころ その一』

著者:瀬戸川 礼子
定価:1冊 1,980円(税込)
送料:実費(1部430円)
販売元:㈱旅行新聞新社
仕様:単行本 237ページ
発売日:2014年7月7日 初版発行


<内容紹介>
 旅館の紹介に留まらず、「どんな女将さんがどんな思いでやっているのか」、 おもてなしの原点である、人間・女将(おかみ)の思いに焦点を当てた本書。 普段、あまり聞くことのない女将さんのこころの声は、 物事のとらえ方、人生の覚悟、幸せ感など、笑いあり涙あり。 さまざまな気づきを与えてくれます。 赤い表紙の「その一」、緑の表紙の「その二」。 それぞれ全国55人の女将さんを顔写真とともに紹介しています。 一人一人が4ページずつの読み切りなのでどこからでも読め、 着物の柄のような洒落たハードカバーで贈り物にも喜ばれています。

<目次>
◆北海道・東北:定山渓第一寶亭留/扇松園/宝来館/南三陸ホテル観洋/佐勘/松島佐勘 松庵/鳴子ホテル/ル・ベール蔵王/吉川屋/陽日の郷あづま館/吹の湯
◆関東:里海邸 金波楼本邸/花の宿 松や/七重八重/別邸 仙寿庵/草津ホテル/鮎の宿 京亭/一宮館/ホテル洲の崎 風の抄/宿 中屋/澤の屋/玉庭/石葉/料亭小宿ふかざわ
◆甲信越・北陸・中部・東海・関西:慶雲館/湖山亭うぶや/後楽館/塵表閣/湯沢グランドホテル/温泉御宿 龍言/長生館/加賀屋/水明館/羽衣ホテル/湯谷観光ホテル泉山閣/紅葉軒/夢遊華/料亭旅館やす井/柊家/大和屋本店/ほてるISAGO神戸/旅館松前/竹林院群芳園
◆中国・四国・九州・沖縄:皆美館/皆生つるや/旅館くらしき/人生感が変わる宿ここから/岩国国際観光ホテル/西の雅 常盤/旅館かどや椿荘/土佐御苑/御宿 はなわらび/雲仙宮崎旅館/指宿シーサイドホテル/ホテルサンパレス球陽館

<著者について>
ジャーナリスト 瀬戸川 礼子 氏
ジャーナリスト・中小企業診断士。多様な業種の取材を通じ、「幸せのコツ」は同じと確信。働きがい、リーダーシップ、感動経営を軸に取材、講演、コンサルを行なう。著書『女将さんのこころ』、『いい会社のよきリーダーが大切にしている7つのこと」等。


『いい旅館にしよう!』

いい旅館にしよう!

『いい旅館にしよう!』

対談者・内藤 耕、コーディネーター・増田 剛
定価:1冊 1,980円(税込)
送料:実費(1部430円)
仕様:四文判232ページ
発売日:2014年7月1日 初版


<内容紹介>
 「いい旅館にしよう!」の対談シリーズは、旬刊旅行新聞紙上で2012年3月21日号から2013年9月1日まで、15人の旅館・ホテル経営者が登場し、工学博士でサービス産業革新推進機構代表理事の内藤耕氏との対談スタイルで掲載していった人気シリーズ。読者の声を受け、書籍化された。

 ここに登場する経営者の多くは、最初は失敗ばかりで何をやっても上手くいかず、さまざまな試行錯誤を繰り返すなかで、自分の目指す宿を作り上げていった方々である。
 次世代の旅館文化を担う若きリーダーたちの「バイブル」として、ロングセラーを続けている。
 本書に登場する経営者は次の各氏。

「時音の宿 湯主一條」代表取締役 一條一平氏(宮城県・鎌先温泉)
「向瀧」代表取締役 平田裕一氏(福島県・会津東山温泉)
「熱川プリンスホテル」代表取締役 嶋田愼一朗氏(静岡県・熱川温泉)
「一の湯」代表取締役 小川晴也氏(神奈川県・箱根搭ノ沢温泉)
「天空の森」主人 田島健夫氏(鹿児島県・南きりしま温泉)
「湯元舘」代表取締役会長 針谷了氏(滋賀県・おごと温泉)
「網元の宿ろくや」代表取締役 渡邉丈宏氏(千葉県・岩井湯元温泉)
「加賀屋」代表取締役相談役 小田禎彦氏(石川県・和倉温泉)
「鶴雅グループ」代表取締役社長 大西雅之氏(北海道・阿寒湖温泉)
「越後湯澤 HATAGO井仙」代表取締役 井口智裕氏(新潟県・越後湯沢温泉)
「ホテルナンカイ倉敷」代表取締役 田中安彦氏、支配人 田中正子氏(岡山県倉敷市水島)
「城崎山本屋」代表取締役 高宮浩之氏(兵庫県・城崎温泉)
「里海邸 大洗金波楼本邸」主人 石井盛志氏(茨城県・大洗町)
「割烹の宿 美鈴」主人 中野博樹氏(三重県・紀伊長島)
「ホテル風早」代表取締役 武内眞司氏(大分県日田市)


『旅行業界におけるクレーマーの意義に関する社会学的一考察』

旅行業界におけるクレーマーの意義に関する社会学的一考察

『旅行業界におけるクレーマーの意義に関する社会学的一考察』

 著者:奥野 圭太朗
 定価:1冊 935円(税込)
 送料:実費(1部320円)
 販売元:㈱旅行新聞新社
 仕様:A5判76ページ
 発売日:2012年11月25日 初版発行


<内容紹介>
 ■現場担当者には、息が詰まるような緊迫したシーンが個別事例として提示

 奥野圭太朗氏は「本来のクレーマーとは、レストランやホテルなどの対象を、より良いものにしていこうとする『崇高な意志』のもとに、自らが犠牲になり、“嫌がられるのも覚悟で”問題点を指摘する客を指す」と定義。本書では、奥野氏自らが「本来のクレーマー」となって、ホテルや航空会社、ガイドなどの具体例を挙げながら検証を続けていく……。

 旅館やホテル、旅行会社、航空会社、さらには民間会社だけではなく行政機関にも参考になる事例が満載!
 学術的な研究としても活用できます。

 ※「旅行業界におけるクレーマーの意義に関する社会学的一考察」は、旬刊旅行新聞で2012年2月21日号から9月21日号まで連載していたものを書籍化しました。


『2025年1月17日 100選発表号』

『2025年1月17日 100選発表号』

定価:1冊 550円(税込)
送料:実費(1部320円)
仕様:A4判16ページ
【ご案内】
こちらの冊子は2024年12月発表のランキングをもとにしたものです。


<内容紹介>
 旅行新聞新社が主催し、国土交通省ならびに観光庁、一般社団法人全国旅行業協会(ANTA)、一般社団法人日本旅行業協会(JATA)が後援する「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」をはじめ、旅行の“プロ”である全国の旅行会社の投票により、選考審査委員会を経て選定される各表彰の入選施設と、各賞受賞者の一覧を掲載。旅行新聞の付録冊子として、毎年1月に開かれる表彰式に合わせて発行される。

 本冊子で紹介されている各表彰事業は次の通り。

・第50回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」
・第45回「プロが選ぶ観光・食事、土産物施設100選」
・第34回「プロが選ぶ優良観光バス30選」
・第8回「プロが選ぶ水上観光船30選」
・第36回「選考審査委員特別賞 日本の小宿」