5人に1人が「ハネムーン」より「試合観戦」 ブッキング、スポーツファンの観戦旅行を調査

2019年11月21日(木) 配信

「試合を観戦する際に幸運のお守りを身に着ける」は世界のスポーツファンで約3割に(画像はイメージ)

 Booking.com(ブッキング・ドットコム)はこのほど、スポーツファンの観戦旅行の動向を調査し、発表した。これによると、18年に1~5回の観戦旅行をした割合は、世界の旅行者が87%で、日本は88%となった。

 このほか、世界のスポーツファンの約5人に1人(19%)が、「自国のチームが大きな大会で活躍する姿を見るために観戦旅行へ行けるなら、 喜んでハネムーンをキャンセルする」と答えるなど、その熱心さがうかがえる結果に。日本ではとくにサッカーファン(21%)にその傾向が強かった。

 さらに世界のスポーツファンの約5分の1(18%)は、「自国のチームが決勝戦で戦う姿を見るためなら仕事を辞めてでも行きたい」と回答。この割合は、世界中のスポーツファンの18~34歳の年齢層でさらに上がり、26%にまで増加した。

 2020年は日本で東京五輪が開かれ、豪州ではクリケットの大きな国際大会、ヨーロッパの12都市では、ヨーロッパ各国の代表チームがしのぎを削るサッカー大会UEFA EURO 2020™が行われる。

 ブッキング・ドットコムのシニア・バイスプレジデント兼CMOのアルヤン・ダイク氏は、「2020年はスポーツが席巻する年になることでしょう」と語った。

観戦に向けた旅の準備

「チームが試合に負けそうだと思っても、途中で観戦を辞めることは決してない」は約8割(画像はイメージ)

 世界中のスポーツファンの多くにとって、 自国のチームがプレイする姿を見るための観戦旅行はとくに優先度が高いことが分かった。87%が「昨年だけで1~5回は旅行した」と述べ、半数以上(56%)は「自国のチームや選手を見に行くために国内旅行と海外旅行の両方をした」と答えた。

 世界中のスポーツファンの69%は、「自分の住む地域から離れた場所まで試合を見に行くために旅行したことがある」と回答。アウェーの場所でも最も多くのファンが応援しに行くスポーツはサッカーで、次いでバスケットボール(20%)とテニス(17%)と続く。

 このほか、世界中のスポーツファンのほぼ3分の1(28%)、日本のスポーツファンの29%は、「試合を観戦する際に幸運のお守りを身に着ける」と答え、15%(日本は13%)が「チームが勝つようにと試合中や前に必ず行うおまじないがある」と答えた。

 なお、世界のスポーツファンの79%は、「チームが試合に負けそうだと思っても、途中で観戦を辞めることは決してない」と回答。42%の人は「チームや選手へ敬意を払うために試合を見届ける」とし、35%は「最後までどんでん返しがあることに期待をしながら試合を見続ける」と答えた。

※調査はブッキング・ドットコムが独自に行い、29市場を対象とした18歳以上のスポーツファン2万2603人が回答した(オーストラリア、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、日本、中国、ブラジル、インド、アメリカ、イギリス、ロシア、インドネシア、コロンビア、韓国からそれぞれ1000人。ニュージーランド、タイ、アルゼンチン、ベルギー、カナダ、デンマーク、香港、クロアチア、台湾、メキシコ、オランダ、スウェーデン、シンガポール、イスラエルからそれぞれ500人)。 調査はフィールドワークで2019年8月8日から9月2日にかけて実施。

メセナ大賞に竹中工務店 歴史的建造物の保存公開と交流の創出が評価 「メセナアワード2019」贈呈式

2019年11月21日(木) 配信

「メセナアワード2019」贈呈式のようす

 企業メセナ協議会(尾﨑元規理事長)は11月20日(水)、芸術や文化の振興に貢献した企業、団体などを表彰する「メセナアワード2019」の贈呈式を行った。メセナ大賞には、歴史的建造物を通して社会貢献を行う「竹中工務店」が選ばれた。優秀賞は京阪ホールディングスなど5件が、文化庁長官賞はキャノンが受賞した。

 竹中工務店は、昭和初期に建てられた木造モダニズム建築「聴竹居(ちょうちくきょ)」を保存し、公開することで建築文化を発信する活動を行っている。見学時のガイドは、地元の人たちで構成された「聴竹居倶楽部」が対応し、地域全体で保存・公開活動に取り組み、交流の創出や住民の地域に対する誇りを醸成していることが評価された。

竹中工務店の宮下正裕会長

 贈呈式に登壇した竹中工務店の宮下正裕会長は「(京都府)大山崎町の地元の皆さまが中心となって行われてきた活動」と感謝した。そのうえで、今回の活動は「(竹中工務店が進める)CSRビジョンを体現する活動と考えている。今後も社会の皆さまと連携し、より一層のメセナ活動に取り組んでいきたい」と力を込めた。

 今回で29回目を迎えた「メセナアワード」は、全国149件(87社・団体)の活動が選考の対象となった。審査委員長の原島博東京大学名誉教授は選考過程を振り返り、「文化は企業の外側にあるのではなく、企業の内側にあるのではないか。自然な形でメセナ活動が行われている。企業の文化が育っている」と感想を述べた。

 企業メセナ協議会は、企業によるメセナ(芸術・文化振興による社会創造)の推進を目的に、1990年2月に発足。メセナの調査や研究、セミナー、助成認定などの事業を行っている。

 受賞活動は以下の通り。

「メセナアワード2019」受賞活動

【大賞】

「メセナ大賞」:竹中工務店 

木造モダニズム建築「聴竹居」による社会貢献と建築文化発信

【優秀賞】

「アートやで中之島賞」:京阪ホールディングス

京阪電車中之島線なにわ橋駅「アートエリアB1(ビーワン)」における社学・地域連携文化活動

「文具を超える文具賞」:コクヨ

「コクヨデザインアワードプロダクト」プロジェクト

「耳を澄ませば心に響く賞」:日本ユニシス

川畠成道コンサートプログラム

「世界と島で踊りま賞」:パソナグループ

Awaji Art Circus 2018

「花とアートの森あわせ賞」:六花亭製菓

六花の森の企画・運営

【特別賞】

「文化庁長官賞」:キャノン

綴プロジェクト

JAL、ハワイ旅行の最適プラン AI「マカナちゃん」が提案

2019年11月21日(木)配信

旅行プラン自動作成機能を活用したイメージ

 日本航空(JAL、赤坂祐二社長)は2019年11月20日(木)、チャット形式の対話でハワイの情報を回答するバーチャルアシスタント「マカナちゃん」で、新サービスを始めた。ハワイ旅行の日程や人数、観光スポットの好みなどを伝えると、最適な旅行プランを瞬時に生成し、提案するようになった。

 新サービスは、日本アイ・ビー・エム(日本IBM、山口明夫社長、東京都中央区)、アルティテュードインキュベーション(北野幸雄社長、東京都中央区)、Wovn Technologies(林鷹治社長、東京都港区)の3社の協力で実現したもの。

 シリコンバレーのスタートアップ企業「inspirock」が開発した独自の旅程自動生成技術を、日本で展開支援を行うアルティテュードインキュベーションを通じて導入。Wovnの高精度な多言語化機能「WOVN.io」で、同技術を自然な日本語で提供できるようにした。さらに、日本IBMはチャット機能を拡充し、マカナちゃんから旅程作成機能(JALTrip Planner)を利用するためのシステム構築を行った。

 各社は、最先端の技術を有するスタートアップ企業との連携を通じ、AIチャットボットのさらなる展開と応用が可能になったと伝えている。

参照サイト

バーチャルアシスタント「マカナちゃん」紹介ページ:(日本航空公式サイト内)

JAL Trip Planner URL:

「よみうりランド トラベルクーポン」を発売 “訪日外国人旅行者”専用の企画券

2019年11月21日(木)配信

よみうりランド トラベルクーポン(券面の一部イメージ)

 小田急電鉄(星野晃司社長、東京都新宿区)と小田急トラベル(佐々木文信社長、東京都渋谷区)、よみうりランド(杉山美邦社長、東京都稲城市)は、2019年11月22日(金)から、訪日外国人旅行者専用の企画券「よみうりランド トラベルクーポン」を発売する。

 クーポンは、小田急線「新宿駅~読売ランド前駅」の往復乗車券と小田急バス「読売ランド前駅~よみうりランド」の往復バス券に、よみうりランド入園券、乗り物3回券がセットに なった旅行商品で、訪日外国人旅行者向けに販売する。券面は英語、中国語(簡体字)の併記表示で、乗車券や入園券を都度購入する必要がなく、お得にストレスフリーで使えるのが特徴だ。

 発売は、外国人旅行者向け案内所でもある「小田急旅行センター 新宿西口」限定で、外国人スタッフが対応する。旅行センターは朝8時から営業しているので、朝クーポンを購入し、そのまま利用することも可能だ。

「よみうりランド トラベルクーポン」の概要

商品名 :「よみうりランド トラベルクーポン」
発売期間:2019年11月22日(金)から通年 ※よみうりランドの休園日を除く
発売場所:小田急旅行センター 新宿西口
     (新宿区西新宿1-1-3 小田急新宿駅地上コンコース)
内容  :
 (1)小田急線 新宿駅~読売ランド前駅(往復各1回利用)
 (2)小田急バス 読売ランド前駅~よみうりランド(往復各1回利用)
 (3)よみうりランド入園券
 (4)よみうりランド3回乗り物券(利用できないアトラクションもある)
価格  :大人(13歳以上)3,500円(税込)、こども(6-12歳)2,500円(同)

よみうりランドでジュエルミネーション開催中

「ジュエルミネーション」(今シーズンの様子)

 よみうりランドでは、2019年10月24日(木)から2020年5月6日(水)まで 「よみうりランド ジュエルミネーション」を開催している。10周年を迎える今回は、 ギリシャ神話を題材に、過去最多の650万球を用いた宝石色のイルミネーションの世界が楽しめる。

沖縄・宮古島の南西楽園リゾート、総称を「シギラセブンマイルズリゾート」に決定

2019年11月21日(木) 配信

シギラセブンマイルズリゾート(イメージ)

 南西楽園リゾート(髙橋洋二会長、沖縄県宮古島市)は11月18日(月)、沖縄県・宮古島で運営する「南西楽園リゾート」の総称を、2019年9月1日(日)付で「シギラセブンマイルズリゾート」に決定したと発表した。

 宮古島南部にある同リゾートは、30余年にわたり開発が行われてきた。現在、東西7マイル(約11.3㌔)の海岸に沿って、カジュアルからラグジュアリーまで7タイプのホテルとレストラン、アクテビティなどを備える。規模は、東京ドーム約177個分に相当する250万坪におよぶ。

 新たな総称のスタートとともに、今後は滞在型から住居型リゾートの街づくりを進めていく。「リゾートで暮らす」「リゾートで働く」といった新しい時代のニーズに対応し、3万人が居住する「リゾートシティの創造」を目指す。

シギラセブンマイルズリゾート概要

リゾート総称:シギラセブンマイルズリゾート(英語名称:Shigira Seven Miles Resort)

決定日:2019年9月1日

所在地:沖縄県宮古島市上野字宮国775-1

会社概要

商号:株式会社南西楽園リゾート(ユニマットグループ)

代表者:代表取締役会長 高橋 洋二

所在地:沖縄県宮古島市上野字宮国775-1

設立:2018年11月1日

事業内容:リゾート事業、不動産開発事業 

グループ本社:東京都港区南青山2-12-14 ユニマット青山ビル

 

 

ANA、機内食などで首都圏魅力PR 他地域への観光促進の足掛かりに

2019年11月21日(木) 配信

提供する機内食の一例

 全日本空輸(ANA、平子裕志社長)は2019年12月~20年5月まで、機内や空港サービス、旅行商品の展開など、利用客とのあらゆる接点で多様な資源を紹介する地域活性化プログラム「Tastes of JAPAN by ANA ―Explore the regions―」で首都圏の魅力を発信する。

 志岐隆史副社長は11月20日(水)に開いた会見で「首都圏の食などを体感し、ほかの地域にも足を延ばしてもらいたい。訪日客にはラグビーワールドカップ開催時に体感した関東の魅力を再度知ってもらうことで、来年のオリンピックにつなげたい」と狙いを説明した。

志岐副社長

 今回のプログラムでは「知られていない首都圏の魅力」をコンセプトに設定。とくに機内食に力を入れる。埼玉県の特産品「狭山茶」を使った抹茶アイスや、東京都で作られた江戸味噌を混ぜたカレーを提供する。羽田空港の国際線・国内線ラウンジのほか、成田空港と関西空港の国際線ラウンジでは、日本酒76銘柄を用意する。

 機内誌では毎月テーマを設定。神奈川県の「大山」など観光スポットを紹介する。機内番組では観光スポットに訪れている訪日客の感想などをまとめたおすすめルートを特集したコンテンツ放映し、地域への興味関心を高める。

 ウェブサイトでの情報発信は日本語をはじめ、英語や韓国語など11言語で行う。このほか、同プログラムと連携した旅行商品の展開やウェブ通販でもアピールする。

 菅谷とも子上席執行役員は「それぞれ近くにありながら関東の各県は、まったく違う個性を持っている。さまざまな地域の特徴を堪能したい観光客は、他の地域と比較してお得に周遊できる」とメリットを話した。

菅谷上席執行役員

 同社は13年9月、日本が誇る日本の価値を発信し、誘客をはかることを目的に「Tastes of JAPAN by ANA ―」をスタートした。17年11月までは、都道府県単位で魅力をPRした。

 17年12月からは「Tastes of JAPAN by ANA ―Explore the regions―」に名称を変更。地域ごとの発信に切り替えた。これまで「九州」や「中国・四国」、「東海・北陸」などを対象にしてきた。関東は5弾目になる。

10月の訪日韓国人激減 20万人下回る 訪客数全体は5.5%減に 観光庁

 2019年11月21日(木) 配信

11月20日、東京・霞ケ関で開かれた長官会見のようす。田端長官が訪日客数などを発表した

 観光庁の田端浩長官は11月20日に会見を開き、2019年10月の訪日客数は前年同月比5・5%減の249万6600人だったと発表した。訪日韓国人旅行者数は同65・5%減の19万7300人と激減。月別で20万人を下回ったのは14年3月以来、5年半振りとなった。ラグビーワールドカップの出場国で8万人以上増えたが、全体では訪日韓国人の減少が大きく響いた。

 訪日韓国市場は両国間の関係悪化や、航空路線の運休・減便により、前年同月から3分の1以上落ち込んだ。1~10月の累計を前年と比べると、100万人以上減っている。韓国人の18年年間の消費単価は約7万8千円。単純計算で780億円の消費減となる。

 航空路線でみても19年冬ダイヤは、18年冬ダイヤと比べて韓国キャリアが440便の減少だという。両国間の溝は簡単には埋まりそうにない。

 一方で、他地域は依然好調だ。

 主要5カ国(韓国、中国、台湾、香港、米国)をみると、中国は同2・1%増の73万600人、台湾は同9・0%増の41万3700人だった。香港は同6・6%増の18万600人、米国が同6・5%増の15万3400人。これら主要5カ国で全体の67%を占めた。

 航空路線でも、19年冬ダイヤで中国が330便の増、東南アジアは110便以上増え、全体では45便の増加となっている。

 田端長官は訪日客数に直結する航空路線について、「規模が大きい韓国の減便はもちろん影響はあるが、これを乗り越えるだけの増便が各国である。このような好材料を伸ばしていく」と語った。

 他方、両国間の自治体交流で明るい事例も出てきた。北海道旭川市と韓国・スウォン市での高校生交流事業は、韓国側からの要望もあり、予定通り行うこととなったという。

 12月20日にスウォン市から5日間の日程で、韓国の高校生が旭川市に訪日する。旭川からは来年3月に日本からスウォン市に訪れる。

 田端長官は「人的交流は両国の信頼関係の基盤となる。いい流れも出てきているので我われもしっかり対応し、結果を出していきたい」と話した。

 なお、ラグビーW杯では、出場国からの訪日客が大きく伸びた。出場国総数(日本除く19の国・地域)は前年から8万1483人増え、41万6900人となった。英国は同85・6%増の6万8400人で、単月として過去最高となった。

2024年竣工の新TODAビル 情報発信型ミュージアムを開設

2019年11月21日(木)配信

新TODAビル 6階 ミュージアムフロア(イメージパース)

 戸田建設(今井雅則社長、東京都中央区)とソニー・クリエイティブプロダクツ(長谷川仁社長、東京都港区)は、東京都内の京橋一丁目東地区B街区に2024年に竣工、オープン予定の新TODA BUILDING(仮称、新TODAビル)に、クリエイティブなコンテンツを専門的に扱う情報発信型のミュージアムを開設する。

新TODAビルについて

新TODAビル外観(イメージパース)

 戸田建設が事業主となり開発する新TODAビルの低層部には、誰もが気軽に芸術・文化を体感できる「ミュージアム・ギャラリー」、若手芸術家の創作活動を支援する「創作・交流施設」、芸術作品の展示やイベントを開催する「情報発信施設」など、文化貢献施設を開設する。併せて地上部分には文化イベントや地域活動を展開する広場(仮称・アートスクエア)を整備する。

<建物概要>
所在地 :東京都中央区京橋1丁目7番1号
着工  :2021年春予定
竣工  :2024年夏予定
延床面積:約9万5千平方メートル
規模  :地上28階・地下3階、高さ約171メートル
主要用途:事務所、ミュージアム、ギャラリー、イベントホール、
     コワーキング施設、店舗

情報発信型ミュージアムについて

ミュージアム展示室(イメージパース)

 従来の美術展とは一線を画すクリエイティブなコンテンツを専門的に扱う施設を目指す。具体的な分野は、音楽、映画、アニメ、建築、現代アートなどを想定し、豊富なコンテンツを有するソニーミュージックグループを核として、新聞社やテレビ局、広告代理店、出版社等と協力して、話題性と集客力に富んだ展覧会を開催する。

<施設概要>
設置場所 :新TODAビル 6階
延床面積 :約3,600平方メートル
展示室面積:約1,200平方メートル
天井高  :約5メートル
設備機能 :温湿度管理、照明、消火設備は美術館基準に準拠
付帯施設 :ミュージアムショップ(約160平方メートル)、
               カフェ(約140平方メートル)

ソニー・クリエイティブプロダクツについて

 ソニーミュージックグループの一員として、国内外のキャラクターを中心とした著作権や商標などの知的財産を管理・開発し、マーチャンダイジングやマーケティングを行うプロパティビジネスを展開している。ミュージアム運営は、スヌーピーミュージアム(2019年12月に南町田グランベリーパークに移転し、再オープン)、ソニーミュージック六本木ミュージアムをはじめ、複数のプロジェクトを手掛けている。

ゆこゆこ、ハガキでWeb宿泊予約促す レスポンス率2.3倍に

2019年11月21日(木)配信

顧客に送付しているハガキの一例

 ゆこゆこホールディングス(吉田周平社長執行役員、東京都中央区)はこのほど、5月から実施した新たなダイレクトマーケティング施策により、顧客からのレスポンス率が2.3倍にアップするなどの効果を得られたと発表した。新施策とは、顧客一人ひとりに最適な宿泊施設を案内したハガキを送付し、Web予約の利用を促すもの。

ターゲット層にハガキの送付でWeb予約の利用を促す

 同社の温泉宿泊予約サービスの顧客はシニア層が多く、60代以上が7割を占める。現在、Webでの宿泊予約が主流になってきたが、シニア層は紙媒体の影響が根強く、Web予約の利用率が60代利用者全体の31%(同社調べ)と低い数字に留まっているという。

 そこで、紙媒体に馴染んでいるシニア層にWeb予約の利用を促す目的で、新施策を始めた。ハガキに「ゆこゆこネット」のURLとQRコードを掲載したほか、ネット予約限定で使用可能なクーポンを掲載。ハガキに印刷する宿泊施設は、大日本印刷が提供する「パーソナライズド・プリントサービス」を使い、顧客データに基づき個々の顧客ニーズに最適な印刷物を自動作成することが可能になった。

データ連携相関図

 ダイレクトマーケティングの基となる顧客データは、ブレインパッドが提供する「Rtoaster(アールトースター)」を使い、蓄積されている。「Rtoaster」は、国内トップクラスのデジタルマーケティング活動を機械学習により最適化する、ブレインパッドのレコメンドエンジン搭載プライベートDMP(データマネジメントプラットフォーム)。圧倒的な拡張性を誇り、広告配信、メール配信にも対応できる。

ユーザー一人ひとりに合わせたDMを作り、郵送が可能に

 今回のダイレクトマーケティング施策の一番のポイントは、「お客様がゆこゆこネットで見た宿」が印刷されていること。「Rtoaster」を「ゆこゆこネット」に連携したことで、顧客の閲覧情報を基に一人ひとりの興味を喚起できるようなハガキを作成することができるようになったという。

 ユーザーの宿泊施設への興味関心を喚起することができたため、約5カ月間の実施で顧客のレスポンス率は平均3.9%に上り、同社ロイヤル会員向け情報誌のレスポンス率1.7%に比べて2.3倍の効果を得ることができている。

 今後、同施策はマーケティングオートメーションなど外部ツールとも連携し、さまざまな内容・手法で展開していきたい考えだ。さらに同施策を個人の顧客だけではなく、宿泊施設向けの広告媒体への展開も今後検討していくとする。

〈旬刊旅行新聞11月21日号コラム〉安易な旅は死よりも退屈 知的好奇心くすぐる旅を自ら探そう

2019年11月21日(木) 配信

知的好奇心、冒険心をくすぐる旅を自ら探そう

 毎年秋が深まり、冬の足音が近づいてくると、東京・外苑前の銀杏並木が黄色く色づいた美しい風景を見たくなる。

 
 先日、よく晴れた休日に「銀杏並木を見に行こう」と、オートバイに乗って、国道246号線を都心方面に走らせた。

 
 新しい“旅の相棒”であるオートバイにも少しずつ慣れてきており、晩秋の風を全身に受けながら快走した。
 
 道路はそれほど混んでなく、相模原を出発してから約1時間で渋谷、青山を通り過ぎ、外苑前に辿り着いた。
 
 しかし、目当ての銀杏並木は青いままだった。だからと言ってそれほどガッカリもしなかった。ほかに行く場所もないので、青山通り沿いの近くのカフェに立ち寄って、熱いコーヒーを飲みながら、何とはなしにお洒落な東京の街並みを眺めた。
 
 私の休日とは、こんなもんだ。この程度の刺激のない旅を繰り返している。目的の場所が宮ケ瀬ダムや服部牧場、横浜のレンガ街など、その時々で変わるが、バリエーションは少ない。こんな日々に、少し飽きている。脳や心に刺激が足りないのだ。青いままの銀杏並木にまったくガッカリしなかった自分の平板な心がすべてを物語っている。
 
 最近は、酒をあまり飲まなくなった。仕事は別にして、プライベートで外に行って酒を飲むことはほとんどなくなった。どこにでもある居酒屋チェーンで薄いサワーを飲みながら、濃い味の肴を注文して、誰かと酔いながら話をするのが苦痛に感じる。これまで何十回、何百回と経験してきた惰性的な時間の過ごし方に、退屈してきているのだ。やる前から、やった後のことを想像できてしまう安易な遊び(?)に時間と労力を費やすのは、もうやめようと最近強く思い始めている。
 
 一方で美味しい料理やお酒が味わえるのなら、どこにでも行きたい気持ちだ。「少し値段が高くてもいい」と思っている。
 
¶ 
 
 外苑前の銀杏並木を見に行った前の週は、「温泉に行きたい」という息子たちと、クルマで箱根の日帰り温泉に行った。その帰りに小田原港に寄って、海鮮丼を食べた。何度も行くお決まりの半日コースの旅だったが、息子たちとの旅は久しぶりだったこともあり、忘れかけていた昔を思い出してしまった。
 
 息子たちが幼いころ、古いミニバンに乗せて北海道や青森の恐山、和歌山の高野山、鳥取砂丘、愛媛の道後温泉、鹿児島の桜島も駆け巡った。山奥の道なき道に入って秘湯巡りもしたし、色々な海で釣りもした。文字通り、日本中を走り回った。ちょうど「高速道路料金上限1千円」政策の恩恵を多分に受けた時期だった。旅館の大きな宴会場で宿泊費を安く済ませたこともあった。どんなに安い居酒屋でも、みんなで料理を食べ、薄い水のようなサワーを飲んでも楽しくて、楽しくて仕方なかった。どの旅もキラキラに輝いていた。
 
 しかし、そのような瑞々しい感覚は今、自分の中のどこを探してもない。時折、何かの拍子で短い映画のように思い出されるだけだ。大人を長く続けるということは、こういうことだ。
 
 結果のわかりきった安易な旅なら、しなくていい。死よりも退屈だ。知的好奇心と冒険心をくすぐり、心を湧き立たせる旅を自ら探して、実践していこうと思う。
 (編集長・増田 剛)