【特集No.572】2021年 新春鼎談 次世代のキーマンが観光を語る

2021年1月1日(金) 配信

  新型コロナウイルス感染拡大で観光業は壊滅的なダメージを受けた。感染予防を大前提とした「新しい旅のカタチ」に官民が協力して力を注いでいる。本紙の新春鼎談には観光業界を積極的に応援している衆議院議員の武井俊輔氏と、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部部長の鈴木治彦氏、次期部長の星永重氏の3氏が登場。観光業の次世代を担うキーマンがウィズコロナ・アフターコロナを見据えて「観光活性化」への思いや、2021年以降のビジョンを語り合った。

【聞き手=石井 貞德社長、構成=馬場 遥】

今の時代に即した環境整備 ―― 武井氏
観光をリーディング業界に ―― 鈴木氏
回復に向け戦う準備始める ――― 星氏

 

 ――2020年、世界中で猛威を奮った新型コロナウイルス感染症は、日本の観光業界にも大きな打撃を与えました。改めてその所感をお願いします。

 鈴木:観光業界が脚光を浴びるはずの東京オリンピック・パラリンピックが延期となり、新型コロナウイルス感染拡大という、予想し得なかった事態に陥りました。とくに観光業は大打撃を受けました。
 「苦しい」とばかり言っていられませんので、新たな時代に向けて「人類にとってちょうどいい転換期」と、前向きに捉えていきたいと思います。

 星:「新しいものが生まれるまで」に携わらせてもらった1年だったと思います。20年は、既存のものから強制的に新しいものへ切り替わり、さらにその中で一番いい方法を皆で模索しているイメージがありました。

 現状を打破するために、平常時ではなかなか生まれない爆発的なエネルギーが溜まっていると思います。このエネルギーを使い、衛生管理に始まり、やがては観光業界から経済状況を好転させていけることを望みます。

 ――武井先生は観光業界を応援していただいている立場にいますが、「新政権が発足した2020年」を振り返ってみてどうでしたか。

 武井:観光に非常にポジティブな思いを持っていただいている菅義偉首相が政権に就かれたことが、業界にとってはプラスになっていくのではないかと思っています。

 観光政策については、「Go Toトラベル事業」において、本来の趣旨にできるだけ沿うように、なおかつ「偏りがない状態で中小の旅行業、団体まで行き届けられるか」ということをこれから観光政策のなかで考えていかなくてはならないと思っています。

 もしもGo Toで届かないのであれば、別の方法も併せて考えていかなければならないと考えております。

 ――ワーケーションなど新たなスタイルが生まれています。

 武井:宿泊施設で非常にブームになっているようですが、だからこそ政治側のアプローチとして、さまざまなルールや課題を整理していかなければなりません。

 例えば、ワーケーション中にケガをしてしまったときの労災はどうするのかなど、法律的に追いついていない部分があるのが事実です。こうした事態に対応できるよう、早急に基準を定めていかなければならないと思っております。

 また、菅政権が「デジタル改革」を推進しているので、旅館や観光施設がこれに対応できるような、時代に即した環境を整備する必要があります。

 鈴木:武井先生がおっしゃられた通り、ワーケーションの取り扱いは企業によってそれぞれで、統一された基準がないのが現状です。我われ宿泊施設にとっても受け方はさまざまで、模索している状態です。

 まずは政府側からワーケーションの基準をしっかり定めていただき、どういうカタチなのかを整理するところから始め、企業が推奨しやすい土壌づくりをしてほしいです。

 枠組みができたうえで、我われが受け皿として機能すれば、地方創生の一つとなる大きなコンテンツになり得るのではないでしょうか。もちろん、これからしっかり勉強して、最大限の協力をしていきます。

 ――旅館業法については。

 星:こういった危機的状況に対応できないのは、今の旅館業法の課題だと感じます。旅行業法についても同様で、今の時代から商習慣を作っていけるよう、ユーザーの声を聞きながらやっていければと思います。そのためには、自民党の若手の先生方と意見交換や提言をしていきたいと考えています。…

【全文は、本紙1822号または1月8日(金)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

【赤羽一嘉国土交通大臣に聞く】国土交通省交通運輸記者会 新春共同インタビュー

2021年1月1日(金) 配信

赤羽一嘉国土交通大臣

――新型コロナ下の航空・空港行政の取り組みは。

 世界規模での新型コロナウイルス感染症の拡大による移動抑制や水際対策などの影響を大きく受け、航空需要は過去に例を見ない規模で大幅な減少が続いており、航空業界は厳しい経営状況にあります。

 航空ネットワークは、公共交通として社会経済活動を支えるとともに、インバウンドなどポストコロナの成長戦略にも不可欠なインフラです。

 国土交通省では、そのネットワークの維持・確保に向けて、着陸料の引下げをはじめとしたさまざまな支援策を講じてきたところですが、需要回復後の成長投資の確保も見据え、2021年度予算などの成立を前提に、総額1200億円規模で空港使用料や航空機燃料税のさらなる軽減などを行う予定です。

 また、航空会社と同様、厳しい経営環境下にある空港会社等に対し、2021年度予算等の成立を前提に、財政投融資も活用しながら、空港整備に対する無利子貸付やコンセッション空港における運営権対価の支払猶予等により支援して参ります。

 加えて、空港のCIQ施設等については、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、感染リスク最小化のための受入環境整備を推進して参ります。

 こうした取り組みとともに、経済を回復軌道に乗せるため、感染再拡大の防止と両立するかたちで、国際的な人の往来の部分的・段階的再開を政府全体として進めているところですが、国土交通省としても、Go Toトラベル事業を通じて需要喚起をはかりつつ、できる限り早期にネットワークが回復されるよう、しっかり取り組んで参ります。

――ウィズ・ポストコロナ時代の観光立国推進に向けた基本方針について

 現下、コロナ禍の影響により、インバウンドは大変厳しい状況にありますが、一昨年まで、3200万人近くの外国人旅行者の皆様を惹きつけた、我が国の自然、食、伝統文化、芸術、風俗習慣、歴史など、各地の観光資源の魅力が失われたわけではないと私は考えております。

 また、シンクタンクなどによる調査では、海外旅行が再開した際に訪れたい国の最上位に「日本」が位置付けられております。これは、日本の公衆衛生レベルの高さなどが高く評価されての結果によるものです。

 こうしたなか、ウィズコロナの時代において、感染拡大防止をはかりつつ、観光振興を進めていくため、昨年12月に、政府の観光戦略実行推進会議において、「感染拡大防止と観光需要回復のための政策プラン」を決定いたしました。

 国土交通省では、昨年より、ウィズコロナの時代における「安全で安心な新しい旅のスタイル」の普及・定着に向けた重要なチャレンジとして、Go Toトラベル事業を実施しているところですが、引き続き、同プランを踏まえ、感染拡大防止策の徹底を大前提に、国内観光需要を喚起して参りたいと考えております。

 さらに、コロナ禍によって、人々の住まい方、働き方の変化が生じることが予測されるなか、ワーケーションの普及等を通じて、新たな旅行市場の創出・需要の平準化に取り組みます。

 他方、観光需要の喚起だけでなく、むしろこのコロナ禍のピンチをチャンスとし、我が国の観光の底力を高めるきっかけとすることも重要です。このため、老朽化した観光施設の再生や廃屋の撤去等を通じて、地域全体の魅力と収益力を高めるための支援を短期集中で行ってまいります。

 そのうえで、来る東京オリンピック・パラリンピック競技大会も見据え、インバウンドの本格的回復に向けた環境作りに取り組んでいくことが不可欠です。

魅力的な滞在コンテンツの造成や観光地等の受入環境を整備しつつ、感染状況が落ち着いている国・地域から、小規模かつ防疫措置を徹底した試行的な受け入れを実施します。

 関係省庁とも連携しながら、こうした取り組みを着実に進めることにより、ウィズコロナ、ポストコロナ時代の観光立国推進に向けて、しっかりと取り組んで参ります。

〈旬刊旅行新聞1月1日号コラム〉2021年の観光業界  「アフターGo To」を見据えた対応を

2020年12月31日(木) 配信

 
 2021年の観光業界がどのように動いていくのか、現時点では予測が難しい。20年は東京オリンピック・パラリンピックをはじめ、地域の伝統的なお祭りなどを含め、多くのイベントが新型コロナウイルス感染症によって中止や延期となった。

 
 この流れは21年の年始も、新年賀詞交歓会の中止など、続いている。コロナ収束後も「なくても構わない」という意見が多い会合やイベントは、自然消滅していくのだろう。

 
 そのように考えると、長い間続いている歴史あるイベントや、「老舗」と呼ばれる企業、店舗、旅館などは、刻一刻と移り変わる世相や、数年・数十年に1度訪れる大危機や激変の波を乗り越えてきたのだと、敬意を表したくなる。

 

 
 Go Toトラベルキャンペーンは20年12月28日―1月11日までの停止が決まった。観光業界は旅行キャンセルの嵐となり、大混乱に陥った。Go Toによって、多くの観光業界は救われたが、「旅行の割引が停止になれば、こんなにも一斉にキャンセルになるのか」という現象に、少なからずショックを受けたのではないだろうか。「安い」「割引」「お得」が、コロナ禍にあっても多くの人を動かす原動力になるということを改めて認識させられた。

 
 日ごろの地道な努力による品質向上では、数年の時を待たなければ努力の成果が明確に見えないが、Go Toでは瞬時にして満室になる怖さも垣間見えた。

 
 しかし、Go Toはあくまで一時的な観光復興支援策である。6月末までの延長も予定されているが、いずれ終了してしまう。言葉は悪いが「麻薬」である。惑わされぬ強い精神力が必要だ。

 

 
 多くの旅館や旅行会社、バス会社が、国の政策1つで経営が翻弄される状況は好ましくない。Go To割引で訪れた宿泊客に「これまでと客層が違う」と困惑の声も聞こえる。

 
 石川県・和倉温泉「加賀屋」の小田與之彦社長は「今まで来館されなかった若い世代が増えた。せっかく来てくれた新しいお客様にこれからもお越しいただけるよう、旅館の魅力を精一杯伝えていきたい」と話す。「アフターGo To」を見据えた対応は、さすがだなと感じた。

 

 
 多くの人は、自らの移動がコロナ感染のリスクを高めてしまうことは、百も承知だ。移動するときには、感染に対して相当に気を遣っている人がほとんどだと思う。これは、旅人(客)として最低限の礼儀である。訪れる地に対して敬意と礼儀なき者は、旅をする資格はない。

 
 コロナの感染拡大の防止は最重要課題であるが、一方で、経済活動の死によって命を落とす人たちが1人でも少なくなることも考えなければならない。

 
 リスクを伴いながら経済を支援するGo Toの継続は、微妙なバランスの上でふらふら揺れながら歩く「綱渡り」のようだ。

 
 あらゆる方面に配慮しながら歩を進めるには、高度の技術が求められる。綱の上で一瞬バランスが崩れたとき、奈落の底へ落そうと攻撃の声が一斉に上がる。好むと好まざるとに関わらず、これが現実の世界である。

 
 私たちは知らずうちに、ウィズコロナの生活スタイルに移行している。「アフターGo To」を見据え、新しい価値観への対応を、新年早々に始めよう。

(編集長・増田 剛)

九州八十八湯めぐり 10周年で新称号が誕生

2020年12月30日(水) 配信 

レジェンドには認定状が贈られる

 九州観光推進機構(石原進会長)は、「九州八十八湯めぐり」の10周年を記念したキャンペーンを、JR九州の協力で昨年11月26日からスタートした。2021年10月31日まで、さまざまな温泉企画を打ち出し、「温泉王国・九州」の魅力をアピールする。

 「九州八十八湯めぐり」は、温泉名人で組織する「九州温泉道選定委員会」が、九州7県の温泉の中から泉質や九州ならではの「ホンモノ」の温泉を厳選。温泉好きな参加者が、八十八の温泉を制覇して「泉人」の称号獲得を目指す企画。10年11月26日(イイフロの日)から始まった。

 参加者は御湯印帳(スタンプ帳)を1冊100円で購入し、入浴した温泉の数で温泉道の修行度が認定される。

 認定段位は、見習い(8個)から初級(24個)、初段(40個)、4段(64個)、泉生(80個)そして泉人(88個)まで11段階あるが、昨年10月末で8397人の段位認定者がおり、「泉人」達成は既に2241人となっている。

 10周年企画では、九州7県の代表施設からのメッセージを、専用サイトやユーチューブで配信。会員に温泉めぐりでの思い出やエピソードを投稿してもらう。

 新企画として九州八百八十湯めぐり「レジェンドへの挑戦」をスタート。「泉人」の中の「泉人」を目指し、10周年にちなんで九州八十八湯めぐりで10回達人に認定された人に「レジェンド」の称号を与え、認定状を贈る。

 レジェンドには10周年記念Tシャツがプレゼントされ、湯めぐりサイトやパンフレットで紹介。翌年の湯めぐり認定温泉施設を選定する「九州温泉選定委員会」にも参加できる。

 認定料では21年3月31日まで先着1千人に限り、11の段位認定料を1千円から半額の500円とする。

 さらに、10周年記念手ぬぐい(500枚限定)や「泉人」Tシャツ(泉人認定者限定)、「泉人」専用風呂桶(200個限定)を販売する。

 なお、御湯印帳はJR九州主要34駅や75の温泉施設で発売される。

〈観光最前線〉「紅まどんな」に夢中

2020年12月29日(火) 配信

紅まどんな

 高校時代の友人Tが仕事で四国に出張した際、現地で初めて食べて「これは美味い」と絶賛したのが、愛媛県オリジナル品種の高級柑橘「紅まどんな」。友人がそれだけ薦めるのだから自分も食べてみたいと思って、ネット通販で探して取り寄せてみた。

 一口食べた瞬間、思わず笑みがこぼれた。通常の蜜柑とは比較にならないぐらい糖度が高く甘くて美味しい。続けて何個か食べてみたが、まず外れがないのも素晴らしい。

 外皮がとても薄くて剥きにくいため、カットフルーツとして食べるのがよいと推奨されていたが、自分は面倒くさいので丸ごと剥いて食べてしまう。薄皮の果肉はまるでゼリーのような食感で果汁もたっぷりだ。こんな蜜柑、今まで食べたことがない。百聞は一見に如かず、一度食べてみる価値あり。

【古沢 克昌】

JNTO調査、訪日旅行再開は近距離市場から 外国人の海外旅行再開意欲と感染収束状況に相関関係なし 

2020年12月28日(月) 配信

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 日本政府観光局(JNTO)は12月24日(木)、東京・四谷の本部で開いた会見で「訪日旅行市場における新型コロナ感染症の影響と需要回復局面の旅行者ニーズと志向に関する調査」の結果を発表した。

 外国人による海外旅行の再開意欲と、感染の収束状況には相関関係が見られないとともに、新型コロナウイルスの危険性認識はアジアのほうが欧米より高かった。旅行再開の契機は「治療薬の発見」「治療法の向上」「ワクチンの接種」などが上位となった。

 また、訪日旅行の再開は、新型コロナの危険性を認識しつつも近距離市場から始まる可能性が高く、未経験者よりも訪日経験者のほうが積極的だった。

 調査は9月4日(金)~14日(月)に、日本から近距離の台湾と香港、長距離の豪州、英国の4市場に絞って実施した。調査期間中に、新型コロナが収束していたのは台湾と豪州、未収束が香港、英国。調査対象者は、過去3年間(長距離は5年間)にレジャー性の海外旅行を実施した人とし、過去3年間(同)の「訪日経験の有無」と今後3年間の「訪日意向の有無」で分類した。回収サンプル数は、台湾610、香港519、豪州562、英国524。

 「現時点で次の海外旅行について検討しているか」の問いに、海外旅行を計画中または予約済みと回答した人の割合は、感染が収束している台湾が50.9%と最も低かった。次いで豪州の71.1%、未収束の香港の76.5%、英国の86.7%の順。

 一方で、新型コロナウイルスの危険性について尋ねたところ、「危険性は高い」と答えたのは台湾が91.0%と最多で、香港の72.0%、豪州の45.0%続き、英国が33.0%と最も低かった。

 これらの結果から、海外旅行の再開意欲は感染収束状況とは無関係であり、新型コロナに対する危険性の認識が高いアジアに比べ、欧州は低い傾向がみられた。

 また、「海外旅行再開の契機」(複数回答)は、4市場すべてで「治療薬の発見」「治療法の向上」「ワクチン接種」などが上位を占め、いずれも、入国時/帰国時の隔離措置の解除よりも上位となった。需要回復には、感染症対策の進捗がきっかけになるとみられる。

 訪日旅行の再開については、訪日経験者と未経験者を比較したところ、経験者のほうが早期に訪日した意向が表れた。また、台湾と香港は5割以上が2021年中の訪日旅行を希望しているのに対し、英国と豪州は2022年以降が5割近くを占め、近距離のほうが再開時期が早いとみられる。一方で、年齢や収入などと海外旅行再開時期に関係性は見られなかった。

 Withコロナの海外旅行においては、訴求コンテンツに大きな変化は見られないが、「自然体験」のみ4市場すべてで意向が高まった。旅行先の情報源は、いずれの市場も「旅行先の政府のホームページ」「居住地の政府のホームページ」が上位を占め、公的な情報の利用意向が高かった。

八重山諸島の観光アプリ「島色、無限大∞」運用開始 加盟店利用でポイントも

2020年12月28日(月) 配信

観光アプリ「島色、無限大∞」のロゴ

 八重山ビジターズビューロー(YVB、中山義隆会長)は12月24日(木)から、沖縄県・八重山諸島の観光情報アプリ「島色、無限大∞」の運用を始めた。観光情報のほか、加盟店利用でポイントを貯めたり使うことができる。アプリを通じて観光客に最新情報を発信するとともに、新型コロナウイルス感染拡大により落ち込んだ観光需要の復活をはかる。

 運用開始に伴い、2021年1月1日(金)~1月31日(日)まで、八重山(石垣市・竹富島・与那国町)の8つの魅力「島色、無限大∞」体験キャンペーンを実施。アプリをスマートフォンにインストールし、魅力が体験できる加盟店を利用した人の中から抽選で、新石垣空港発着の往復航空券などをプレゼントする。

 “8つ魅力”の主な体験内容は、①海洋(ダイビング、シュノーケリングなど)②自然・動植物(トレッキングツアー、カヌー体験など)③文化・芸能(三線体験など)、④食(飲食店利用)⑤島の人たち・島々の個性(島々への訪問、宿泊など)⑥風情(展望台などからの四季の眺め)⑦工芸・陶芸(ミンサー織り体験など)⑧星(星空ツアーなど)――。

 観光情報は、石垣市と竹富町、与那国町の観光地など約150カ所のほか、イベント情報が掲載され、日本語だけでなく英語、中国語(繁体、簡体)、韓国語の多言語翻訳機能が付いている。

 ポイントは、全国のさまざまな業種の店舗が加盟するサイモンズ社の共通ポイントシステムを採用。八重山での加盟店に加え、サイモンズのNetモールでの旅行予約やショッピングをするとポイントが貯まる仕組みで、1ポイント=1円で使うことができる。

 キャンペーン期間中の八重山は、南十字星が見える時期であるのに加え、新春観光闘牛(1月2日)や、一晩で21個の一等星をみるイベント(1月16日)などが開かれる。食では、車エビ、カジキ、イノシシなどが旬で、この時期限定の体験が楽しめる。

JTB、年末年始は自宅で海外旅行気分を オンラインツアーが半額に 来年1月11日予約分まで

2020年12月28日(月) 配信

自宅で海外旅行気分を

 JTB(山北栄二郎社長)は来年1月11日(月)までの予約で、海外オンラインツアーが半額になるキャンペーンを実施している。初日の出鑑賞や現地ベテランガイドによる詳しい観光地案内ツアーなどを用意し、年末年始に自宅で海外旅行気分が味わえる機会を提供する。

 キャンペーンの対象となるのは、1月31日までに実施される28コース。一例として、カンボジアのアンコールワット遺跡から昇る初日の出をライブ中継するツアー(キャンペーン適用で543円)や、スペインの人気ガイドがサグラダ・ファミリア教会近辺や、おすすめの店などを案内するツアー(同516円)などがある。

 また、ヨーロッパの現地スタッフがお客のリクエストに可能な限り対応するオーダーメイドのツアー「おうちでヨーロッパ旅」(同2万2012円)もある。

 ほかにも、ニュージーランドやアメリカ、ハワイ、イギリス、フランス、イタリア、台湾、韓国、香港など、各地のコースが用意されている。実施日は年末年始以外に、毎日実施しているツアーもあり、短期間でオンラインの世界旅行を楽しむことができる。

 予約はJTBホームページから所定のクーポンコードを入力して申し込むと、キャンペーン適用となる。

JNTO、訪日外客数が上向きの兆し 留学と技能実習が7割占める

2020年12月28日(月) 配信

JNTOの金子正志理事

 日本政府観光局(JNTO)は12月24日(木)、11月の訪日外客数が前月から倍増した要因について、留学と技能実習による新規入国者が増加したためと説明した。また、東京2020オリンピック・パラリンピックを契機とした海外向けプロモーションについて、来年2月中旬から開始する見通しを示した。

 11月の訪日外客数5万6700人(推計値)のうち、留学と技能実習が全体の7割を占める。同日に東京・四谷の本部で開いた会見で金子正志理事は、今年9月以降、訪日外客数は増加傾向にあり、「徐々に上向きの兆し」と述べた。

 日本では10月からビジネスなど一定の条件下での入国を可能とし、11月以降は隔離措置はあるものの11カ国・地域の入国拒否を解除。段階的な緩和を行っている。対象はビジネスから留学、家族の滞在など順次対象を拡大しているが、現時点では観光目的への拡大は見通せない状況だという。(※12月26日発表:12月28日~来年1月まで、すべての国・地域からの外国人の新規入国を停止)

東京五輪を契機としたプロモ「2月中旬から」

 プロモーションについては、来年7月23日(金)に開幕する東京2020オリンピック・パラリンピックが世界各地に放映されるのをきっかけに、日本の地方の魅力を重点的に発信していく。

 来年で東日本大震災から10年となる3月11日(木)や、聖火リレーの始まる3月25日(木)に日本への注目が高まるのを想定し、「JNTOが本腰を入れるスタート地点は2月中旬」とし、広告や番組、ウェブ、メディアを活用した取り組みを行っていく。

 さまざまな自然やアウトドアアクティビティを強力に訴求し、大会後の訪日旅行につなげていく。併せて、障害者や高齢者も安心して旅行ができる体制が整備されていることも発信していく。

 金子理事は、今年1年の成果について「国内の地域の方々と連携し、一緒にプロモーションを進めることができた」と振り返った。「発信する内容は地域の方々が作っていただき、我われと一緒に発信していくプロセスが大事。この部分により力が注げる状況になった。JNTOサイトの和文化にもつながった」と自信を見せた。

「JNTOインバウンド旅行振興フォーラム」を来年2月開催

 JNTOの海外事務所長らが海外市場の最新情報を提供する「インバウンド旅行振興フォーラム」を来年2月18日(木)・19日(金)に、東京・品川の品川プリンスホテルで開催する。ハイブリッド形式の実施とし、会場参加またはオンライン参加(講演会のみ)の選択ができる。

JNTOの取り組み

 Withコロナ時代を見据え、JNTOでは日本の魅力を海外に発信する取り組みを強化している。一例として、自治体やDMOの作成動画、記事を募り、海外事務所から発信する「Japan’s Local Treasures事業」を開始した。今年度中に動画100件、記事300件程度を発信する。

 また、コロナ禍でも日本への関心を維持させる施策として、ライブ配信「Fun Fun Home」を実施。沖縄県の居酒屋から島唄ライブや、河口湖からの紅葉祭りを紹介するなど、「日本の今」が楽しめるコンテンツを海外6事務所のフェイスブックを通じて発信している。

 一方で、MICEの日本開催にも力を入れる。2019年には日本で3621件のMICEが開催され、8年連続で過去最高を更新。参加者総数は200万人にのぼる。今年12月15日(火)・16日(水)には、神奈川県横浜市で、世界のMICEを牽引するICCA(国際会議協会)の地域部会海外をハイブリッド形式で開催され、14カ国・地域から約300人(来場約170人、オンライン約130人)が参加した。

 金子理事は「日本でMICEができる状態だと世界に発信することが大事。アピールしていきたい」と力を込めた。今後は、2022年の国際熱電交換会議(開催都市:宮城県仙台市、規模:800人)、24年の国際昆虫学会議(京都府京都市、3000人)などが既に決定している。

大学生が修旅生案内 大阪B&Sプログラム

2020年12月28日(月) 配信

北村豪執行役員(左)と溝畑宏理事長

 JTBと大阪観光局、留学生支援コンソーシアム大阪の3者は、新たに大阪の観光振興を目的とした「大阪B&S(Brothers&Sisters)プロジェクト」を発足した。大阪を訪れる国内外の教育旅行団体に対し、大阪で学ぶ大学生や留学生がガイド役となり、兄弟姉妹のように交流しながら、大阪の魅力を紹介する体験型教育旅行プログラム「大阪B&Sプログラム」を開発。同プログラムを通じて、大阪のファンを増やし、地域活性化につなげていく。

 同プログラムは、2025年の大阪・関西万博を控え、インバウンドの復活だけでなく、国内旅行の需要喚起が必要とされるなか、「未来を担う学生に、もっと大阪に来てもらい、街の魅力を知ってもらいたい」との思いから誕生した。

 大阪を訪れる中高生6―8人につき、大阪で学ぶ大学生または留学生1人がガイド役となり、兄弟姉妹のように交流しながら、公共交通機関を利用して各地を散策。大阪の魅力を紹介する。

 料金は中高生1人当たり2600円(税別)。交通費、入場料、食事代は別途必要。大阪市内の場合、8つのモデルコースから、2コースを組み合わせて実施する。所要時間は5時間以内。既に学校や旅行会社を対象に予約を受け付けており、21年5月から稼働させる。

 また、学生に代わって、吉本興業の若手芸人がガイド役を務める「大阪B&Sプログラムwithよしもと」も展開する。若手芸人が学生を案内しながら大阪の歴史や文化を面白おかしく紹介。最後は、なんばグランド花月で観劇を楽しむという“大阪ならでは”のプログラムとなる。

 昨年11月24日に、大阪観光局で開かれた記者会見で、JTB関西広域代表の北村豪執行役員は「今回のプログラムは、修学旅行生が、従来の修学旅行とは一味違った体験が味わえ、ガイド役の学生には、大阪の魅力を再発見できる良い機会となる。また、大阪にとっても、地元ファンを増やし、交流人口の拡大が期待できるなど、3者それぞれにメリットのある事業となる」と紹介。

 大阪観光局の溝畑宏理事長は「全国的にも、あまり前例のない斬新な取り組み。ぜひ成功させて、広めていきたい」と述べた。