アメリカン・エキスプレス、世界の旅行トレンド発表 コロナ禍で一変

2021年4月26日(月)配信

旅行に対する概念がコロナ禍前と大きく変化した

 アメリカン・エキスプレス・インターナショナル(東京都港区)はこのほど、日本を含む世界7カ国で今年1月に実施した旅行に関する意識調査を発表した。これによると、世界各地で旅行再開を待ち望む強い期待が見受けられる一方で、新型コロナウイルス感染拡大が始まって1年以上が経ち、日本消費者の旅行に対する概念がコロナ禍前と大きく変わっていることも明らかになったという。

 調査は2021年1月15日(金)~24日(日)までの10日間、日本、米国、カナダ、メキシコ、オーストラリア、インド、イギリスの各国1000人(米国のみ2000人)を対象に実施。日本では、世帯収入7万米ドル以上の中で、19年度中に1回以上飛行機を利用しての旅行をした人が回答した。

まずは旅行予約、状況変化で後日取り消しを考える

 早く旅行をしたいという意識の表れから、多くの消費者は旅行の計画を積極的にしていることが分かった。コロナの感染状況などの変化にも対応するため、柔軟なキャンセル・ポリシーなどを上手く利用して、取りあえず旅行の予約を先に入れて、万が一状況が変化した際にはキャンセルすれば良いと考えている消費者が多いようにみられるという。

 例えば、回答者の85%が「旅行の計画があると、楽しみが増える」と答え、40%は「どうしても旅行に行きたいので、今後キャンセルしなければならない可能性があるとしても、旅行の予約をするつもり」と回答。21年の旅の計画を立てる際は、33%が「料金が高くてもキャンセル規程が柔軟な方を選ぶ」と回答した。

 消費者の旅行に対する強い意欲は、アメリカン・エキスプレスが手配したカード会員の旅行予約件数にも表れ、21年1月と比較して3月の国内の予約件数は、航空券で1.8倍、宿泊予約で2.1倍にそれぞれ増加したと説明する。

 コロナはラグジュアリートラベルの定義も大きく変えたようだ。感染リスクを最小限に抑えながら記憶に残る旅行体験をすることこそが、これからのラグジュアリートラベルと考える消費者が増えているとみられる。日本でもその傾向がうかがえ、これからのラグジュアリートラベルに求められる要素を聞いた質問では、64%が「自分に合わせてカスタマイズされた体験」、63%が「プライバシー」、57%が「厳しい基準での衛生管理」をそれぞれ重要な要素として挙げた。

「セカンドシティー」が人気旅行先に

 “密ナシ”を求める消費者の動向は、旅行先を選ぶうえでも重要なポイントになっている。世界的なトレンドをみると、従来は比較的人口の多い大都市が旅行先として人気だったが、コロナ禍では今まで旅行先として国名を言われたときに思い浮かぶ場所ではない「セカンドシティー」が、感染リスク回避の観点から人気の旅行先となっている。

 この傾向はカード会員からアメリカン・エキスプレスに寄せられる旅行関連の依頼にも表れ、従来、人気があった遠距離の旅行先ではなく、車を使って数時間で行ける近隣の旅行先の問い合わせが直近では増えているという。

 このほか、飛行機やクレジットカード利用などで貯まるマイル・ポイントについて、61%が「クレジットカードのポイントは、安心して休暇に行けるようになった時のために、今は貯めたままにしておくつもり」と回答。現状は温存期と判断し、次の旅行で活用したいと考えている消費者が多いことが分かった。

 また、旅行体験のSNS(交流サイト)上の共有について、52%が「今年は、旅行に対する非難を受けないように、自分が旅行に行ったことをSNSでシェアするのはこれまで以上に用心する」と回答。コロナ禍で政府の要請などに反して旅行した人らを非難する現象「トラベル・シェーミング」を恐れ、旅行体験を以前と同じように積極的にSNSに載せることを控える人が増えているようだ。

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(195)」 開国の町浦賀の赤レンガドライドック(神奈川県横須賀市)

2021年4月25日(日) 配信

横須賀赤レンガドックの全景

 地域は自らが一番輝いた時代の歴史を語る。当たり前のことだが、その地域の輝きには、今に至る興味深い前史がある。そんなことを強く感じさせてくれる町の1つが神奈川県横須賀市である。

 横須賀は、旧幕府勘定奉行小栗忠順の指示により、フランス人技師、レオンス・ヴェルニーが開設した横須賀製鉄所(のちに造船所)と、1884(明治17)年に日本初の海軍鎮守府が置かれた町として知られる。戦後は米軍の駐留で、旧海軍鎮守府庁舎や横須賀製鉄所ドックなどの施設は、すべて米軍施設内に接収された。京急汐入駅の近くから運航される軍港クルーズ船からは、ドックの遠景を海から眺められる。

 しかし、横須賀の原点は、1853(嘉永6)年のペリー艦隊来航で注目された開国の地、浦賀にある。一般の方々には、昨年300年を迎えた浦賀奉行所が馴染みがあるかもしれない。浦賀奉行所は1720(享保5)年、東京湾航行の船改めや海難救助などの目的で設置された。ペリー艦隊来航前から、浦賀には英国などの外国船の来航がみられた。奉行所は、いわゆる「入鉄砲に出女」を見張る海の関所であったが、ペリー艦隊の来航以来は海防の拠点として脚光を浴び、幕末には長崎よりも格の高い奉行所になっていた。

 3月初旬、その浦賀を訪ねた。しかし目的は奉行所ではなく、京急浦賀駅近くの住友重機械工業の赤煉瓦ドックである。浦賀ドライドックは、咸臨丸が太平洋横断の航海に出る前に、修理のため建造されたことに始まる。当初のドックは1859(安政6)年に建造された、我が国初のドックである。現存は、1899(明治32)年に竣工、長さ180メートル、幅20メートル、深さ11メートル、フランス積赤煉瓦の巨大な構造物である。住友重機械工業のドックとして活躍したが、既に操業を停止。今年3月には、横須賀市が無償譲渡を受けた。その偉大な存在感のために、活用が俄かに注目されている。

 
ドック内の船を固定する盤木

 赤煉瓦ドックは世界に5つしかなく、この浦賀ドック近くにある川間ドックのほか、残り3つはすべてオランダにある。使用された赤煉瓦は、浦賀周辺で焼かれたものではなく、なんと、遠く愛知県安城市にあった旧根崎煉瓦合資会社(現岡田煉瓦)製という。ちなみに中部エリアとは酒や酢などの樽廻船で浦賀が深く結び付いていた証拠でもある。

 浦賀は、横須賀中央からは少し離れた場所にあり、観光的にも今ひとつ知名度は低い。だが、上地克明市長が標榜する「海洋都市」構想のもう一つの重要拠点として高いポテンシャルをもっている。コロナ禍ではあるが、既に地元の意向調査とともにマーケットサウンディングなどが進められている。近隣の久里浜や観音崎、千代ケ崎、走水などにある鎮守府ゆかりの近代化遺産群とともに、横須賀の新たな魅力的拠点づくりとして大いに注目されるところである。

(日本観光振興協会総合研究所顧問 丁野 朗)

「提言!これからの日本観光」 第3の開国

2021年4月24日(土) 配信

 “開国”とは字の如く国が外国への門戸を開いて、広く国際交流を進めることである。

 江戸幕府の鎖国政策から脱皮して迎えた明治維新こそ“開国”の名に相応しい。日本はこれを動機に近代国家への歩みを始めたからである。

 ところで最近の日本は近く、第3次の“観光開国”を迎えるので、その準備を進めるべきとの有識者の声を聞いた。

 コロナ収束後に迎える観光の復活は第3の“開国”とも言うべき重要な転機であるとされる。具体的には、一般人の国際交流が停止状態から再出発するときが観光の“開国”だと思う。

 観光の第1次“開国”は「明治維新」で、黒船来航以来の外圧による。第2次は外国との人的交流が杜絶した「太平洋戦争後」、占領軍が外貨獲得のための施策として国際観光の再開を指示したときだと考える。1・2次の共通の特徴は“開国”の動機が外国からの圧力だったことである。従って先進国の指導で“観光開国”を進めることができた。

 第3次は防疫上の鎖国措置の解除になる。しかし、世界各国は共通の事情があり、国際観光復活について範となる先進国や外圧などはない。今後、日本独自の判断による観光施策の策定が求められることは、これまでと異なる“開国”になる。年間約3千万人の外国人入国者のうち、観光客はコロナ禍で0人に近くまで急減した。邦人の海外観光客も同じ状態にある(3月現在)。

 今後は文字通りの「0」からの再出発となるため、国際観光は従前の復活ではなく第3の“開国”にふさわしい「新日本観光」が展開されなければならないと思う。「新日本観光」の着眼点(私見)は以下のようなところに置くべきと考える。

 第1の着眼点は今国の“開国”は海外諸国も ほぼ同時期に国際観光を再開するので、“開国”後の国際観光は激しい競争下に置かれるはずである。従って「国際競争力のある観光」が必要である。特色ある観光資源の開発と同一からの資源の魅力再発見のため、視点を変えた観光手法(テーマ別観光など)の提案などが求められる。観光産業の改革による国際競争力強化も急がれる。

 第2に日本の立地条件を生かした「全国観光地化」である。全国を万遍なく観光するためのモデルケースの紹介ほか、地方のインフラ整備などが必要となる。

 第3に「観光情報」の適確、強力な世界への発信と情報システム化である。とくに、IT技術導入による情報システムを構築したうえでの検索、申込、決済(発券)まで一貫したワンストップサービスによる観光客の受入体制の整備である。

 第4の着眼点は「観光の安全」である。交通と宿泊施設での安全はもとより大規模災害対策の一環として、観光客の発災時の避難誘導対策の確立は急務と考える。

 これらの諸政策が、観光する心(もてなしのこころ)に裏付けされなければならないことは言うまでもない。

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏
 
 
 
 

全旅連青年部と学観連、旅館仕事体験も実施 11年連続でサポーター加盟協定結ぶ

2021年4月23日(金) 配信

(左から)星永重全旅連青年部部長、猪俣敏斗学観連代表

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(星永重部長)と日本学生観光連盟(学観連代表=猪股敏斗さん・明海大学3年生)は4月21日(水)、オンラインで11年連続となる「日本学生観光連盟サポーター加盟協定書」の調印式を行った。コロナ禍の今年も、宿泊業に関心の高い学生が旅館の仕事を体験する「若旦那若女将に密着体験プロジェクト」などを実施する。

 全旅連青年部は学生に就業体験通して、旅館で働く魅力を知ってもらうほか、若い人からのアイデアを観光業界の発展につなげたい考え。学観連は旅館の業務を体験し、就職活動に生かしていく。

 新型コロナウイルスの収束の目途が立たないことなどを踏まえ、今年は通年でインターンシップを受け入れられるようにする。さらに、企業見学や講演会なども開く予定だ。

 星部長は「自身の体制テーマである観光を日本の基幹産業に成長させるために、若い人の力をお借りしたい」と期待を寄せた。

 猪俣さんは「今年度は、新型コロナウイルスへの対策を全旅連青年部と一緒に考えたい」と意気込みを語った。

日本旅行ファーム、子ども食堂へ野菜提供

2021年4月23日(金) 配信

日本旅行はこのほど、自社農園で育てた野菜を子ども食堂に寄贈した

 日本旅行(小谷野悦光社長)はこのほど、わーくはぴねす農園さいたま岩槻内で運営する農園「日本旅行ファーム」で育てた野菜を、埼玉県内の子ども食堂Omusubiに寄贈した。4月19日(月)には第1回野菜提供の贈呈式を行った。

 同社は2019年から、日本旅行ファームで野菜作りに取り組んでおり、障害者就労の活性化に努めている。

 今後も隔週での野菜提供を行い、子供たちが参加できる農園見学や収穫体験など、「日本旅行×こども食堂Omusubiプログラム」の展開も計画している。

 障害者雇用から生産品の地域還元まで、循環する社会貢献を目指していく。

新入社員がウィズコロナの旅を学ぶ 「新」感染症対策モニターツアーで添乗研修(日本旅行)

2021年4月23日(金) 配信

日本旅行はこのほど、新入社員自らが「新しい旅のかたち」を体験する添乗研修を行った

 日本旅行(小谷野悦光社長)の2021年度新入社員19人は4月16(金)~17日(土)に、「新入社員添乗研修」を行った。この添乗研修は、日本旅行業協会(JATA、坂巻伸昭会長)が推進する「『新』感染症対策モニターツアー」の一環。研修では、事前の健康チェックの実践や、群馬県・草津温泉の感染症対策を学ぶなど、「新しい旅のかたち」を新入社員自らが体験した。

 研修に先立って、新入社員と引率者の全員が4月1日(木)からTiS大阪支店で先行導入している「日本旅行PCR検査プラン」を実施した。

 また、新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」の登録や、健康チェックシートを活用した旅マエから旅アトまでの体調管理など、細かく対策を設けた。

 研修中は、案内を聞くために添乗員を囲んで密になることを防ぐため、イヤホンガイドを装着し、ソーシャルディスタンスを確保した。

 研修の集合時には、「健康に関する確認事項が多く、以前よりも出発までに時間を要する」と安全のための取り組みでの課題が見つかった。「お客様への分かりやすい告知や、コミュニケーション方法、イヤホンガイドをはじめとした機材の動作確認などで、今までになかった基本動作も増えてくる」と、ウィズコロナ時代の旅において求められる添乗員の業務も確認した。

 人材開発部担当者は、「新入社員から自発的に感染予防対策に関する意見も出た場面もあった。旅行会社の一員としての自覚に芽生えた姿が見られ、頼もしく見えた」と成長をうれしそうに語った。

草津温泉源泉を利用した「手洗乃湯」を体験

全旅連青年部、星新体制が始動「観光を日本の基幹産業に」部員増や直販、データによる政策提言へ

2021年4月23日(金) 配信

星永重新部長。テーマは「観光を日本の基幹産業に~Keep Trying~」とした

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(鈴木治彦部長、1154会員)は4月20日(火)、ホテル華の湯(福島県・磐梯熱海温泉)で2021年度「第56回定時総会」を開いた。第25代青年部長に就任した星永重氏(藤龍館)は「観光を日本の基幹産業に~Keep Trying~」を今期(21~22年度)のテーマに据え、データを用いた政策提言や宿で働く若い世代の増加、IT化による直販の拡大など5つの方針を掲げた。

 鈴木治彦部長は冒頭、昨年の書面総会時の感染者数が、今年度総会の約8分の1だったことに触れ、「会員一堂が会し、総会を開けるようになったことは大きな進歩」と成果を強調した。部員には「コロナ禍で唯一手を挙げた星部長を皆で支えてほしい」と呼び掛けた。

鈴木治彦部長。感染者数が昨年の書面総会よりも増えたが、会員が一同に会したことを強調した

 全旅連の多田計介会長は「エビデンスに基づかないGo Toキャンペーンの停止などの不条理に、若い力で立ち向かってほしい」とエールを送った。また、地域経済への貢献による地位向上にも期待を寄せた。

多田計介全旅連会長。「エビデンスに基づかないGoToの停止などの不条理に若い力で立ち向かってほしい」とエールを送った

コロナ再興で恩返し 「震災助けられた」

 新たに就任した星部長は「東日本大震災では会員の皆様に助けられた。今度はコロナ禍からの再興で恩を返したい」と抱負を述べた。

 5つの方針のうち、基幹産業として日本経済を牽引する政策提言では、全旅連に加盟する約1万5000軒の明確なデータを把握し、示すことで業界の地位向上につなげる。

 自立した組織体制の強化は、部員増加のため、「宿で働く若い世代を増やす」と意気込んだ。

 流通販路における多様性の拡充とマッチングの提案は、直販の販売シェアを拡大し、多様な販路を提供していく。

 雇用維持をはじめとする宿泊4団体、他業種との連携強化では、4月に協定を結んだ日本航空(JAL)との連携を強化し、他業種との提携もはかる。

 IT戦略時代に適した広報情報活動では、SNS(交流サイト)など新しい技術やツールなど駆使し、活動内容や集客につながる情報などを社会に発信する。

 総会終了後には県部長サミットを行った。政策委員会の渡邉利生委員長(山水荘常務)が登壇した。

渡邉利生委員長。IT補助金で導入したソフトで給与計算の時間を短縮したことを報告した

 今後の雇用調整助成金の特例措置における助成率や対象をはじめ、経理や労務管理ソフトの導入を支援するIT導入補助金などについて語った。

 このうち、IT導入補助金を活用した事例として、労務管理ソフトopsplotと会計システムのTKC「FX4クラウド」を連動し、給与計算の時間短縮につながった成果を報告した。

スカイマーク、佐山展生会長が退任 後任は山本礼二郎氏に

2021年4月23日(金)配信

山本礼二郎新会長

 スカイマークは4月21日(水)、同月20日(火)に開いた定時株主総会と取締役会で、佐山展生会長が同日付で退任したと発表した。佐山氏から一身上の都合として辞任の申し出があったとしている。後任には経営全般を担当する顧問である、投資ファンドのインテグラル代表取締役パートナーの山本礼二郎氏が就任した。

 佐山氏は同月付で、インテグラルの代表取締役、子会社のインテグラル・パートナーズの代表取締役も退任した。スカイマークは、2015年1月に民事再生法の適用を申請し、インテグラルなどの出資を受けて経営を立て直した。既に再生プロセスが完了し、航空会社として相応の体制を整えるに至ったという。

 なお、スカイマークの洞駿代表取締役社長執行役員ら他の役員体制に変更はなし。

民事再生法適用の会見を行う佐山展生前会長(2015年2月撮影)

JTB調査、21年GW「旅行に行きたい」は10.3% 域内旅行の志向高まる

2021年4月23日(金) 配信

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 JTB(山北栄二郎社長)は4月22日(木)、「2021年ゴールデンウィーク(4月25日~5月5日)の旅行を取り巻く環境と1泊以上の旅行に出かける人の意識調査」の結果を発表した。GWに旅行に「行きたい」と考えている人は10.3%と、例年の半分以下に留まった。また、旅行者を感染防止を意識し、旅行先は域内志向の割合が高かった。

 調査は、今年のGWに実施する1泊以上の旅行について、全国の15~79歳までの男女1535人を対象にインターネットアンケートを行った。調査期間は4月9~14日。

 GW期間中の旅行について「行く」「たぶん行く」と回答した人の合計は10.3%で、コロナ禍前の調査では例年約25%で推移していたのと比べ、半分以下となった。

 性年代別では、男性29歳以下が19.1%、女性29歳以下が16.5%と若年層ほど旅行意欲が高かったのに対し、男性60歳以上は6.9%、女性60歳以上は3.7%と低調だった。

 旅行に行く目的や理由は「リラックスする、のんびりする(40.6%)」がトップで、次いで「家族と楽しく過ごす(38.8%)」「自然や風景を楽しむ(34.5%)」となった。

 旅行の出発日で最も多かったのは、5連休初日の「5月1日(25.8%)」だった。次いで「4月29日(13.7%)」「5月2日(12.6%)」と続いた。

 旅行日数は「1泊(39.2%)」が最多で、続いて「2泊(28.6%)」「3泊(16.3%)」となり、3泊までの旅行が全体の8割を占め、短期旅行の傾向がうかがえる。

 旅行先は「関東(20.5%)」を選んだ人が最も多く、次いで「近畿(13.7%」「東海(11.1%)」の順。居住地別に旅行先をみると、全国的に旅行先と居住地が同じ地方で、域内の旅行の割合が高かった。

 1人当たりの旅行費用は「1~2万円未満(23.8%)」がトップで、「1万円未満(21.3%)」「2~3万円未満(20.1%)」となり、3万円未満が全体の6割を占めた。

 利用交通機関は「乗用車・レンタカー(65.0%)」「JR在来線・私鉄(19.6%)「JR新幹線(17.7%)」の順だった。

 今後、新規感染者の増加や国・自治体からの自粛要請が厳しくなった場合の対応については「今より感染者数が増えた時点で旅行は中止する(8.1%)」「状況・条件によっては旅行を中止する(43.5%)」を合わせると51.6%にのぼった。一方で「状況に関係なく当初の予定通り旅行する」は31.8%だった。

 同社の宿泊・国内企画商品の予約状況によると、緊急事態宣言中だった昨年よりは増加しているものの、19年比では75%減と大幅に減少。コロナ禍前のGWは沖縄や東京ディズニーリゾート、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどが人気だったが、今年は居住地域内および近隣エリアへの旅行が中心となっている。

 宿泊予約状況では、海外旅行の代替需要による高価格帯の施設、客室や個室で食事ができる、客室に露天風呂があるなど、ほかの宿泊客と接する機会が少ない施設の人気が高く、新型コロナ感染防止を強く意識していることがうかがえる。

3月の訪日外客数、19年同月比99.6%減の1万2300人 観光目的の入国制約続く JNTO発表

2021年4月22日(木) 配信

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 日本政府観光局(JNTO)が4月21日(水)に発表した2021年3月の訪日外客数(推計値)は、新型コロナウイルス感染症の影響が出る前の2019年同月比99.6%減の1万2300人だった。観光目的の入国の制約が続いているほか、国境をまたぐ往来が停止されていることが主な要因。

 日本人の出国者数は、19年同月比98.5%減の2万8900人だった。