温泉むすめで温泉地の魅力発信 ファン獲得し若者を温泉旅行に 

2023年10月27日(金) 配信

(左から)和田氏、飯坂真尋ちゃん、齋藤氏

飯坂真尋入口に交流深め 飯坂温泉のファンづくり

 全国で若者の温泉旅行離れが課題となるなか、多くの若者が定期的に訪れる飯坂温泉(福島県)が注目を集めている。2019年、温泉地の魅力を国内外に発信する地域活性化プロジェクト「温泉むすめ」のキャラクター「飯坂真尋」を活用した温泉街の活性化をスタートした。今では温泉街では知らない人はいないほどに同キャラクターが浸透し、飯坂真尋を入口に訪れたファンとの交流を通じ魅力を発信することで、温泉街のファンの獲得につなげている。地域密着型の取り組みを紹介する。

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 福島県・飯坂温泉は、バブル崩壊後の団体旅行の減少などで大規模旅館の閉館が相次ぎ、旅館数が半分以下にまで減少。温泉街の活性化が喫緊の課題となっていた。

 そんな温泉街が今、多くの若者が訪れる温泉地として全国から注目を集めている。原動力は、全国の温泉地活性化に取り組むエンバウンドが展開するコンテンツ「温泉むすめ」。飯坂温泉では2019年2月、同温泉地のキャラクター「飯坂真尋」の活用を開始した。

さまざまなグッズを制作

 飯坂真尋ちゃんプロジェクト2代目実行委員長の和田一成氏(ほりえや旅館)は「グッズの通信販売を禁止していることと、1業種1アイテムに制限していることでまちを回遊する流れが生まれました。ファンもフレンドリーなので、地域住民との交流が広がっています。イベントの前後には宿泊や店を貸し切ってのオフ会などを楽しむファンの方も多いです」と効果を語る。

 地元のファンは、「サブカルチャーに対する拒否反応もあったと思うが、ファンがグルメを楽しんだり名産品を購入したりすることで、温泉街への経済効果が数字に表れ、払拭されたと思う」「人がたくさん来るようになり、『観光客を迎えよう』と、地元の人の意識が変わってきた」と変化を語る。

 いまでは温泉街の宿泊施設や商店が、それぞれの制服やモチーフをもとに70以上のイラストデザインのパネルやグッズを用意し、ファンを楽しませている。最新情報はSNS(交流サイト)や地元紙を通じ、常に発信している。

 一方ファンもSNSで自身の感じた温泉街の魅力を発信。PR活動の一翼を担っている。

 ファンが温泉街の魅力を知るきっかけの一つになるのが、各温泉むすめのプロフィール。飯坂温泉観光協会の齋藤利香子事務局次長は「真尋ちゃんは、飯坂けんか祭りに参加するくらい勇ましい性格で、円盤餃子やラジウム玉子などが好きという設定です。プロフィールを通じて温泉街の歴史や文化に興味を持ってくださるファンが増えています」と語る。

 こうした変化を踏まえ和田氏は「パネルの設置やグッズ展開だけでは若者は呼べませんが、愛着をもって取り組んでいることが伝わればファンが生まれていきます。ファンのリピート率が高く、『毎週温泉むすめを活用している温泉地に出掛けている』という声も聞くので、若者の集客が課題となっている温泉地にとって導入は課題解決の一つになるのではないか」と指摘。「我われは、温泉むすめだけで温泉街を盛り上げようとは思っていません。真尋ちゃんは、若者に来ていただく入口です。今後は、長い間守り続けてきた文化や伝統、観光資源と共存させながら、新しい温泉街をつくることが目標です」と力を込める。

イベントに750人 交流も楽しむ

声優陣が飯坂温泉の魅力を紹介

 福島市内のパルセいいざかで9月16日、「温泉むすめ ミニライブ&トークイベントin飯坂温泉vol.2」が開かれ、約750人のファンが会場を訪れた。当日は飯坂真尋役の声優・吉岡茉祐さんのほか、山形県・かみのやま温泉のかみのやま庵役の進藤あまねさんら3人が出演した。

 吉岡さんは「飯坂温泉の温かさに触れていただいて、SNSなどで『良かったよ』の一言だけでもつぶやいてもらうことが、飯坂温泉の魅力を広げる第一歩」とファンに呼び掛けた。

イベント参加者をお出迎え
地域住民とファンが交流深める

 会場内ではイベント限定グッズに加え、飯坂ホテルジュラクや舛七酒店、寿楽園茶舗など7店舗と飯坂温泉観光協会がブースを出し、飯坂真尋デザインの特産品などを販売。会場内でファンと交流をはかりイベントを盛り上げた。

ファンが語る 温泉むすめへの想い

 ・「温泉むすめグッズと温泉、食事を楽しみに、全国の温泉地を巡っています。温泉街の方と交流できるところが最大の魅力ですね」
 ・「温泉やグルメ、地域の方との交流など、多方面に楽しむことができるのが魅力です」
 ・「飯坂温泉や月岡温泉など、温泉むすめを通じて知った温泉地も多く、今は色々な温泉地に出掛けています」
 ・「遠くを旅行するときには、温泉むすめが活用されている温泉地に行きたいです」
 ・「温泉むすめは、温泉地に気軽に出掛けられるきっかけになるコンテンツです。グッズやコラボレーション商品が販売されていて、パネルが置かれている温泉地には、ファンは必ず行くので、若い人を温泉地に呼び込む起爆剤になるのではと感じています」

オーバーツーリズムの未然防止・抑制へ 観光庁に「相談窓口」設置

2023年10月27日(金) 配信

 観光庁は10月25日(水)、「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた相談窓口」を同庁内に設置した。自治体やDMOなどからの相談を受け付け、課題解決へ支援する。

 国内外の観光需要が急速に回復し、多くの観光地が賑わいを取り戻している。一方で、観光客が集中する一部の地域や時間帯によっては、過度の混雑やマナー違反による、地域住民の生活への影響に加え、旅行者の満足度の低下への懸念が生じている。

 これらの課題に対処するため、観光庁は関係省庁と連携して、観光立国推進閣僚会議を開催。相談窓口の設置は、10月18日にとりまとめた「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ」に沿ったもの。

 【相談窓口】観光庁観光地域振興部 持続可能な観光推進室 ☎03(5253)8111〈内線27₋918、27₋915〉。

HISが雪ミク公式ツアーを11月2日から発売 限定特典とJRパス付

2023年10月27日(金) 配信

オフィシャルツアーイメージ

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は、冬の北海道を応援する「雪ミク(初音ミク)」のフェスティバル「SNOW MIKU 2024」が2024年2月10日(土)~11日(日)にウングベイ小樽(小樽市)で開催されるにあたり、11月2日(木)正午12時からオンラインでオフィシャルツアーを売り出す。

 ツアーには限定特典として、「ねんどろいど 雪ミク 冬のごちそうVer.」と「SNOW MIKU 2024 公式ツアー特典 オリジナル フォトアルバム」が付く。また、宿泊は札幌・小樽エリアの15施設から自由に選択可能。さらに、新千歳空港―小樽間の快速・普通列車自由席が乗り降り自由のフリーパス「JR札幌・小樽パス」も付く。

 旅行代金は7万1100~7万7600円(23年10月23日時点)。

チームラボ「未来の遊園地」 那覇市で12月から常設展示

2023年10月27日(金) 配信

チームラボ「世界とつながったお絵かき水族館」©チームラボ

 デジタルコンテンツ開発を行うチームラボ(猪子寿之社長、東京都千代田区)は12月、沖縄県那覇市のTギャラリアby DFS内で、国内外で実施する展覧会「学ぶ!未来の遊園地」の常設展示を始める。

 同展覧会は最新のデジタルテクノロジーを活用したさまざまなアート作品を展示する。コンセプトである「共創」(他者とともに自由に創造すること)が体験できるデジタル知育空間となっている。

 紙に描いた魚の絵をスキャンで取り込み壁面の大型画面に泳がせる「世界とつながったお絵かき水族館」など、子供たちに大人気の仕掛けが多い。

 同展覧会は2013年11月に那覇市内のデパートで開始以来、シドニーやバンコク、上海など世界各地と国内各地で実施してきた。常設展はシンガポールやドバイなどで展開している。これまで世界中で1500万人以上が体験したという。

ITAエアウェイズでイタリアの旅 ジャルパックが新ツアー

2023年10月27日(金) 配信

添乗員も同行で安心の旅

 ジャルパック(平井登社長、東京都品川区)はこのほど、イタリアへ直行便を運航するITAエアウェイズを利用するイタリア4都市を巡るツアーを売り出した。顧客満足度92%を誇るツアーコンダクターが同行し、復路はローマから羽田空港への直行便を利用するなど、快適さを意識したイタリアへの8日間の旅。

 往路は羽田空港からローマへ行き、国内線で乗り継ぎも行うが、行程のなかのフィレンツェとローマ間は高速列車を利用。車窓からの田園風景も楽しめる。

 また、ローマでは夕食前に食前酒とおつまみを楽しむイタリアの食習慣「アペリティーヴォ」が体験できるクーポンを用意し、バーや下町のレストランなど同社おすすめの店から好きな店を選んで利用できる。

 出発日の設定は2024年1月27日(土)、2月10日(土)・24日(土)、3月2日(土)・21日(木)の5日。発着地は羽田空港。ツアー代金例は1室2人利用、エコノミー利用で1人46万8900円。

KNT-CTが日本ワインのセットを販売 独自企画で旅行機運醸成

2023年10月27日(金) 配信

商品イメージ

 KNT-CTホールディングス(米田昭正社長、東京都新宿区)は11月から、未来創造事業の一環として日本ワインのセット「わいんたび」の九州編と北陸編を販売する。地域への旅行機運醸成、地方創生、観光資源の保持発展へ還元することで、日本のワイナリーをつなぎワインツーリズムを活性化させる「ワインプラットフォーム」の実現を目指す。

 「わいんたび」は、国内ワイナリーで生産される「日本ワイン」を試飲や土産に最適なグラス1杯分サイズ(100㍉)の小瓶を3本セットにしたもので、1セットで地域ごとの異なる3ワイナリーのワインが楽しめる。

 同グループの近畿日本ツーリスト商事が運営する公式ECサイト「e-MARKET」や各域内・近隣エリアの観光拠点、ホテル・旅館などで取り扱う。

 「わいんたび 九州編」では、全国でも珍しい離島ワイナリーである五島ワイナリー(長崎県)をはじめ、巨峰ワイナリー(福岡県)、久住ワイナリー(大分県)、都農ワイナリー(宮崎県)、都城ワイナリー(宮崎県)の5ワイナリーから2つの商品をラインナップしている。

 「わいんたび 北陸編」では、”恐竜ワイン”の白山ワイナリー(福井県)をはじめ、能登ワイン(石川県)、ドメーヌ・ボー(富山県)の3ワイナリーから1セットを用意している。

島根・安来でサイクリングツアー ガイド付きで地元の魅力をより深く

2023年10月27日(金) 配信

のどかな田園風景のなかを走る

 島根県安来(やすぎ)市の安来市観光協会は例年好評のサイクリングツアー「サイクルナビゲーターとめぐる安来ぶらりチャリ」を、今秋は10月28日(土)、11月11日(土)、11月26日(日)の3回実施する。

 同ツアーは、JR安来駅を拠点に、レンタサイクルで市内をめぐるもので、サイクルナビゲーターと称する養成を受けたガイド役が、観光地や体験メニュー、昼食を組み合わせた行程を案内する。立ち寄り先で地元住民とのふれあいの機会を設定するなど、安来観光の魅力をより深く体感できるのが特徴だ。

 10月28日(土)実施分は月山富田城や能義平野をめぐる35㌔のコース。11月11日(土)は、安来港・荒島王陵の丘・和鋼博物館を周遊する20㌔。11月26日(日)は紅葉の清水寺・雲樹寺両参りと白鳥観察の20㌔。

 参加費は各コース4500円(レンタサイクル、昼食込み)。自転車持ち込みの場合は500円引き。各コースとも定員8人。午前9時30分スタートで、所要6時間前後。

 なお、28日開催分は申し込み受け付けを終了しているが、11月11日分は11月6日(月)、11月26日分は11月20日(月)までそれぞれ受け付けている。

新たな観光列車「はなあかり」 2024年10月運行開始へ JR西日本

2023年10月27日(金) 配信

観光列車「はなあかり」の外観イメージ

 西日本旅客鉄道(JR西日本、長谷川一明社長、大阪府大阪市)は2024年10月、新たな観光列車「はなあかり」の運行を始める。

 同月から12月まで、敦賀駅(福井県敦賀市)と城崎温泉駅(兵庫県豊岡市)の間で休日を中心に運行する。その後はエリアを変え西日本各地で走らせるという。

 列車は3両編成。すべてグリーン車で、うち1両はよりグレードが高い「スーペリアグリーン車」となり、2人用の個室を10室設ける。

 サービス内容や料金などの運行詳細は今後発表する。

11月1日にオールダイニングを新設 コートヤード・マリオット銀座東武ホテルが大規模改修経て一新

2023年10月27日(金) 配信

オールダイニング「RISTASIX」

 コートヤード・マリオット銀座東武ホテル(佐々木清史総支配人)は11月1日(水)に、レストランをリニューアルオープンする。同ホテルは約半年前の今年5月から休業して大規模改装を行っており、大幅なレイアウト変更を施した1階フロアにオールダイニング「RISTASIX(リスタシックス)」を新設する。11月1日には、開業当時から親しまれてきた地下1階の「BAR 光琳」も合わせてリニューアルオープンする。客室のオープンは12月1日(金)の予定。

 10月26日に開いた報道関係者向けの内覧会で、佐々木支配人は「コートヤード・マリオットは1985年、忙しいビジネストラベラーのためのホテルとしてアメリカで開業し、現在は世界に約1200軒あるが、1987年に同ホテルが日本の第1号店としてオープンした」と歴史を紹介。今回のリニューアルについては、「大規模改装は2007年以来となり、今後も末永く銀座6丁目で持続的にホテルを生業としていくための礎となる」と狙いを語った。

 今回の改装で注力したのは、1階に新設する「RISTASIX」。佐々木総支配人は「我われはアールシックスと呼んでいる。“R”にはリラックスやリカバリー、レストランなどさまざまな意味があり、『Rな気分でシックスに行こう』をキャッチフレーズにしたい」と想いを語った。1階は多方面からアプローチできるよう入口を新設。「まさに昔のホテルのプラザのように賑やかしを作っていきたい」と意気込んだ。

坂本主任(左)らシェフとレストラン提供メニュー

 料理は「オリエンタル」をテーマにアジアの多国籍料理の要素を取り入れた。他方、地場の野菜にも焦点を当て、東南アジア各国で食べられている串焼き料理「サテ」などに東京の野菜を使用している。調理部の坂本慎一郎主任は「多国籍とホテルらしい料理をミックスして提供する。30~40代のビジネスワーカーの方がアットホームに、人と人とのつながりを大切にするような空間にしたい」と述べた。

 佐々木支配人はダイニングは平日は近隣の会社員など、また休日は家族連れなどの利用を見込んでいるとし、「ベビーカーも入れるよう、席には余裕を持たせている。ぜひお子様連れでも利用してほしい」とアピールした。座席数は107席で、カウンターや個室として使える席まで多彩に用意する。

バー光琳で昼に提供する日本茶カクテルなど

 一方、地下1階のバー光琳では昼の時間、ゆっくりとお茶が楽しめる空間として日本茶カフェ「INARI TEA」が日本茶を使ったカクテルや菓子など個性あふれる喫茶メニューを提供する。夜にはシガールームを備えた本格的なバーへと顔を変え、メイドインジャパンのウィスキーや希少な銘酒、高級葉巻もそろえるという。

「天王洲キャナルフェス2023秋&冬」11月2~4日の3日間開催 産学連携・観光DXへのチャレンジ企画も

2023年10月26日(木) 配信

天王洲キャナルフェス2023秋&冬のフライヤー

 「TENNOZ CANAL FES 2023 -autumn&winter-」(天王洲キャナルフェス2023秋&冬)が11月2(木)、3(金・祝)、4日(土)の3日間、東京・天王洲エリアで開催される。

 主催者の「天王洲・キャナルサイド活性化協会」(三宅康之代表理事、東京都品川区)は同フェス内で、跡見学園女子大学の篠原ゼミと、協会会員のパナソニックグループと産学連携し、「文化観光の体験都市」として地域観光地づくりを目指した取り組みを実施する。

 具体的には、昨年から実証実験を重ねているクラウド型街巡りガイドサービス「Smart Town Walker®」をはじめ、学生によるツアーガイドを融合したモビリティアートガイドツアーや、アートクルーズを実施。

 さらに、遠隔コミュニケーションシステム「AttendStation®」をバージョンアップして、無人対話機能を搭載した案内サービスを提供する。

 3者は品川・天王洲地区で、さまざまな地域からの来街者や、増加が見込まれるインバウンドに向け、観光DXや空間価値向上技術を活用し、地域消費拡大に向けた観光まちづくりに挑戦している。

 また、水辺とアートの観光まちづくりを進める品川天王洲地区は、2016年から観光庁などの助成を受けながら実証実験を重ねている。その成果として、持続可能な地域の未来をつくるために、「回遊型」をベースにした観光ツアーの開発に取り組んでいる。

 天王洲・キャナルサイド活性化協会の三宅康之代表理事は、「当協会は設立以来、官民学の連携で天王洲の街の活性化に取り組んでいます。昨年から、パナソニックグループの先進技術と、跡見学園女子大学観光コミュニティ学部篠原ゼミの学生との連携により、次世代のおもてなしや感性を織り込む観光DX商品開発も商品化の最終段階となっています」とし、「この産学連携による実証実験を重ねた観光DX商品が、『文化観光の体験都市』として、国内外観光客を受け入れるための礎となります」とコメントしている。