「ONSEN・ガストロノミーウォーキングin江の島・藤沢」開催 市内の隠れたグルメなどを堪能

2020年2月25日(火) 配信

イベントを楽しむ参加者

 神奈川県藤沢市で2月23日(日)、「ONSEN・ガストロノミーウォーキングin江の島・藤沢」が行われた。コースは藤沢市役所をスタートし、旧道江ノ島道をたどりながら江ノ島に向かう9㌔。各所に設けられたチェックポイントでは、市内の隠れたグルメなどを堪能した。

 江の島道とは、旧・東海道の藤沢宿遊行寺の前から江の島へ至る江の島弁財天への参詣道。宿場内遊行寺橋には「江の島一ノ鳥居」が建てられていた。

 遊行寺境内に設けられたチェックポイントでは、「松月堂わびすけ」の生ドーナツ、「関次商店 パンの蔵 風土」のパン、豚汁を用意。豚汁は地元のブランド豚「みやじ豚」のももとばらの部位を使用し、甘めのみそと背油で仕上げた一品だ。

みやじ豚の豚汁、生ドーナツ、パン

 第2チェックポイントでは、藤沢で作られているスーパーフード「キノア」を使ったパスタと、藤沢北部でバラを栽培している長田ばら園で生産されたイチゴ「よつぼし」を提供。「キノア」は日本大学の監修のもと無農薬で栽培された農産物で、「市の新たな名産品として売り出したい」と関係者は語った。

キノアのパスタとイチゴ

 ワイン生産量日本一の神奈川県。メルシャン藤沢工場では、同県の生産量の約95㌫分を生産する。

 第3チェックポイントでは同工場で生産されたワインと地元のパン屋PEINYの「レーズンとチーズのパン」、「みやじ豚のソーセージ」が並んだ。ワインはそれぞれのグルメにあわせ2種類を用意した。

ワインとソーセージ

 観光客でにぎわう江ノ電江ノ島駅を過ぎて数分、ゴールの江の島が見えてくる。駅近くの「カフェ・グランドイン」(第4ティックポイント)では、江の島名物のシラスを使ったコロッケを提供。ゴール地点「江の島シーキャンドル(展望灯台)」では、自家製キッシュとスイーツが参加者を出迎えた。

 

シラスコロッケ
自家製キッシュとスイーツ

 同イベントは、湘南事業家フォーラムNAK部会を中心とする実行委員会が運営を行った。

 参加者は、「御朱印集めと組み合わせて、楽しみながら歩けた」、「おいしいものをたくさん食べられた」、「9㌔歩いたと感じないほど、内容が濃かった」と感想を述べた。

「温泉総選挙2019」ランキング発表 全国の温泉から9部門

2020年2月25日(火) 配信

「温泉総選挙2019」部門別ランキング発表

 旅して日本プロジェクトが主催する温泉総選挙はこのほど、「温泉総選挙2019」の部門別年間ランキングを発表した。ジャパンデザイン(山下太郎社長、東京都渋谷区)が運営事務局を務め、環境省と内閣府、総務省、経済産業省、観光庁の後援のもと行われた。

 全国の温泉地が9部門から1つを選択してエントリーし、さまざまな企画や現地イベントを通じて温泉地の魅力をPRした。ランキングは、全国の温泉好きによる1日1票の投票で決まった。

部門別年間ランキング

【リフレッシュ部門】
第1位 やいづ黒潮温泉(静岡県焼津市)
第2位 旭温泉(北海道・遠別町)
第3位 びえい白金温泉(北海道・美瑛町)
第4位 ぬかびら源泉郷(北海道・上士幌町)
第5位 万座温泉(群馬県・嬬恋村)

【うる肌部門】
第1位 秋川渓谷 瀬音の湯(東京都あきる野市)
第2位 鳴子温泉郷(宮城県大崎市)
第3位 油谷湾温泉(山口県長門市)
第4位 筑後川温泉(福岡県うきは市)
第5位 三加和温泉郷(熊本県・和水町)

【スポーツ・レジャー部門】
第1位 ひよし温泉(京都府南丹市)
第2位 柵口温泉(新潟県糸魚川市)
第3位 南紀白浜温泉(和歌山県・白浜町)
第4位 とままえ温泉(北海道・苫前町)
第5位 蔵王温泉(山形県山形市)

【健康増進部門】
第1位 肘折温泉(山形県・大蔵村)
第2位 妹背牛温泉ペペル(北海道・妹背牛町)
第3位 高湯温泉(福島県福島市)
第4位 十津川温泉郷(奈良県・十津川村)
第5位 俵山温泉(山口県長門市)

【ファミリー部門】
第1位 十勝川温泉(北海道・音更町)
第2位 奥軽井沢温泉(群馬県・嬬恋村)
第3位 やどり温泉いやしの湯(和歌山県橋本市)
第4位 川根温泉(静岡県島田市)
第5位 豊浦温泉(北海道・豊浦町)

【歴史・文化部門】
第1位 南紀勝浦温泉(和歌山県・那智勝浦町)
第2位 温泉のまち 霧島(鹿児島県霧島市)
第3位 島原半島 雲仙温泉郷(長崎県島原市、雲仙市、南島原市)
第4位 旭温泉(島根県浜田市)
第5位 嬉野温泉(佐賀県嬉野市)

【女子旅部門】
第1位 四万温泉(群馬県・中之条町)
第2位 菊池温泉(熊本県菊池市)
第3位 定山渓温泉(北海道札幌市)
第4位 あわら温泉(福井県あわら市)
第5位 岩井温泉(鳥取県・岩美町)

【外国人おもてなし部門】
第1位 竜王ラドン温泉(山梨県甲斐市)
第2位 大歩危・祖谷温泉郷(徳島県三好市)
第3位 沖縄ちゃたん温泉 美浜の湯(沖縄県・北谷町)

【絶景部門】
第1位 みはらしの丘 みたまの湯(山梨県・市川三郷町)
第2位 層雲峡温泉(北海道・上川町)
第3位 大船渡温泉(岩手県大船渡市)
第4位 太古天泉 松島温泉(宮城県・松島町)
第5位 指宿温泉(鹿児島県指宿市)

ニュー・グリーンピア津南、3月31日(火)までランタンの打ち上げ体験を実施

2020年2月25日(火) 配信

空飛ぶランタン

 津南高原開発(樋口明社長、新潟県・津南町)が運営する総合リゾート施設「ニュー・グリーンピア津南」は3月31日(火)まで、ランタンの打ち上げ体験が行われている。開催日は、貸切日・休館日を除く毎日。

 同イベントは、東日本大震災や新潟・長野県境地震からの復興を祈願し2012年にスタートした。参加者はそれぞれ、願いを込めて夜空にランタンを放つ。

 ランタンの柔らかな光が白銀の世界を彩る光景は、「幻想的で美しい」と好評だ。

 また、売店では、ランタンTシャツや、ランタンタオルハンカチ、手ぬぐい、ランタンクッキーなど打ち上げの記念を販売。キャンドルでハートマークを作ったフォトスポットも設置している。

「トラベルスクエア」202030はどこへ?

2020年2月25日(火) 配信

女性もパーティーに

 幾つもの業界新年会を終えて、2020年1月も過ぎ去った。それで思うのは、いつになっても変わらない保守的そのもののカテゴリーに入るものとして、この業界団体のパーティーのあり様があるな、ということだ。
 
 ひとことで言ってしまえば、会場が黒っぽい!
 
 本来、にぎやかで華やかたるべき新年パーティーなのに、目立つのは黒めのスーツのおじさんばかり、という雰囲気。
 
 これは僕が出席している旅行、ホテル・旅館団体の新年会だけでなく、外食産業やチェーンストアの業界でも同じだ。自由闊達が旨のマスコミ・出版の世界のパーティーにも僕は出るが、女性が活躍していそうな世界にも関わらず、ここも男だらけ。そしてどこも年配の社会的に地位の高そうな人ばかりだ。
 
 翻って男女機会均等法施行から35年、安倍首相だって女性活躍担当大臣を置いて重点政策にしているのに、いっこうに状況は変わっていない。
 
 試しに幾つかのパーティーで知り合いに「にーまるにーまるさんまる」って言葉、覚えてますか?」と問い掛けてみたのだが、ほとんどの人がきょとんとする。困ったものなのである。
 
 「202030」というのは、03年、内閣府男女共同参画推進本部(第2次小泉内閣)が決定した政府目標で「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にする」というものだ。あ~、そういえば、と思い出す人は多いが、今年はその期限の20年ではないか。それでこのパーティーの様相では、本気で202030運動に取り組んできたか、と問い詰めたくなる。
 
 まずは、こういうパーティーの企画主体に、もっと積極的に中間幹部(セクションの長クラス含む)の方々の招請を促したい。とくに女性幹部のパーティー参加には個別に社長、女将などに連絡をとり、パーティーの女性比率を高めてほしい。経営者に同行の参加者は費用半額くらいまで優遇するとか。まずは、主催者の頭を変えないといけない。
 
 こういう集まりで生まれる人脈をトップ同士だけに独占させていてはもったいないではないか。
 
 それに、新年会でも何でも、公式のパーティーに招かれて出席することで、どれだけスタッフのモチベーションが上がることか。それに、同じ歳の女性の仲間がいて頑張っている姿を見ることが、時に職場で孤立したりする女性にはどれだけ励みになることか。
 
 この40年で企業がこういうパーティーに若い女性の参加を許す意思が薄いことは分かった。こうなったら、旅行新聞新社さんも含めて、パーティー主催者側が積極的に業界に働き掛けて、女性活躍革命の導火線になるくらいの気持ちでいてほしい。お願いしますよ。

 

コラムニスト紹介

松坂健氏

オフィス アト・ランダム 代表 松坂 健 氏
1949年東京・浅草生まれ。1971年、74年にそれぞれ慶應義塾大学の法学部・文学部を卒業。柴田書店入社、月刊食堂副編集長を経て、84年から93年まで月刊ホテル旅館編集長。01年~03年長崎国際大学、03年~15年西武文理大学教授。16年~19年3月まで跡見学園女子大学教授。著書に『ホスピタリティ進化論』など。ミステリ評論も継続中。

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(181)」10年越しの田園観光都市づくり(宮城県栗原市・登米市)

2020年2月24日(月) 配信

栗原市を象徴する重厚な長屋門

 田園都市(Garden city)といえば、英国のエベネザー・ハワードが19世紀末に提唱した新しい都市づくりとして知られている。その概念を基に、10年以上も前から「田園観光都市」の地域づくりに取り組んできた地域がある。仙台近郊の宮城県栗原市である。

 ハワードの田園都市構想は、産業革命により雇用の場である都市に人口が集中し、人々は自然から隔離され、遠距離通勤や高い家賃、失業、環境悪化に苦しんでいたことが背景にあった。だから人口3万人程度の、自然と共生し自立した職住近接型の緑豊かな都市づくりが目指された。だが、日本では大都市のベッドタウンである、いわゆるニュータウン建設の口火となり、ハワードの理念とは大きく掛け離れてきたという側面もある。

 栗原市は、栗駒山麓(日本ジオパーク認定)に広々とした田んぼが拡がり、山地から流れ出る3本の河川(迫川、二迫川、三迫川)が、ラムサール条約の登録湿地、伊豆沼と内沼に流れ込む。低地には里山が連なり、その山の端に這うように農家群が連なる。田んぼにある杭がけされた稲わらは、風を通すために独特のねじりが入る(ねじりほんにょ)。秋田に抜ける街道筋を中心に500戸はあると言われる堂々たる長屋門の集積、北風を防ぐ防風林(いぐね)で囲われた屋敷、広大な田んぼを縦横に網羅する水路など、誠に日本を象徴する農村風景である。

 そんな景観が魅力的な栗原市と隣の登米市を舞台に1月下旬、「農村文明創生日本塾」(代表理事=田中幹夫・富山県南砺市長)が開かれ参加した。農村社会の持続的発展と、その手法を探る研究会である。

 研究会では、今から10年以上前に栗原市が指針とする「田園観光都市」の新たな方向性やビジョンも話題となった。その提唱者、地域プランナー・麦屋弥生さんは、計画が出来上がった2008(平成20)年に、マグニチュード7.2の岩手宮城内陸地震により帰らぬ人となった。

 彼女が提唱した田園都市づくりには、地域づくりの原点が数多く盛り込まれていた。市民が地域の魅力を理解し誇りを持って暮らすことが田園観光の原点であること、一手間掛けて田園の魅力を継承すること、受け入れの適正規模と「くりはら時間」づくり、顔の見える顧客と一緒に地域をつくりあげることなど。いずれも、地域づくりを担う「人」づくりが決め手となる。

10万羽の雁が一斉に飛立つ伊豆沼の朝

 その主体の一つである栗原ツーリズムネットワーク(大場寿樹代表)の活動や、隣の登米市で地域を巻き込んだ農村地域のマネージメント主体を目指す農業生産法人、伊豆沼農産(伊東秀雄代表)からの報告もいただいた。

 栗原市では、新年度より田園観光の新たなビジョンの策定と、アクションプログラムづくりに取り掛かる。10年越しの新たな地域の指針づくりに期待したい。

(東洋大学大学院国際観光学部 客員教授 丁野 朗)

「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)(2月号)」

2020年2月23日(日)配信

http://zoomjapon.info

〈巻頭言〉

クロード編集長

 謹賀新年。というには、いささか遅すぎますが、とうとう日本が世界に向けてその存在感を示す絶好の機会、東京オリンピック・パラリンピックの年がやってきました。2020年の本誌最初の特集は、日本にとって大切な1年の始まりにふさわしく「スポーツ」がテーマ。日本社会とスポーツマンガの結びつきに着目しました。文化面では、フランスで4月1日から公開される、故・樹木希林さん主演の映画作品「日日是好日」や、東京 21_21 DESIGN SIGHTで開催されている「めったに見られないデザイナー達の原画」展を紹介。グルメページでは、昨今話題の「ヴィーガン・レシピ」の筆者、米澤文雄シェフが進化させている完全菜食のヴィーガン料理の動向についてレポート。旅ページでは、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が愛した水の都、島根県松江市を訪れました。

(編集長 クロード・ルブラン)

特集 「スポーツとマンガ」

鈴木伸一氏は前回の東京オリンピックの時は31歳だった

 スポーツマンガの歩みを俯瞰すると、他のジャンルに比べ、いかに時代背景からの影響を受けているかが見えてくる。そのなかで、1964年の東京オリンピックは、大きな要だ。国内で旋風を巻き起こした柔道や女子バレーチームの活躍は、その後、「柔道一直線」や「アタックNo.1」などのマンガ(アニメ)作品の誕生につながった。厳しい特訓を努力と根性で乗り越え、勝利をつかむ選手の快進撃に、多くの国民は、敗戦国から先進国となった自国の経済成長を支えている自分たちの姿を重ねて見ていたのだろう。こうして1960・70年代は、「巨人の星」「あしたのジョー」など、いわゆる「スポ根」が人気を博した。経済的に豊かになった80年代に入ると、「タッチ」のような恋愛などの「ストーリー」重視の作品や、「キャプテン翼」のようにファンタジー要素が混じったスポーツものがヒット。1990年代には、社会の急速な多様化に比例して、スポーツマンガも多様化。「MAJOR」や「SLAM DUNK」が登場したのはこの時代だ。■ハンドボール、バトミントンなどジャンルが広がり続ける近年のスポーツマンガの動向。■野球マンガ人気の秘密と少年雑誌。■漫画家・鈴木伸一氏に聞く、1964年東京オリンピックとマンガ。

〈ZOOM・JAPON 編集部発 最新レポート〉長期的なインバウンド事業と成果

倉敷市は2月末までパリで11のメーカーの展示販売会を開催中

 日本が訪日外国人の誘致に力を入れ始めてからおよそ20年が経ちました。実際にインバウンドという言葉を頻繁に聞くようになったのはまだ最近で、とくにフランスにおけるB to Cビジネスのインバウンド事業が見られるようになったのは、肌感覚としては2013―14年以降です。この頃から手探りながらもパリで独自イベントを開催したり、現地主催の大型イベントに参加するなどして、プロモーションを継続的に展開してきた地方自治体や企業は、約5年間の試験的な活動を経て、ようやくアジアやアメリカとは異なるフランスの具体的な、そして独特のマーケット事情を把握してきたように感じられます。なかでも、「和食」や「美しい風景」という日本の全国的に共通したテーマを超えて、早い時期から地元産業などを絡め、その地域の特性を前に出し、他地域との差別化をはかってきた自治体は、その成果が少しずつ形になってきているようです。16年に400周年記念プロジェクトを大々的に、そして長期的に行った有田焼のイベントも記憶に新しいですが、最近では、倉敷市主催の、地元の繊維製品を販売するポップアップストアが好評。しっかりとしたプロダクトアウトによるインバウンドの好例です。

フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旬刊旅行新聞 編集部〉

 

「女将のこえ230」長谷川さき子さん 柳生の庄(静岡県・修善寺温泉)

2020年2月23日(日) 配信

柳生の庄 女将の長谷川さき子さん

修善寺で広がった世界

 東京・白金で名を馳せた料亭「柳生」が、自然豊かな修善寺の旅館「柳生の庄」に生まれ変わってから、今年でちょうど50年になる。この凛とした名は、剣道を嗜んだ創業者が、剣豪・柳生三厳(十兵衛)への憧れから名付けたそうだ。

 空に伸びる竹林が風にさらさら揺れている。その竹壁の奥に、柳生の庄は佇む。男性的だが、中に足を踏み入れると、こころよいもてなしの空間が広がっていた。

 訪ねた日は立春。玄関では、空間いっぱいに枝を広げた老梅に迎えられた。近隣の道路拡張工事で切られるさだめの命が、ここで見事に花開かせようとしていた。

 長谷川さん夫妻が、2代目として旅館を継いだのは、20年前である。夫で現社長の卓さんは商社勤務が長く、海外赴任として夫婦でタイに暮らしたこともある。さき子さんはゴルフにテニス、洋裁と、洋の文化のほうに親しく、旅館経営は2人とも無縁だった。

 それが、卓さんの叔母が創業者夫妻だったことから跡継ぎを頼まれ、話し合いの末に新しい道を選んだのだ。

 「思ってもみない話でしたが、それまで好きに暮らしてきましたから、これからは、少しは社会の役に立てたら、という気持ちがありました」。

 当面は、東京に移った叔母から「電話でリモートコントロールを受けました(笑)」。

 やがて、先代を尊重しつつ、自分たちの想いを反映させていく。後継時から現在まで大切にしている1つはトータルデザインだ。室礼がちぐはぐではいけない。毎月、専門家を招き、季節の表現を考え抜く。先の老梅はその象徴かもしれない。

 予想外の女将業に就いたさき子さんだが、「幸せな20年だったなと思います」と、迷いはない。忘れ得ぬ顧客もいる。滞在中の姿から、研ぎ澄まされた美意識を感じたという。「また、ありがたかったのは、東京から来た新参者だったのに、周りの女将さんたちが受け入れ、仲良くしてくれたことですね」。

 さき子さんからは、苦労話をほとんど聞かなかった。人が好きだという性格がそうさせるのだろうか。

 近年は、東と西に離れて住む家族が真ん中の静岡「柳生の庄」に集まってゆっくりと過ごす、そんな利用もあるという。小さな子供連れも歓迎だ。日本の若者に母国の文化を伝えていく場に、との思いを持つさき子さんだから、さまざまな利用をされることで日本文化を伝える機会も増えていくことだろう。「修善寺に来て世界が広がりました」。そう語る瞳は、前を向いていた。

(ジャーナリスト 瀬戸川 礼子)

▽住所:静岡県伊豆市修善寺1116-6▽電話0558-72-4126▽客室数:15室、1人利用可▽創業:1970(昭45)年▽料金:1泊2食付き44,150円~(税別)▽弱アルカリ性温泉▽4階にサロン(バー)がある。子供連れも歓迎。先代の時代から親交のあった日本画家・故堀文子氏の絵が館内さまざまなところに飾られている。

コラムニスト紹介
 

ジャーナリスト 瀬戸川 礼子 氏

ジャーナリスト・中小企業診断士。多様な業種の取材を通じ、「幸せのコツ」は同じと確信。働きがい、リーダーシップ、感動経営を軸に取材、講演、コンサルを行なう。著書『女将さんのこころ』、『いい会社のよきリーダーが大切にしている7つのこと」等。

〈観光最前線〉「睦館」食事処をリニューアル

2020年2月22日(土)配信

リニューアルした新食事処「桂」

 JR下呂駅から徒歩2分の好立地にある創業1912年の老舗旅館「睦館」(岐阜県・下呂温泉)は昨年12月、2階の宴会場と一部客室をリニューアルし、新食事処「桂」としてオープンした。

 今回のリニューアルにより料理を迅速に提供できるようになった。内装は飛騨の匠が造る高級家具メーカー「柏木工」のテーブルや椅子を使用。木材の温もりを感じられる落ち着いた雰囲気で、高齢者や外国人でも快適な食事が楽しめる。

 宿泊プランでは、「A4飛騨牛140㌘Wステーキ王様プラン」が宿泊客の人気を集めている。

 また、飛騨の伝統郷土料理にインスパイアされた「A4飛騨牛朴葉味噌ステーキ」と「A4飛騨牛ミニステーキ」をメインにした会席料理プランも好評だ。

【野田 雄】

1月訪客1.1%減、4カ月連続で前年割れ 春節前倒しで18市場が過去最高に(観光庁)

2020年2月21日(金)配信

田端浩長官

 観光庁の田端浩長官は2月19日(水)に会見を開き、2020年1月の訪日外国人旅行者数は前年同月比1.1%減の266万1000人と発表した。前年同月を約3万人下回り、4カ月連続で減少した。訪日外客数が多い韓国市場の減速が、訪日外客数全体を下回る要因となった。一方で、訪日需要増の春節の時期が2月から前倒しになった影響で、東アジア市場の一部、東南アジア市場などは前年同月比が2ケタ増と好調。市場別では、18市場が1月として過去最高を記録した。

 韓国は訪日旅行控えや冬ダイヤの航空便数の大幅な減少などにより、同59・4%減となった。他方、中国では1月27日以降、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため中国国内外への団体旅行などが禁止になり、伸び率を押し下げたとみている。

 一方で、冬ダイヤの航空便数増加のほか、昨年は2月であった春節(旧正月)休暇が今年は1月に移行したことなどが好影響。東アジア市場の一部、東南アジア市場など幅広い市場で前年同月比2ケタ増の伸びを記録した。このうち、香港、マレーシア、フィリピン、ベトナムは同40%超の大幅増となった。

 国・地域別では、豪州が同5.2%増の8万5300人で、単月として過去最高を記録。韓国、ドイツを除く18市場で、1月として過去最高となった。

 田端長官は、「訪日外国人客の2020年4000万人などの目標達成に向けて、国際観光旅客税の税収なども活用しながら、政府一丸、官民一体となって高次元の観光施策に取り組む」考えを示した。

新型コロナウイルスに関する対応

 観光庁は新型コロナウイルスの感染症の拡大防止策として、政府局内や関係部局と連携し、各局の取り組みに関する周知に尽力している。

 日本政府観光局(JNTO)が開設した「外国人旅行者向けコールセンター」や、「JNTO公式ツイッター」の案内、各地方運輸局内に開設した「特別相談窓口」のほか、中小企業を対象にした「セーフティネット貸付・保証」など。

 田端長官は「今後の観光業への影響などをよく見極めながら、次の対策を政府局内、関係部局と相談していく。必要な対策を講じていかなければならない」と強調。「状況を注視したうえで、感染症対策や風評被害の払しょくに取り組んでいく必要がある。早く回復期を迎えられるよう観光業界と取り組んでいきたい」と語った。

ロケーションジャパン大賞 「埼玉県×映画『翔んで埼玉』」がグランプリ

2020年2月21日(金) 配信

監督や原作者も登壇

 第10回ロケーションジャパン大賞の表彰式が2月20日(木)東京都内で行われ、「埼玉県×映画『翔んで埼玉』」がグランプリに選ばれた。おきて破りの自虐ネタを逆手に取り、地元企業との商品プロモーションや、知事選啓発事業とのコラボレーションなどを展開し、郷土愛の醸成につなげたことが評価された。

 埼玉県産業労働部雇用労働局の勝村直久局長は、「県民が楽しんでいるのがこの映画の良さ。埼玉県に来るのに通行手形はいらないので、ぜひお越しください」と来県を呼び掛けた。

 監督の武内英樹氏は、「埼玉は何もないというテーマで作ったので、ひたすら何もない所を探すロケハンだった」と制作時のエピソードを披露。原作者の魔夜峰央氏は「この作品は、他の県では成立しない。埼玉県民のおおらかさと心の広さ、自分の県を悪く言われても笑ってくれる鷹揚さに救われた作品」語った。

 同賞は、ロケ地情報誌「ロケーションジャパン」(地域活性プランニング)が主催するもので、①支持率②撮影サポート③行楽度④地域の変化――4つの指標と約6千人の一般投票を基に審査された。今年は、2018年12月1日~19年11月30日に公開、放送された40作品63地域がノミネートされた。 

 授賞式には福田雄一氏や犬童一心氏ら各賞を受賞した映画監督らも多く駆け付け、会場に花を添えた。

 また表彰式終了後に行われたレセプションパーティーには、17地域から「鯖ンバ(福井県小浜市)など41のグルメが提供された。「十勝帯広は豚丼が有名。ジューシーで柔らかく、おいしいので、豚丼を食べにお越しいただければ嬉しいです」(北海道帯広市)、「冬は甘みが増す深谷ねぎと煮ぼうとうを食べに、ぜひ深谷にお越しください」など食の魅力をPRした。

埼玉県のブースには深谷ねぎや十万石まんじゅうなどが並んだ

 第10回ロケーションジャパン大賞準グランプリ以下の受賞は次の各作品と地域。

準グランプリ:連続テレビ小説『なつぞら』×北海道十勝エリア

【特別賞支持率部門】:ドラマ「今日から俺は!!」×栃木県足利市

【特別賞撮影サポート部門映画「七つの会議」×神奈川県綾瀬市

【特別賞行楽度部門】:映画「引っ越し大名!」×兵庫県姫路市

【特別賞地域の変化部門】:映画「デイアンドナイト」×秋田県鹿角市

【審査員賞】:映画「ハルカの陶」×岡山県備前市

【監督賞】:映画「キングダム「佐藤信介監督