高校生の企画商品化、記念日の聖地・倉敷を訪ねる旅 ジャルパック

2018年4月9日(月) 配信

ツアーを企画した倉敷商業高校の学生
 

ジャルパック(藤田克己社長)は、このほど、倉敷商業高校の学生が企画したツアーを「記念日の聖地『倉敷』をたずねる2日間」を売り出した。
 昨年10月に岡山で開催された、地域のさまざまな資産を生かした観光ツアープランやビジネスプランのプレゼンテーション「まち・ひと・しごと未来創造ビジネスプランコンテスト」で、優秀校に選ばれた倉敷商業高校の作品を旅行商品化した。コンテストはJAL岡山支店が展開する「高校生の夢応援プロジェクト」の一環。

 瀬戸内海と雄大な瀬戸大橋を眺め、江戸時代の古い街並みと文化を残した倉敷を歩く――。日本で初めて「記念日の聖地(R)」に認定された倉敷市で、ジーンズの小物作りや、備前焼き体験してみては。

ツアーポイント

大原美術館

 モネ、セザンヌ、ルノワールなどを展示している西洋美術中心の私立美術館・大原美術館での絵画鑑賞。ポストカード付き。解説員が記念日にふさわしい絵画を選定する。同企画は学生が美術館に働きかけ、協力を得られた結果、実現した。

 このほか、国産ジーンズ発祥の地、児島でのジーンズ小物作り体験や日本六古窯の1つである備前焼体験など地域の工芸に触れる体験プラン、古い街並みを楽しむ散策など、地元の高校生が自信を持ってすすめるポイントを盛り込んだ。

設定期間:2018年4月27日(金)~9月30日(日) の毎日発
(ただし、 5/6,13,20,27,6/3,10,17,24,7/1,8,8/4,9/2,9発を除く)
出発地:
東京
食事:
1朝食
最少催行人員:
1人
※レンタカーコースまたは観光タクシーコースが選べる。


JTBが「雲仙仁田峠プレミアムナイト」発売へ 地域一丸となって雲仙天草国立公園を演出 

2018年4月9日(月) 配信 

「源星かけ流し」雲仙妙見岳展望台で360度の 満天の星空へ

 

JTBは 2018年4月6日(金)から、「雲仙仁田峠プレミアムナイト」の販売を始めた。仁田峠と妙見岳には、1956年から16年8月まで一般観光客は誰一人足を踏み入れていない。今年も同企画だけに通行が許されている貴重な体験が売り。満足度は95%の人気の企画で、地域一体となったおもてなしが顧客の心を掴んでいるようだ。

 雲仙は、一説よると比叡山・高野山よりも早くから霊場として栄えていた。女人禁制の山であり、歴史は1300年前に遡るという。雲仙妙見岳は日本初の国立公園・特別保護区に指定されている。落ち葉ひとつ持ち帰ることができない神聖な場所として、今もなおその生態系を守っている。

 長崎県と雲仙市、雲仙温泉観光協会、雲仙旅館ホテル組合、仁田峠着地型観光実行委員会、 JTB旅館ホテル連盟長崎支部らと、同企画を協同開発した。長崎県・雲仙市の協力のもと、16年から「雲仙仁田峠プレミアムナイト」を行ってきた。昨年までの2年間に約3千人が参加。今年は「ミヤマキリシマのライトアップ」「源星かけ流し」という新しい取り組みを加える。「雲仙地区の地域活性化を目指し地域と共にお客様に感動を提供していく」(同社)と意気込みを語る。

「満開のミヤマキリシマ」をライトアップ

 そもそも一昨年に、同企画は雲仙地区の地域活性化の中心的な着地型観光プログラムとして企画した。仁田峠循環線開通初の夜間通行と、雲仙ロープウェイ初の夜間運行を組み合わせた。環境省・長崎県・雲仙市と雲仙ロープウェイの協力を得て実現に至った。雲仙温泉地区の宿泊施設を中心に、観光関連施設と雲仙温泉観光協会と話し合いを重ね、宿泊需要や観光消費拡大などを目指してきた。

 雲仙温泉の地元有志とは、「お客様の満足を追求する」という思いを共有。客の表情やアンケート結果などから、成果と反省の集約と共有を繰り返し、運営とプログラムを磨き上げてきた。

 17年秋期の参加者900人中の587人がアンケートに回答。「みんなで盛り上げていることが素晴らしい(20代女性)」「地元の方が一生懸命でとても心が癒されました(50代男性)」など、地域一丸となった取り組みが好評を博している。

 また訪れたいといった声も多く、「地元の有志をはじめ、関連する自治体や事業者と同じベクトルでプログラムの開発と運営を進めてきたことが、満足度につながった」(同社)とみる。

アンケート結果

ツアー概要

実施期間:2018年5月15日(火)~5月21日(月)

旅行代金:大人1人3千円 子供1人1500円

行程:島鉄バス雲仙営業所 ・・・・ 仁田峠循環道路 ・・・・雲仙ロープウェイ ・・・・ 妙見岳展望台 ・・・・雲仙ロープウェイ ・・・・ 島鉄バス雲仙営業所

所要時間:約2時間

出発時間:1回目午後7:00 / 2回目午後8:00

募集人員:各出発日各回40人(最少催行人員は各回1人)

予約方法:JTBホームページの現地観光プラン

雲仙仁田峠プレミアムナイト
http://www.unzen.org/premium_night/
雲仙仁田峠プレミアムナイト今年も開催!仁田峠の夜間ロープウェイは夏期、秋期に期間限定で開催されるイベントで、夜景と星空を眺めることができる絶景スポットです。

 

全体の運営に関しては雲仙温泉観光協会とJTB長崎支店が共同で実施する。

※過去2年同様に8月と10~11月にも開催予定

宇都宮餃子祭り in YOKOHAMA 4月20日から3日間

2018年4月9日(月) 配信

下野新聞社(栃木県宇都宮市)は「第5回 宇都宮餃子祭り in YOKOHAMA」を2018年4月20日(金)~22日(日)までの3日間、横浜赤レンガ倉庫イベントスペースで開催する。

 宇都宮の人気餃子店16店が横浜に一堂に会し、3日間で、計15万人が来場する本イベントは今年で5回目を迎える。初日の4月20日(金)には、宇都宮を舞台にしたラブコメディ映画『キスできる餃子』に出演するBOYS AND MENの田村侑久さんが登場しテープカットを行う。宇都宮餃子祭り in YOKOHAMA 応援団長 フォーリンデブはっしーさんや、餃子評論家としても活躍する橘田いずみさん、宇都宮餃子会 鈴木章弘理事兼事務局長によるトークショーなどのステージコンテンツも実施する。

「第5回宇都宮餃子祭り in YOKOHAMA」 概要

名称:第5回宇都宮餃子祭り in YOKOHAMA

日時:2018年4月20日(金)午後 3:00~午後9:00

      4月21日(土)午前10:00~午後9:00

      4月22日(日)午前10:00~午後6:00

場所:横浜赤レンガ倉庫イベント広場(神奈川県横浜市中区新港1-1)

入場料金:無料(飲食・物販は有料)

主催:下野新聞社

協力:宇都宮餃子会

後援:栃木県、宇都宮市、神奈川新聞社、横浜観光コンベンション・ビューロー

協賛:キリンビール、小林製薬、JR東日本大宮支社、宇都宮商工会議所、ミツカン、マルシンフーズ、MLA豪州食肉家畜生産者事業団(オージー・ラム)

過去来場者数:

 第1回(2014年9月)  8万人/2日間

 第2回(2015年4月) 16万人/3日間

 第3回(2016年4月) 15.5万人/3日間

 第4回(2017年4月) 15.7万人/3日間

出店店舗(50音順):

 青源/味一番/宇都宮餃子館/宇都宮みんみん/餃子会館/幸楽/香蘭/さつき/高橋餃子店/桃泉楼/豚嘻嘻/飯城園/めんめん/雄都水産/龍門/マルシンフーズ(※参加店舗は変更になる場合がある。)

会場アクセス:

 公共交通利用

 ・JR・市営地下鉄 「桜木町駅」から汽車道経由で徒歩約15分

 ・JR・市営地下鉄 「関内駅」から徒歩約15分

 ・みなとみらい線  「馬車道駅」から徒歩約6分、「日本大通り駅」から徒歩約6分、「みなとみらい駅」から徒歩約12分

 車利用

 ・首都高速「みなとみらい」または「横浜公園」出口。

 ・施設駐車場あり〈最初の1時間:500円、以後250円/30分〉

オープニングイベント概要

BOYS AND MEN 田村侑久(たむらゆきひさ)さん

日時:2018年4月20日(金)午後3:00-

場所:横浜赤レンガ倉庫イベント広場(神奈川県横浜市中区新港1-1)

ゲスト:田村侑久( BOYS AND MEN )さん、フォーリンデブ はっしーさん

映画『キスできる餃子』概要

 宇都宮や宇都宮餃子を舞台に繰り広げられる、足立梨花演じるシングルマザーと田村侑久演じるイケメンプロゴルファーの恋愛を描いたラブコメディ。

出演:足立梨花・田村侑久・佐野ひなこ・中島広稀・古川凛・大石五郎・佐藤美希・勇翔(BOYS AND MEN)

脚本・監督:秦建日子(『クハナ!』監督/『アンフェア』シリーズ原作)

配給:ブロードメディア・スタジオ

公開:2018年6月22日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー

   2018年6月15日(金)栃木県先行ロードショー

ジェットスター・ジャパン、大分県らと覚書締結 大分大学で講座開設

2018年4月9日(月) 配信

学生のアイデアによる観光振興および地域活性化を加速

地方自治体・大学・国内LCC(格安航空会社)が、初の産学官連携へ――。ジェットスター・ジャパンは4月3日(火)、大分県、大分大学と産学官連携協定を締結。大分大学経済学部で講座を開講し、学生のアイデアを活用して観光振興と地域活性化を加速させる。

 大分大学で開講されるのは、経済学部の学生を対象とした「産学官連携による地域課題解決演習(科目名: 実践経営分析論Ⅰ・Ⅱ)」。開講時期は年度ごとに決定し、本年度は後学期に実施される。狙いは、LCC を活用した「個人旅行者および若年層旅行者の大分空港利用促進」、「大分県の観光振興」について、若年層である学生自身が考え、取り組んでもらうこと。

 ジェットスター・ジャパンの藤岡秀多取締役常務執行役員は同日大分県庁で行われた調印式で、開港予定の講座について、「大分県の観光を取り巻く環境が大きく変化するなか、直接LCCビジネスの現場に触れ、低運賃を県内の地域活性化に広く効果的に生かす課題演習など、実践の場で学ぶ機会を提供したい」と説明。「我が社がもつ路線ネットワークの強みを、今年の国民文化祭や、来年のラグビーワールドカップなど、大分県が持つ多くの強みの中で、効果的に生かしていただくことにより、これまで以上に、大分県の観光振興や地域活性化が高まっていくことを期待している」と語った。

「観光革命」地球規模の構造的変化(197)観光改善地区(TID)への期待

2018年4月8日(日) 配信

観光地経営の健全化をはかるためにTDI制度の検討を

 観光庁は2020年までに「世界水準のDMO」を100法人育成する目標を掲げている。日本版DMOが「世界水準の観光地経営組織」として健全に発展するためには多くの課題を解決することが不可欠だ。

 観光地経営を成功させるためには、行政とDMOと民間(観光関連事業者)の役割分担を明確にしたうえで、DMOの「権限と責任の明確化」が不可欠になる。要するに現在の日本各地の観光協会などは「行政の下請け機関」のような役割を果たしており、行政からの出向者が責任者を務めるとともに、活動資金の多くを公的資金に依存するケースが多い。このため「観光地経営組織としてのDMO」は専門的人財の確保と自立的財源の確保が必要不可欠になる。

 広島県は日本版DMOが抱える諸課題として、①法的位置づけがなく、観光地経営の権限がないこと②DMOの事業費(公的資金)が時限的で安定した特定財源がないこと③受益者(とくに宿泊事業者)によるガバナンスを効かせる仕組みがないことなどを重視して、日本版TID法(仮称)制定を政府に対して提案している。TID(Tourism Improvement District:観光改善地区)制度は92年に米国で初めて導入されている。それ以前には多くの都市が宿泊税をDMOの財源に当ててきたが、諸都市の財政逼迫が生じるとDMOへの予算削減が行われがちだった。そのため財源確保の不安定性の解消を目指して一定エリア内の宿泊事業者の合意の下で宿泊収入から一定割合の賦課金を徴収する制度を導入。全米で約150のエリアでTIDが施行されている。

 広島県の提案による日本版TID法(仮称)では、行政・議会はTID団体認定・賦課金徴収交付・DMO監視、宿泊事業者は賦課金納付・理事会参加、DMOは事業計画策定・事業実施・行政への報告・理事会への報告、理事会はDMOの意思決定・DMO監視などの役割をそれぞれ担うことになっている。

 日本でも各都市で宿泊税導入が本格化している。今後、宿泊税はDMOの財源として活用される予定であるが、TID(観光改善地区)制度についてはあまり検討がなされていない。観光地経営の健全化をはかるためには、いずれTIDを視野に入れることが必要になるだろう。

 

(北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授 石森 秀三)

コラムニスト紹介

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

絆重視の消費続く SNS映えのため旅行も(30―40代の金銭感覚調査)

2018年4月7日(土) 配信

 SMBCコンシューマーファイナンスがこのほど発表した、30―40代の金銭感覚の意識調査2018によると、最近1年間で積極的に消費したことは「家族との交流(親孝行・家族サービスなど)」が最多で、前年比7・0ポイント増の34・9%。2年連続の1位で、絆消費重視の傾向は続いている。他方、SNS(交流サイト)映えのために旅行をする人も少なくないことが分かった。
【飯塚 小牧】

 調査は30―40代の男女計1千人から回答を得たもの。まず、金銭状況としては、毎月自由に使える金額の平均額は3万272円。前年から1623円減少し、賃上げ効果は疑問府がつく。未婚者は3万9103円、子供なし既婚者は2万8787円、子供あり既婚者は2万1371万円。ちなみに、「20代の金銭感覚についての意識調査2017」によると、20代平均は2万9694円となり、30―40代と平均額に大差はなかった。

 現在貯蓄できている金額(世帯か個人かは問わない)については、貯金できていない「0円」が前年から8・3ポイント減の17・1%となった。最も多いのは「1万円―50万円以下」の26・2%。「50万円超―100万円以下」は12・1%となり、貯蓄額100万円以下の合計が55・4%と半数以上を占めた。一方、「500万円超―1千万円以下」、「1千万円超」の回答もそれぞれ1割以上あり、貯蓄額の調整平均(数千・数億円など極端な数値を除外)は247万円となった。

 決済環境をみると、スマートフォン決済ができる電子マネーアプリを利用しているのは18・9%となった。QRコード決済アプリは5・3%。

 では何に消費をしているのかを探ってみると、最近1年間で積極的に消費したこと(複数回答可)は、「家族との交流」(34・9%)だった。次いで「趣味を深める(何度も行う・通う、良い道具をそろえる)」(31・0%)、「友人との交流」(30・9%)と続く。旅行やライブイベントなどが含まれる「思い出に残る体験」は18・7%で6位となった。ただ、同社広報CSR部によると、回答者の捉え方によって「家族旅行」は「家族との交流」に含めている可能性もあるという。

 一方、4月からの新年度は何に積極的にお金を費やしたいか聞くと、全体平均は過去1年間と同様の結果になったが、男女別では女性が「子供との交流や子供の教育」を2番目に挙げた。

 旅行に関する支出について、旅行にお金をかけているのは63・8%となった。この638人に1年間でいくらかけているか聞くと、「5万円以下」と「5万円超―10万円以下」がともに22・3%、「10万円超―15万円以下」が22・4%と15万円以下が67%となった。平均額は16・8万円。

 他方、近年話題の「インスタ映え消費(SNSにアップする写真や動画を撮影するためにお金を使うこと)」については、個別の質問を設定。「SNSにアップする写真や動画を撮影するために、お金を使ったことがあるか」という問いには、58・4%の人が「ある」と答えた。これは20代の33・0%よりも多く、30、40代がインスタ映え消費に積極的なことが分かった。さらに、「ある」と答えた584人に何にお金を使ったか聞いたところ、「旅行・観光(絶景スポットなど)」が55・0%と圧倒的に多かった。

 インスタ映えを狙い、旅行先を選択する人が少なくない結果となった。

 調査は1月10―15日、30―49歳の全国の男女1千人を対象に行った。調査協力はネットエイジア。

ヨーロッパ観光事情 まち歩きの楽しみ 旅行作家 秋山秀一〈著〉

2018年4月7日(土) 配信

 旅行作家の秋山秀一氏は、海外への旅はこれまで200回を超え、訪れた国と地域は80カ所以上という〝旅人〟。「ぼくには、旅がある。旅があるから、何があっても、大丈夫」と言い切る。「ずっと、旅をしてきて、書いたり、しゃべったりしてきた。ありがたいことだ」――秋山氏を知る人なら、この言葉が自身のすべてを言い表していることがわかるはずだ。

 秋山氏がこのほど著した「ヨーロッパ観光事情まち歩きの楽しみ」(新典社、定価1500円+税)は、旅先のまちを歩きながら、心を動かされたものを写真に撮り、その時の感動をそのまま記録したもの。リスボン、プラハ、ブダペスト、ベネチア、トレド……など、珠玉のヨーロッパ24都市に絞った構成となっている。一行目を読み始めると、気づかぬうちに旅の世界に惹き込まれる。実際に裏路地を歩き、カフェで見知らぬ人が行き交うのを眺めている感覚になるから、不思議だ。映画や文学を愛する秋山氏のさりげない雑学と、歴史的な知識を織り交ぜた〝秋山節〟も心地いい。「旅に誘う力」を十分に感じることができる1冊だ。

【増田 剛】

「味のある街」「サービス定食」――自由軒(岐阜県・養老町)

2018年4月7日(土) 配信

サービス定食 780円(税込)▽自由軒▽岐阜県養老郡養老町高田967-1▽電話:0584(32)0302。

 岐阜県・養老町には、親孝行の青年が滝の水をすくうと酒に変わっていたという話の伝わる「養老の滝」がある。奈良時代の717年、この話を聞いた元正天皇が元号を「養老」と改め、滝の名前を授けたとされる。昨年は「養老改元1300年祭」として、ウォーキングやコンサート、町民が地域の魅力を伝える体験型プログラムを集めた「養老まるごと玉手箱」など、さまざまなイベントが行われていた。ほかに、養老公園内にある「養老天命反転地」も有名だ。世界的なアーティスト、荒川修作さんのアート作品で最近は「インスタ映え」するとして若い世代にも人気がある。

 このまちにある食事処が自由軒だ。住宅街の中の店に入ると、野球のサインボールがずらりと並ぶのに驚く。壁には色紙も貼ってある。実はこの店から徒歩10分ほどのところには、野球バットやゴルフクラブなどを製造する「ミズノテクニクス」の養老工場がある。ここにバットを依頼しに来る野球選手が多く立ち寄る店なのだ。全国のプロ野球選手や、イチロー、松井秀喜らメジャーリーガーも訪れている。メニューもボリュームのあるものが多い。店内には食べ盛りの中高生のいる家族連れもいた。とくに人気なのは「トンテキ定食」だ。豚のステーキにデミグラスソースがかかっている。肉の量は250グラムとたっぷり。「トンテキ定食3/5」もあり、その名のとおり肉の量は5分の3の150グラムだが、それでもなかなかのボリュームだ。「トンテキ丼」もある。こうしたメニュー名、そして「トンテキ丼攻略法」などが手書きで壁に貼られているのが、レトロというだけではなく、温かい雰囲気をつくっている。

 今回は日替りのサービス定食をいただいた。この日出てきた、鶏などの天ぷらはボリューム満点だ。また、どて煮もついてきた。赤味噌で煮込む、東海地方ではよく食べられるメニューだが、牛すじ肉や糸こんにゃくが柔らかく、味がよく染みている。どこか懐かしい味だ。

 帰り際にはお店の皆さんが明るく見送ってくれた。お腹も心も満たされて、また来たくなる店だ。

 

コラムニスト紹介

トラベルキャスター 津田令子氏

社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

「観光危機管理ハンドブック」~観光客と観光ビジネスを災害から守る

2018年4月6日(金) 配信 

観光危機管理の第一人者・髙松正人氏が著した「観光危機管理ハンドブック」

災害や危機から観光客や観光関連産業をいかにして守るか――。

 観光危機管理の第一人者である髙松正人氏(JTB総合研究所常務)が自身の実践と経験に基づいて、丁寧に解説した「観光危機管理ハンドブック:観光客と観光ビジネスを災害から守る」が朝倉書店から発刊された。本書は観光業界に身を置き、安全の問題に関心を持つ人にとって有用な知識が豊富に収録されている。

 観光危機管理の基本となる要素は「減災(Reduction)」「危機への備え(Readiness)」「危機への対応(Response)」「危機からの復興(Recovery)」のRで始まる4つの英語で表記される。髙松氏は「観光危機管理の4R」と呼び、「4つのRは相互につながっているだけでなく、危機の経験を経て循環しながらレベルアップしていく循環モデル」と定義する。

 沖縄県が東日本大震災をきっかけに着手した「観光危機管理」の取り組みや、気仙沼観光復興戦略づくり、世界レベルでの観光危機管理の現状なども紹介している。

 巻末には観光地域と、観光関連事業者用にそれぞれ「観光危機管理のためのチェックリスト」も備えている。「地域防災計画には、観光客や旅行者への対応に関する記載があるか?」や、危機からの復興時には「観光復興プロモーションにおける優先市場と実施スケジュールを決定」など、4つのRに分けて設問している。 

 災害や危機は他人ごとではない。ぜひ確認してほしい。定価(本体3400円+税)。

 問い合わせ=TEL03(3260)0141。

 

地域の魅力的なマップを募集中!4月30日まで

2018年4月6日(金) 配信NPO法人学生ネットワークWANは4月30日(月・祝日)まで、全国街歩きマップコンテスト「マップで応募!第2回地方創生大賞」の募集を受け付けている。同コンテストは、地域に眠る魅力的なマップを取り上げることで、より多くの人がその地域へ訪れるきっかけになるなど、地域の魅力発信と認知度向上を目的に実施する。

 WANは「学生の力で地方にきっかけを創る」を掲げる。全国各地には、伝統的な街並みや歴史がある建物、地域の特産物を使ったグルメなど、さまざまな魅力がつまった街歩きマップがあるが、街歩きマップは「その地域に行きたい」と思わない限り人の目に触れず、地域外の人にはその土地の魅力が伝わらないと指摘。「本コンテストを通し、地域に眠る素敵なマップを『これから観光する人へ、知らない地域を知ってもらう情報源』として改めて発信することで、より多くの人がその地域を訪れるきっかけを作りたい」とする。

 今後は国内にとどまらず、「海外の方に魅力を伝えるマップに授与される賞や、最優秀賞に選ばれたマップの多言語化など、日本の地域の魅力を世界に広めることのできるような活動にも取り組み、観光立国の実現に寄与します」と意気込む。

開催概要

応募期間:4月1日(日)~4月30日(月)

応募方法:公式サイトより専用フォームより申し込み

応募条件:2つの条件を満たす日本国内の地域を舞台にした街歩きマップ。

(1)イラストまたは写真+文章で地域の魅力を表現していること
(2)マップの中に観光スポットが含まれていること

賞金:・最優秀賞(1作品)    :5万円
    ・優秀賞 (1作品)    :3万円
    ・インスタグラム賞(1作品):3万円

審査員:

中村 好明氏(社団法人JIF インバウンド連合会 理事長/日本インバウンド教育協会 理事/ ハリウッド大学院大学 客員教授/神戸山手大学 客員教授 日本ホスピタリティ推進協会 グローバル戦略委員長 全国免税店協会 副会長/みんなの外国語検定協会理事)

道越 万由子氏(SNSマーケティング・インバウンドマーケティングプロデューサー株式会社BEYOND代表取締役/社団法人JIF インバウンド連合会 理事 / 茨城県 公式PR広報アドバイザー)

大澤 眞志氏(株式会社トッパントラベルサービス 取締役 MICE事業部長)

主催:NPO法人学生ネットワークWAN

共催:日本インバウンド連合会(JIF)

協賛:全日本空輸株式会社、株会社東京ニュース通信社、株式会社トッパントラベルサービス、株式会社JTB総合研究所

後援(予定、申請中を含む):観光庁、一般社団法人日本中小企業情報化支援協議会、イノベーションズアイ 協力:ビジップ株式会社