Airbnb、千葉市と連携しイベント民泊実施へ 事前説明会や実務研修も

2019年9月30日(月) 配信 

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 Airbnb(エアビーアンドビー)と千葉県千葉市はこのほど、2019年12月と20年1月に同市で開かれるイベントにあわせ、「イベント民泊*」を活用したホームシェアを行うと発表した。イベント民泊の宿泊施設を提供する新たなホストを募集し、ホストの支援や情報発信などについて共同で取り組みを進める。

 今回は、千葉市で開かれる「2019高円宮杯フェンシングワールドカップ東京大会(仮称)」の開催期間を含む19年12月12日(木)〜16日(月)と、「東京オートサロン2020」の開催期間を含む20年1月9日(木)~13日(月・祝)で、それぞれ最大4泊5日のイベント民泊を行う。ホストの受け付けは、9月30日(月)から11月18日(月)まで。

 10月19日(土)には、ホームシェアの始め方や基本的なルールを紹介する事前説明会を行う。時間は午前10:00から正午までで、会場はハロー会議室千葉駅前。定員は60人。

 宿泊者の募集方法や、対応方法、トラブル防止手法などの実践的な内容の「ホームシェア実務研修」も開く。日にちは10月26日(土)、11月7日(木)、11月9日(土)。同研修を受けることが、応募条件の1つとなっている。詳細は下記から。

ホームシェアホストを募集します(2019高円宮杯フェンシングワールドカップ東京大...
https://www.city.chiba.jp/sogoseisaku/sogoseisaku/tokku/homeshare_201912_202001.html

※申し込みは下記から

シェアリングエコノミー推進事業 | ホームシェアホスト 希望者募集
https://www.pasona.co.jp/pr/sharechiba/
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に、千葉市に多くの来街者を迎えるおもてなしとして、民泊やガイドなどのシェアリングエコノミーを推進するプロジェクトが始動しました!

 千葉市は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に、同市に多くの来街者を迎えるおもてなしの1つとして、ホームシェアなどのシェアリングエコノミーを推進している。

 Airbnbと同市はすでに、「イベント民泊」第一弾として、19年9月の「レッドブル・エアレース千葉2019」と「東京ゲームショウ2019」でホームシェアを行っている。

 これまでAirbnbは世界中の地方都市が大規模イベントを誘致、主催する際に、ホームシェアリングというカタチでサポートしてきた。

 16年のリオデジャネイロオリンピック(ブラジル)で、Airbnbは代替宿泊施設公式サプライヤーとなった。3週間で8万人のゲストを迎え、リオデジャネイロ市内のホストは合計で30億円の収入を得たという。

 同社は「宿泊施設の数の不足や、イベント後の継続的な旅行者の誘致は、世界中の多くの都市が直面してきた課題でもある」と指摘し、イベント民泊時にこれまでのノウハウを生かした支援をする考え。

※…イベント民泊とは一定条件のもと、旅館業法の営業許可なく宿泊サービスができるもの。一定条件は①イベント開催時であり②宿泊施設の不足が見込まれ③開催地の自治体の要請などで自宅を提供するような公共性の高いもの――の3つ。

「名古屋―馬籠・妻籠」結ぶ直行バス 11月末まで限定運行

2019年9月30日(月)配信

妻籠宿(写真はイメージ)

 名鉄バスは東濃鉄道と共同で、「名古屋~馬籠・妻籠」間を結ぶ直行バスを、2019年11月30日(土)までの期間限定で毎日運行している。

 岐阜県中津川市に位置する「馬籠宿」と、長野県・南木曽町に位置する「妻籠宿」は、古い町並みが残る宿場町。それら名所を訪れる外国人旅行者が年々増加し、馬籠宿と妻籠宿を結ぶ旧中山道のハイキングも人気を集めている。中部・北陸地方の観光ルート「昇龍道」の主要観光地である名古屋と、馬籠宿・妻籠宿間に直行バスを運行することで、外国人旅行者の移動の利便性向上をはかる。

 また、4月1日から濃飛乗合自動車が実証運行している岐阜県の高山・下呂と馬籠宿・妻籠宿を結ぶ直行バスとの乗り継ぎも考慮し、昇龍道の主要観光地間の周遊がさらに促進されることが期待される。

概要

1.運行概要

 区間:名古屋~馬籠・妻籠

 期間:2019年10月1日(火)~11月30日(土)

 回数:1日1往復 ※運行ダイヤなど詳細は別紙参照

 運賃:大人片道 2,500円

2.運行事業者

 名鉄バス株式会社、東濃鉄道株式会社(共同運行)

名鉄バスホームページ:

GIGA RABBIT、大阪市のホテルからなんば駅に荷物を配送し預かるサービス開始

2019年9月30日(月) 配信

荷物預かり所(NLSC:Namba luggage storage center)

 当日配送サービスGIGA RABBIT(ギガラビット)を運営するインクロムプラス(金田仁二郎社長、大阪市浪速区)は10月15日(火)、大阪市内の本町・淀屋橋エリアなど、関西国際空港へ乗り換えが必要なホテルからなんば駅まで荷物を配送し預かるサービスを配送費込み1日500円で始める。

 旅行最終日の飛行機出発までの限られた時間で、買い物や観光をすることを可能にするために始める同サービス。チェックアウトの際に預けた荷物を南海なんば駅(南口)から徒歩1分の場所にある、荷物預かり所(NLSC:Namba luggage storage center)で受け取ることができる。

なんば駅荷物受取サービスの概要

1. 配送費込み1日500円で提供

 大阪市内のホテルからNLSCまでの配送料金を含めて、1日預かり料金500円で提供する。預かり料金500円は、なんば駅のスーツケースが入るコインロッカー利用料800円よりも300円安く、NLSCに直接預けた場合と同じ金額となる。ホテルからNLSCまでの配送費はGIGA RABBITが完全に負担する。

2. 午前11時に預けた荷物を午後1時にNLSCで受け取り

 午前11時までにホテルのフロントへ預けられた荷物をGIGA RABBITの配送車が回収し、午後1時からNLSCで受け取れる。NLSCの営業時間内(午前10:00~午後8:00)に荷物を受け取る必要があるが、南海なんば駅(南口)から徒歩1分の場所にあり、関西国際空港へのアクセスには抜群のロケーションだ。

3. USJエリア、本町・淀屋橋エリアのホテルとの契約

 サービスの導入はGIGA RABBITとホテルの契約が必要となる。募集するホテルの数は5施設程度を想定しており、1日70~100個のスーツケースを預かる目途が立った段階で募集を一旦終了する予定。

旅行アプリ「atta」 航空券検索サービスをAndroid版も始動

2019年9月30日(月)配信

アプリで宿泊施設のほか、航空券も検索できるになった

 ビッグデータとAIを使った旅行アプリ「atta(あった)」を運営するatta (春山佳久社長、東京都荒川区)は2019年9月30日(月)、同アプリのAndroid版を拡充し、全世界の航空券が探せる航空券検索サービスを始めた。既存の宿泊施設検索サービスに続き、お得な航空券も検索・比較できるようになった。なお、iOS版は25日(水)に拡充し、すでにサービスを始めている。

アプリで宿泊施設に続き、航空券も検索が可能に

 attaアプリは、2019年7月4日(木)に宿泊予約サービスを開始。世界218カ国・地域の138万軒を超えるホテルや旅館、民泊、別荘などの宿泊施設を、多数の宿泊予約サイトを横断的に一括で比較し、検索ができる。さらにAI機能を駆使することで、お得な宿泊予約を実現するアシストをしてきた。

 今回のサービス拡充により、既存の宿泊施設検索サービスに加え、全世界の航空券を取り扱うさまざまな旅行・航空会社サイトを横断的に一括で比較検索。さらにAIで航空券料金のトレンドを解析し、今後、航空券料金がより安くなる確率を提示する。提示航空券料金が下がったときに、ユーザーに対してリアルタイムにスマートフォンに情報を届ける、プライスアラート機能も搭載している。

attaアプリの特徴

全世界対応

 世界中218カ国・地域の138万軒を超えるホテルや旅館、民泊、別荘のほか、世界4,400の空港を離着陸する航空券の検索ができる

さまざまな旅行サイトを一括検索

 多数の旅行サイトが取り扱う宿泊施設や航空券を、横断的に一括で簡単に比較検索ができる

AIによる今後、宿泊料金や航空券料金がより安くなる確率提示

 AIを駆使し宿泊施設の需要共有状況や航空券の料金トレンドを解析。現時点の最安価格が、今後、より安くなる確率を提示する

プライスアラート機能

 提示宿泊料金や航空券料金が下がった際に、ユーザーのスマートフォンにお知らせメッセージをお届けする

空室アラート機能

 宿泊施設に空室が生じた際、ユーザーのスマートフォンにお知らせメッセージをお届けする

アプリ詳細紹介ページ

※ダウンロードは、各アプリストアで「atta」で検索

※対応言語は日本語、英語の2種類

水上観光交通インフラの構築へ 東京五輪”水辺に目を向ける”契機に

2019年9月30(月) 配信

(左から)岡野氏、崎山氏、阿部氏 取材はマーチエキュート神田万世橋のカフェで8月に行った

 国際観光施設協会(鈴木裕会長)はまちふねみらい塾と共同で、「東京の海事観光インフラづくり」の研究を進めている。両者が目指すのは、スーパーヨットの東京誘致に向けた可能性の検討や、羽田空港と都内を結ぶ水上交通システムの構築など。同協会の岡野正人事業委員長と、﨑山茂建築部会長、まちふねみらい塾の阿部彰専務理事に、「水上観光交通インフラ」構築の目的や、都内の水辺を観光資源として生かす可能性を聞いた。

 東京都内の河川は、江戸時代に大きな整備が行われ、今の姿が形作られた。残念ながら、江戸時代の遺構がほとんど残っておらず、現在ではその姿を見ることは難しい。
 このため、都内の河川を観光資源として考えた場合、1923年に発生した関東大震災以降の歴史に触れることがテーマになる。例えば、日本橋川に架かる25本の橋のうち、12本は震災の復興橋として架けられたもので、当時の姿を今も見ることができる。

 また、日本橋近くには、関東大震災後に建造された野村證券ビル(現・日本橋野村ビル)と江戸倉庫ビル(現・日本橋ダイヤビルディング)、東株ビルディング(現・日証館)も残っている。

  一方で、清澄白河から門前仲町に至る約6㌔の運河に、桜が水面に垂れ下がるように咲いている水路が約3・5㌔も続いていることは知られていない。
 阿部氏は「都内の水辺には、多くの観光資源が眠っている。これらを生かせるかは、洪水や高潮などからの安全を守りつつ、水辺を自由に活用する東京都のアイデアにかかっている」と語る。

都内には多くの観光資源が眠る(提供:まちふねみらい塾 阿部彰専務理事)

観光インフラとしてまちと水辺をつなぐ

 都内の水辺活用は、観光資源としての役割だけではなく、「交通インフラ」としての利用も、重要な課題だ。重要視しなければならないことは、「水路がまちをつなぐ」という視点に立ち、地域全体の観光資源をどう結びつけるかを考えること。岡野氏は、「水辺には、多くの人が集まる。パリ(フランス)やニューヨーク(アメリカ)など世界の水辺にある都市は、交通インフラなどとして上手に水を活用している」と指摘する。

 しかし、観光資源が集まる都心の内部河川は架かる橋の高さが低く、隅田川や海側で稼働する大きさの船では通行しづらい。さらに、既存の舟運事業者らが新規に水上観光事業に参加しようとする場合、船を係留する場所がなく、レジャー船のマリーナなどに高額な係留費用を支払うことになる。この負担が価格に転嫁され、観光客の負担にもなりうるという。「問題は旅行者が利用しやすい価格での観光商品を造成しにくいこと。事業船が内部河川の近くに停泊できる施設もインフラとして整備する必要がある」(阿部氏)。

スーパーヨットを日本に

 国際観光施設協会は阿部氏とともに、「東京の海事観光インフラづくり」の研究を進めている。今年7月には国土交通省海事局の水嶋智海事局長(現鉄道局長)に対し、同研究内容をもとにした提案書も提出し、意見交換を行った。

 なかでも、阿部氏らが注力するのが、外国人富裕層などが個人で所有する全長24㍍以上の大型クルーザー「スーパーヨット」を東京に誘致すること。同船を誘致することで、大きな経済効果が見込めると考えている。

 しかし同船を受け入れるには、日本では制度や受け入れ先の整備など課題は多い。

水辺活用を見直す契機は東京オリ・パラ

 同協会の﨑山氏はこれまでの研究を振り返り、「協会で実施した水上クルーズセミナーを通じて、川沿いの景観を生かしている建物が少ないということが分かった。港に付き物の倉庫などでもシドニー(オーストラリア)などでは非常にうまく見せている」と問題を提起する。  

 岡野氏は、「20年のオリンピック・パラリンピックは、臨海地区に選手村が造られ、競技場も多くが水辺にある。観客の移動などに、船が活用されれば、地上交通の負担も軽くなるのではないか」と説明する。

 阿部氏は岡野氏と同一の見解を示したうえで、「船の整備は、急病人や負傷者の緊急輸送にも備えるためにも有効で、それぞれの競技施設の付近に船着場を設置することは今からでも間に合う」と提言する。

 そのうえで3氏ともに、世界中から多くの人が訪れるオリ・パラ開催が、こうした課題を考えるきっかけとなり、水辺の活用に目を向ける契機になればと期待している。

アドベンチャーワールド、パンダの仮装で園内を ハッピーパンダシーズン特別企画 “パンダファミリーになろう!”開催

2019年9月30日(月) 配信

特別企画「パンダファミリニーになろう!」

 アドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)は12月3日(火)までの期間を「ハッピーパンダシーズン」とし、10月はパンダの仮装イベント“パンダファミリーになろう!”を行うと発表した。パンダファミリーになりきって楽しんでもらえるよう、パンダの仮装アイテムを身に着けた客を対象に、豪華賞品が当たる企画などを用意している。

パンダの仮装イベント「パンダファミリーになろう!」概要

開催期間:2019年10月1日(火)~10月31日(木)※休園日:2日(水)、9日(水)、16日(水)、23日(水)、30日(水)

開催場所:パーク内

参加料金:無料 ※入園料金は別途必要

<仮装特典>

1.巨大ガラポンで豪華賞品ゲットのチャンス ※1人当たり1日1回まで

 午後1時00分~午後4時00分の間に、パーク内スマイルスタディスクエアで、パンダの仮装で撮影した写真を提示すると、豪華賞品が当たる巨大ガラポンに挑戦することができる。

 1等:パンダラブツアーご招待/2等:アドベンチャーワールドペア入園券/3等:オリジナルパンダグッズなど。

2.「私の名前は〇浜です」パンダ名札シールのプレゼント

 アドベンチャーワールドで誕生したジャイアントパンダは「良浜・桜浜・桃浜・結浜・彩浜」などすべての名前に「浜」が入っている。

 このため、客自身もパンダファミリーの一員として楽しんでもらえるよう、名前一文字を記入できる「〇浜名札」をプレゼントする。

「〇浜名札」イメージ

~パンダの仮装イベントの条件~

 パンダの帽子やカチューシャを身に着けている人、パンダの服(上半身)もしくは全身パンダの仮装をしている人。

【OK例】

※パンダの仮装イベントを楽しんでもらうために

1.過度なメイク、 危険なアイテムはNG

 顔が全て隠れてしまうメイクや被り物はNG。他の客(とくに子供)に恐怖感を与えるようなメイク(血や傷跡を描く、血のりや傷跡などのシール)は使用を避けるよう訴えている

2.露出が多すぎる服装はNG

 全身タイツや目のやり場に困ってしまう格好など

3.遊園地エリア アトラクション利用時の注意点

 安全のため、 仮装アイテムを外してもらう場合がある

アリストンホテル大分(仮称)、JR大分駅前近くに再OPEN 2021年春ごろ目途

2019年9月30日(月) 配信

イメージ

 アリストンホテルズアンドアソシエーツは2021年春ごろに、 今年3月に営業を終了した旧アリストンホテル大分(大分市都町2-1-7)の場所を駅前に移し、再オープンすると発表した。

 新たなアリストンホテル大分(仮称)は、アリストンホテルズグループ5棟目(九州では3棟目)となる。JR大分駅府内中央口徒歩3分で、長距離バス乗り場にも近く、観光・ビジネスの拠点として好立地となっている。新たなホテルの住所は大分市金池町2-6-4。

 同社は「運営していたアリストンホテル大分で培ったホテルの運営実績・経営ノウハウを生かし、 より一層利用者のニーズを汲み取ったホテルとして改めて開業する予定です」と意気込みを語った。

 既存ホテルは、アリストンホテル宮崎アリストンイン苅田北九州空港アリストンホテル神戸アリストンホテル京都十条(2018年5月10日開業) となっている。

東京湾屋形船でナイトクルーズ・エンタテインメント インバウンド向けに10月から

2019年9月30日(月)配信

東京湾屋形船(イメージ)

 訪日外国人旅行者向け「東京”屋形船”ナイトクルーズ・エンタテインメント」が、品川区の地域活性化助成制度を利用して、2019年10月8日(火)から2020年3月31日(火)までの期間、計24回運航される。

 事業主体は天王洲・キャナルサイド活性化協会(東京都品川区、理事長 三宅康之)。同協会が品川エリアの屋形船事業者10社と連携し、品川区の助成や旧東海道品川宿周辺まちづくり協議会の協力を得ながら行う訪日外国人マーケットに向けた産官連携事業だ。総合エンターテインメント事業を展開するアミューズが、企画・演出・コーディネートに全面的に協力する。

 屋形船はこれまで花見の時期、夏の納涼船、忘年会などの団体貸切での運航が中心で、訪日外国人旅行者はもちろん、日本人でも個人客が乗船できる機会が限られていた。

 そこでアミューズが「政府が2020年の目標に掲げる、 訪日外国人旅行者一人あたりの消費額20万円の達成(2018年度は15万4千円)のためには、欧米と比べて消費額が少ない日本での娯楽サービス費の支出を伸ばしてもらうことが肝要。とくにインバウンド対応が進んでいないエンターテインメントの多言語対応やビジネスモデルの転換が必要」として、「世界トップレベルの魅力を持つディナークルーズでありながら、外国人に開放されていない屋形船のインバウンド対応を」と、天王洲・キャナルサイド活性化協会に提案した。利用者130万人超の訪日外国人旅行者向けアクティビティ予約サイト「ボヤジン」の協力を得ながら進めてきた。

 事業を主催する天王洲・キャナルサイド活性化協会の三宅康之理事長は「当協会は品川・天王洲エリアの水辺の魅力とアートをコラボすることで魅力ある水辺空間を実現しようと活動してきた。今回、アミューズのプロデュース協力を得た運航企画で、急増している訪日外国人の皆さんや、屋形船未体験の国内旅行者、若者層の日本文化の再発見の機会にもしたい。またこれをきっかけとして、今後は助成なしでも継続できる体制を作り、大都会の真ん中に世界一の魚市場を抱える東京湾の魅力や、日本の健康的な魚食文化、長寿都市TOKYO!を海外に発信していきたい」と話している。

東京”屋形船”ナイトクルーズ・エンタテインメント

船内での食事(イメージ)

運航期間:2019年10月8日(火)―2020年3月31日(火)(毎週火曜日運航・年末年始、 祝日を除く・全24回)
運航時間:毎回午後7:00出港―同9:30帰港予定
乗船場所:天王洲 T-LOTUS桟橋(東京都品川区東品川2丁目地先 品川区天王洲アイル第三水辺広場隣接)
アクセス:東京モノレール天王洲アイル駅中央口、りんかい線天王洲アイル駅B出口から徒歩約5分
     JR品川駅港南口から徒歩約15分 
     ※乗船場所には駐車場・駐輪場がないので周辺の駐車場等を利用。
乗船定員:30人(申し込み先着順)※使用する屋形船により変動する場合がある。
参加費用:1人13,000円~(日本食フルコース、 アルコール含む飲み放題、 消費税を含む)
     ※船内実施プログラムの内容により異なる場合があります。
主催  :一般社団法人 天王洲・キャナルサイド活性化協会 
共催  :三河屋/平井/船清/大江戸/むつみ丸/中金/丸裕/丸長/幸吉丸/縄定
後援  :品川区  
企画協力:アミューズ  
制作協力:Voyagin/ケーブルテレビ品川 
協力  :旧東海道品川宿周辺まちづくり協議会/寺田倉庫
申し込み:下のサイトから(受付締切:各運航当日の午後4時)

□企画内容

 古くから営まれている日本の観光施設では、ビジネスモデルの転換の遅れや英語への苦手意識から訪日外国人旅行者向けの対応が進んでいなかったケースも少なくない。本事業では屋形船の船内表示などを多言語にて表記し安全対策を推進するとともに、英語版の航行案内ビデオの放映や英語対応ができるスタッフの同乗による料理解説など、訪日外国人旅行者向けのホスピタリティの向上に取り組む。

1:東京の水辺を巡る「知るエンターテインメント」

 江戸の歴史に触れられる名所「品川浦 舟だまり」の屋形船に乗り、天王洲、レインボーブリッジ、お台場、隅田川、東京スカイツリーなどの東京の代表的な景観を東京湾から眺めるナイトクルーズだ。英語対応ができるスタッフ、船内英語ビデオによるルート解説も行う。

2:鏡割りなど日本食文化体験「食べるエンターテインメント」

 江戸情緒たっぷりの屋形船の船内では、日本で古くから行われている開運のための「鏡割り」を体験し、揚げたての天ぷらなど懐石フルコースを楽しむとともに、英語による食材や食べ方など日本食文化の説明を行う。

3:プロカメラマンによる記念撮影「記録・拡散するエンターテインメント」

 プロカメラマンが乗船客のスマートフォンやカメラでの撮影代行も行う。プロが撮影した屋形船でのひとときを、自由にSNSに投稿してもらうことで、日本文化の魅力を世界に拡散することを促進する。

「女将のこえ226」菊池 成湖(まさこ)さん 、名月荘(山形県かみのやま温泉 )

2019年9月29日(日) 配信

名月荘の菊池成湖さん

日々是好日を願って

 「蔵王連峰から上る名月を見せて差し上げたい」と、1996年にこの高台に移転した。4千坪の敷地に趣の異なる客室が20室。室礼に遊び心があり、どこにカメラを向けても絵になる。大人の常連客のみならず、家族連れにも好まれている。

 成湖さんの前職はディスクジョッキー(DJ)。学生時代は大好きなスノーボードを存分にするためゲレンデでDJのアルバイトをし、銀行、スノーボード店勤務後、地元のラジオ局に入社。後にフリーランスになった。

 名月荘との縁は、実父と同館の税理士が友人だったことから生まれた。「手伝わなくていいよと言われましたが――。旅館あるあるですよね(笑)」。

 新たな世界で、「名月荘に合う私の仕事を見つけよう」と考えた成湖さん。それは結婚式だった。結婚式の司会者でもあった成湖さんならではの発案だ。「これから50年も60年も共に暮らす方々のスタートをお祝いできる光栄な仕事です。スタッフも育ち、私がいなくても大丈夫。頼りになる社員プランナーもいます」。

 やりがいのある仕事を見つけた一方、前職との大きな違いも感じた。「ラジオや司会の仕事は終了時間がはっきり決まっていて、その後は自由でした。でも、旅館は長く働くことがいいという風潮があるな、と」。

 昨年、成湖さんは乳がんの手術をした。「実は、病気が分かってちょっとほっとしたんです。あまりに過密スケジュールだったので、『これで少し休める』と思う自分がいました」。患者の間では、がんになったことで、改めて日々の幸せや求めていたライフスタイルに気づくことなどをキャンサーギフトと表現すると聞いた。

 3年前に社長を継いだ夫の友伸さんと成湖さんは以前から、命令型組織ではなく「自分たちがいなくても回る会社」、つまり主体的な個々が生き生き働く組織を目指してきたが、病気によって、仕事と休み、心と体のバランスのよい職場づくりへの思いはより増したのではなかろうか。

 「いいスタッフばかりでありがたいです。リーダー不在でも意思疎通できるラインワークスの活用、リーダーとスタッフの交換日記、ロールプレイング、採用活動はスタッフと同行し、経営発表会は部門を横断して話し合うなどしています」。

 平穏な心を愛する成湖さん。名月荘にはそれが似合う気がする。一人娘のためにも過酷な仕事は残したくない。「使命感ではなく肩の力を抜いて楽しめたらいいな」。

 好きな言葉は「日々是好日」だ。

 (ジャーナリスト 瀬戸川 礼子)

▽住所:山形県上山市葉山5-50▽電話:023-672-0330▽客室数:20室(全90人収容)、1人利用お蔵のみ可▽創業:1956(昭和31)年▽料金:1泊2食付き34,170円~(税込)▽泉質:ナトリウム・カルシウム塩化物硫黄泉▽客室は離れタイプ。ゲストの趣味嗜好を極力把握し、居心地の良さを大切に。離れの談話室はヨーロッパの邸宅に来たような内装。

コラムニスト紹介

ジャーナリスト 瀬戸川 礼子 氏
ジャーナリスト・中小企業診断士。多様な業種の取材を通じ、「幸せのコツ」は同じと確信。働きがい、リーダーシップ、感動経営を軸に取材、講演、コンサルを行なう。著書『女将さんのこころ』、『いい会社のよきリーダーが大切にしている7つのこと」等。

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(176)」市民協働による新たな観光ビジョンづくり(新潟県上越市)

2019年9月28日(土) 配信

「高田まちかど交流館(旧第四銀行高田支店)」

 ポスト2020年を意識してか、各地で観光基本計画やビジョンの策定・見直しが進められているが、これら計画づくりには、いくつかの特色がみられるように思われる。訪日外国人客(インバウンド)の誘致とその仕組みづくりは共通だが、計画(事業)の推進母体の強化と再編、これらの計画を担う民間プレイヤーの発掘・育成、計画づくりへの市民参加といった点が大きな特色であろう。

 そんな事例の1つ、新潟県上越市では、今年度終了する「第5次観光振興計画」を踏まえ、新たな観光ビジョンづくりに着手した。

 上越市といえば、城下町高田、大河ドラマにもなった上杉謙信の居城春日山城、新水族博物館「うみがたり」を中心とした日本海エリアなどが有名である。既存計画では、これらゾーンを意識しながら地域資源のさらなる魅力向上や受入、人材育成、組織強化、観光情報・プロモーションなどの「持続的・基礎的取組み」、MICEやインバウンドなど「新たな交流機会の創出」、集客エリアの「周遊形成の取組み」という3つの施策を核とした施策の体系を描いていた。

 しかし、今回のビジョンづくりは、これまでの計画づくりとはひと味異なる視点と手法が導入されている。

町家を再生した「高田小町」が会場に

 その1つが「観光」概念の捉え直しである。典型的な観光地とはいえない上越にとって、「観光」とは何か。観光には、経済的効果と社会的効果があるが、今期のビジョンでは、来訪者と住民の交流を通じて、地域住民が地元への誇りと愛着を持つことや移住・定住の増加など、社会的効果が強く意識されている。コミュニティーに支持される観光地域づくりでなければ、結果的に「持続性」に乏しい。だから新たなビジョンづくりでは、「何のために観光に取り組むのか」「地域が目指す観光地域はどのようなものか」を、繰り返し問い続けている。

 2つ目は、ビジョンとこれらを実現するための担い手(プレイヤー)の拡充と役割の明確化である。どのような計画を描き、組織をつくっても、これらを担う人材が乏しければ絵に描いた餅になってしまう。今回は、ビジョン策定委員会と並行して、多くの市民と事業者らを巻き込んだワークショップや、「出前意見交換会」を積み重ねるという手法が導入されている。

 3つ目は、ビジョンそのものを簡潔に〝伝わる〟内容・構成にするという視点である。もちろん対象は市民や事業者である。どんなに精緻な計画を作ってもプレイヤーたる市民らに理解され支持されなければ、地域ぐるみの計画にはならない。

 誠に当たり前のことばかりではあるが、こうした市民協働による観光ビジョンづくりがようやく始まった。従来の計画づくりからすれば、一見、まわりくどい手法であるが、これからのビジョンづくりの王道ではないかと思う。

(東洋大学大学院国際観光学部 客員教授 丁野 朗)