ジャルパック、令和最初の「初日の出 初富士フライト」発売

2019年11月18日(月)配信

上空から初日の出を鑑賞できる(写真はイメージ)

 ジャルパック(江利川宗光社長)は2019年11月19日(火)から、「2020初日の出 初富士フライト」の発売を始める。新年を祝う同企画は、2020年で12回目の開催となる。

 今回も羽田発着便・成田発着便の各1本を設定した。羽田発着便は、国内線ボーイング767-300ERの機材で運航予定。成田発着便は、成田国際空港との共同企画により、国際線のボーイング787-8「JAL SKY SUITE 787」の機材で運航する。

 なお、羽田発着便ファーストクラスは、JALカード会員の限定販売となる。

2020初日の出 初富士フライト

出発日:2020年1月1日(水・祝)

詳細は、ホームページにて確認をお願いする。

羽田空港発着便 商品のポイント

・2020初日の出フライト 搭乗証明書付き

・おせち風弁当・お茶付き

・「升酒」のお土産付き

・ファーストクラスはシャンパンミニボトル付き

・紅白まんじゅう付き

・機材は国内線ボーイング767-300ER「JAL SKY NEXT」(ファーストクラス、クラスJ、普通席の3クラス)

 革張りで快適な座り心地が好評のシートから初日の出を楽しめる。

 ※ファーストクラスは、JALカード会員の限定販売となる

飛行経路(計画)

旅行代金(大人・子供同額)

※ファーストクラスは、JALカード会員の限定販売となる

成田空港発着便 商品のポイント

・2020初日の出フライト 搭乗証明書付き

・おせち風弁当・お茶付き

・「升酒」のお土産付き

・ビジネスクラスはシャンパンミニボトル付き

・紅白まんじゅう付き

・機材は国際線のボーイング787-8「JAL SKY SUITE 787」(ビジネスクラス、エコノミークラスの2クラス)

飛行経路(計画)

旅行代金(大人・子供同額)

その他注意事項はホームページで確認をお願いする。

問い合わせ・申し込み

ジャルパック「初日の出」お客専用ダイヤル:050-3155-3308

営業時間:午前9:00~午後6:00

(11月19、20日のみ午前10:30~午後6:00)

日の丸、新型バス初公開 国内外のバス17台集結し試乗会も 「第5回 バステクin首都圏」

2019年11月18日(月) 配信

日の丸自動車興業の新型ハーフルーフタイプの2階建てオープントップバス

 バス専門誌のぽると出版が主催する「第5回 バステクin首都圏」が11月18日、東京・葛飾区で開かれた。国内外から全17台のバスが集結。日の丸自動車興業が初公開となる新型バスを展示したほか、各社は試乗会や運転体験会を行った。さまざまな「バス体験」をしようと、バスマニアやバス事業者らが詰めかけた。

 バステクは、バス会社の経営者やドライバー、読者などに向け、新型バスや最新機器など集めた体験型イベントとなる。首都圏では5回目。関西での開催を含め今回で15回目を迎えた。当日は30社以上がバス関連の機器・システムのブースを出展、バスの屋外展示などをした。

会場のようす。会場は東京・葛飾の京成ドライビングスクール

 日の丸の新型バスは、ハーフルーフの2階建てオープントップバス(UNVI社製:スペイン)となる。ハーフルーフタイプは、2階席の半分(20席)が屋根付きの室内構造となっている。同構造は日本初導入。

 室内は冷暖房完備で、季節ごとの猛暑や寒さ、悪天候などに左右されずに乗車を楽しめることが強みだ。

車体前方の2階部分がハーフルーフ。室内構造で冷暖房を完備している

 全長は11㍍と従来の都市観光用のバスと比べ約1㍍短い。都市部の狭い道路などの運行を念頭に置き、小回りが効くようにした。

 今回が初のお披露目となった。会場に来ていた20代の男性(東京在住)は「(同バスは)規制などがあり国産では難しい車両。ただ2階から見る日本の景色は、外国から来た人たちも楽しませるはずだ。これからもっと普及するように期待したい」と思いを語った。

 イベントについては「初めて参加した。最新技術などに触れることができて楽しめた」と笑顔で話した。

試乗会には長蛇列も

 同バスは乗り降り自由な周遊型観光バス「スカイホップバス」として、11月末に運行開始する見込み。ハーフルーフとフループンの両タイプの計2台を導入する。

 ハーフルーフは実際に客がどの席に座るかなど分析し、今後の車両への導入の検証を行う。

 一方、客からは「1階でもいいから乗せてほしい」との声もあり、同バス導入後は1階での乗車もできるようにするという。

 同社は都市観光バスに力を入れる。2019年からの5カ年計画として、年4台(ハーフルーフとフルオープンを各2台)で計20台を導入する考え。

 「(スカイホップバスなどは)新しいコンテンツとして認知され始めているが、今後もさらに充実させていきたい」と同社の担当者は意気込む。

中国・アルファバス製の大型路線電気バス

 もう1台、日本初公開の新型バスがあった。中国・アルファバス製の大型路線電気バスだ。

 日本のバリアフリー法にも対応し、満充電で200キロ以上は走るという。今後、日本法人を設立し、日本市場に本格的に参入する見通しだ。

 試乗した人に話を聞くと「今日だけで何度も乗った。とても静かで驚いた」と性能に舌を巻いていた。

 なお、同イベントは2010年、バス専門誌「バスラマ」創刊20周年の記念事業の一環として始めた。

 今回は首都圏では初めての試みとして、関東運輸局による安全運転に関するワークショップセミナーも行った。

 主催したぽると出版の担当者は「バス事業者の方が多いが、バスマニアの方もいらっしゃる。試乗会やいろいろな展示なども楽しんでほしい」と述べた。

鳥取県、麒麟獅子舞などアピール 日本遺産呼び水に誘客を

2019年11月18日(月) 配信

面長で角をもつ麒麟の獅子頭

 鳥取県は11月18日(月)、東京都内でメディアを対象に県内の日本遺産をアピールした。県内には4件の日本遺産がある。5月に登録されたばかりの「麒麟獅子舞」を呼び水に、観光客の増加を狙う。

 麒麟獅子舞は、1650年に鳥取東照宮で行われた祭礼「権現祭」が起源とされている。頭を中国の霊獣「麒麟」に変えた獅子舞と誘導を行う猩猩(しじょう)が一緒に躍る。獅子舞の姿を見た人に幸せを呼び、大人は1年間無病息災で過ごせ、子供は元気で賢くなるとして、鳥取県と兵庫県の各地に広がっていったという。

 現在、県内の128カ所で土日や休日を中心に、年1回以上麒麟獅子舞を披露している。朝、太鼓の音を合図に各地域の神社や家などを1軒ずつ訪れ、舞っている。

 中原斉地域づくり推進部文化財局局長は「今年度中には、重要無形文化財に登録されるようにしたい」とさらなる展開に意気込みを述べた。

中原局長

 このほか、三朝温泉や三仏寺奥院で構成する「六根清浄と六感治癒の地~日本一危ない国宝鑑賞と世界屈指のラドン泉~」と大山道や大神山神社奥宮など大山信仰にまつわる「地蔵信仰が育んだ日本最大の大山牛馬市」、「荒波を乗り越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」の、県内4カ所すべての日本遺産を紹介した。

キービジュアル、スタンプラリー概要など発表 来年1月から箱根エリアで大規模エヴァイベント開催

2019年1月18日(月) 配信

イベント限定のキービジュアル ©カラー

 小田急グループは2020年1月10日(金)~6月30日(火)まで、人気アニメ「エヴァンゲリオン」とのコラボレーションイベント「エヴァンゲリオン×箱根 2020 MEET EVANGELION IN HAKONE」をアニメの舞台となった神奈川県・箱根エリアで行う。

 「箱根ウォーキング」をコンセプトにした「エヴァンゲリオン」に登場する人気キャラクターたちを描いたキービジュアルが、ラッピングバスやイベント限定グッズ、スタンプラリー賞品などにデザインされる。

ネルフ本部をイメージしたラッピングシャトルバスを先行運行(小田急箱根高速バス)

シャトルバスのラッピングイメージ
©カラー

 小田急箱根高速バスは12月1日(日)から、「御殿場~箱根」エリア(区間:東名御殿場~御殿場駅 箱根・乙女口~箱根桃源台~箱根園~小田急山のホテル)のシャトルバスの先行運行を開始する。同区間の運行は、初めて。バスには、劇中に登場するネルフ本部をイメージしたデザインのラッピングが施される。

また、イベント開催日の2020年1月10日(金)からは、新宿~御殿場・箱根の高速バスにもラッピングを施し運行する。デザインは決定次第、発表される。

エヴァ5機をイメージしたラッピングバスを運行(箱根登山バス)

箱根登山バス ラッピングデザインイメージ
©カラー

 箱根登山バスはイベント開始日から、エヴァ5機の各カラーをイメージしたラッピングバスを5台限定で運行する。運行開始に合わせ、バスロケーションシステムでラッピングバス5台のリアルタイムの情報も確認できるようにする。

桃源台駅の副駅名、「第3新東京市駅」に

桃源台駅構内イメージ
©カラー

 箱根ロープウェイと箱根海賊船、箱根登山バス、小田急箱根高速バスの交通結節点である桃源台駅は副駅名を「第3新東京市駅」とし、ネルフ本部風のデザインでラッピングされる。併せて、高さ約2㍍のエヴァンゲリオン「初号機」大型フィギュアが展示される。

スタンプラリースタンプラリー概要

実施期間:2020年1月10日(金)~6月30日(火)

※1期(2020年1月10日〈金〉~3月31日〈火〉)と2期(2020年4月1日〈水〉~6月30日〈火〉)で、景品のデザインが変わる予定。

参加対象:

箱根フリーパス、箱根鎌倉パス、富士箱根パス、海賊船・ロープウェイ1日きっぷ購入者

※箱根鎌倉パス、富士箱根パスは訪日外国人旅行者専用の割引周遊券。

台紙配布場所:

小田急線各駅、箱根登山鉄道 箱根湯本駅、箱根登山バス案内所、箱根観光船乗り場、箱根登山ハイヤー 御殿場営業所(御殿場駅箱根乙女口前)、東海バスオレンジシャトル 三島駅前案内所、三島駅南口観光案内所、一部旅行代理店

スタンプ設置箇所:

風祭(鈴廣かまぼこ)、箱根湯本駅、箱根湯本えゔぁ屋、箱根小涌園ユネッサン、箱根強羅公園、早雲山駅、大涌谷駅、箱根町港、元箱根港、箱根海賊船内、桃源台駅、仙石高原(ローソン箱根仙石高原)、御殿場プレミアム・アウトレット、三島スカイウォーク(14カ所)

※スタンプ設置箇所については今後変更の可能性がある。

賞品引換場所:箱根海賊船内以外のスタンプ設置場所、小田急線 小田原駅

実施内容:

 台紙配布場所で対象チケットを提示することで、チケット1枚につきスタンプラリー台紙「箱根補完マップ」1部を配布。

 箱根エリアに設置されたスタンプのうち、5つ以上集めるとオリジナルステッカー、すべて達成するとオリジナルクリアファイルがもらえる。

「お試し用スタンプ台紙」配布:

箱根湯本駅、箱根湯本えゔぁ屋、桃源台駅で、「お試し用スタンプ台紙」を無料配布。

※箱根フリーパス、箱根鎌倉パス、富士箱根パス、海賊船・ロープウェイ1日きっぷ購入者に渡すスタンプラリー台紙「箱根補完マップ」とは異なる。賞品の引き換えは、スタンプラリー台紙「箱根補完マップ」のみ。「お試し用スタンプ台紙」は、数に限りがある。

「箱根小涌園ユネッサン」との共同開催イベント 概要

 全天候型温泉アミューズメントパーク「箱根小涌園ユネッサン」はイベント期間中、館内ラッピングをはじめ、3月31日(火)まで「セカンドインパクトの湯」、同年4月1日(水)から6月30日(火)まで「ユネッサン L.C.Lの湯」といった劇中に登場する場面をモチーフとしたユニークな温泉が登場する。

KNTーCT、営業利益120%増に GW特需と前期の反動で大幅増

2019年11月18日(月) 配信

KNT-CTの経理部担当の中村哲夫常務

 KNT-CT(米田昭正社長)は11月12日(火)、2020年3月期の第2四半期(19年4月1日―9月30日)の決算を発表した。営業利益は、前年同期比120.9%増の33億7300万円と、当初の見込みから10億円の増益となった。

 大幅な増益の要因として、経理部担当の中村哲夫常務は同日の会見で、「ゴールデンウイーク特需のほか、クラブツーリズムにおいてテーマ型商品への移行とWebへのシフトで利益率が改善した」と説明した。

 売上高は同3.6%増の2150億6900万円、経常利益は同98.4%増の33億9500万円、当期純利益は同24.4%増の20億5500万円。

 GWの個人旅行商品が海外、国内ともに好調だったほか、前期の自然災害による減収・減益による反動もみられた。

 CTは取扱高のうちWebのシェアが33%(前年同期比2%増)まで上昇。Webへの移行が順調に進んでいる。あわせて、同社が発行する総合旅行情報誌「旅の友」の印刷部数減少により、経費削減につながった。

 国内旅行においては、東京2020オリンピック公式観戦ツアーの販売を開始。人気のオンラインゲームとのコラボツアー催行など、新たな需要の掘り起こしも行った。

 海外旅行はシニア女性を対象とした大人の「プチ留学」ツアーなど、独自性・テーマ性に富んだツアーを実施した。

 教育旅行は、旅マエから旅アトまでを包括的にサポートするシステム「旅ともプラス」を9月から稼働。他社との差別化につながっている。

 一方で懸念要因もある。終息の兆しが見えない香港情勢に伴い、香港の予約状況は韓国よりも深刻さを増している。前年の2割程度まで落ち込み、「なかなかツアーが出ない状況」(中村常務)が続いている。

 10月に東日本エリアに甚大な被害をもたらした台風19号による取消額は、「売上高で30億円、利益では7億円ほどの見込み」(同)と述べた。

 なお、20年3月期の通期連結業績予想は、売上高は前期比2.6%増の4225億円、営業利益は同38.2%増の35億円、経常利益は同27.0%増の36億円、当期純利益は56.4%増の20億円に設定している。

シートが乗客の睡眠感知 起床時のみ機内食の提供可能に パラマウントベッドとジャムコ

2019年11月18日(月) 配信

展示した試作品の全景(イメージ)

 医療施設や高齢者施設などに向けのメーカー「パラマウントベッド」(東京都江東区)」と航空機内装品を製造する「ジャムコ」(東京都立川市)はこのほど、IoTやITの展示会「CEATEC 2019」に出展した。客室乗務員が睡眠状況を把握できる座席の試作品を展示した。現在は開発段階で、2020年3月の販売を目指している。

 同試作品はパラマウントベッドが開発した心拍数と呼吸、体動を測定できる「Active Sleep ANALYZER(アクティブスリープ アナライザー)」を備え付けている。客室乗務員はバックヤードから、乗客の状態を知ることができる。実用化後は、機内食などを適切なタイミングで提供が可能になる。

 乗客は自身の呼吸と心拍数をシートに備え付けのモニターで見ることができる。シートは取得したデータから睡眠の深さなどを算出し、スコアとして表示する機能も備える。

呼吸や心拍数は個人のモニターでも表示する

 導入先は10月15日(月)時点で、未定となっている。今後、世界のすべての航空会社に提案。ファーストクラスと個室タイプのビジネスクラスでの導入を想定している。

 今後は起床と睡眠を検知し、リクライニングを自動調整する機能の導入をはかる。10月15日に開いた発表会でジャムコの大栗強課長は「疲れない移動の提供が目標」と力を込めた。

大栗課長

一休、キャッシュレス消費者還元事業に登録 最大5%還元に

2019年11月18日(月)配信

一休.comでのキャッシュレス決済をまとめたページ公開中(写真はトップページ)

 高級ホテル・旅館の予約サイト「一休.com」などを運営する一休(榊淳社長)は2019年11月15日(金)、キャッシュレス消費者還元事業の準B型決済事業者(キャッシュレス加盟店管理事業者)としての登録が完了し案内を始めたと発表した。

 「一休.com」に掲載されているホテル・旅館のうち、アイコンが表示されている宿への宿泊予約において、オンラインカード決済で支払うと決済額の5%または2%がポイント還元される。2020年6月30日(火)までの間に完了した決済が対象。ポイント還元は、使用されたカードの発行会社により行われる。還元の内容やその他の条件については、カード発行会社に確認をお願いする。

 その他詳細について、「一休.com」サイト上でキャッシュレス決済に関する情報や注意事項をまとめたページを公開している。

キャッシュレス決済で最大5%還元【一休.com】
https://www.ikyu.com/guidance/cashlessFAQ.aspx
キャッシュレス決済で最大5%還元

KNT-CT、2020年版のオリジナルカレンダー「近畿日本ツーリスト 世界遺産カレンダー」予約受付中

2019年11月18日(月) 配信

2020年版「近畿日本ツーリスト 世界遺産カレンダー」

 KNT-CT(米田昭正社長)はこのほど、2020年版のオリジナルカレンダー「近畿日本ツーリスト 世界遺産カレンダー」の予約を、近畿日本ツーリスト公式ホームページで始めた。

 四季折々に合わせた文化遺産や自然遺産のフォトショットが大判サイズで掲載され、迫力ある景観を楽しめる。価格は1本2千円(税別)。

 世界遺産は月ごとに変わり、説明や場所の地図なども入っている。カレンダーは数字が大きく見やすく、予定などを記入できるスペースもある。前後1カ月のカレンダーも掲載されているほか、六輝の「大安」と「友引」も記されている。

 同社の「世界遺産カレンダー」は1996年に制作を開始し、20年版で25作目となる。当初、販売はなく、取引先などに配布していたところ、「世界遺産を迫力ある大判サイズで楽しめる」「記入ができて月の予定が把握しやすい」などの声が寄せられるようになった。

 また、複数のカレンダーコンテストで高評価を受けたり、お客からの購入希望が増えたことから、販売を開始した。

購入概要

申込先:近畿日本ツーリスト公式ホームページ内・申込サイト

※詳細も上記サイトから確認できる。

受付締切日:2020年1月31日(金)※期間中でも販売を終了することがある。

版サイズ:760㍉×520㍉ B2版カラー13枚つづり

販売価格:1本2千円(税別)

送料:500円(税込)※全国一律。入金が確認でき次第、11月中旬から発送

支払方法 : 銀行振込(振込手数料は各自負担)

「提言!これからの日本観光」 “語る(元)連絡船”

2019年11月17日(日) 配信

摩周丸

 北海道と本州の間には1988年の青函トンネル開通まで、明治時代から100年近い歴史をもつ「青函連絡船」が就航していた。同航路は明治41年から、当時の国鉄が経営。87年、JR発足とともにJR北海道に移管されて翌年に終航した。最盛期(昭和40年代)には、1日最大で3万人が乗船したほか、1日30往復の客貨船が就航し、青森―函館(北海道)間を最速3時間50分で結んだ。

 主力船の津軽丸Ⅱ型は、8千総㌧の豪華客貨船で1200人の乗客と48両の貨車を同時に運び、世界最大級の鉄道フェリーであった。同航路では1954年、台風の影響で洞爺丸など5隻が沈没。千数百人の犠牲者を出す大災害に見舞われた。その後は徹底的な安全対策を施し、世界一安全なフェリーとも言われ、終航まで安全運航を続けた。 

 現在、終航日に運航にした摩周丸Ⅱと八甲田丸の2隻が函館港と青森港で保存されている。このうち、函館港で保存されている摩周丸は函館市が所有し、NPO法人語りつぐ青函連絡船の会(白井朝子事務局長)が運営する「産業博物館」となり館内を公開している。

 船内には往時を語る複数の資料を展示。終戦当時の姿を残す船橋や機関室、船員居住区なども保存され、壁のボードには終航日の運航計画実績などが残っている。旧船室では一部の座席などが往時のまま保存・公開し、座って航海気分を味わうこともできる。

 船橋では、イベントで出航時の作業を再現、公開することもある。通路が狭いため限られた人数しか見学できないが、通路を整備し、船内ツアーができれば、今に残る広大な車両甲板など見どころ満載の生きた「産業博物館」となることが期待される。

 摩周丸は現在、国内随一の船の「産業博物館」として、夜間はライトアップされ、日本三大夜景のひとつ、“函館市の夜景”の重要なポイントともなっている。函館市を代表する(産業)観光資源としての存在感も大きい。

 今春から摩周丸が繋留されている若松ふ頭にクルーズ船桟橋を増設し、クルーズ船と摩周丸が隣接して繋留されるようになった。摩周丸はクルーズ船入港時、マストに国際信号旗UW2(ようこそ)を掲げ歓迎を始めた(昼間のみ)。クルーズ船の出港時はUW(安航を祈る)の信号旗を掲げ、長い汽笛で見送ると、クルーズ船からUWI旗(ご協力に感謝)と汽笛の答礼を返されることもある。

 また、汽笛で交歓する船もあるなど、クルーズ船と摩周丸の対話が「旗」と「汽笛」で実現するようになってきた。クルーズ船と地元代表・摩周丸の船同士の温かい対話は街の話題となっている。

 観光は住民と観光客の間によきコミュニケーションが成り立って、はじめて真の効果を発揮すると考えられるが、この「旗」と「汽笛」の交歓による観光船同士の対話の成立こそ、それを象徴するものといえよう。「産業観光資源」として今後の摩周丸の“観光立国”への新しい役割に期待したい。

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏

JATA、首里城の復旧・復興に向けた募金開始 会員のほか個人も受付

2019年11月16日(土) 配信

火災前の首里城正殿(イメージ)

 日本旅行業協会(JATA)は11月14日(木)から、火災で焼失した首里城(沖縄県那覇市)の復旧・復興に向けた募金を始めた。全国の会員のほか団体や個人など、すべての希望者から受け付ける。

 JATAのホームページなどを通じて広く募金を呼び掛け、集まった義援金は観光復興に貢献する活動などに活用する。使い道の詳細は後日、報告を行う。

 首里城火災後の観光への影響について、JATAの国内訪日旅行推進部の高井晴彦部長は同日の会見で、「現状では個人・団体旅行ともに火災を起因とするキャンセルや新規予約への影響は見受けられない。心配していたほどの影響はない」とした。

 一方で、復興までの間、首里城を訪れていた年間280万人の観光客を他の歴史・文化遺産や民間施設への誘導が、今後の課題となる。「(代替地への誘導は)旅行会社の責務であり、沖縄観光の魅力を維持していくことがポイントになる」(高井部長)と述べた。

 JATAでは募金活動のほか、旅行会社の収益の一部を支援金として関係機関に寄付する首里城復興支援ツアーの造成、ロゴ・キャッチフレーズの作成に取り組んでいく。

募金の実施内容

対象:すべてのJATA会員、その他希望者(個人からも受付)

募集:JATA NEWS MAILおよびホームページにて呼びかけ

募金口座:【口座名】シヤ)ニホンリヨコウギヨウキヨウカイ

【振込先】みずほ銀行 丸之内支店(支店番号005)普通預金2558433

受付期間:2019年11月14日(木)から2020年1月31日(金)

活用方法:沖縄県指定口座への送金もしくは観光復興に寄与する活動