琵琶湖ホテルが県産のストレリチアで彩り 成人の日祝う 

2024年1月5日(金) 配信

滋賀県産のストレリチアと生産者の大林さん

 琵琶湖ホテル(前田義和総支配人、滋賀県大津市)は1月8日(月)から、成人の日を祝ってロビーを「輝かしい未来」が花言葉のストレリチア(極楽鳥花)で彩る。滋賀県産の花の魅力に触れる機会を提供したいと企画した。

 滋賀県は南アフリカ原産のストレリチアの出荷量が、沖縄県に次ぐ全国2位。生産地の大中の湖(だいなかのこ)地区は、琵琶湖の内湖の干拓事業によって誕生し、肉牛やスイカなどを生産する農業地域となっている。生産者がビニールハウスで丹精込めて咲かせたストレリチアの花は高い品質を誇り、「鮮やかな色合いとまるで南国の鳥が羽ばたいているかのような姿が新成人の門出を祝うのに相応しい」(同ホテル)とアピールする。

 同ホテルでは花の地産地消の実践として、2022年から大中の湖地域で生産されたストレリチアと守山市で生産されたバラを紹介している。 また、展示を終えて廃棄になる花をドライフラワーにして、ホテル敷地内の花が少なくなる冬期に館内装飾として再利用する試みも行っているという。

Yahoo!基金、緊急支援募金を受付 能登半島地震の被災地支援で

2024年1月5日(金) 配信

1月5日正午時点で寄付総額は13億円以上、寄付人数は77万人超え

 LINEヤフーが運営する「Yahoo!基金」は1月1日(月)、同日に発生した令和6年能登半島地震の被災者や被災地の支援を目的に、インターネット募金サービス「Yahoo!ネット募金」で緊急支援募金を受け付けている。

 寄付はクレジットカードの場合100円から、Tポイントの場合1ポイントから可能。Yahoo!基金を通じて、クレジットカード会社の手数料など(消費税含む)を除きすべて、災害の緊急救援活動、被災地復旧支援として被災者や被災地のために活用するという。

 5日正午時点で寄付総額は13億円以上を集め、寄付人数は77万人を超えている。緊急支援募金の受付は3月31日(日)午後6:00まで。今後の詳しい使いみちと寄付報告は、募金ページや「Yahoo!基金」のホームページ、X(旧Twitter)などSNSを通じて発信するとした。

 また、「Yahoo!ネット募金」の特設ページでは、Yahoo!基金以外の被災者支援に取り組む団体への緊急災害支援募金の受付も開始している。

【髙橋一郎観光庁長官】24年も「持続可能な観光」の実現へ 2024年年頭所感

2024年1月5日(金) 配信

髙橋一郎長官

 観光庁の髙橋一郎長官は新年にあたり、2024年の年頭所感を発表した。内容は以下の通り。

 

 人口減少が進む我が国の成長戦略の柱、地域活性化の切り札である観光は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により深刻な影響を受けましたが、官民の関係者で厳しい状況を乗り越えるべく復活に向けた取組を全力で推進した結果、国内外の観光需要は着実に回復して参りました。

 例えば、昨年11月の訪日外国人旅行者数について、コロナ前の2019年と比べた回復率は単月で100%となり、2カ月連続でコロナ前の水準を回復しました。また、訪日外国人旅行消費額については、1~9月期の累計は約3・6兆円と、年5兆円の政府目標の達成も期待できる水準になっており、日本人の国内旅行消費額についても、年20兆円の政府目標達成が視野に入るペースとなっています。

 本年は、こうした良い流れをさらに確固たるものとし、昨年3月に策定した観光立国推進基本計画に掲げる「持続可能な観光」の実現に向けて一層注力すべく、「地方を中心としたインバウンド誘客」「持続可能な観光地域づくり」「国内交流拡大」の3つの分野の取り組みを強力に推進していきたいと考えています。

 まず第1に、地方を中心としたインバウンド誘客です。

 消費額については基本計画の目標達成が視野に入りつつありますが、日本のインバウンドがさらに成長を遂げていくためには、まだまだ大きなポテンシャルを秘めている地方部の魅力を引き出して、力強く誘客を進めていくことが重要であると考えています。今後、地方部への誘客をより一層強力に推進し、全国津々浦々あまねく観光客を呼び込んでいくため、自然、文化、食、スポーツなどの観光資源を生かして、全国各地でこれまでになかったインバウンド需要を創出する、特別な体験の提供などによるインバウンド消費拡大・質の向上や、地域の観光資源を活用した地方誘客に資する観光コンテンツの磨き上げに取り組んで参ります。

 また、高付加価値旅行者の地方への誘客の強化のために、昨年3月に選定した11のモデル地域において、高付加価値旅行者を惹きつけるコンテンツの創出などに一段と力を入れていくなど、地方誘客に向けた取り組みを着実に進めていくことで、インバウンドの明るい兆しをしっかりと成長軌道に乗せて参ります。

 さらに、高い消費単価・長期滞在の傾向にある海外ビジネス客の訪日を促進していくことが重要です。このため、海外からのミーティング・インセンティブ旅行の誘致促進に向けて、地域一体でのコンテンツ開発等を実施するとともに、国際会議の誘致促進に向けては、MICE施設における情報インフラの整備、コンベンションビューローと大学との連携強化など誘致体制の抜本的強化をはかって参ります。

 加えて、アウトバウンドの現状については、訪日外国人旅行者数と比較して回復が遅れているものの、アウトバウンドの促進はバランスの取れた国際交流に不可欠であり、インバウンドの増加にも資するものであることから、関係業界、各国・地域の政府観光局などと連携して、各国・地域の魅力の発信、日本国民の皆様への海外旅行の呼び掛けやパスポート取得のサポート企画など、本格的なアウトバウンド回復に向けた機運醸成の取り組みをさらに加速させ、双方向交流拡大に向けたプロモーション強化に取り組んで参ります。

 第2に、持続可能な観光地域づくりです。

 持続可能な観光地域づくりは、環境面はもとより、経済的・社会的な観点でも持続可能性を意識することが重要であると考えております。基本計画では、25年までに持続可能な観光地域づくりに取り組む地域数を計画策定時の12カ所から100カ所とすることを目標としており、目標達成に向け、地方公共団体やDMOによる観光地のマネジメント体制の確立に向けた優良モデルの構築や持続可能な観光地域の実現に向けた旗振りや調整を行う地域の人材の育成・創出に、より一層取り組んで参ります。

 また、国内外の観光需要が着実に回復してきた一方で、観光客が集中する一部の地域や時間帯等においては、過度の混雑やマナー違反による地域住民の生活への影響や、旅行者の満足度の低下への懸念が生じております。昨年10月に策定した「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ」にもとづき、観光客の受け入れと住民の生活の質の確保を両立しつつ、持続観光な観光地域づくりを促進するため、地域の実情に応じた取組の実施への包括的な支援を全国約20地域で実施し、オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた先駆モデルを創出して参ります。

 また、観光産業については、『持続可能なあり方』で稼ぐ力をいかに高めていくかが重要であり、成長に必要な投資や働き手の処遇向上を進め、次世代に向けて観光産業全体を発展的なカタチで成長させていくことが必要です。宿泊施設、観光施設の改修などを計画的・継続的に支援し、観光産業の再生高付加価値化を促進するとともに、観光DXの推進にも取り組み、地域内の宿泊施設などにおける予約・在庫などのデータ共有や利活用をはかる取り組みなどへの支援を行い、地域単位での業務効率化などを推進して参ります。

 これらの取り組みを行いながら、外国人材の活用も含めた人材の採用活動支援や、業務の効率化や省力化に資する設備投資への支援など、総合的な人手不足対策を実施し、人手不足の解消に向けて、しっかりと取り組んで参ります。

 第3に、国内交流拡大です。

 地域の観光資源を一層魅力的なものに徹底的に磨き上げるとともに、テレワークを活用したワーケーションの推進や、反復継続した来訪の促進、ユニバーサルツーリズムといった国内における新たな交流市場の開拓に、従来の取り組みをさらに進化させて取り組んで参ります。

 観光庁といたしましては、コロナ前の水準までの回復のみならず、本年を更なる高みを目指すための1年と考え、しっかりと取り組みを進めて参ります。

 観光関係の皆様、国民の皆様におかれましては、今後とも観光政策に一層のお力添えを賜りますようお願い申し上げて、新年のご挨拶とさせていただきます。

2024年は躍動する年へ 【ANAホールディングス 社長 芝田浩二氏年頭所感】

2024年1月5日(金) 配信

芝田浩二社長

 ANAホールディングスは1月4日(木)、年頭のあいさつを発した。全文は以下の通り。

                  ◇

 ANA グループの 2024 年の年始式にあたり、ごあいさつ申し上げます。

 周知の通り、元日には、石川県を震源とする大地震が発生し、また2日には羽田空港において航空機の衝突事故が起きました。

 地震、事故によって亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると共に、負傷された方々、被災された方々に心からのお見舞いを申し上げます。

 昨年はコロナパンデミックの収束を契機とした社会・経済活動の正常化に伴い、移動を通した人のつながり、物の流れを支える社会インフラとして、世界の航空業界は活力を取り戻すところとなり、ANA グループの業績も堅調に推移しました。

 空からはじまるヒト・モノ・コトの多様なつながりを創り、夢にあふれる未来に貢献するという、航空事業の大切な役割と、それに携わることのありがたさを改めて認識するとともに、共に悩み、知恵を出して多くの困難を乗り越えて来た皆さんの力に、重ねて感謝する次第です。

 昨年、私たちは新しい ANA グループ経営ビジョンを掲げました。ビジョンの具現化のためには、先ず皆さん一人ひとりが生き生きと、伸び伸びと、喜びとやりがいを持って働き、そのワクワクがお客様の喜びにつながる好循環を作りあげることが大切です。やりがいにあふれ、魅力ある職場作りは、自ら良くしていきたいという皆さん一人ひとりの思いから始まります。それぞれの思いを声に出し、仲間と共に考え、一緒に行動に移して行きましょう。

 足元では、依然として不安定な国際情勢、A320/321neo 型機のエンジン点検、そして人財不足などさまざまな変動要素はありますが、それぞれの課題には一つひとつ適切に対応し、経営のかじ取りをして参ります。

 今年は、AirJapan ブランドによる国際線就航や NCA が ANA グループの仲間に加わるなど、新たな成長に向けた挑戦が始まります。ANA グループ全体で、スピードをあげて成長軌道への回帰をはかっていきます。

 昨年のメッセージでお伝えした通り、皆さん、そして多くのステークホルダーの支えのお陰で「跳ねる」ことができました。

 今年は、この「跳ね」をバネにして、安全運航の堅持と、基本品質にこだわり、足元を固め、2025年以降の更なる成長に向けて挑戦する「躍動の年」にしたいと思っています。

 世界中のグループ社員、みんなで力を合わせ、夢にあふれる ANA グループの未来に向かって一緒に頑張って行きましょう。

島根フェア1月17日から 吉田栄作さんミニライブも(川崎・東急REIホテル)

2024年1月5日(金) 配信

島根の食材が楽しめるブッフェ(イメージ)

 神奈川県川崎市の川崎キングスカイフロント東急REIホテル(岡部久子総支配人)は1月17日(水)から2月29日(木)まで、島根県の食材を使ったランチブッフェなどを提供する「島根フェア」を実施する。

 2月18日(日)には、連続テレビ小説「だんだん」の出演以降、同県と縁を深める俳優・歌手の吉田栄作さんのミニライブも行う。

 同ホテルの「Captain’s Gril and Bar」のランチブッフェで、約20種類のメニューを日替わりで提供する。島根名物の赤天やあごの焼き、出雲そば、宍道湖のしじみを使用したメニューなどがそろう。

 午前11時30分から午後3時まで。料金は大人平日3000円、土・日・祝日3500円。小学生平日1800円、土・日・祝日2100円。4~6歳平日1200円、土・日・祝日1400円。未就学児は無料。

 吉田栄作さんのライブは昨年10月開催に続き2回目。吉田さんが作詞作曲した島根フェアのキャンペーンソング「島根の空の下へ(仮題)」などを披露する。

 館内1階にあるカフェ「The WAREHOUSE BUSINESS LOUNGE&CAFE」で、午後1時15分からと同3時15分からの2回公演。チケット(1ドリンク付き)は前方席4000円、後方席3000円。吉田さんがセレクトした島根の地酒3酒の飲み比べセットも販売する。

 ミニライブを鑑賞する宿泊プランとランチ付プランも設定する。両プランには吉田さんとのツーショット撮影会の特典が付く。

吉田栄作さん

【斉藤鉄夫国土交通大臣】オーバーツーリズム・ライドシェアの方針語る 国土交通運輸記者会新春共同インタビュー

2024年1月5日(金) 配信

斉藤鉄夫国土交通大臣

 国土交通運輸記者会は新年にあたり、斉藤鉄夫国土交通大臣へ新春共同インタビューを行った。内容は以下の通り(抜粋)。

 

 ──オーバーツーリズムへの対応と、訪日外国人旅行者の地方誘客拡大について。

 観光分野については、2022年10月の水際対策緩和以降、昨年は国内外の観光需要が着実に回復し、観光立国の復活と持続可能な観光の実現に向けて、大きく歩みを進める1年となりました。

 一方で、都市部を中心とした一部地域への偏在傾向も見られるとともに、観光客が集中する一部の地域や時間帯等によっては、いわゆるオーバーツーリズムへの懸念が生じているところです。

 これらの状況に対処するため、政府として、昨年10月に「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ」をとりまとめました。この対策パッケージには、観光客の集中による過度の混雑やマナー違反への対応や、都市部を中心とした一部地域への集中を是正して地方部への誘客を拡大するための対策などを盛り込んでいます。

 今後、こうした課題の解決に取り組む地域への包括的な支援等を通じて、「住んでよし、訪れてよし、受け入れてよし」の持続可能な観光地域づくりをより一層推進して参ります。

 ──ライドシェア解禁やタクシーの供給不足の問題について。

 昨年12月20日(水)のデジタル行財政改革会議においては、人口減少、高齢化が進むなかで、地域交通の担い手不足や移動の足の不足という深刻な社会問題に対応するため、タクシーの規制緩和、地域の自家用車や一般ドライバーの活用といった施策を打ち出しました。

 このなかで、都市部を含め、移動の不便への対応が喫緊の課題となっている現状を踏まえ、移動の足の不足を、地域の自家用車や一般ドライバーを生かすことにより補うこととし、速やかに、タクシー事業者の管理の下での新たな仕組みを創設し、来年度(今年4月)から開始するという方針を決定しました。来年度に向け、早急に、制度の詳細を詰め、実効性のある仕組みとして参ります。

下呂温泉・水明館の「カイゼン」 現場から部署間、取引先へ 生まれた時間もてなしに

2024年1月4日(木) 配信

瀧康洋社長

 岐阜県・下呂温泉の水明館(瀧康洋社長)は今期(2023年3―11月)、売上に対して本業でどれくらいの利益が出ているのかを示した値・営業利益率が17・6%と、高水準を維持している。顧客ニーズの多様化や各種仕入れの高騰に直面するなか、外的要因の変化にも対応できるよう進めてきた「デジタル化」と「生産性向上」への取り組みが奏功している。さまざまな部署での「カイゼン」を通じ、「無駄をなくすという意識が社内で高まってきた」という瀧社長に現状を聞いた。

【鈴木 克範】

5年で3億円削減

 館内の生産性向上をはかるため、2018年からトヨタ生産方式に基づく「カイゼン」に取り組んでいる。その考えは、作業や業務を「1歩1秒1円」でコスト換算し、「増員・増床・増設なく、増収・増益をはかる」というもの。業務を「見える化」して課題を抽出、無駄や非効率な要素を「カイゼン」するという流れで進めてきた。

 これまで客室清掃や食器洗浄などの業務改善、さらには部署間の情報伝達業務を無くすなど、業務の流れも見直した。1年ごとに「飲料のロット管理による在庫削減」などのカイゼンテーマを掲げて取り組むなか、「5年間(2019―23年)で約3億円を削減した」(表参照)。

「カイゼン」各所で

 客室清掃におけるカイゼン例では、1人で部屋を担当する「セル作業」に切り替えた。取り組み前は、清掃員と客室セット係が別々にいて、清掃作業自体も分担していた。改めて業務を見直すと、非効率だけでなく、すべての清掃指示をリーダーが行う必要があるなどの問題が浮かび上がった。これを解消するため、部屋を1人で清掃する方法に変更。さまざまな清掃道具を携え部屋間を移動できるよう、1人に1台、専用台車も用意した。結果、作業の停滞がなくなり時短が実現したほか、自工程完結型の業務になるため清掃への責任感が生まれ、品質も向上した。

 食器洗浄の場面では、食後の器を「手洗いが必要なもの」「ラック洗浄する小さな器」「そのまま食洗器に入れるもの」の3種に分別したうえで下膳し、洗うようにした。バラバラの状態で下げていたときは平均4時間15分かかっていた洗浄時間が、3時間45分まで短縮した。夕食後の作業は深夜帯に及ぶので、削減効果は大きい。

伝えるを「ゼロ」に

 業務単体だけでなく、部署をまたぐ「業務フロー」の見直しも行った。その1つがホワイトボードの廃止だ。従来、料理の数量や内容、追加変更などの情報は、各パントリーに設置しているホワイトボードに転記。その情報を各部署が共有していた。

 手書き・伝聞による伝達ミスや、書き込むための移動時間を無くすため、情報を集約する基幹システムを採り入れるとともに、ホワイトボードの代わりに大型モニターを導入した。変更情報がリアルタイムでモニターに表示されることで、現場は情報伝達業務から解放され、本業に専念できるようになった。

仕入先との連携も

 仕入れ先との関係でも「カイゼン」に取り組んでいる。バスタオルクリーニングの発注ロットを1500枚、2千枚、2500枚の3パターンに簡素化したほか、バスタオルや浴衣、シーツなどの在庫・発注管理表をクラウド上でリネン会社と共有。宿泊人数と在庫数で発注数が決まることから、宿とリネン会社がともに業務の効率化をはかりつつ、適正在庫を維持できるようになった。

品質ともてなし両立

 部署内での見直しから始まり部署間へ。さらには他社との関係においても「カイゼン」を進めてきた。ただ、新しいスタイルが確立しても、派遣スタッフの入れ替わりなどで、「業務がくずれる」ことがままある。作業中の動画を撮影し、内容確認や教育を行うなど、「工程の標準化は常に必要」だ。

 取り組みへの理解を深めるため社内では、岐阜協立大学大学院が専門知識を学ぶ社会人向けに開講する履修証明プログラム「トヨタ生産方式とカイゼンリーダー養成プログラム」の受講を推奨している。現在26人が修了し、カイゼンリーダーとして活躍中だ。

 デジタル化を通じて無駄や非効率を「カイゼン」することは、ややもすると「もてなし」も無味乾燥なものにしかねない。品質を維持しつつ、「カイゼンで生まれた時間を、もてなしに生かすことが重要だ」。

【2024年年頭所感・斉藤鉄夫国土交通大臣】持続可能な地域づくり・地方訪日誘客・国内交流拡大の3本柱で

2024年1月4日(木) 配信

斉藤鉄夫国土交通大臣

 国土交通省の斉藤鉄夫大臣は1月1日(月)、2024年の年頭所感を発表した。内容は以下の通り(抜粋)。

 

 観光は、人口減少が進む我が国にとって成長戦略の柱、地域活性化の切り札として期待されている重要な分野です。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により深刻な影響を受けましたが、2022年10月の水際対策緩和及び全国旅行支援の開始などの効果もあり、昨年は新型コロナからの復活から持続可能な観光の実現に向けて、大きく歩みを進めた1年となりました。

 昨年策定した観光立国推進基本計画や「新時代のインバウンド拡大アクションプラン」「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ」を踏まえて、本年は「持続可能な観光地域づくり」「地方を中心としたインバウンド誘客」「国内交流拡大」の3つの分野の取り組みを強力に推進していきます。

 第1に、持続可能な観光地域づくりです。国内外の観光需要が着実に回復してきた一方で、一部の地域や時間帯においては、過度の混雑やマナー違反による地域住民への影響や、旅行者の満足度低下などへの懸念が生じています。こうした状況を踏まえ、観光客の集中による過度の混雑やマナー違反への対応、地方部への誘客の促進、地域住民と協働した観光振興に、引き続き取り組んで参ります。

 また、観光産業においては、観光需要の回復に伴い人手不足が深刻化していることから、外国人材の活用も含めた採用活動支援や、業務の効率化・省力化に資する設備投資への支援などの総合的な人手不足対策を実施し、人手不足の解消に向けて、しっかりと取り組んで参ります。

 さらに、観光地・観光産業の「稼ぐ力」を回復・強化するため、宿泊施設、観光施設の改修などを計画的・継続的に支援し、観光地・観光産業の再生高付加価値化を促進して参ります。

 第2に、地方を中心としたインバウンド誘客です。訪日外国人旅行者数は着実に回復していますが、都市部を中心とした一部地域への偏在傾向も見られるところです。今後、地方部への誘客をより一層強力に推進し、全国津々浦々あまねく観光客を呼び込んでいくため、自然、文化、食、スポーツなどの観光資源を活用し、全国各地でこれまでにないインバウンド需要を創出する、特別な体験の提供などによるインバウンド観光消費の拡大・質の向上や、地域の観光資源を活用した地方誘客に資する観光コンテンツの磨き上げに取り組んで参ります。

 また、高付加価値旅行者の地方への誘客を強化するため、11のモデル地域において、高付加価値旅行者を惹きつける商材の作成やコンテンツの創出などを支援する、地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり等を実施して参ります。

 さらに、大阪・関西万博開催も見据え、アウトバウンドを含む双方向交流拡大に向けたプロモーション強化に取り組んで参ります。

 第3に、国内交流拡大です。近年の働き方や住まいのニーズの多様化などを踏まえ、テレワークを活用したワーケーションの推進や、反復継続した来訪を促進するための「第2のふるさとづくり」やユニバーサルツーリズムといった国内における新たな交流市場の開拓に、従来の取り組みをさらに進化させて取り組んで参ります。

 国土交通省としては、引き続き、観光地の高付加価値化や住民生活との調和による持続可能な観光地域づくり、地方を中心としたインバウンド誘客、国内交流拡大をより一層推進して参ります。

各分野における観光関係施策

 昨年3月、コロナ禍で停止していた我が国での国際クルーズの運航を本格的に再開し、23年の寄港回数はコロナ前ピークの約6割まで回復しました。引き続き、各地域の皆様と連携し、クルーズ船の受入環境整備や寄港促進に向けた取り組み、地域経済効果を最大化させるための取り組み、地方誘客促進に向けた取り組みを推進し、経済の活性化や賑わいの創出に努めて参ります。

 景観計画や歴史的風致維持向上計画の策定を促進し、良好な景観を形成するとともに、地方公共団体が取り組む地域固有の歴史・文化・風土を活かした歴史まちづくりに対する支援を引き続き進めて参ります。

 「道の駅」は制度創設から30年が経過しました。地方創生・観光を加速する拠点へと「道の駅」の進化を目指すモデルプロジェクトの実施や、施設の老朽化対策などの全国的な課題に対する支援、防災拠点機能の強化などを進めて参ります。

 21年に閣議決定された、「第2次自転車活用推進計画」に基づき、私が本部長をつとめる自転車活用推進本部を中心に、政府一体となって、自転車通行空間の計画的な整備、シェアサイクルやサイクルトレインなどの普及促進、ナショナルサイクルルートなどを生かしたサイクルツーリズムの推進など、自転車の活用の推進に向けて取り組んで参ります。

 鉄道分野をはじめとした交通機関において、訪日外国人旅行者にもより快適に利用していただくため、多言語による案内表示・案内放送の充実、トイレの洋式化、クレジットカード対応型券売機や交通系ICカードなどの利用環境整備、大型荷物置き場の設置などの取組を進めて参ります。

IRの整備

 IRは、多くの観光客を呼び込む滞在型観光の拠点であり、観光立国の実現に向けて取り組むべき重要な施策の一つです。昨年4月には大阪の区域整備計画について認定を行い、9月には実施協定を認可しましたが、依存症などの弊害防止対策に万全を期すとともに、IR整備法に基づき、必要な施策を進めて参ります。

航空ネットワークの維持・確保など

 世界規模での新型コロナウイルス感染症から航空旅客需要は回復しつつあるものの、その事業環境の構造的な変化により、とくに地方路線の収支が厳しい状況にあります。

 航空ネットワークは、公共交通として国民の社会経済活動を支えるとともに、インバウンドの受入れをはじめ、ポストコロナの成長戦略にも不可欠な「空のインフラ」です。

 地方創生や観光立国の実現に不可欠である航空ネットワーク維持・活性化のため、来年度の当初予算などの成立を前提に、航空機燃料税の軽減措置に加え、100億円規模での空港使用料の軽減などを行うこととしています。

 また、ポストコロナにおける急速な航空需要の回復・増加に対応するため、昨年11月に成立した補正予算などを活用し、グランドハンドリングや保安検査をはじめとする空港業務の処遇改善や人材確保・育成などを支援するなど、引き続き、受入環境整備を推進して参ります。

あつみ温泉 萬国屋 庭園露天風呂「桜の里湯」 昨年12月にリニューアル

2024年1月3日(水) 配信

庭園露天風呂「桜の湯」

 山形県鶴岡市のあつみ温泉萬国屋は昨年12月20日(水)、庭園露天風呂「桜の里湯」を大規模リニューアルオープンした。あつみ温泉が誇る毎分1100~1300リットルの豊富な湧出量を生かし、源泉掛け流しの客室を多く備える萬国屋。ここに、2つの大浴場「楽山」「楽水」のほか、今回リニューアルした「桜の湯」「里の湯」が加わる。美しい庭園の中にある岩風呂に浸かり、あつみ温泉の山々を眺めながら心身を癒すことができる。

 「桜の湯」には昨今のサウナニーズの高まりから、「バレルサウナ」を設置した。バレルサウナは、サウナ発祥地のフィンランドに伝わる樽型サウナルーム。室内へ均等に温度を伝え、サウナの効果を最大限に引き出せるといわれている。
 水風呂と外気浴スペースも備えており、「ととのう」ことによってデトックス効果やリフレッシュ効果が期待できる。

 「里の湯」では、雪が多く降る日であっても、ひんやりとした空気を吸いながら心置きなく温泉に浸かれる。こちらにもサウナが用意されている。

 洗い場は、「桜の湯」「里の湯」に8ブースずつ設置した。

 萬国屋では、2017年に環境省から提言された、現代のライフスタイルに合わせた温泉地の過ごし方である「新・湯治」に着目。宿泊客が温泉地に滞在し、心身をリフレッシュすると同時に、多くの人に訪れてもらうことで温泉地の賑わいを生み出していくことを目指す。

露天風呂「里の湯」

冬の味覚・カニを堪能人気の「鯛めし朝食」も

「蟹づくし」プラン

 

 「食の都 庄内」と名高い鶴岡の冬の美食も楽しみの1つだ。「蟹づくし」プランは、庄内浜で獲れた旬のズワイガニを主役に、ぎっしりと詰まった甘い身を鍋やカニ酢、カニ味噌、茶わん蒸し、カニしんじょうなどで味わえる贅沢な会席となっている。

鯛めし朝食

 夕食だけではなく、朝食にも美食へのこだわりが見られるのが萬国屋の魅力だ。
 庄内浜直送の新鮮な天然真鯛を使った「鯛めし朝食」は、焼いた真鯛の骨で取った出汁でご飯を炊き、真鯛の身をほぐして丁寧に混ぜ込んだ特製の鯛めしを提供する。

 最初は鯛めし単体で、次は真鯛の刺身と一緒に、最後は刺身に特製の胡麻だれを絡め鯛の出汁をかけて「鯛茶漬け」として──と1食で3度味わえる人気の朝食だ。

 昨年3月には宴会場を個室会食場「出羽三山」へリニューアルオープンした。31室を備えたプライベートな空間だ。

陶器風呂付客室が人気 シルクバスも必見

 客室は全104室で、全室檜風呂付き。源泉掛け流しの部屋も多く備え、最上階のロイヤルスイートでは、温海川沿いの美しい眺望が檜の内湯と露天風呂から臨める。

 露天風呂付き客室の中でも、大石田焼の「次年子窯」で作られた陶器風呂を備える4室は、とくに人気が高い。庄内・鶴岡の自然や風景をテーマに設計された陶器風呂は、もちろん源泉掛け流し。部屋にいながら、雪景色と共に露天風呂を独り占めできる。

 3階大浴場の「楽山」「楽水」は、広々とした内湯が特徴。とくに楽山内のシルクバスは、ミクロの気泡で美肌効果が期待でき、女性から人気を集めている。

陶器の露天風呂付き客室

〈観光最前線〉連載50周年記念「ブラック・ジャック展」

2024年1月2日(火) 配信

連載50周年記念「手塚治虫-ブラック・ジャック展」会場風景①

 2023年は、名作マンガ「ブラック・ジャック」の連載50周年を記念して、さまざまなイベントが企画された。

 東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催された「手塚治虫 ブラック・ジャック展」には、自分も足を運んだ。平日の昼間だったにも関わらず、大勢のBJファンで会場はごった返しており、長い行列には驚いた。

 代表作「ブラック・ジャック」は、1973年11月から83年10月まで「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)に掲載された。当初は「マンガ家生活30周年記念・手塚治虫ワンマン劇場」として全4回ぐらいの短期連載で打ち切られる可能性があるものだった。

連載50周年記念「手塚治虫-ブラック・ジャック展」会場風景②

 今でこそ信じられないが、巨匠・手塚治虫にとっても、マンガ家人生を賭けた最後の大勝負がこの作品だったのかもしれない。

【古沢 克昌】