修旅を鹿児島に、関西で教育旅行セミナー

正確な情報と県の魅力PR
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 鹿児島県内の自治体や宿泊・観光施設などで組織する「鹿児島県教育旅行受入対策協議会」は6月27日、大阪市内のホテルで関西圏の各旅行会社の教育旅行担当者らを招き、教育旅行セミナーを開いた。4月の熊本地震以降、修学旅行のキャンセルが相次いでいることから、正確な情報と県内の魅力をあらためて発信した。

 鹿児島県観光交流局観光課の米盛幸一課長は「熊本地震の影響により県内で延べ10万泊のキャンセルが出た。修学旅行は6月22日現在で84校、約1万3500人のキャンセル・方面変更が発生。なかでも関西の学校が45校と最も多い」と現状を報告。そのうえで「地元の交通と宿泊、観光は通常通りであり、受け入れに問題はない。1、2月には従来通り貸切バスの支援制度を行うほか、県内の一部観光施設では県外からの修旅生を対象に、入館料などを全額免除するキャンペーンも年度末まで実施する。ほかにも、できることは何でもやるので、ぜひお力添えを」と送客を呼びかけた。

 また、奈良迫英光観光プロデューサーは「鹿児島県での教育旅行は、(1)多彩な自然体験(2)ほかにはない平和学習(3)県内各地で農家民泊が可能(4)班別行動が便利――と4つの魅力がある。2018年には明治維新150周年を迎えるほか、奄美・琉球の世界自然遺産登録も控えている」と県内の話題を紹介した。

 県では今後、実施予定校に向けた情報発信を行っていくほか、鹿児島中央駅で歓迎セレモニーを行うなど、県を挙げておもてなしを実施。

 さらに7月からは、かごしま水族館や維新ふるさと館など、県内5つの観光施設において、鹿児島市内に宿泊する修学旅行生を対象に、入館料や各種体験料を全額免除するキャンペーンを展開する。期間は今年度末まで。

立体的な光の演出へ、西の河原公園灯路計画など(草津温泉観光協会)

西の河原 全体照明計画(イメージ図)
西の河原 全体照明計画(イメージ図)

 群馬県の草津温泉観光協会(中澤敬会長)は7月5日、トラストシティカンファレンス(東京都千代田区)で「2016草津温泉観光プロモーション」を行った。草津町の2016年のイベントや、「Town-Scape project KUSATSU」の現在の状況、草津町商工会の「商工会流『うま!とく!』湯路広場活用術」の紹介などが行われた。中澤会長は「昨年1年間を振り返ると、バブル時期が戻ってきたという状況でよかった」とあいさつした。

 「Town-Scape project KUSATSU」では、今年は2カ所の灯路計画を進めている。「湯畑灯路計画」では統一感の無い現在の湯畑の照明を、照明デザイナーの面出薫氏によるライティングで、湯気をさらに立体的に演出していく。「西の河原公園灯路計画」では趣のある照明デザインに変える。ここでも立体的な演出を意識し、湯の川の湯気を主体としたライティングを行い、感動的な照明にしていく。

 黒岩信忠草津町長は「元気な温泉地と元気があまりない温泉地の差は町づくりをしてきたかどうかにかなりのウェイトがあると思う。草津町はあらゆる業界が一丸となって街づくりをとことんしてきた。さらにお客様が外に出て楽しめる町づくりを提供していきたい」と語った。

 草津町では、今年8月17―30日まで「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル」が開かれ、9月4日には「草津温泉熱湯マラソン」が行われる。詳しくは草津温泉観光協会ホームページ=(http://www.kusatsu-onsen.ne.jp/)まで。

「元気です! 人吉温泉」、女将とくまモン銀座でアピール

「熊本・人吉にお出かけ下さい」と女将たち
「熊本・人吉にお出かけ下さい」と女将たち

 熊本県・人吉温泉女将の会・さくら会(有村政代会長)のメンバー6人が7月7日、銀座熊本館でパンフレットなどを配布し、笑顔で来県を呼びかけた。くまモンも応援に駆け付け、「人吉・熊本の元気」を来館者に届けた。

 人吉市内は熊本地震の被害はほとんどなかった。ただ被災地の心情を汲むなか、震災直後は「元気をアピールすることへの戸惑いもあった」(有村会長)という。転機は県内で復興に向けて頑張る女将たちからの後押しだ。「熊本の代表として全国に元気を伝えて」という言葉を聞き、福岡や鹿児島で誘客活動を始めた。若女将たちもSNS(交流サイト)を使い、積極的に情報を発信。

 震災後、都内でPRするのは初めて。1千人分のパンフレットを用意し、「日本でもっとも豊かな隠れ里」として、文化庁から日本遺産に認定された「人吉球磨」の魅力も伝えた。

 7月からは旅行会社各社の「九州ふっこう割」商品や、九州の高速道路が乗り放題になる「九州観光周遊ドライブパス」の発売も始まった。「元気にあたたかくおもてなしします」と女将ならではの言葉で来県を呼びかけた。

運動療法施設に認定、水明館のトレーニング施設

施設には健康運動指導士が在籍
施設には健康運動指導士が在籍

 岐阜県・下呂温泉の老舗旅館「水明館」にあるトレーニング施設「すいめいヘルスクラブ」が、厚生労働省から指定運動療法施設に認定され、6月から業務を開始した。 運動療法処方箋に基づき運動療法を受けると、その費用は医療費控除の対象になる。旅館施設の認定は、県内初。

 指定運動療法施設では、運動指導を行える環境・人材・設備を整え、日本医師会認定の健康運動スポーツ医と連携した指導と助言を随時受けることができる。はじめに提携医師の診察を受け、高血圧や糖尿病などの生活習慣病患者を対象に運動療法処方箋を作成。健康運動指導士が処方箋に基づいて作成したプログラムに沿って運動を実施する。費用は、通常の医療費を含み年間10万円を超えると、医療費控除の対象となる。

 すいめいヘルスクラブは、全長25㍍5コースの室内温泉プール、有酸素運動や筋力トレーニングが可能な機器を完備。専任のインストラクターが、利用目的に応じたプログラムを作成・管理し、適切な運動指導を提供する。

 問い合わせ=水明館 電話:0576(25)2800。

腕におぼえあり

 世界が注目するトランペッター、近藤等則のCD『夢宙』が6月20日に発売された。

 1993年に活動拠点を海外に移し、東京とアムステルダムを行き来しながら「地球を吹く」プロジェクトに取り組み、12年から日本での音楽活動を再開した。本作は11年に亡くなられた両親に捧げられたもので「宇宙と地球を思わせる近藤等則のサウンドの世界感」を表現した力作だ。

 先行予約で購入したのだが、届いたCDを眺めて驚いた。なんとジャケットに私の名前入りで直筆サインが入っているではないか。予約特典は近藤等則自身が選曲した『時々のメロディー』で、この中にNHK時代劇「腕におぼえあり」で使用されたテーマ曲も含まれていた。これまで過去を振り返ることがなかった近藤等則の新しい一面を垣間見た。

【古沢 克昌】

道後温泉再訪で ― 地方都市の旅は「食」と「酒」が楽しみ

 6月下旬に日本温泉協会の総会で、愛媛県松山市の道後温泉に向かった。道後温泉は4回目の訪問だ。あいにくの雨模様だったが、取材の合間に道後温泉の街歩きも、少しだけできた。

 松山市は活気を感じた。2年前の夏にも訪れたが、さらに活気を帯びている印象を受けた。四国最大の都市であり、日本最古の温泉の一つである道後温泉も市内にあり、街がコンパクトにまとまっている。松山空港から市内へのアクセスも至便だし、市内に入れば路面電車やバスが並走しており、2次交通も整備されている。

 総会が終わり、宿泊した大和屋本店は、いわゆる“正統派”の旅館である。前夜は遅くまで酒を飲んでいたので、朝の早い時間に温泉に入った。道後温泉は市街地のため、多くの温泉地のように大自然に囲まれた露天風呂などは望めないが、敷地内の良く手入れをされた庭園に降る雨の滴の音と、土や石が濡れる匂いを嗅ぎながら、「ああ、やはり温泉旅館はいいなあ」と思った。最近はビジネスホテルや民宿、リゾートホテルなどに宿泊する機会が増え、一方、オーソドックスな大型温泉旅館に正直なところ、大きく心を揺るがす期待はしていなかったが、静かな温泉に浸かりながら、「こんなゆったりとした、時間と空間は、日本旅館でしか味わえないな」と思い直したのだった。

 道後温泉のシンボルである道後温泉本館は、間もなく改修工事に入る。しかし、完全に閉館するわけではなく、一部営業を続けながらの工事となる。道後温泉には、もう一つ、椿の湯という共同浴場がある。道後温泉本館が主に観光客が利用するのに対し、椿の湯は地元の人たちが日常的に利用する。私もチェックアウト後、椿の湯に入ったのだが、近くの温泉旅館で働く人たちの姿も見られた。

 道後温泉本館が改修工事に入ると、観光的なダメージは避けられない。そこで、松山市は工事中の道後温泉本館を一つの観光資源として、見学ができるようなことも考えている。また、椿の湯の隣接地に、596年の聖徳太子来湯にちなみ、飛鳥時代をテーマとした共同浴場を新たに造る計画だ。この辺りの考え方は、さすがと思わせる。

 松山市は夏目漱石や正岡子規などに縁が深く、「文学のまち」としての顔もある。市内にはさまざまな資料館などもあるが、今回は時間的な余裕もないし、雨も強かったので何処にも寄らずに松山空港に向かった。

 帰りの路面電車の中で濡れた街並みを眺めながら、この松山市を再訪する機会があったら、自分はその旅に何を求め、何を楽しもうとするだろうかと想像した。

 これは、何も松山市に限ったことではない。地方中核都市を旅する場合、よほど親しい知り合いがいたり、何か明確な目的があれば別だが、何度も訪れる理由を見つけるのは難しい。幸い、松山市には世界にも誇れる歴史と物語性がある温泉地が近いという大きな特徴があるが、他の都市はどうだろうか。

 40代の男である私にとっては、地方都市の旅先の楽しみは、食と酒である。私は松山滞在中に同じ店で2回、じゃこ天うどんを食べた。松山の名物は鍋焼きうどんや五色そうめん、鯛めしなどが有名だが、行く前からじゃこ天うどんを食べようと思っていた。何か、地元にそのような食べ物があることも大切である。

(編集長・増田 剛)

全国女将サミット2016鳥羽 初の旅館開催

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 全国旅館おかみの集い運営委員会と旅行新聞新社は7月5日、三重県鳥羽市の鳥羽シーサイドホテルで「全国旅館おかみの集い―第27回全国女将サミット2016鳥羽」を開いた。初の旅館開催となった今回は、全国から約150人の女将が集まった。

 中かほる運営委員長(旅荘 海の蝶)は、旅館の女将の仕事が、外国人をはじめ、まだ多くの日本人にも理解されていないことを踏まえたうえで、「女将という仕事をひと言、ふた言で皆様に理解していただけるような言葉が必要」とし、「今後の女将サミットのあり方も含め、分科会などで“女将とはどのような仕事なのか〟について話し合うなど、時代の流れと共に変化させていくことも必要」とあいさつした。

 夕方から開いた懇親パーティーは、鈴木英敬三重県知事をはじめ、多くの来賓を含む約300人が参加した。

(次号詳細)

第12回 あなたが好きな露天風呂のある宿

第12回 あなたが好きな露天風呂のある宿

風情、四季の風景、泉質などで推薦、808軒を一挙掲載

 旅行新聞新社は本紙が主催する「第41回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」発表冊子内、さらに本紙と業務提携する地球の歩き方T&Eのウェブ「日本の歩き方」(2016年2―3月)内でネットユーザーを対象に、「あなたが好きな露天風呂のある宿」アンケートを実施した。その結果、3383票の回答(有効回答は2246票)があり808軒の宿泊施設が推薦された。第1位はホテル浦島(和歌山県南紀勝浦温泉)。トップ10に初めて入選したのは6位の銀波荘(兵庫県赤穂温泉)。湯船から見える山や川、海など風景や湯船の数、泉質、そして紅葉や雪景色、夕日、雰囲気などさまざまな推薦理由があった。

 発表にあたり、上位10施設については順位と代表的な推薦理由を、以下は地域別に順不同で代表的な推薦理由を掲載した。…

 

※ 詳細は本紙1635号または7月15日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

九州復興へ決起集会、10万人の送客を目指す(ANAグループ)

九州復興へ結束強める
九州復興へ結束強める
片野坂真哉社長
片野坂真哉社長

 ANAグループは7月5日に東京都内で、「でかけよう九州 決起集会」を行った。九州復興支援「でかけよう九州」プロジェクト第2弾の実施を発表するとともに、九州各県の自治体や国の関係機関、旅行会社の連携を深め、九州復興に対する取り組みの強化をはかる。ANAホールディングスの片野坂真哉社長は、「九州の復興をどうにか支援したいと思い、プロジェクトを立ち上げた。今後、ANAグループは9月までに、九州への送客数を10万人と目標設定し、達成に向けて全力を挙げて取り組んでいく」と述べた。

 同プロジェクトは、送客支援で(1)九州発着路線の「旅割」運賃の一部値下げ(2)国内線特典航空券マイルバックキャンペーン(3)セブン&アイホールディングとの連携――などを行っていく。業務提携をしているセブン&アイホールディングスと協力して、「ANAマイレージ」の会員かつ「nanacoポイント」の会員が、九州着の対象路線に搭乗すると、搭乗ごとに「nanacoポイント」が付与されるキャンペーンを実施する。詳細は7月中旬ごろに発表予定。

 一方、国の公金を利用して展開される「九州ふっこう割」を活用し、航空券と宿泊が同時に予約できる「旅作」と、宿泊単品予約の「ANA九州ふっこう割宿泊プラン」を7月1日から販売開始。すでに完売している商品やコースもある。

 このほか、全国のほぼすべての空港店舗で特設コーナーを設置し、熊本県産品を販売する。また、5月中旬から行っている、公営施設や避難所でお風呂を提供する「こころの湯」活動は、現地から感謝の声や継続の要望もあり、7月末まで延長する。

 九州のゆるキャラが勢ぞろい

九州のゆるキャラが勢ぞろい

「Tokyojin」を発信、世界で1億人規模へ  

 ブランドイメージ画像

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monopoの佐々木芳幸社長
monopoの佐々木芳幸社長

 monopo(佐々木芳幸社長、東京都港区)は6月21日、「東京人(Tokyojin)」を世界共通ブランドとすることを目指すプロジェクト、「poweredby.tokyo」を始めた。東京人とは「東京の都市文化を選び、独自のスタイルとして体現している人びと」のこと。東京人の思想や生活、価値観などを可視化し、これまでにない東京の魅力を、人を通じて世界に発信していく。2020年までに世界で1億人規模に拡大することを掲げ、同日にブランドサイトを公開。東京人のライフスタイルが日常風景を切り口に、物語仕立てで顕現化されている。

 佐々木社長は、「東京人」という呼称を再定義した理由を、「世界の大都市では『ニューヨーカー、パリジェンヌ』とこの呼称を聞けば、ライフスタイルが想像できる『ブランド』が存在する。多くの産業や文化をけん引しているが、東京にはこのブランド化された呼称がない。なので、再定義した」と説明。

 また、同企画の発起人のチェイス・フェダー氏は、「都市は大きな広告代理店が掲げたキャンペーンではなく、人とそのコミュニティから構築されていく」と述べ、「同企画の目指す東京はそこにあり、その東京を作り上げる基盤となる」と話した。現在、東京で独自の感覚や考え方で生活している人が多数いるなか、これらを一つの東京人というブランドで、周知させていく。 

左から4人目が、同企画発起人のチェイス・フェダー氏
左から4人目が、同企画発起人のチェイス・フェダー氏

 同企画は、(1)東京人のライフスタイルを可視化させ、発信するメディア機能(2)未来の東京、東京人スタイルを探求するシンクタンク機能――の2つ役割がある。シンクタンク機能は、官民一体となって、共同コンテンツ開発やイベント開催などを東京人目線で、取り組む場となる。

 外国人有志が中心となって発足された同企画。既に後援に渋谷区観光協会、参画企業には、トランジットジェネラルオフィス、BEAMSなどが決定している。日本の伝統文化とは趣が異なる、最先端の東京の文化を表現し伝える動きに、今後も注目したい。

【平綿 裕一】