香港の旅行会社とオンライン商談 JALサテライトトラベルら新サービス開始

2020年8月31日(月) 配信

商談イメージ

 ジャルパックの香港現地法人、JALサテライトトラベル(藤田亘宏社長)はこのほど、インバウンドニュースサイト「訪日ラボ」を運営するmov(渡邊誠社長)と連携し、オンライン商談サービスを始めた。香港からの訪日観光客誘致を求める日本の関係者へ、香港の旅行会社を紹介する。

 新型コロナウイルス感染拡大で、旅行博などのイベントは軒並み中止となり、海外の旅行会社とコミュニケーションをはかる機会が激減している。こうしたなか、日本の関係者と香港の旅行会社をオンラインで橋渡しする新たなサービスを開始した。香港の窓口をサテライトトラベルが務め、movは日本の窓口となる。

 従来の営業活動では経費がかかるうえに、現地での時間が限られており、希望の企業に会えないこともあるという。また、商談会でも設定された短い時間では相手と深い話ができず、次につながらないという課題もある。

 こうしたことを踏まえ、今回のサービスでは、参加者のニーズを事前にヒアリングし、相手と円滑に商談できるように事務局がスケジュール調整する。オンライン商談会は約45分。また、参加者が作成したメールニュースを香港の有力旅行会社へ1回代行配信する。

利用フローイメージ

 両者は新サービスを、現在の感染拡大防止と経済活動との両立「ウィズコロナ」から、収束後の「アフターコロナ」まで有効なセールス手法として捉え、取り組んでいく。

 なお、movは同様のサービスをオセアニアや東南アジアなどでも展開している。

山梨県在住のYouTuber MINAMIさんが「山梨チャンネルPRリーダー」に就任 9月1日から動画配信

2020年8月31日(月) 配信

MINAMIさんは山梨県在住のYouTuber

 山梨県はこのほど、SNSのフォロワー数が168万人を超えるYouTuberのMINAMIさんが「山梨チャンネルPRリーダー」に就任したと発表した。YouTuberならではの視点や演出で、県の魅力を若い世代に伝える動画を、9月1日から来年3月までに16本配信する。

 山梨チャンネルは2009年3月に県がYouTubeに開設し、今までさまざまな魅力を発信してきた。今回新たに制作する動画では、県内の若年層が動画コンテンツを楽しみながら、県の魅力や情報を再発見してもらう内容を目指す。また、県外の若年層には県に関心を持ってもらう機会とし、理解・認知度の向上と来県機会の増加に期待している。

Go Toトラベル参加の宿42施設を調査 24施設に改善指導行う 観光庁

2020年8月31日(月) 配信

観光庁

 観光庁は8月19(水)~20日(木)に、Go Toトラベル事業参加の宿泊施設新型コロナウイルス感染拡大防止策の実施状況を調査した。2回目となる今回は、42施設のうち24施設が改善の指導を受けた。

 「Go Toトラベルを利用される方が遵守すべき事項」の旅行者への周知は、実施が不十分だった施設が15施設と、最も多く指導された。施設内での掲示や旅行者への紙の配布などで改善をする。

 各地方運輸局が宿泊施設に出向いて調査したところ、旅行者への検温の実施や浴場・飲食施設などの3密対策については、大半の施設で確実に行われていた。

 指導内容として、エレベーターの人数制限を行っていない(1施設)、浴場の人数制限を行っていない(2施設)、公的書類による本人確認を実施していない(9施設)、平日夜間や土休日の保健所との連絡先を確認していなかったため指導(3施設)――など。

 また、「健康チェックシートを記入してもらい、記載した書類を保管している」「部屋食での食材の説明を口頭からお品書きに変更している」「ビュッフェにおいて、事前に盛り付けた小皿の陳列場所上部にアクリル板を設置している」――など、各施設が独自の工夫をしていた。

 観光庁は調査結果を受けて、「登録されたすべての宿泊施設について実施状況を確認していくため、運営事務局における体制の充実・強化をはかっていく」とした。

「津田令子のにっぽん風土記(64)」近江八幡のおいしいものを取り寄せる~ 滋賀県近江八幡編~

2020年8月30日(日) 配信 

乃利松の「味付赤こんにゃく」
近江八幡観光物産協会事務局長 田中 宏樹さん

 滋賀県近江八幡市もまた、NHKのテレビやラジオの取材をきっかけにたびたび訪れている場所の1つだ。八幡堀周辺の古い商家とヴォーリズ建築がとくに気に入っている。

 
 戦国時代に豊臣秀吉の甥、秀次が八幡山城を開城した際、琵琶湖と城下町をつなぐ「八幡堀」をつくって以来、「この水運を利用して商業が発展し、全国をまわる『近江商人』が誕生した」と、近江八幡観光物産協会の田中宏樹事務局長は話す。今も新町通りや、八幡堀周辺には商家の建物や土蔵などが残り、旧西川家住宅、旧伴家住宅は郷土博物館として見学できるのだ。

 
 「それらと並ぶのがヴォーリズによる建築です」と田中さん。米国人のウィリアム・メレル・ヴォーリズは1905(明治38)年に来日し、近江八幡市を拠点に建築設計のほか、医療、製薬、教育などさまざまな事業を行った。「旧八幡郵便局」は、ヴォーリズ建築の保存再生運動を行うNPOの整備によって一般公開されていて見学することができる。

 
 近江商人の歴史を感じる重厚な雰囲気の建物と、ヴォーリズのどこか温かみのある洋風建築は、不思議なほど調和がとれていて近江八幡でしか見られない風景と人気を集めている。「コロナ禍の今でも、個人や小グループで、まち歩きを楽しんでおられます。まちの雰囲気や風情を、ゆったり楽しむのであれば、今がよいのかもしれませんね」と語る。

 
 一方で、最近問い合わせが急増しているのが、近江八幡の味を楽しめる「お取り寄せグルメ」という。気持ちはあっても、なかなか旅に出られない方が多いなか、「ぜひ、近江八幡のおいしいものを味わいたい」との声が全国から上がっているという。明治時代の文明開化以来、自営牧場で育ててきた近江牛の老舗・毛利志満の「近江牛」や、丁字麩を使った吉井の「ちょうじ最中」、口の中でほろっと溶ける和た与のでっち羊羹、派手好きだった織田信長ゆかりの1品で、還暦のお祝いにもぴったりの真っ赤な鉄色が特徴の乃利松の「味付赤こんにゃく」など、ならではのおいしいものが目白押しなのだ。

 
 「近江八幡は、昔も今も(良くも悪くも)そんなに変わらないところなので、ゆっくりのんびりと訪ねてきてくださればと思います」と笑顔で語る。

 
 日本全国さまざまなイベントが延期や中止になっているなかで「BIWAKOビエンナーレ」が10月10日~11月23日まで開催されると聞いたので、ぜひ出掛けてみようっと。

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

 

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(187)」 近代京都のアルカディア「琵琶湖疏水」(京都府京都市)

2020年8月29日(土) 配信

旧御所水道ポンプ室と疏水船の乗下船場

 京都・東山の地下鉄蹴上(けあげ)駅を地上に出ると、南禅寺に向かう赤煉瓦造の小さなトンネル(ねじりまんぽ)がある。トンネル入口の両側には、「雄観奇想」「陽気発處」の2つの扁額がかかる。当時の京都府知事・北垣国道の揮毫である。1890(明治23)年に完成した琵琶湖疏水を記念して書かれた篆書(てんしょ)体の文字である。

 琵琶湖の水を都に引く構想は、平清盛の時代にまで遡る「奇想」であった。延長2436メートルの琵琶湖疏水第1トンネルの掘削工事は困難を極めた。工事に先立ち2本の竪坑を掘った。これも工期短縮をはかる「奇想」であった。工事を指揮したのは工部大学校(後の東京大学)を卒業したばかりの技師・田邉朔郎。まさに日本最初の竪坑であり、日本人だけの手による世紀の大土木工事である。

 1869(明治2)年の東京奠都により、京都の産業は急激に衰退、人口も急減した。このため政府は産業勧業金や洛中の地子免除、産業基立金の下賜を決定し、京都の産業復興をはかった。そのシンボルプロジェクトの一つが琵琶湖疏水の大工事であった。この事業は1930年代世界大恐慌時のテネシーバレー開発を想起する。疏水工事中、田邉らはアメリカコロラド州アスペンの銀山で視察した水力発電所で得た知見から、蹴上と岡崎間の落差を生かして、日本初の営業用発電所(蹴上発電所)を建設。その電力で、京都・伏見間に日本初の電気鉄道(路面電車)を走らせ、紡績、伸銅、機械、タバコなどの新しい産業の振興をはかった。「近代工業都市」京都の誕生である。琵琶湖疏水は、「陽気発する處」となったのである。

 その琵琶湖疏水が、2020年度の日本遺産に認定された。「京都と大津をつなぐ希望の水路 琵琶湖疏水」である。事業を最初に手掛けたのが、疏水を管理・運営する京都市上下水道局だった点も大きな特色であった。今後は、京都から取水口の大津に至る琵琶湖疏水関連の拠点施設を一体的にフィールドミュージアムとして活用すること、疏水沿線の山科区や大津市、伏見区など、京都観光の新しい魅力を創造し、観光の分散をはかるなどが挙げられている。

蹴上インクライン南禅寺船溜まり。正面は船を引き揚げたポンプ室

 既に2018年には大津から蹴上までの「びわこ疏水船」が就航し、予約が取れないほどの大人気である。さらに、今後注目されるのは、蹴上インクラインの復元である。蹴上から先は大きな落差があり、このため蹴上船溜まりと琵琶湖疏水記念館前の南禅寺船溜まりを台車に船を載せて上下した、延長640メートルの傾斜鐡道である。すでに地盤調査も計画されているという。

 琵琶湖疏水は、経済産業省の近代化産業遺産群33以来のお付き合いである。日本の近代化を支えた33の産業物語の中でも一際異彩を放っていた。そんな近代京都のアルカディアに大きな期待を寄せている。

(東洋大学大学院国際観光学部 客員教授 丁野 朗)

オンライン配信チャンネル「おうちで!東栄町のじかん」開設 愛知県・東栄町

2020年8月28日(金) 配信

オンライン配信チャンネル「おうちで!東栄町のじかん」

 東栄町観光まちづくり協会(愛知県・東栄町)は、オンライン配信チャンネル「おうちで!東栄町のじかん」を開設した。新型コロナウイルス感染症の影響で中止となったイベントの代わりに、新たな方法で町の魅力を発信する。

 同チャンネルでは、観光情報サイト「東栄町のじかん」と連携したオンライン番組を企画・配信する。番組では、飲食店や小売店、生産者などの町内事業者に対し同協会職員がインタビューを実施。現地の様子の紹介と併せて店舗や商品の紹介を行う。また、開催中止になった町内のイベントの代替案としてオンラインイベントの企画や実施の支援も行う。

 オンライン配信と連動したネットショップもオープンし、配信内容と連動した商品の紹介や、商品の事前購入を条件としたオンライン企画を実施する。

JTB、感染症対策サービス提供へ PCR検査キットも販売

2020年8月28日(金) 配信

JTBロゴマーク

 JTB(山北栄二郎社長、東京都品川区)は9月1日(火)から、感染症対策として、PCR検査と抗体検査キットの販売及び感染症対策コンサルティングの支援サービスを始める。国内の経済活動再開と継続に当たり、課題解決に向けたサービスを提供する。

 PCR検査と感染症対策コンサルティングは、医療福祉業界の経営コンサルティングを展開しているエムスリーグループのシ―ユーシー(濵口慶太代表取締役、東京都中央区)及びシーユーシー・アイデータ(斉藤重人社長、東京都中央区)と抗体検査はヘルスケア事業を手掛けるプロルート丸光(安田康一社長、大阪府大阪市)と連携し、支援サービスの提供を行う。

 PCR検査サービスは、唾液による検査方法を用いて、検査結果の通知と陰性証明書(和文)の発行を行う。10人以上から申し込みが可能で、料金は1人3万円(税込)。

 抗体検査は「微量採決キット」と「抗体検査キット」を送付する。使用の際に、専用針にて少量の血液を採取するため、産業医などを選任している企業への販売となる。料金は、微量採血キット1セット(200人分)が8万8000円(税込・1人当たり440円)、抗体検査キット1セット(50人分)が15万4000円(税込・1人当たり3080円)。

 感染症対策コンサルティングは、PCR検査や抗体検査実施後の結果状況に基づいた「感染症対策マニュアル」の策定や、濃厚接触者などの健康観察の支援などを行う。料金は、内容に応じて見積もりを行う。

 各サービスに関する問い合わせは、JTB感染症対策支援デスク(03-5909-8061 土日祝日休業)まで。

全旅連青年部、小泉環境大臣に要望書 ワーケーション普及へ支援を

2020年8月28日(金) 配信 

(左3番目から)小泉進次郎環境大臣と鈴木治彦部長

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(鈴木治彦部長)は8月28日(金)、小泉進次郎環境大臣を訪れ、旅先で仕事を行う「ワーケーション」の普及に向けた要望書を提出した。新型コロナウイルス感染拡大でワーケーションが推奨されるなか、資金不足となった宿泊施設に、ワーケーションを受け入れるための助成制度の拡充などを求めた。

 環境省は5~6月、国立公園や国民保養温泉地などでのワーケーションを促進しようと、Wi―Fi機器の設置やPR費用の補助を希望するホテル・旅館などを募集。7月には28の宿泊施設へ補助を決めていた。

 今回、全旅連青年部は同事業の支援額と対象施設の増加を要望。ワーケーションの推進を迅速に進めるため、同省との連携強化を求めた。このほか、感染リスクが少ないなかで仕事を行えるとして、国民へ「国民保養温泉地」と「国民保健温泉地」の認知度向上と利用を促すことも要求。さらに、環境省に、ワーケーションの相談窓口設置も要望書に記載した。

 鈴木部長は「仕事環境の整備は不十分。さらなる受け入れの強化のためにサポートしてほしい」と訴えた。

 小泉大臣は「(ワーケーションは)政府が積極的に促している。環境省でも、就業規則を変えてワーケーションを行えるようにした。さらなる普及に向けて、他省庁とも連携を強化したい」と応えた。

支援事業の予算と対象施設の増加などを求めた

 全旅連青年部は今後、他省庁の事業と組み合わせた利用を勧めるなど情報発信を強化する。このほか、約1万5千施設あるすべての会員施設に、ワーケーションを受け入れるように呼び掛ける。

家で水族館鑑賞を るるぶ&more.がWebツアー実施へ アクアマリンふくしまから生配信

2020年8月28日(金) 配信

家で水族館のようすをリアルタイムで鑑賞

 JTBパブリッシング(今井敏行社長)が運営するWeb旅メディア「るるぶ&more.」は9月12日(土)、初の試みとして水族館から生配信するオンラインツアーを行う。東北最大級の水族館「アクアマリンふくしま」(福島県いわき市)と連携し、家にいながら生きものの姿をリアルタイムで鑑賞する機会を創出する。

 テーマは「水族館探検隊~アクアマリンふくしまからかわいい生きものたちを生配信」。今年7月で開館20周年を迎えたアクアマリンふくしまがある福島県は、黒潮と親潮がぶつかる海域にあり、「潮目」を軸に、生きものが暮らす自然環境の再現や、注目度が高まっている「環境水族館」の裏側などにスポットを当てる。

 また、バックヤード側からエサやりのようすや、飼育員の解説なども中継。約2時間半の水族館ツアーが楽しめる。

 視聴には、事前にID会員登録とチケット購入が必要となる。料金は1人500円(税込)。定員は先着100人で、定員になり次第、受付終了となる。詳しくは、Webサイト「るるぶ&more.」内のイベントのページを参照のこと。

医療従事者が協力、コロナ検査と防止講習始める(Higaeri)

2020年8月28日(金)配信

Higaeri×医師・内野勝行氏

 トラベラー(大場心樹社長、東京都杉並区)が運営する着地型体験ツアーのプラットフォーム「Higaeri(ひがえり)」はこのほど、観光業界向けの新型コロナウイルス対策の提供を始めた。医師・内野勝行氏(金町駅前脳神経内科・院長)の協力を得て、PCR検査や抗体検査、オンラインによる感染拡大防止講習を受けられる。

 同取り組みは、新型コロナの影響で厳しい状態が続くなか、観光業界に従事する人や法人などが安心・安全に旅行者を受け入れられる環境づくりを支援するもの。Higaeriに登録している体験ガイドのほか、観光業界または文化・伝統技術を提供する個人と法人が対象者となる。申込開始日は9月1日(火)から。

 検査料金は、PCR検査がHigaeriガイド会員価格で2千円割引の1万8千円で、抗体検査が同様に2千円割引の6千円。オンラインによる観光施設に対する医療従事者の感染拡大防止講習(医療監修)は、同様で7千円割引の8千円。

 防止講習では、感染拡大防止の正しい知識を伝え、個別事案にあわせて課題などの相談と改善方法をオンラインで指導する(合計60分)。

 内野氏は同社との取り組みの経緯について、福島県・穴原温泉の「吉川屋」で、感染拡大防止講習などを対応したことと説明。現状で必要なのは「新型コロナウイルスの正確な知識と情報、そしてスタッフ・お客様の健康と安全。その対策をするのは観光事業者の義務であり、その体制や環境が整って、初めて良いサービスが提供できる」との考えを示した。