大型囲炉裏を新設、夕食会場に「信州IRORI」(黒部観光ホテル)

巨大囲炉裏「信州IRORI」でお出迎え
巨大囲炉裏「信州IRORI」でお出迎え

 11月に開業50周年を迎える長野県・大町温泉郷の「黒部観光ホテル」は、今年4月に露天風呂エリアをリニューアルし屋外サウナ「森のサウナ」を新設、同7月に大町温泉郷唯一の夕食バイキング会場に信州郷土料理と新たな山岳リゾート料理を提供する「信州IRORI」を新設した。信州IRORIは、直径180センチ×高さ200センチの大型囲炉裏で、信州の郷土料理である灰焼きおやきや山岳リゾート料理(グラタン、鍋料理、スープ等)を提供する。

 通常夕朝食バイキングで使用しているこの信州IRORIを、10月11・12・18・25日の午後2―4時まで、ロビーの「田舎茶屋」脇に設置し、「おやき」や「こりんと」など信州郷土料理や菓子で客を出迎える「Welcome 信州IRORI」を開く。

 開催日には、信州や山岳に関する雑誌もそろえて、信州の歴史や観光にも親しみを持ってもらう空間づくりを目指している。

 問い合わせ=電話:0261(22)1520。

「たけふ菊人形」PR、越前市で北陸の秋の風物詩

公演するOSK日本歌劇団がPR
公演するOSK日本歌劇団がPR

 福井県越前市で開かれる、北陸の秋の風物詩「たけふ菊人形」(10月3―11月9日開催)のPRで9月18日、実行委員会とOSK日本歌劇団の一行が関西支社を訪れた。

 同イベントは今年で63回目を迎え、会場は武生中央公園。菊花愛好家が育てた大菊や小菊、盆栽菊など1万鉢以上が展示され、毎年期間中に約10万人が訪れる。今年の菊人形展示のテーマは、放映中の大河ドラマでおなじみの「戦国の天才軍師 黒田官兵衛」。官兵衛の人生に大きな影響を与えた、有岡城幽閉の土牢など8つのシーンを再現する。世界最大となる高さ3㍍の官兵衛の〝メガ菊人形〟も必見だ。

 また、毎年好評のOSK歌劇団の今年の公演演目は、スペインを舞台にした王妃と国民的スターの愛の物語「愛の翼~Aras Del Amore~」。歌やダンスなどのショーも含め、約1時間の公演で観劇料は800円。

 国民的スターのエミリオ・ソレールを演じる同歌劇団の真麻里都さんは、「このイベントでは初のトップなので不安と楽しみが半々。1人の女性への愛に目覚め、スペインの内乱に挑むという役どころの心の動きを感じてもらえれば」。王妃を演じる折原有佐さんは、「王妃らしさを出すための立ち居振る舞いに苦労しました。王妃の苦悩が伝わるよう演じたい」と話した。越前市観光協会の飯田政利さんは「開催期間中に、菊師による菊の着せ替えもあり、そちらも見ものです。人気イベントですのでぜひお越しください」とPRした。

2015年度版「ピンクリボンのお宿」冊子発行!

2015年版冊子

 「ピンクリボンのお宿ネットワーク」(会長 畠ひで子=匠のこころ吉川屋女将)は10月6日、加盟するお宿情報をまとめた冊子「ピンクリボンのお宿」を発行いたしました。

 冊子では加盟するお宿の温泉・お風呂情報を中心に、「洗い場の仕切りがある」「脱衣所での配慮」「入浴着着用の有無」「貸切り風呂対応」などをご紹介しております。さらに、宿泊プランや宿泊特典、温泉や料理に関するコラムなども掲載し、また巻末にはお得なクーポンページもございます。

 全国の病院やネットワークに加盟する宿などで配布するほか、お問い合わせいただいた方にも無料で送付いたします。

 
 詳細は同ネットワークホームページ(http://www.ryoko-net.co.jp/modules/pink_oyado )から。

桑田雅之次期青年部長、政策目標を達成したい、衆・参院選挙を控え

桑田次期部長(左)と山口部長が握手
桑田次期部長(左)と山口部長が握手

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の青年部(山口敦史部長)は9月11日に臨時総会を開き、次期青年部長に桑田雅之氏(菅平高原温泉ホテル代表取締役)を選任した(既報)。桑田氏は当選人演説で「『One for  All,All for One』(一人はみんなのために、みんなは一人のために)」の精神で青年部の組織運営を行うことをアピールした。さらに、さまざまな課題を解決していくうえで、(1)政策問題への取り組み(2)流通課題への取り組み(3)インバウンドへの取り組み(4)組織強化(5)未来を担う若手経営者の育成――の5つの基本方針を推進していくと語った。

 政策問題への取り組みについては、「耐震問題や固定資産税、NHK受信問題、国内旅行の活性化に向けて有給休暇を取りやすくするといった大事な政策、業界の環境が変わるような政策に取り組まなくては全旅連青年部が存在する意味はない。しっかりと取り組んでいきたい」と語った。さらに、「私の期には、16年7月に参議院議員選挙、同12月には衆議院議員の任期満了を迎え、選挙が行われる。このときに我われ宿泊業界が一丸となって、一つでも政策目標を達成していきたい」と強調した。

 流通課題への取り組みでは、全旅連サイト「宿ネット」をベストレートギャランティー(最低価格保証)の直販サイトにリニューアルするビジョンを示した。

 インバウンドへの取り組みでは、「RYOKANブランドを確立し、しっかりとプロモーションしていく」とし、観光庁の施策にRYOKANブランドを含めてもらい、国土交通省、観光庁との結びつきを深めていきたい」とした。

 組織強化では、「見える化」を進める。「旅館規模の関係でどうしても参加できない部員もいるため、セミナーや総会などのネット配信ができるようにしたい」と語った。そのほか、青年部の緊急ネットワーク網の整備を継続するほか、青年部員の減少により、全国大会の低予算化に取り組み、その分を各委員会など青年部事業への予算増加をはかる。

 未来を担う若手経営者の育成では、若手経営者の登竜門となるような年間プログラムを作成していきたいとした。

 そのうえで、桑田氏は「皆の想いが叶えられる組織でなければ、組織の存在意義はない」とし、「アンケートで部員の声を集め、年内には新たな事業も含め、事業内容をしっかりと作っていきたい」と語った。

青年部員の前で当選人演説を行う
青年部員の前で当選人演説を行う

【桑田雅之氏演説】「One for All ,All for One」
(一人はみんなのために、みんなは一人のために)

 ラグビーでよく使われる言葉ですが、これはすべての組織を運営するために必要な基本的な考えだと私は思います。全旅連青年部においては「青年部員は全旅連青年部のために、全旅連青年部は青年部員のために」と解釈できると思います。

 現状はどうでしょうか? 地元の部員に聞いても全旅連青年部はどんなことをやっているのかわからない。という答えが返ってきます。では実際我われの活動は意味の無いことをやっているのでしょうか? そんなことはないと思います。ただ、上手く伝わっていない状態なのだと思います。

 そこで、私が思い描く全旅連青年部とは、私がやりたいことを実現することはもちろんですが、可能な限り皆さんの共通意見を取り入れ、それを全国に伝えていくことだと思います。

 私はラグビーというスポーツを通して色々なことを学んできました。海外のチームでプレーし、プロとしてのハングリーさや、自分を犠牲にしても仲間を生かすチームワークを学び、自分よりも遥かに大きな相手に立ち向かって行く勇気を養い、さまざまな文化や人種の狭間でコミュニケーション能力を磨く、という貴重な経験をしてきました。

 私は、「One for All,All for One」(一人はみんなのために、みんなは一人のために)の精神でこの組織を運営し、この業界を取り巻く問題に全青年部員のスクラムを組んで立ち向かって行きたい。

 そういう想いで次期青年部長に立候補させていただきました。

No.383 旅館経営教室(2)―「おもてなし」 - おもてなしを科学的にモデル化

旅館経営教室(2)―「おもてなし」
おもてなしを科学的にモデル化

 宿泊業界では普通に使われていた「おもてなし」という言葉が昨今、急に注目度が高まっている。一方で、スタッフの接客や接遇にともなう「所作」や「動作」がおもてなしの議論の中心になるケースも多い。工学博士で、サービス産業革新推進機構代表理事の内藤耕氏が「旅館経営教室」の第2弾として、おもてなしを「お客様とスタッフが一緒に行う情報交換の一連の作業プロセス」と定義し、さまざまな現場の事例とともに深く考えていく。(4面に続く)
【増田 剛】

 「おもてなし」が、ここにきて世の中で一つの重要なキーワードとなりはじめています。しかし、宿泊業界はずっと前からこの言葉を普通に使っており、そもそもこれが何か新しい概念というわけではありません。

 私は、サービス産業の生産性革新の科学的手法の開発を専門に、現場の調査と研究を進めています。

 このように言いますと、何かとても無味乾燥なことをやっているように思われますが、実際の現場でスタッフと顧客の間で取り交わされているさまざまなやりとりが、サービスの生産活動の最も基本的な部分であり、だから「日々の顧客接点の現場で実際に何がどのように行われているのか」ということに自分はとても関心があります。

 この7―8年、現場で実際に働いているスタッフに地道にヒアリングし、ここにきて注目が急に増してきたこの「おもてなし」をもう少し科学的にモデル化できないかと思うようになりました。

 結論から言いますと、今の「おもてなし」で議論されていることに漠然とした違和感を持っています。それはなぜかというと、多くの場合、そこにスタッフの接客や接遇にともなう「所作」や「動作」に議論の中心があるからです。…

 

※ 詳細は本紙1560号または10月7日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

宿文化の継承 ― 宿に誇りを持つ若い世代が増えた

 長野県と岐阜県の県境にある御嶽山が噴火し、多数の死傷者が出た。突然の噴火だったため、秋の紅葉シーズンを迎えた登山を楽しむ観光客が犠牲となった。つい最近では、広島で大規模な土砂災害が発生した。自然と密接している山や海、川沿いに多い旅館や観光施設の方々には、くれぐれも用心してほしいと思う。もちろん、自然災害は、山間部や海辺だけでなく、都市部にも及ぶ。

 さて、先日、長年ずっと行きたかった山形県米沢市の山奥にある一軒宿・姥湯温泉桝形屋を訪れた。日本各地で「秘湯」と言われる温泉宿を訪ねたが、この姥湯温泉への道は、想像を絶するほどの過酷さだった。日本を2周するほど走った愛車で細い急峻な坂道を登り続け、途中狭いカーブで岩にぶつけ、へこませてしまったが、後悔はしていない。東日本大震災の直後、東北の地図を描いたステッカーを貼って、東北自動車道を風を切って疾走している車をたくさん見かけたが、私の車にはもう日本地図のステッカーを貼っても許されるのではないかと思っている。

 話を戻そう。

 通常なら誰も近づかないような断崖絶壁の場所で温泉を守り、宿を営む。そこで日本全国から訪れる宿泊客を受け入れる。その事実だけでも、私はこの一軒宿を17代も守り続けていることに敬意を表したのだった。その日、18代目となる遠藤哲也さんと宿で色々な話ができた。シンプルでありながら、温かみのある客室。ツヤを消した丈夫な柱など、宿のこだわりなども話した。桝形屋は日本秘湯を守る会に加盟している。今年40周年を迎える日本秘湯を守る会では、後継者問題が大きな課題となっている。しかし、これは、多くの旅館経営者の共通の悩みでもある。

 口には出さないが、「実は旅館を経営してみたい」と思う人は多い。私の尊敬する大先輩の旅行作家も山荘を経営する夢を抱いていたし、つい最近は意外な人物もそのような夢を持っていることを知った。また、実際に雑誌「自遊人」を発行する岩佐十良氏は新潟県南魚沼市で旅館「里山十帖」の経営を始めた。先日、お話する機会を得た。岩佐氏は「ぜひ取材に来てください」と笑顔で言われた。

 10月8日に京都で全旅連青年部の全国大会が開かれる。青年部は次世代の宿文化を担う者たちの集まりだ。青年部員は年々減少しているが、最近は青年部員の意識の変化を感じている。今から15年ほど前の青年部員は、まだ「遊び人」風情の若旦那が多かったという印象が残っている。そして、心のどこかに「宿を継ぐことが嫌だ」という空気が漂っていた。彼らに宿を継ぐ誇りのようなものは希薄だったような気がした。そんな時代だった。バブル経済が崩壊し、宿は膨大な借金を残し、地方は本格的な荒廃に向けて、坂を転がり始め、衰退へと加速していた。その後もしばらくの間、青年部の会合では、「旅館経営者として夢を持とう!」という言葉を多く聞いた。

 今は地方の状況は一層厳しいものとなったが、一方で宿の経営者としての誇りを感じる青年部員の割合は増えているような気がするのだ。時代の流れかもしれない。だとしても、それは悪い流れではない。宿文化というものを、もう一度若い世代が見直す時期が来たような気がする。

(編集長・増田 剛)

6カ月連続で100万人突破、8月の訪日外客数(JNTO)

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 日本政府観光局(JNTO、松山良一理事長)がこのほど発表した8月の訪日外客数は、前年同月比22・4%増の110万9600人と、8月の過去最高を記録した。これにより3月から6カ月連続で月間訪日客数100万人を突破。1―8月累計は前年同期比25・8%増の863万7800人。

 市場別では、中国、台湾、香港、タイ、ベトナム、インド、米国、カナダ、フランス、ドイツが8月として過去最高を記録した。

 重点市場の動向をみると、中国は同56・5%増の25万3900人。大型クルーズ船14便の寄港があり、7月に続き、8月も最も訪日旅行者数の多い市場となった。1―8月の累計では前年同期比84・0%増の154万2400人となり、すでに年間の過去最高(2012年の142万5100人)を上回った。

 韓国は同16・7%増の25万1400人で、2カ月連続で前年同月比プラスとなった。8月としては過去2番目の記録だ。

 台湾は同17・9%増の22万9900人と、13年2月から19カ月連続で各月の過去最高を更新中。成田便の増便や地方空港へのチャーター便が就航し、団体・個人旅行ともに好調に推移している。

 同じく香港も、同4・4%増の7万4900人と、19カ月連続で各月の過去最高を更新中。テーマパークの入場券とセットになった旅行商品などが好評だった。

 そのほか、東南アジア諸国では、タイが29カ月連続、ベトナムが32カ月連続で各月の過去最高を記録。同71・0%増の1万1500人となったフィリピンは1―8月の累計(11万4300人)で、すでに前年の年間訪日旅行者数を上回った。一方、マレーシアとインドネシアは、昨年は8月だったラマダン明け休暇が今年は7月であったため、前年同月比でマイナスとなったが、7―8月の合計ではそれぞれ前年同期比25・0%増、同4・1%増の伸びとなった。

 なお、出国日本人数は同2・8%減の178万8千人と、3カ月連続でマイナスとなった。

官民の温度差

 メラビアンの法則は状況設定に関し諸説あるが、相手に与える印象は、表情や服装、態度などの視覚情報が55%、声のトーンや大きさ、口調などの聴覚情報が38%、話の内容や言葉などの言語情報が7%といわれる。

 今年も47都道府県観光アンケートをお願いするため、各県の観光課に電話をしたのだが、対応は千差万別。丁寧でまさに「おもてなし」を感じる対応や、世間話を交えたフレンドリーな対応もあれば、明らかに煩わしそうな対応や、事務的で無機質な対応もあった。昨今、「おもてなし」が取り沙汰され、観光はその最たるものだが、観光を担当する役所の対応におもてなし精神が感じられないのは残念だ。民間企業は顧客満足を高めるため「おもてなし」に力を入れている。この官民の温度差やいかに。国民の「公」として、役所には「おもてなし」を率先する心ある対応を期待したい。

【伊集院 悟】

【KNT―CT国内大交流コンベンション】全国の支店が集結、各地域が魅力PR

ホールディングス 戸川和良社長
ホールディングス
戸川和良社長

 KNT―CTホールディングス(戸川和良社長)は9月17日、新たな国内旅行需要の発掘を目指した「第3回国内大交流コンベンション」を東京都内で開き、商談会と分科会を行った。グループの全国支店約80カ所と協定旅館連盟・全国ひまわり会の会員180人が、活発な商談や各地域の魅力をPRした。

 分科会では地域ブロック別にブースを構え、各支店に向けたプレゼンテーションやグッズ紹介でにぎわった。北海道ブロックの定山渓は、「風呂に入って飯食って帰る、ではなく、アクティビティも増えている」とカヌー体験・フルーツ狩りや、札幌から40分というアクセスの良さなどを紹介。九州ブロックの鹿児島県はPR隊のかごしま親善大使、熊本県はくまモンが登場するなど多くの人の注目を集めた。

 戸川社長は「地域誘客交流事業は、近畿日本ツーリストの広範なネットワークとクラブツーリズムの開発力を最大限に活かせる。着地のニーズと発地のニーズを合わせて生の旅行商品を造成する」と語った。

 近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟の西野目信雄会長は、来年度の交流会について「また新しく形を変えて、地域活性化につながる交流会にしていく」と意気込みを語った。

横柄な運転手

 沖縄・石垣島に出張した際、空港とレンタカーステーションを結ぶバスに乗って驚いた。運転手がタメ口でガムを噛んでいたのは百歩譲って良いとしても、シートベルトをせずに運転していたのは立派な道路交通法違反である。にもかかわらず、車内には「ポイ捨て厳禁! 発見の場合、罰金1万円頂きます」との張り紙が四方八方に貼ってある。

 島に降り立った観光客が、こういう光景にでくわしたらどう思うか。商談で会った、石垣市観光交流協会会長にその状況を説明し、改善を求めた。タクシーや飲食店などへのクレームも多いという。

 一部の連中は、口を空けていれば、勝手にお客が入ってくると思っている。相変わらず絶好調の八重山観光だが、その土台が揺らいでいる。

【土橋 孝秀】