「観光革命」地球規模の構造的変化(254) FECTの重要性

2023年1月3日(火) 配信

 観光業界にとっては重苦しい新年を迎えている。世界的にコロナ禍が完全に克服されたわけではなく、新たな変異株の出現が各国で報告されており、従来のワクチンが効果を発揮できない危険性も指摘される。また地球温暖化に伴う諸々の異常気象の発生も懸念される。ウクライナ戦争の泥沼化に伴って、世界的にエネルギー危機や食糧危機が顕在化しており、世界の分断化に拍車がかかっている。

 米国と中国による覇権争いが継続しているが、バイデン政権には世界の覇者としての役割を果たすパワーがなく、一方で独裁体制を強化している中国の習近平政権もいつ崩れてもおかしくない不安定さを抱えている。

 日本はひたすら日米同盟を重視しているが、経済面や観光面を考えると中国を軽んじることはできない。されど岸田政権は極めて脆弱であり、混迷の度合いを深める国際政治・経済の変化に的確に対応できない可能性が大だ。岸田政権は基本的に財務省主導政権で、観光立国に熱心ではなく、むしろ増税路線を重視しているために、観光産業にとっては厳しい状況が続きそうだ。

 コロナ禍以前の安倍政権では「観光ファースト」政策が積極的に推進されたが、コロナ禍を経験した日本の国民はもはや「観光ファースト」を考えていない。むしろ自分たちの日々の暮らしに直結するさまざまな社会的課題の解決こそが最優先と感じている。

 人口減少による少子高齢化が急速に進展している日本の諸地域においてはむしろ「FECT自給圏の形成」が不可欠になる。Fはfoodsで「食料」、Eはenergyとeducationで「エネルギーと教育」、Cはcareやcureで「介護・看護や医療」、cultureで「地域文化」、civic prideで「市民の誇り」、Tはtechnologyで「技術」、trafficで「交通」、tourismで「観光」など。今後は1つの地域でのFECTの自給自足が重要になる。観光はあくまでも一つのカードに過ぎない。

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

 

〈観光最前線〉毎日サバ生活

2023年1月2日(月) 配信

毎日サバ生活

 一昨年の定期健康診断で血圧が高くなり途中で初めてストップがかかってしまった。これはマズいと慌てて病院に駆け込み、薬をもらったが半年経っても一向に血圧が下がらない。こうなったら根本的な体質改善を行い、体重を減らして血圧を下げるしか方法はないだろうと判断した。

 まずは食事内容を改善すべく、強制的な糖質制限でお米を一切食べない方法を選択。昨年2月から米抜きの食事を始め、毎朝サバを食べることに決めた。確実に実行するため、コンビニで販売されている「サバの塩焼」を大量に買い込んだ。これが意外とうまい。あとは減塩タイプの味噌汁に納豆、茹でたブロッコリーを毎朝食べるようにした。

 毎日サバ生活を続けた結果、6カ月後に体重は18㌔減少し、血圧もほぼ正常値まで下がっていた。

【古沢 克昌】

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(144)「知っていること」を増やすことから 実体験からの言葉を

2023年1月2日(月) 配信 

 

 さまざまな業界で、スタッフ研修が増えています。そのなかで成果をあげているのが「会話集をつくる」です。あるタクシー会社のドライバー研修では、空港まで乗車したお客様が降車するときに、「記憶に残る一言」をロープレ研修すると、「ありがとうございました。お忘れ物のないようにご注意ください」というタクシー乗車時によく聞く言葉しか出てきませんでした。

 「その言葉にプラスして、もう一言をお願いします」と促すと、一生懸命に考えてもなかなか次の言葉が出てきません。もちろん、「その言葉も素晴らしい」と評価する人もいますが、それは長い業務の中で身に付けたものです。あるいは、その人の感性から生み出された言葉です。

 やはり多くの人は、知らないことは実行できないのです。お客様への声掛けも、頭にない言葉はいくら考えても思い浮かばない。これはタクシードライバーだけなく、すべてのサービススタッフにも言えます。例えば、雨の降る夜遅くに、ホテルに到着したお客様へフロントスタッフは、どういうお迎えをするのか。あるいはレストランで早い時間に夕食を済ませたお客様に、会計係はどのような言葉を掛けられるか考えてみましょう。

 スタッフはその都度現場で思いつく言葉を掛けていると思いますが、それを記憶して、現場で再び実行するのは非常に難しいことです。研修では、参加したスタッフ同士でどのような言葉を掛けたかを思い出しながらディスカッションして、ほかのスタッフの事例も共有し、掛ける言葉の事例をたくさん記憶してもらいます。

 知っていることが増えれば、次はできることを増やします。繰り返しロープレ研修で、記憶したことを実際に言葉にしてやってみるのです。頭で理解していても意外とできないもので、やったことのないことはできません。恥ずかしさもあります。だからこそ、頭で理解したことを実際に行動してみるのです。さらに、異業種を含めて、利用者に喜んでもらえる言葉や行動を実体験から吸収しましょう。それを自身の仕事に置き換えて新しい行動を創り出すのです。

 ある雨の寒い日に、仕事を終えて遅くホテルに到着したときです。ホテルのフロントスタッフに「雨の中、遅くまでお仕事お疲れ様でした。お部屋を温めてお待ちしておりましたので、ゆっくりとお寛ぎください」と声を掛けられ、一日の疲れも吹き飛んだうれしい記憶があります。そこからタクシードライバーは、「雨の中、お待ちいただきありがとうございます」、「夜遅くまでお疲れ様でした。ゆっくりとおやすみください」といった言葉を考え、「考動」するようになったのです。

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

 

 

〈旬刊旅行新聞1月1日号コラム〉2023年を迎え――価値観の多様性により強靭さを備える

2023年1月1日(日) 配信

 コロナ禍も3年を迎え、ようやく長いトンネルを抜け出せる気配を感じている。

 

 22年は、世界中が新型コロナウイルスの終息に向けて悪戦苦闘している最中の2月、ロシアによるウクライナ侵略戦争が勃発した。短期的な決着を目論んだロシアの思惑通りにならず、長期化の様相を呈してきた。CO2削減など、世界が協調してサステイナブルな環境問題に真摯に対峙しているなかで前世紀的な侵略戦争に踏み切った。23年も地球規模のエネルギーや食糧不足にも大きな悪影響を与えるだろう。

 

 

 世界を見渡しても、新しい価値観を生み出し、洗練された文化を創造する国は輝かしく映り、尊敬の念を抱くが、各国が足並みをそろえて前進しようとする本流とは逆行している感が否めないロシア。プーチン大統領に対して、インドのモディ首相が「今は戦争の時代ではない」と直接苦言を呈したが、世界中の多くが同様の思いを抱いているはずだ。

 

 民主主義国家はさまざまな民意を汲み、多数決によって意思決定をしていかなければならない。これと比べて、専制主義国家は迅速な判断が可能なため、民主主義政治の限界がクローズアップされた時期も一部で見受けられたが、どうやらこれから数年のうちに、情報や民意を統制する専制主義国家の脆弱さを目の当たりにするかもしれない。フランス革命という人類史上最大の転換点以降、多少の逆戻りはあるにせよ、今後も人権が広く保障される方向に流れていくことは間違いない。

 

 民主主義国家では、さまざまなメディアやSNSを通じて情報に溢れ、価値観のぶつかり合いも日々行われている。その複雑多岐な世界にどっぷりと浸かれば、心身ともに鋭敏になり疲弊するが、文化は洗練されるし、価値観の多様性によって社会としての強靭さも備わる。一方、情報を統制し続ける社会では、時代を読み解く力が鈍くなり、大きな変化には脆弱になる。

 

 頑なに「ゼロコロナ政策」をとってきた中国も揺らいでいる。年末に北京や上海などのデモを受け、緩和へと大きく舵を切った。もはや中国共産党が人民の行動や発言の自由を縛り付け続けることの限界点を迎えた瞬間だと感じ取った。

 

 

 22年は11月から12月にかけてカタールでサッカーワールドカップが開催された。日本以外の国の試合もたくさん観たが、私は欧州の強豪国と死力をかけて戦う同じアジアの国に、より強い共感を覚えた。日本代表はやや上から目線的なドイツやスペインを相次いで撃破し、その意味で爽快であった。そして約1カ月におよぶ熱戦を制したのはアルゼンチンだった。

 

 

 アルゼンチンのサッカーはずっと前から好きで、日本代表が敗退すれば応援してきた。マラドーナやメッシなど天才を生み出すため、どうしても彼らに注目が集まるが、アルゼンチンのサッカーは一言でいえば、泥臭い。スペインやフランスのように華麗ではなく、ブラジルのようなダイナミズムもない。 

 

 欧州の強豪国相手には試合を支配され、押し込まれる時間帯も多い。しかし、守らなければならない場面ではユニフォームを真っ黒に汚しながら必死に走り、無様にしぶとく守り抜く。そこに本当の強さを感じる。

 

 何はともあれ、新年を迎え、しぶとく生きていきたいと感じている。

(編集長・増田 剛)

あなたが好きな露天風呂のある宿 結びの宿愛隣館(岩手県・新鉛温泉)

2023年1月1日(日) 配信

 旅行新聞新社ではホームページ上で「あなたが好きな露天風呂のある宿」のアンケート調査を実施しました。人気を集めた宿のなかからおすすめの施設を紹介します。

結びの宿愛隣館(岩手県・新鉛温泉)

山の湯「立湯露天風呂 満天の湯・星」

 3つの豊富な源泉を17の浴槽で楽しめる温泉好きにはたまらない宿、「結びの宿 愛隣館」。花巻温泉郷でも珍しい飲用できる温泉は、効能も抜群でリピーターも多い。立地は豊沢川と緑豊かな自然に囲まれた抜群のロケーションで、森林浴と併せて湯浴みを堪能することができる。

 評判の温泉は2019年にリニューアルした「山の湯」のほか、ゆったりと豊沢川の流れを眺めながら湯浴みを楽しめる「川の湯」、ヒーリング効果抜群の「シルクバス」が人気の「森の湯」と、3カ所の大浴場で楽しめる。このほかにも、源泉掛け流しの「陶器風呂」、名物の立ったまま入浴する「立湯露天風呂」など、滞在中は17の浴槽をすべて心ゆくまで満喫することができる。

 2021年12月には、ワーケーションにも対応して、人気の和モダンツインルームが12室増室されたほか、景色を楽しめる「花かんむり」側には、四季折々の景観を独占できる露天風呂付客室が、新たに4室増設された。温泉が自慢の「愛隣館」で、これまで以上にハイグレードで贅沢な時間を過ごせる客室へと生まれ変わった。

 プランにより選べる旬の食材を生かした夕食は、ハーフバイキングを楽しめる「かまどダイニング」と、水入らずの時間を過ごせる「お部屋食」でいただける。また、朝食バイキングでは石窯オープンキッチンから提供される料理や、「はなまき朝ごはんプロジェクト」による地元の野菜料理が好評だ。

宿データ

川の湯「岩露天風呂」
森の湯「陶器露天風呂」

住所:〒025-0252 岩手県花巻市鉛字西鉛23

TEL:0198(25)2619 FAX:0198(25)2938

チェックイン:午後3:00 チェックアウト:午前10:00

風呂:大浴場「山の湯」「森の湯」「川の湯」、貸切風呂「ちゃっぷん」

泉質:ナトリウムー硫酸塩泉、ナトリウム・カルシウムー硫酸塩泉

客室:全100室

料金:1万3000~5万9000円

【特集No.625】2023年インタビュー 日本旅館協会・大西雅之会長に聞く 自力で立ち上がる“正念場の年”に

2023年1月1日(日) 配信

 全国旅行支援の開始や訪日旅行再開で、コロナ禍の影響を受けた観光業界は回復基調に転じた。政府によって地域一体となった観光サービスの高付加価値化事業が推進されるなど、観光消費額増加への取り組みも加速している。一方、人手不足問題なども生じた。そこで、2022年6月に日本旅館協会の会長に就任した大西雅之会長に宿泊業界の現状と、回復への正念場として捉える23年における業界活性化への想いを聞いた。

【聞き手=本紙社長・石井 貞德、構成=木下 裕斗】

地位向上へ宿泊単価アップを

 ――会長に就任した2022年は、どのような年でしたか。

 「本当に厳しかった」の一言に尽きます。日本旅館協会が実施したアンケートでは、会員の施設の多くが3月を決算月とするなか、約62%が今期経常赤字となる見込みです。償却前の段階でも約半数は赤字です。結果、20~21年にコロナ禍で抱えた過大な債務に加え、さらに22年も負債が積み増しされている状況です。

 さらに、社員のモチベーション低下で、離職者が増加し、人手が足りなく、多くの旅館・ホテルはフル体制で営業できていません。

 確かに、22年10月からは全国旅行支援によって国内旅行の需要は増え、コロナ前の業績に近づいています。訪日旅行も再開されたことで苦しい状況から、明るい兆しが見えた年でもありました。地域経済への波及効果もあり、大変ありがたく思っています。

 しかしながら、長期間続いたコロナ禍による業界の痛手は想像を絶するほど大きく、日本ホテル協会によると、この間の赤字は会員平均42年分にも及んでいます。

 ――全国旅行支援は23年1月以降、割引率を引き下げます。

 私は全国旅行支援を観光業だけのために実施するものではく、日本経済を活性化する、とくに地域経済のための政策だと捉えています。観光業は他業種への波及効果が高く、地域産業の基盤で、地方活性化には不可欠であると自負しています。

 大変残念なことに23年1月10日(火)以降、割引額を減額しながら、都道府県に配分した予算がなくなった時点で終了すると、支援事業のソフトランディング方針が発表されました。今年度末前後まで、長くてもゴールデンウイーク前に終了する見通しであり、このような短期間で終了すると、返済に充てる資金を得る手段をなくす会員も多く、経営を続けられない事業者が続出してしまいます。我われ業界がとくに訴えたいのは、コロナ禍が原因の赤字は、行動制限によるもの。宿泊業の経営の過ちが理由ではありません。

 全国旅行支援が終了したあとも、新しい制度を創設してもらえるよう、23年も継続して政府に強く要望します。

 日本の観光業が伸長できたのは、訪日外国人観光客が増えたことがおもな要因であるため、今後コロナ禍で負った債務を返済するために、訪日需要が一定の水準に復活するまで、力強く息の長い支援を続けてほしいと強く願っています。……

【全文は、本紙1891号または1月11日(水)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

【里山の別邸 下田セントラルホテル・小野高明社長に聞く】美しい里山づくりを強化 

2022年12月31日(土) 配信

小野高明社長

 静岡県・伊豆下田相玉温泉の「里山の別邸 下田セントラルホテル」は、大手製薬会社の大正製薬のグループ会社として1982(昭和57)年12月27日にオープンし今年末で創業40年を迎えた。ホテルの歴史や今後について同ホテルの小野高明代表取締役社長に聞いた。

 ――創業の経緯は。

 大正製薬の創業者・故上原正吉氏の夫人小枝氏の出身地であったことがきっかけでした。小枝氏はふるさとへの恩返しとして広々とした里山に多くの人が集い、気軽に憩える宿を作りたい、そして故郷がにぎわい、多くの人が働ける場を提供したいと考えていました。現在でもお客様にいかに喜んでいただけるかを考えた「手作りのサービス」の伝統と精神を引き継ぐ営業を行っております。

 ――沿革を教えてください。

 1982年12月27日に下田セントラルホテル(現在の西館)を開業。客室数は31室でした。4年後には東館をオープン。また、2006年に東館に庭園付露天風呂客室と和洋スイートを新設しました。13年には館名を「下田セントラルホテル」から「里山の別邸 下田セントラルホテル」に変更したほか、露天風呂付客室を増設しました。
 さらにその後、庭園付露天風呂客室をコンセプトの異なる6つの庭園に改修しました。

 ――ホテルの特徴は。

 清流が流れる1万坪の敷地の宿で里山時間を堪能いただき、お客様の別邸として寛いでいただける宿です。自家源泉の「相玉温泉」と、季節感ある旬の食材を使った料理もお楽しみいただけます。

 ――次の50周年に向けての考えは。

 里山をテーマに独自の魅力作りへの変革を開始しています。美しい里山づくりプロジェクトと題し、収穫体験のできる自家農園「相玉農園」や季節の花々が楽しめる「花と緑とさくらの小路」、旅する蝶の飛来地として「下田アサギマダラの里」を整備しています。

【精神性の高い旅~巡礼・あなただけの心の旅〈道〉100選】-その21- 出雲大社&美保神社の両参り(島根県出雲市・松江市) 古代出雲巡る開運・両参り 生命力アップ 蛇信仰の聖地

2022年12月31日(土) 配信

 島根県の西には出雲大社、東には美保神社があります。出雲大社には、縁結びのご利益があるオオクニヌシ様(大黒様)、美保神社には商売繁盛のご利益があり、恵比寿様の総本宮のコトシロヌシ様(恵比寿様)がお祀りされています。

 

 実はこの神様方は、親子の関係。この親子の神様方を両参りすることで、さらなる開運効果が倍増するといわれています。えびす・だいこく参りとも呼ばれていまして、江戸時代に盛んに行われた風習とのこと。

 

 さて、日本最古の歴史書「古事記」によりますと、オオクニヌシ様はとても偉大な力を持ち、私たちが暮らすこの地上の国を作り上げたので、「国づくりの神」とも呼ばれています。

 

 国づくりといえば、オオクニヌシ様と、小さな神様であるスクナヒコナ様と出会って、功を成しました。このお2人の神様方の最大の功績は、日本に医療をもたらしたこと。スクナヒコナ様の強い生命力は、医薬から温泉・酒造にも及びます。

 

 

 島根の玉造温泉は、スクナヒコナ様が発見し、温泉療法を伝えたといわれています。「伊予国風土記」によれば、愛媛の道後温泉の話が出てきて、オオクニヌシ様が大分・別府温泉の湯を地下を通して、瀕死のスクナヒコナ様に掛けると、スクナヒコナ様は何事もなかったように、生き返ったとのこと。

 

 そのオオクニヌシ様をお祀りする出雲大社。出雲大社までは、出雲縁結び空港からリムジンバスで40分程度。両参りするには、先にお父様であるオオクニヌシ様から先に、お参りします。出雲では古代から、蛇信仰があります。また、10月のことを「神無月」といいますが、これはこの月に全国各地の神々が出雲に集まることからいわれていて、出雲では「神在月」になります。

 

 神々は、旧暦の10月10日に海蛇に導かれて、出雲大社近くの稲佐の浜にお越しになります。この海蛇は、南海産の「セグロウウミヘビ」といって、非常に霊威が強いとされます。古代より、蛇を霊威の源として祀っていたのです。

 

出雲大社

 出雲大社の写真にありますように、大きなしめ縄が飾られています。あれは、雄と雌の蛇が絡み合っているお姿なのです。しめ縄は日本全国どこの神社にもありますが、出雲大社のしめ縄はその大きさでも有名。ほかにも、しめ縄の大きさを誇る神社は多く、日本の神社のどこにでも、その神前に雌雄の蛇が祀られているということです。生命のエネルギーを表しているのかもしれません。

 

 次はオオクニヌシ様の奥様とお子様である、ミホツヒメ様とコトシロヌシ様がお祀りされている美保神社へ。美保神社までは、JR松江駅から一畑バス、美保関コミュニティバスに乗り、1時間程度。

 

美保神社

 美保神社近くの美しく静謐な美保関は、航路関所が設けられた中世から近世にかけて、大いに栄え、小泉八雲は「夜になると、美保関は日本で最もにぎやかな港になる」と書物に書き残しています。

 

 コトシロヌシ様は、恵比寿様信仰と習合して、船員や商人たちからも崇敬を集めました。美保神社では、毎年4月7日に行われる「青柴垣神事」があります。この神事は、国譲り神話をテーマに、重要な役を引き受けられたコトシロヌシ様が自ら海中に青い柴垣を作り、お隠れになったという故事にちなんだもの。これは、コトシロヌシ様の「死と再生」を象徴するお祭り。

 ぜひ、両参りでさらなる開運アップを成就させましょう!

 

旅人・執筆 石井 亜由美
東洋大学国際観光学部講師、カラーセラピスト。精神性の高い観光研究部会メンバー。グリーフセラピー(悲しみのケア)や巡礼、色彩心理学などを研究。

秋田県横手市 大阪城公園にかまくら 雪遊びで雪国の魅力発信

2022年12月30日(金) 配信

大阪城をバックに2基のかまくらが並んだ

 秋田県横手市は12月10―11日の2日間、大阪府大阪市の大阪城公園太陽の広場で、約450年の歴史があるといわれる同市名物の「かまくら」などを設置し、雪国・横手をPRするイベント「横手の雪まつりin大阪城公園」を開いた。

 イベントでは職人が作り上げた高さ約3㍍のかまくら2基を設置。訪れた家族連れらが中に入ったり、記念撮影したりして楽しんだ。雪遊びができる雪の広場や雪の滑り台も設置し、雪に触れる機会が少ない大阪の子供たちが走り回っていた。

 オープニングイベントで、同市の髙橋大市長は「横手市は大変な豪雪地帯で、今年と昨年は2㍍を超える積雪があった。横手のかまくらは450年以上続く正月行事。2月15―16日に横手で開催する雪まつりでは約100個のかまくらが並ぶ」と雪国・横手をアピールしたうえで、「2025年の大阪・関西万博に向け、遠く秋田・横手からも盛り上げていきたい。機会があれば是非横手に足を運んでいただきたい」と呼び掛けた。

 ステージでは、同県・男鹿半島の「なまはげ」が登場し、「なまはげ太鼓応援演舞」を披露した。なまはげがステージから降りると、泣きながら逃げる子供の姿もあった。

 同市のウォーキング推進キャラクター「てくてくん」や、大阪・関西万博の公式キャラクター「みゃくみゃく」らも登場し、会場を盛り上げた。

 横手やきそばやいものこ汁などご当地グルメも登場したほか、秋田を代表する漬物「いぶりがっこ」や地酒などの特産品販売もあった。

【PR】館内消費の機会創出へ 売れる婦人服の販売を

2022年12月29日(木) 配信

「TELVIAN」ブランドの服

 婦人服のデザイン、生産、販売を手掛ける小川峰(小川真弘社長、東京都台東区)は、宿泊施設の売店での婦人服の委託販売に注力している。売れ筋や回転率などを売上データから常に分析。館内消費の拡大につなげてもらおうと、「売れるモノ」だけを安価に購入できる売り場づくりを提案している。委託販売を開始するにあたっての初期投資は必要なく、気軽に新規事業を始められるのも魅力。洋服販売経験のない雑貨店や旅先の観光地などさまざまな場所で(委託)販売できる仕組みを提供する。

売り場での展開イメージ

 小川峰は宿泊施設や道の駅、書店、カフェなど1000店舗以上で婦人服の委託販売を行っている。このうちの約800件が宿泊施設で、各施設の売店で展開している。同社ブランドのファンも多く、なかには洋服の購入と宿泊、2つを目的に毎年宿に通う人もいる。

 婦人服ブランド「TELVIAN」は65歳以上をターゲットにデザインされているが、最近は50代からの支持も多く、シンプルなデザインの服は40代にも注目されている。また、新型コロナウイルス感染症の流行・拡大前はアジア圏の訪日旅行者が購入する場面も目立った。

 1店舗当たりの1カ月の平均販売枚数は80~100枚。女性同士のグループ旅行での購入が多い。

委託販売で  導入リスクを軽減

 同社最大の強みが、「委託販売」であること。「売れた服の枚数分だけ仕入れ値をお支払いいただければいいので、リスクは少ない」(同社)と説明する。販売する服には色や品番などのデータが読み取れるタグが付けられており、そのタグを販売店舗から回収することで、回転率や販売スピードなどを常に収集、分析。売れ筋のデザインや色などの販売データを生かし、確実に売れる商品のみを不足なく生産する。これにより、品切れになっても迅速に補充できる仕組みを維持するとともに、常に人気商品が店舗に並ぶ。

 無人販売なので、「人に勧められて」ではなく、「本当に欲しい」から買ったという販売データを得ることもできる。同社では「無人販売で売れたものはホンモノ。本当に売れているという根拠になる」と考え、宿泊施設でのデータを重要視。「このデータをもとに売れているとお伝えしているので、ホテルの皆さんが導入するかどうかを判断される際に心強い裏付けになるのでは」と話す。
 そのうえで、「コロナ禍で疲弊した今の状況でも気軽に新しい商品展開に挑戦し、新規顧客の獲得と、館内消費に役立てていただける」と力を込める。

「消化率85%」 売れるモノのみ店頭に

 同社のもう一つの強みが、「消化率85%」。新商品を販売する際は、まず全国150カ所以上のモデル店舗で1千枚をテスト販売し、850枚以上売れた商品のみ全国展開する。
 婦人服は2200円から6600円(税込)と手軽に購入できる価格設定になっているのも強み。自社工場を持ち生産までを一貫して自社で行い、問屋を通さずに直接委託先に納品できる体制であることが、低価格を実現できる秘訣だ。

「TELVIAN」ブランドの服 売り場での展開イメージ

ホテル、売店で洋服は売れる

 「ホテルの売店で洋服売れる?」そう思っていませんか。実は……売れるんです。しかも、委託で。当社には長年にわたり培ってきた全国約800店舗のお取引先ホテル売店での販売実績と経験に基づいた膨大なデータがあります。

 委託販売最大のメリットは、仕入れ費用が一切不要なこと。だからこそ普段仕入れないような商品にチャレンジできます。そして、売れた分だけお支払い。先行投資も一切必要ありません。もし、途中でやめたくなったらご返却いただければ精算して終わり。気軽に始めて気軽にやめられます。まずは、お試しから始めてみませんか。

 

【担当 山本 和則(営業部 トータル戦略責任者)】

問い合わせ先

 小川峰
 〒111-0041 東京都台東区元浅草4-1-15
 アパレル事業部 ☎03-3844-7255
 担当 山本 和則(営業部 トータル戦略責任者)