観光産業を議論、若手経営者16人が集結(観光庁)

 観光庁は3月13日に、山形県・天童温泉「ほほえみの宿滝の湯」で次世代を担う旅館・ホテルの若手経営者を集めて、観光産業の未来について議論する「旅館から地域を変える!日本を変える!旅館と地域の明日を創るフリートーキング」を開く。

 地域の旅館・ホテルや旅行会社、交通事業者、飲食店、観光協会など多様な分野から参加者を募り、複数のグループに分かれて若手経営者と議論する。そのほか、若手経営者による変革への取り組み発表や、初代観光庁長官の本保芳明氏の特別講演なども予定。参加申し込みは3月5日までに観光庁HPから。

 出席する若手経営者は次の各氏。

 荒川信康(蟹御殿)▽井上裕士(ホテル八千代)▽岩田一紀(有馬ロイヤルホテル)▽菅野豊臣(ホテル華の湯)▽佐藤太一(日本の宿古窯)▽庄司丈彦(つかさや旅館)▽須藤宏介(いきかえりの宿瀧波)▽関谷寿宣(寿宝園)▽鴇田英将(亀山温泉ホテル)▽富井智子(松泉閣花月)▽原太一郎(流辿別邸観山聴月)▽星永重(藤龍舘)▽森田金清(月の栖熱海聚楽ホテル)▽山口敦史(ほほえみの宿滝の湯)▽湯本孝之(あぶらや燈千)▽横山公大(ホテル土佐御苑)

3者で移住・交流促進、長野県×佐久市×JR東日本

原口JR東日本常務、阿部長野県知事、柳田佐久市長(右から)
原口JR東日本常務、阿部長野県知事、柳田佐久市長(右から)

 長野県と佐久市、東日本旅客鉄道(JR東日本)は2月12日、3者連携で長野県佐久市への移住・交流促進に取り組むと発表した。同日、JR東日本本社で開いた共同会見には長野県の阿部守一知事、柳田清二佐久市長、JR東日本の原口宰常務が出席した。

 今回の連携で、佐久市への移住者を対象に、長野新幹線(東京―佐久平)の運賃割引を開始し、新幹線の利用促進と地域振興を狙う。JR東日本によると、移住者を対象にした運賃割引は初めての事例となる。

 具体的にJR東日本は、移住前の不安を解消するため、実際に現地を体験してもらう視察旅行をJR東日本「大人の休日倶楽部」会員に利用しやすい料金で提供する。自治体のコンテンツ(居住環境の現地説明会、農業体験)と新幹線などを組み合わせ、JR東日本の保有する宣伝媒体・販路を活用して移住施策をサポートする。

 また、「大人の休日倶楽部」会員が移住後も気軽に首都圏へ出掛けられるよう、移住先の佐久平―首都圏間を移動する際、運賃割引でサポートするサービスも検討している。割引率や開始時期、利用条件など詳細は未定。今後のスケジュールは3月発行の「大人の休日倶楽部」会員誌4月号で告知を開始し、5月に「お試しツアー」を発売開始する予定だ。

 一方、長野県は東京・有楽町の「長野県移住・交流センター」で、JR東日本「大人の休日倶楽部」会員からの問い合わせや相談に応対するほか、会員向けの移住セミナーを開く。佐久市と連携して、魅力ある移住体験ツアーやスムーズな受け入れを支援する。移住後のサポートとして移り住んだ人や交流推進団体とのネットワークづくりを行い、地域における受け入れ気運の醸成をはかるなど、定住に向けた支援を行う。

 佐久市は、魅力を実感できる体験ツアーを提供し、移住を希望する「大人の休日倶楽部」会員を受け入れる。会員が森林整備を体験できる「大人の休日倶楽部の森林(もり)」なども検討する。空き家バンク「おいでなんし!佐久」を活用して、佐久市内の空き家物件を案内する。

 従来から長野県では「長野県移住・交流推進戦略」に基づき、豊かな自然環境に恵まれた良好な生活環境など、県の強みとポテンシャルを最大限に活用し、移住者や交流人口を増やすことで地域の活力を創出するため、行政と民間の連携による移住・交流施策を展開している。

 また、日照時間が全国トップクラスで晴天日が多い佐久市は「佐久市交流人口創出基本計画」に基づき、定住人口を増やすための総合的な施策に取り組んでいる。

 JR東日本は「グループ経営構想V(ファイブ)」において地域の活性化に貢献するとともに、新たな交流人口を生み出すことを目的に、自治体の進める移住促進プログラムへのサポートに取り組む方針を打ち出している。今後は他県とも同様の案件を複数検討中という。

【古沢 克昌】

「九州オルレ」の第2弾、4コースを追加へ(九観機構)

龍馬ゆかりの地を巡る霧島妙見コース
龍馬ゆかりの地を巡る霧島妙見コース

≪国内にも積極発信、韓国で人気のトレッキング≫

 九州観光推進機構は2月15日、韓国・済州島発祥のトレッキング「九州オルレ」の第2次コースとして、平戸(長崎県平戸市)、天草松島(熊本県上天草市)、高千穂(宮崎県高千穂町)、霧島妙見(鹿児島県霧島市)の4コースを追加した。

 九州オルレは韓国済州島で人気のトレッキング「済州オルレ」の九州版として昨年からスタート。武雄(佐賀県武雄市)、奥豊後(大分県竹田市・豊後大野市)、天草維和島(熊本県上天草市)、指宿開聞(鹿児島県指宿市)の4コースが第1弾として開設され、これまでに多くの韓国人が体験に訪れている。

 「オルレ」とは、済州島の方言で「家に帰る細い道」の意味。その名の通り、海岸や山、民家など、その土地のあるがままの姿を楽しむのが醍醐味だ。

 今回追加のなかで平戸コースは全長13キロ。周辺の島々が見渡せる川内峠や、寺院と教会が見える風景、オランダ商館など、異国情緒あふれる景色が楽しめる。

 天草松島コースは、広大な田園風景や天草四郎が宴を開いたと伝えられる千厳山、のどかな漁村などを歩く全長11・5キロのコース。

 高千穂コースは、2千年前に創建されたと伝わる高千穂神社や、巨大な柱状節理で知られる高千穂峡、静寂な森林など、神話の里を満喫する12・3キロのコース。

 霧島妙見コースは、全長11キロ。湯治湯として古くから知られる妙見温泉を起点に、塩浸温泉、犬飼滝、和気神社など、坂本龍馬が妻のお龍と日本初の新婚旅行で訪れた地を巡る。

 九州観光推進機構やそれぞれの地元では、韓国からのインバウンドに加え、今後は国内観光客向けにも、各地域の魅力が伝わる観光素材として、九州オルレを積極的に売り出していく意向だ。

パンフ17万部配布、日本語学習者に訪日PR(観光庁)

 観光庁はこのほど、日本語の学習教材「みんなの日本語」を海外で販売する出版社スリーエーネットワークと連携し、世界19の国・地域の日本語を学習する外国人に向けて、日本の観光地・観光資源を紹介するパンフレット17万部を配布することを発表した。

 日本語学習教材「みんなの日本語」のメインキャラクターであるマイク・ミラーが、伝統文化や祭りなどからクールジャパンまで、日本の多彩な観光魅力を紹介するパンフレットを制作。海外で日本語学習教材を採用している学校や書店に、現地取次業者を通じて配布する。海外で日本語を学習する一般消費者は日本への関心が極めて高く、この層の訪日旅行意欲を喚起していく狙いだ。

 配布先は、中国2万部、台湾・香港2万部、韓国1万部、インドネシア1万部、シンガポール1万部、米国1万部、オーストラリア1万部、スペイン1万部、フランス1万部、ドイツ1万部、ベトナム7千部、イギリス7千部、オランダ7千部、ロシア7千部、カナダ7千部、タイ5千部、インド5千部、マレーシア5千部。

 観光庁では2012年度ビジット・ジャパン事業の一環として、海外進出日本企業と連携し、日本製品やサービスを嗜好する外国人を対象とした訪日旅行促進の取り組みを展開している。

エクスペディアと提携、両社サービスを相互提供(JTB)

 JTBとエアアジアエクスペディア(AAE、本社・シンガポール)はこのほど、包括的な業務提携を行い、エクスペディアが取り扱う約3万都市、約15万軒の海外ホテルとJTBが取り扱う約7千軒の国内旅館の相互提供を開始する。

 今回の提携により、AAEでは秋以降にJTBホームページと、るるぶトラベルが提供する旅館予約ができるようになり、JTBでは夏以降、エクスペディアジャパンが提供するホテル予約システムとデータ連携し、海外ホテルを24時間予約できることになる。

 AAEは、アジア圏のエクスペディアサイトを運営する、世界最大のオンライン旅行会社Expedia.Inc.(本社・米国)とアジア最大級の格安航空会社エアアジア(本社・マレーシア)の合弁会社で、国内旅館の大幅な増加により、海外旅行だけではなく、国内旅行において新規顧客の拡大という利点がある。一方、JTBは海外ホテルの取り扱いの増加によるさらなる売上の拡大を目指すという。 

宿泊旅行34・5%に、10―12月、前年から減少(短期観光動向調査)

 日本観光振興協会はこのほど、短期観光動向調査(2012年12月調査)の結果を発表した。これによると、12年10―12月期の宿泊旅行実績は前年同期比6・1ポイント減の34・5%となった。宿泊旅行実施回数は同0・09回減少の平均0・52回。前年は震災の落ち込みから回復が進んだが、今期はその反動から減少したとみる。

 同調査は、一般消費者の旅行意向や実績を四半期ごとに調べ、地域や観光関連業界、企業などに基礎資料としてフィードバックすることを目的に2011年9月から調査を開始。今回の調査で過去1年分の調査が蓄積されたことから、今後は定期的に公表するという。なお、調査は一般消費者4千人を対象にインターネットで四半期ごとに実施している。

 10―12月の実績のうち、年代別の宿泊旅行実績はとくに50代が10・6ポイント減と大幅に減少した。

 地域別は中部、関西、九州、海外への旅行が他地域に比べ低下。国内では震災後は西日本へのシフトがみられたため、今期はその反動減で西日本方面が減少したと考える。その他は概ね前年並み。目的地と地域間流動をみると、東北への旅行は、前年は同じブロックからの割合が最も高かったが、今期は関東からの割合が最も高く、域外からの観光流入に明るい兆しがみられた。

 旅行の同伴者は家族が29・3%と昨年から1・3ポイント減。カップル・夫婦も微減だが、そのなかの「子育て後夫婦」カテゴリーは1・9ポイント増加した。また、1人旅は女性が減少したが、男性は1・6ポイント増加した。

 旅行意向に対する実施率をみると、10―12月期の事前意向は44・3%だったのに対し、実績は34・5%で、実施率は77・9%となった。属性別は、学生の実施率が124・0%と高かったが、50代の実施率は69・3%と低かった。地域別は四国が最も高く、100%を超えたのは四国のみだった。

 一方、1―3月の宿泊旅行意向は前年同期比4・5ポイント減の41・9%と前期実績の減少傾向は今期の意向にも継続している。宿泊旅行予定回数も前年同期が平均0・64回だったのに対し、今期は0・56回と12・5%減少した。

 地域別は中部、関西、海外などへの旅行意欲が低下し、震災以降の西日本や海外にシフトした旅行動向の反動と考える。東北についても復興支援を意識した旅行意欲がやや一段落した模様。

 地域間流動は前期実績と同様に東北への旅行が同じブロックからの意向が減り、関東からの意向が強まっている。

 同伴者は、家族と知人・友人が減り、カップル・夫婦と1人旅が増加した。1人旅は前期実績から引き続き男性が増加し、女性は減少した。 

加賀屋・小田女将が語る、クレーム対応や社員教育(国際観光施設協会インテリア部会)

加賀屋・小田真弓女将
加賀屋・小田真弓女将

 国際観光施設協会のインテリア部会(寺本昌志部会長)は2月13日、東京都内で新情報発信グループ第9回研究会「和倉温泉・加賀屋女将 小田真弓さんに聞く」を開いた。小田真弓女将に会員の中川誠一氏が聞き手となり質問を投げかけた。旅行新聞新社が主催する「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で33年連続1位に輝いたおもてなしの極意や、クレーム、社員教育、建築設計やインテリアデザイン、今後の旅館像などについて約2時間語った。
【増田 剛】

 加賀屋が「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で初めて総合1位になったのは1981年。以後33年間連続トップに輝いている。初めて日本一の宿となった当時、能登渚亭を建てるに当たり、現会長の小田禎彦氏は「宝石のような宿をつくりたい」という強い思いで全国60以上のホテル・旅館を見て回ったという。「『日本一の宿』となったことで社員のやる気が盛り上がった」と小田女将は当時を振り返った。

 その後、宿は大型化し、現在では加賀屋本店だけでも客室係は150人を抱える。「今は12―20室の小規模の宿が人気を集めている。新婚旅行でも大型旅館は敬遠される時代になった」と語る一方で、「ご到着からお帰りまで“上げ膳据え膳”のスタイルを一貫して変えず、従業員を減らさなかったことが、高齢化社会で部屋食の要望が強くなってきている時代にも対応できることがよかった」と語った。最近若い男性の客室係を採用したことで女性客にも好評を得ていることも紹介した。「大型旅館は大型旅館なりのやり方を考えていかなければならない。加賀屋では『いかに小さく見せるか』を常に考えている」と話した。

 最近の傾向としては、「イタリアやフランスなどヨーロッパの方々が旅館やおもてなし、日本文化に対して興味・関心が高まっているのか、視察などが増えている」という。また、加賀屋を改装する際には、「本店はシンプルな純和風数寄屋造りのなかに、ベッドや、とくに水回りはホテルなど洋風の良いところを取り入れていきたい」と語った。

 クレームについては、怒られて学ぶことも多く、素直に謝ることでリピーターとなる宿泊客も多いという。さらに、「最も来てほしい客・最も来てほしくない客は?」という答えづらい質問に、小田女将は「クレームによって客室係を良い方向に指導していただけるお客様はウェルカムですが、(あまりに執拗なクレームなど)社員が怯え、委縮してしまうような、悪影響を与えるお客様は『来てほしくないお客様』になるのかもしれない」と語った。

 最近の宿泊客の傾向としては、「母と息子」のお客も増えていると紹介した。

 社員教育については、「お客様の満足度と、従業員が『加賀屋に入って良かった』と感じられることが同じくらいの度合いで大切」と語り、「一人ずつ根気強く、声をかけながらマンツーマンで育てている。『笑顔で気働き』をモットーに、自然に笑顔が出る会社を心掛けている」と語った。

第1回旅館甲子園開く、グランプリは観山聴月(宮城県・青根温泉)

初代グランプリに輝いた観山聴月
初代グランプリに輝いた観山聴月

 第1回旅館甲子園が2月20日、東京ビッグサイトで開かれ、グランプリには宮城県青根温泉の「流辿別邸 観山聴月」が選ばれた。全国から選び抜かれた5軒の旅館経営者とスタッフが集結し、若手経営者の志や経営に対するビジョン、現場スタッフの輝き、地域活性への取り組みをプレゼンテーション方式で発表。個性豊かなパフォーマンスと「おもてなしの心」に共感した来場者約700人は、最も心に響いた宿に1枚のコインを投じた。
【内川 久季】

 旅館甲子園は「それぞれの旅館には日本一が何かひとつは必ずある」をコンセプトに掲げ、旅館が守り続けてきた日本の「おもてなしの心」や日本文化を若い世代や海外に広く伝え、業界や地域の活性化を目的として生まれた大会だ。

ファイナリストの5軒
ファイナリストの5軒

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(横山公大部長、約1600会員)に所属している施設のなかから、出場希望施設を募り、審査を通過した22施設のうちファイナリストの5軒を決定。決勝審査は、プレゼンテーション方式で、各旅館15分間与えられ、(1)越後湯澤HATAGO井仙(新潟県)(2)鬼怒川温泉ホテル(栃木県)(3)竹と茶香の宿 旅館樋口(島根県)(4)和歌の浦温泉 萬波MANPA RESORT(和歌山県)(5)流辿別邸 観山聴月(宮城県)――の順で発表された。

 舞台上では、経営者とスタッフが一丸となって旅館の問題点に立ち向かう姿や、スタッフの仕事に対するこだわりとプライドなどをアピールし、各旅館の「おもてなしの心」を披露。登壇した経営者やスタッフ、地域の人々は、時に緊張した姿を見せながらも、イキイキと目を輝かせながら旅館の魅力を語った。

 行政や旅館関係者、コンサルタント業など専門家による審査と、来場者によるコイン投入の投票の結果、グランプリには宮城県の青根温泉「流辿別邸 観山聴月」が選ばれた。同館オリジナルの造語である「思手成し(おもてなし)」をモットーに、「思いを込めた手で事を成す」というサービスを舞台上で再現。同館で行われている誕生日演出を寸劇で表現し、会場を沸かせた。

 発起人である横山青年部長は、「ピーク時には8万6千件を超えていた旅館だが、今は4万5千軒に減少し低迷している。しかし、今日の大会で、改めて旅館の魅力に気づいてもらえたのではないか。〝宿は人なり〟の精神を今一度、呼び戻せたと思う」と語り、本大会を締めくくった。

 優勝した「流辿別邸 観山聴月」には、副賞として、じゃらん本誌での特集記事や楽天トラベルのトップページ広告枠の進呈などが贈られた。

井手長官「格付けではない」、サービス内容の情報発信

 観光庁の井手憲文長官は2月19日の会見で、議論の続く宿泊施設の「評価制度」導入について改めて方針を説明した。外国人観光客に対して、施設で受けられるサービス内容の情報発信に重きを置く方針で、あくまで「格付け」ではないことを強調した。

 観光産業政策検討会の取りまとめについて、重点項目として、日本旅行業協会(JATA)が進めているランドオペレーターの認証制度と、宿泊施設の評価制度をあげた。評価制度については、Wi―Fiの対応や外国語の対応、外国語放送、おもてなしなど、宿泊施設で受けられるサービス内容の評価を外国人観光客に向けて発信する方針で、いわゆる「格付け」制度との違いを説明した。同検討会は3月中に最後の議論を行い、取りまとめを行う予定だ。

 また、1月29日に閣議決定され、現在参議院で審議されている2013年度の観光関係の予算が前年度比1%減の102億円となったことに触れ、「予算削減傾向のなか、何とか前年同等を確保できた」と評価。12年度が調査のピークであった「観光統計の整備」に触れ、「『観光統計の整備』は山を越え、13年度は予算が減ることが分かっていた。その分を別事業に充てることができたので、『観光統計の整備』の減少分を抜いて考えれば、むしろプラス予算」と語った。

 国内観光については、補正予算で16億円弱をつけた目利きなどの選定による魅力ある観光地づくりを推進する「官民協働した魅力ある観光地の再建・強化」を、13年度予算で3億5千万円を計上した「観光地域ブランド確立支援事業」につなげる方針を説明。「国内観光はインバウンドと違い、捉えどころがない部分があり政策を立てるのが難しい。観光圏プラットフォーム事業も決定打にかけていた」と分析し、「今回の補正と本予算の2事業で、国内観光もようやく新しい展開に入る」と語った。

No.333 「もてなしの達人」「優秀バスガイド」 - 観光の現場の“輝き”を表彰

「もてなしの達人」「優秀バスガイド」
観光の現場の“輝き”を表彰

 観光の現場で輝く人を表彰――。旅行新聞新社が主催する「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」「プロが選ぶ優良観光バス30選」の特別部門として、お客様に直接接する旅館、ホテルの従業員やバスガイドにスポットを当てた「第10回もてなしの達人」「第11回優秀バスガイド」の表彰式が2月15日、東京都港区の浜松町東京會舘で開かれた。当日は表彰式のほか、恒例となった優秀バスガイドによる1分間ガイドや日本旅行広報室長の矢嶋敏朗氏による講演を行った。

【6面に受賞者一覧】

≪表彰 もてなしの達人40人、優秀バスガイド12人≫

 今回の「もてなしの達人」は40人を選出し、27人が出席。「優秀バスガイド」は受賞者12人全員が出席し、表彰状と記念品が贈られた。

≪優秀バスガイドの「1分間ミニガイド」≫

 毎年、恒例となった優秀バスガイドの1分間ミニガイド。12人のバスガイドが会場を沸かせた。トップバッターは、山交バスの土坂真実さん。「松尾芭蕉が訪ねた奥の細道、最大の目的地松島から山形へ」をテーマにガイドをした。HMC東京の上野智美さんは所属している会社近くの「葛西臨海公園」を時間ちょうどに収めて案内。

※ 詳細は本紙1494号または3月7日以降日経テレコン21でお読みいただけます。