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「提言!これからの日本観光」 “座れる”電車を目指して

2021年7月17日(土) 配信

 最近、今年4月に神奈川県海老名市に開館した“ロマンスカーミュージアム”を見学する機会を得た。ロマンスカーの前身は敗戦間もない1948年、まだ都内各所に戦災の痕が残るころ、小田急電鉄が箱根方面への観光客輸送のために座席確保電車として運行を始めた。その後の専用の豪華な車両として発展した半世紀間を思い出し「戦後は遠くなりにけり」の感慨にふけった。

 観光地への“座れる”電車は、小田急のほか、近鉄、東武、京成が戦後間もないころに誕生させた。この“座れる”電車が民鉄の復興をリードしたと言われる。旧国鉄も遅ればせながら50年にいわゆる湘南電車の車両を週末座席指定列車に仕立て「あまぎ」として東京~伊東間で運行を始めた。

 一方、通勤時間帯の混雑は激化し、“都市問題”の1つとなった。これまで、既設鉄道の複々線化や車両の増備に半世紀以上を掛け、ラッシュ時間帯では1時間当たりの混雑度を畳んだ新聞を読める程の約150%まで下げたが、まだ混雑が解消していない路線も多い。

 そのためか数年ほど前から急速な通勤客の「座れる通勤電車」への需要の高まりがあり、大都市圏の民鉄各社が、各線で地下鉄乗入路線も含めて有料座席指定電車の運行を開始し高い利用率を示している。この動きは地方都市周辺に及び、全国で「座れる通勤(有料)電車」が急増している。

 さらに、コロナ渦では、大都市の通勤時間帯の様相が一変した。係員が乗客を押し込む風景は影を潜め、最混雑路線でも楽に乗降できる。車内も乗客同士が軽く触れ合う程度となった区間も多い。ピークを少し外せば、都心山手線でも“座れる”電車になった。

 政府によるテレワーク7割などの感染防止の呼び掛けで、企業が在宅勤務を増やし、リモート会議が主流となった結果であろう。私見であるが、終息後もラッシュ時間帯の混雑は元へは戻らないのではないか。そして、大都市の通勤輸送構造が変化すると思えてならない。

 座れる電車を目指して各社は、通勤輸送の将来ビジョンを策定し直す必要があろう。定期運賃制度の在り方をはじめ、“立った”乗車を前提として、少ない座席数で進行方向に対し横向きのロングシートを見直し、乗客の1人でも多くが“座れる”席数を増やすようにするべきではないか。そして、毎日の通勤混雑の苦痛から解放されたより快適な生活を取り戻さねばならない。

 具体的には車両やダイヤ、定期券制度、諸設備の改良のほか、IT技術も導入するべきと考える。このため、国などの協力を得て、企業や通勤客には時差通勤や在宅勤務などに取り組んでもらう必要がある。

 到底不可能と思われた都市の“座れる通勤”電車もこの努力如何によっては実現への兆しが掴めるようになったと考える。

 「ロマンスカー」は戦後、民鉄の復興の動機となった。今後「コロナ渦」からの回復を、“座れる”通勤電車の実現への第1歩にしたいと思う。

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏
 
 
 
 

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