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西鉄初の観光列車、窯を設置し焼き立てピザを提供 来春から

2018年5月17日
編集部:飯塚 小牧

2018年5月17日(木) 配信

THE RAIL KITCHEN CHIKUGOイメージ

西日本鉄道(倉富純男社長、福岡県福岡市)は2019年春、同社初の本格的な観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」の運行開始を予定する。筑後地方を中心とした、沿線地域の新鮮な食材を列車内のキッチンで調理する「料理」にこだわった観光列車。列車内には他に類を見ない“窯”を設置し、焼き立てのピザをメインに提供する。路線は天神から大牟田までの区間。

 背景には沿線地域の人口減少などによる輸送人員の減少が挙げられる。こうしたことから、列車自体が観光資源や情報発信源となり得る“観光列車”を運行することで、地域に人を呼び込む起爆剤にしたい考え。列車のコンセプトは「LOCAL to TRAIN~街を繋いできたレールは人をつなぐ時代へ」と設定。地域資源や訪れた人を結びつける列車として、さまざまな人とのコラボレーションで作り上げていく。

吉中課長(左)と倉富社長が意気込んだ

 

 5月14日(月)に東京都内で開いた会見で、倉富社長は観光列車などの取り組みで「福岡を訪れたお客様をおもてなしし、楽しんでもらえるよう努めていく」と意気込んだ。事業創造本部観光列車プロジェクトの吉中美保子課長は「天神―大牟田線の沿線は大宰府や久留米、世界文化遺産のある大牟田など観光資源が多い。また、筑後平野は農業が盛んな地域でもある。こうした豊富な地域資源を発掘、活用して地域の生活や文化を体感できる列車にしていきたい。地域の新しい魅力を作っていくことが特徴」と説明。「観光列車の運行で、鉄道に乗っていただけない地域の方にも『鉄道がある』というアナウンスをしていきたい」と語った。

 会見には今回の観光列車のプロデュースを手掛ける、トランジットジェネラルオフィスプロデューサーの甲斐政博氏と、車内内装デザインを担当するランドスケーププロダクツの片山貴之氏も登壇。甲斐氏は「福岡の印象は『食が豊か』と『人が温かい』こと。この印象を分かりやすく発信したいと考えた」と解説。「地元の人に愛され、世界中に魅力を発信できる列車にしていきたい」と想いを語った。片山氏は「地域活性のタネになれれば嬉しい」と述べた。

観光列車概要

 料理メニューは四季により異なる。運行開始時は春メニューで、八女市産のたけのこや大木町産のアスパラガスをふんだんに使用した、香り豊かなピザ、博多和牛や有明海柳川産の刺身海苔、みやま産のセロリなどを使った前菜を提供する。

メインディッシュのピザ

 沿線の食材をシンプルな味付けで引き出すため、東京都内などでピザを中心にレストラン展開するエンボカ代表の今井正氏と料理家の渡辺康啓氏が料理を監修。両氏が沿線の食材選びから携わり、同観光列車オリジナルの料理を作り上げる。

 ウェルカムドリンクは「あまおうプレミアムスパークリングワイン」を用意するほか、食事中のドリンクは沿線の地酒や果実酒をそろえる。

 料金は未発表だが、吉中課長は「少し良いレストランで食事をする程度」とコメントした。

運行日:金・土・日曜日、祝日(平日は旅行会社の貸切ツアーなどに提供する)

運行回数:ランチ、ディナーの2回

運行概要:ランチ午前11:30ごろ、西鉄(福岡)天神駅出発―柳川駅(降車のみ)―大牟田駅

ディナー出発午後5:00ごろ、大牟田駅出発―柳川駅(乗車のみ)―西鉄(福岡)天神駅

車両形式:6050形(3両編成)

座席数:52席

車両投資額:約5億円

【今後のスケジュール】

2018年9月ごろ 料金、運行・予約開始日、制服の発表/19年2月車両披露/19年春運行開始

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