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【特集 No.485】LGBTフレンドリーの取り組み 五輪控え一層の理解促進を

2018年3月1日(木) 配信

 2015年10月に性的少数者のLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル〈両性愛者〉、トランスジェンダー〈性同一性障害など〉)の旅行市場を取り上げた。着実に取り組みは進んでいるが、大半の人はまだあまり知らない世界かもしれない。しかし国内の該当者は7・6%(電通ダイバーシティ・ラボ15年調査)、14人弱に1人と身近な存在。五輪を控え、憲章にも差別の禁止が明記されるなか、一層の理解促進が求められている。地域を挙げて、温かく迎え入れる“LGBTフレンドリー”に取り組む沖縄の事例などを紹介する。

【飯塚 小牧】

○座談会参加者
沖縄観光コンベンションビューロー 受入事業部 部長
加賀谷 陽平氏
日本トランスオーシャン航空 総務部長
糸数 寛氏
パームロイヤル(ホテルパームロイヤルNAHA)代表取締役 総支配人
高倉 直久氏

 

 ――LGBTフレンドリーの取り組みを始めた経緯を教えて下さい。

加賀谷:沖縄県の観光振興計画では、「世界水準の観光リゾート地」を形成していくという方向性が示されています。その実現にはさまざまな取り組みが必要となりますが、誰にでも優しい観光地として、ユニバーサルツーリズムの観点からも多様な旅行者を受け入れていくことは非常に重要だと考えています。沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)では、今後の取り組みを推進する契機とすべく、今年の1月に国際ゲイ・レズビアン旅行協会(IGLTA)に加盟しました。

糸数:日本トランスオーシャン航空(JTA)も考え方は同様です。

 当社は社長を筆頭に経営陣がLGBTに対する理解が非常にあり、トップダウンで2016年度から本格的にLGBTに対する理解を深める取り組みを開始しました。16年度に※「PRIDE指標」のゴールドを取らせていただき、17年度は2年目として新しい展開を始めるにあたり、17年10月にIGLTAに加盟しました。まだ初心者マークを取得したところですが、航空会社として、多様なお客様に我われが就航する沖縄のデスティネーションを紹介していきたいと思います。

高倉:日本の航空業界としては初の加盟ですよね。

糸数:そうですね。

 ――高倉さんは沖縄でのLGBT推進のリーダー的存在です。

高倉:13年から「ピンクドット沖縄」という性的少数者が生きやすい社会の実現を願うイベントが開催され、宿泊施設として協力を始めました。しかし、主催者が抜け、イベントの存続が危ぶまれたときにこれは失ってはいけないと思い、同じ宿泊事業者のカフーリゾートフチャクコンド・ホテル総支配人の荒井達也さんと共同代表を務めるカタチで引き継ぎました。17年度の5回目からです。まずはアライ(支援者)を増やすことが使命だと考え、沖縄の企業に協力を呼び掛けてきました。その結果、JALさん、JTAさんには冠スポンサーになっていただいています。イベントは参加者700人ほどから始まったものが、今は約3300人まで拡大しました。県外や海外から参加されています。

 カフーリゾートさんは、運営会社のKPG HOTEL&RESORTの田中正男社長がダイバーシティの話をした際に、当事者のスタッフがカミングアウトされたそうです。その方を中心にチームを作り、県内初のLGBTウェディングを実現されました。県内のパイオニアであり、カフーリゾートさんの存在は大きいです。

 沖縄は誰にでも優しい島として「ダイバーシティアイランド」を掲げていますが、まずは県内でLGBTへの理解の底上げをはかるのが第一フェーズだと思っています。その先に新たな市場拡大など、観光ビジネスにつながるものがあります。

 ――沖縄で取り組みが進んでいる背景には、多様性を受け入れる土壌があるのでしょうか。

加賀谷:沖縄には「いちゃりばちょーでー」(出会えば、もう兄弟同然)や「ゆいまーる」(相互補助)など、多様性に結びつきやすい精神を象徴する言葉が存在しています。また、沖縄は広大な面積の中に多数の島があり、それぞれに独自の生活や文化が存在するという、暮らし自体にも多様性があります。…

※詳細は本紙1704号または3月7日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

 

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