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インスタグラム活用、地域の魅力、世界で共有

インタビューに答える松重氏

 インスタグラムは、SNS(交流サイト)の1つで、スマートフォンなどで撮影した写真(画像)を加工し共有できる。専用アプリから利用でき、フィルター機能を用いての写真加工も容易だ。アカウント数は6億超で、地域PRに最適なツールの1つ。今回、同SNSで写真コンテストを作成・管理するキャンペーンCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)〝CAMPiN〟を提供するテテマーチ(上田大介代表、東京都品川区)の松重秀平執行役員に話を聞いた。【謝 谷楓】

テテマーチ・松重秀平執行役員に聞く

 ――企業を中心に、インスタグラムを利用した情報発信に注目が集まっています。自治体らにとって、インスタグラムを活用するメリットを教えてください。

 インスタグラムを地域のPRに導入するメリットは大きく2つあります。言葉の壁を超えやすい点と、〝いいね〟やコメントが付く率(エンゲージメント率)がほかのSNSと比べ高い点です。
 ユーザーは、投稿した(された)写真を通じてコミュニケーションを行います。そのため、言葉の通じない海外ユーザー同士による交流も、ほかより容易なのです。海外に対し、地域で自慢の風景を知ってもらい、共感を呼ぶという使い方ができます。例えば、日本のユーザーが投稿した画像に対し、海外ユーザーがコメントをするといった反応も珍しくありません。地域のファンを、国内外で増やすことができるのです。

 ――高いエンゲージメント率について。

 フェイスブックと比べ2倍以上、ツイッターよりも3倍以上エンゲージメント率が高いという調査もあります。情報の不特定多数への拡散がSNSの役割と考える方もいるかもしれません。しかしインスタグラムでの投稿は原則、投稿者のフォロワーにのみ発信されます。ツイッターのリツイートや、フェイスブックのシェアといった機能はありません。
 ユーザー間の距離が近く、エンゲージメント率の高い密なコミュニケーションが生じやすい理由です。
 メディアの性質上いわゆる炎上が起こり難いことも特徴の1つです。利用目的が、お洒落に加工した写真の共有に特化し、ネガティブな投稿は生じづらいと言えます。

 ――自治体や観光協会でも利用しやすい印象を受けます。

 綺麗な風景や美味しそうな食べ物など、写真撮影はポジティブな感情が生じた際に行われがちです。投稿された写真を通じ、友人など投稿者とつながりの深いユーザーが観光スポットについて知ることで、口コミ効果を期待できます。
 旅行先で写真を撮らないことは稀ですから、それら写真をインスタグラムに投稿してもらえるよう工夫を施すべきだと考えています。口コミは信憑性が高く、消費行動を導きやすいからです。今後、集客増加の要となるはずです。

 ――ターゲティングについて。

 インスタグラムでは、女性ユーザーが多く、10―20歳代の利用頻度も高いです。多くの自治体や観光協会にとって、取り込みが難しいターゲットではないでしょうか。テレビや新聞といった、既存メディア離れが久しい若年層に対して、情報の発信とリーチをはかることが可能となってきます。
 日本国内のアカウント数は約1600万。世界で6億にも上ります。先ほど〝言葉の壁を超えやすい〟点を特徴に挙げましたが、インバウンドをターゲットとした情報発信に適した環境が、すでに整っているのです。

 ――インスタグラムを活用して、写真コンテストをWeb上で開催できるサービスを提供していますが。

 インスタグラムが持つ口コミの効果を最大限に高めるキャンペーンCMS 〝CAMPiN〟を提供しています。Web上で写真コンテストを実施できるのですが、周知促進だけでなく、〝いいね〟やフォロワー数の集計、投稿エリアを確かめられます。属性だけでなく、地域の魅力を共有したユーザー数も、具体的に知ることができるのです。影響力が高いユーザーの発見も可能です。
 投稿に添えられたコメントを通じ、投稿者の現地に対する印象や、そのフォロワーの反応も確認できます。何に興味を持ったのかを知れれば、地域の魅力発掘にもつながります。

 ――マーケティング用のデータ獲得など、さまざまな活用方法を期待できそうです。

 地域をPRするためのツールとして、気軽に使ってほしいという思いがあります。〝CAMPiN〟の特徴は、インスタグラムを活用したPRキャンペーンサイトを無制限でつくれる点です。そのため、同じ観光素材でも、実施ごとに切り口を変えてPRするというような、独自の工夫も施しやすいのです。春の桜写真コンテストなど、期間限定のイベントでも活用できます。

 ――FIT客を取り込むために、インターネットの活用は不可欠ですが、浸透していないのも事実です。

 SNSが一般化するなか、ユーザー生成コンテンツ(User Generated Contents、UGC)の効果に注目が集まっています。例えば、製品の広告で使用する写真も、購入したユーザーが撮影したものを使用した方が、共感を呼びやすく販促につながりやすいという調査結果があります。
 エンゲージメント率が高く、ユーザー間のつながりが深いインスタグラムなら、投稿写真を通じた口コミ効果も一層期待できます。〝CAMPiN〟では、高い影響力を持つ投稿者の写真を2次利用し、地域のPRに活かせます。
 ぜひ、インスタグラムをはじめ、ユーザーとのマッチングにインターネットを活用してほしいです。

 ――ありがとうございました。

CAMPiNを導入し、誘致に取り組む観光協会も多い(順不同)
丸亀市観光協会(香川県)
栃木DC県央地域分科会(栃木県)
小谷村観光連盟(長野県)
大町市プロモーション委員会(長野県)
大阪観光局 (大阪府)
庄原市観光協会(広島県)
湖南市観光協会(滋賀県)
美祢市観光協会(山口県)
今帰仁村観光協会(沖縄県)
帝釈峡観光協会(広島県)

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