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ほのぼの民泊増加、規制強化策の新提案も

日仏代表者らが積極的に意見交換
日仏代表者らが積極的に意見交換

―民泊の真実―
今、観光立国フランスで起こっていること

 ほのぼの民泊増加――。全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(北原茂樹会長)と日本旅館協会(針谷了会長)は3月17日、東京都内で「緊急フォーラム 民泊の真実~今、観光立国フランスで起こっていること~」を開いた。観光立国フランスでは、昨年11月のテロ事件の際、テロリストの主犯格が民泊を利用していたことが伝えられ、それにともないフランス政府が民泊に対する規制を強化し始めている。その一方で、日本では訪日客の急増により、宿泊施設の客室不足を民泊によって埋め合わせるべく、積極的な導入に向け審議がすすめられているが、フランスでのテロ事件など民泊の安全性が問われるなかで、早急なルール作りが「安心・安全」を左右するとみられる。
【松本 彩】

 同フォーラムは2部構成で行われ、第1部ではホテル職業産業連合(UMIH)ホテル部門会長のローレン・デュック氏、フランスのホテル・レストラン・カフェ・ケータリング全国協会(SYNHORCAT)エグゼクティブ・ディレクターのフランク・トゥルエ氏が「今、観光立国フランスで起こっていること」と題し講演を行った。フランスの民泊は〝コラボレーティブエコノミー=分かち合いの原理〟という相互補助の新しい経済モデルとして成長を遂げてきた。フランスでは、フランス人の10人中9人が民泊を利用したことがあると回答するほどだ。

 同原理はデジタルプラットフォームの発展により飛躍的進歩を遂げてきたが、規制の外に存在するもので、近年Airbnbによる同一アカウントによる複数の物件の確保など、ビジネス面で悪用され「まやかしのコラボレーティブエコノミー」へと転じてしまっている。

 デュック氏は、このような現象によって消費者がさまざまな危険にさらされている現状について「ホテルでは、24時間管理体制が敷かれているが、民泊物件には消費者保護が何もない」と訴え、UMIHのアクションとして、積極的に消費者への注意喚起イベントなどを行っていくと述べた。また、トゥルエ氏も現状の解決策として、ホストに対し、「各種義務を守り、確定申告をすること」、デジタルプラットフォームに対し「オーナーの許可」「ホストの所得を税務署に送る」などの提案を行う必要があると伝えた。

 第2部では「民泊のあり方について」パネルディスカッションを行った。パネリストとして引き続きデュック氏とトゥルエ氏が登壇したほか、全国独立企業団体(GNI)のディディエ・シュネ会長、衆議院議員で自由民主党観光立国調査会観光基盤強化に関する小委員会事務局長の上野賢一郎氏と全旅連の北原会長も登壇。コーディネーターを東洋大学国際地域学部国際観光学科准教授の徳江順一郎氏が務めた。

 はじめにコーディネーターの徳江氏から「民泊の安心・安全性」に関する議題が与えられ、シュネ会長はゲストが危険にさらされる原因の1つとして、“匿名性”が大きく影響していると主張。「匿名性ゆえゲストが暴行など危険な場面にさらされたとしても、警察はその事実が明確にならない限り、追及することができない」と現況を明らかにした。

 上野氏はシュネ会長の報告を踏まえたうえで、民泊を進めていくうえでの重要性について(1)匿名性の問題(2)近隣住民との合意(3)行政機関とのシステムづくり――の3つを指摘。「日本では、『友人に貸しているだけ』などという理由で言い逃れる“ほのぼの民泊”が増加してきている。このような事態が今後起きないようにするためにも周辺住民との合意は不可欠である」と述べた。

 また、「民泊の不平等性とその解決策」について北原会長は、日本においてデジタルプラットフォーマーが事業を行う場合、日本の法律に基づき旅行業の登録を行うべきであると訴え、「このことは国内のOTAにも当てはまること。Airbnb以外にもデジタルプラットフォーマーが増えてきている今、規制を高め旅行業のくくりのなかに入れてしまうことが必要である」とし、今後政府に対しホスト側の対応を含め、新たな規制強化策を提案していくとまとめた。

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