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人と会う旅 ― 日々、心に響く旅を創り出している

2016年2月21日
編集部

 ドラマチックな旅とはどのような旅だろう。

 もちろん、人によって異なることは百も承知であるが、旅を考える場合、誰もが心のどこかにドラマチックな何かを求めているはずだ。いうまでもないが、ドラマチックでない旅は、憂鬱なだけだからだ。

 ちょっと想像すれば、旅は憂鬱になることばかりだ。出発の朝は大抵いつもよりも早く起きなければならない。荷物もやたら多く、そのうえ重い。目的地までに多くの交通機関に乗り換えなければならないし、足が棒になるほど歩くこともザラだ。身体は疲れるし、出費も半端ではない。新幹線チケットや、航空券、パスポートなどの事前の準備も面倒くさい。

 家で柿ピーを食べながら安ワインを飲むよりも多くの苦難が予想されるのに、「旅に出たい」と思ってしまう。なぜか?

 理由は一つしかない。それら苦難を凌駕するほどの楽しみや価値があると信じ、期待するからだ。

 ある人は、壮麗な世界文化遺産や雄大な自然に触れることを希求したり、美術館めぐりや、演劇やコンサートなどエンターテイメントを楽しんだりする。美味しい料理や、お洒落な店でのショッピングが目的の場合もある。世界的に有名なホテルで優雅な時を過ごす自分を夢見ることもあるだろう。いずれもワクワクさせる要素が満載だ。

 しかし、不思議なのは、これら素晴らしい景色も、美味しい料理も気が合わない人と一緒では、気分は高揚しない。一方、ありふれた観光地や、何度も行ったことがある目新しさのない場所であっても、好きな人との旅行となれば、料理も美味しく感じるし、見慣れた海や山も輝いて見える。旅の成否は、どこに行くかという「場所」よりも、誰と行くかという「人」の方に、より大きく関わっていることが分かる。

 初めて訪れた街は、よほど嫌な思いをしない限り、美しい思い出として胸に描かれる。だから、そこに再訪したいと考える。けれど、そのような楽しい思い出が詰まった旅先に再び1人で訪れるとき、言い知れぬ寂しさを感じてしまう。

 街や風景はそのままなのに、自分の心が以前とは変わっている。1人での再訪の旅で味わう、少し切なくなる瞬間だ。その場所に誰か知り合いがいれば、思い出を分かち合うことができるし、新たな思い出を作ることができる。そしてそのことこそが、旅の醍醐味である。

 旅先に「会いたい人がいる」というのは、幸せなことだと思う。さらに、「人と会うこと」が旅の目的であるならば、何とドラマチックな旅であろうか。

 久しぶりに会う旧知の友人と、美味しいレストランで一緒に食事をしてお互いの近況を語り合う。ディナーまでの空いた時間に、再会するシーンを想像しながら街を観光する。また、もし友人の自宅に招かれたりすることがあれば、それは最も素晴らしい旅の瞬間である。

 観光客誘致に向けて多くの地域が工夫をしている。そのなかで「優れた観光資源がない」「まったく知名度がない」などの悩みをしばしば耳にする。しかし、その街の住民たちは日々遠方の友人と小さなドラマチックな出会いをしているかもしれない。だとしたら、知らないうちに観光名所を眺めるより、もっと心に響く旅を創り出しているのだ。

(編集長・増田 剛)

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