村田観光庁長官、新たな観光立国推進基本計画策定へ「国民の理解を得ることが重要」

2025年9月18日(木) 配信

村田茂樹観光庁長官

 観光庁の村田茂樹長官は9月17日(水)に開いた定例会見で、新たな観光立国推進基本計画策定に向けて、インバウンドのさらなる受け入れには「国民の理解を得ることが重要」とし、そのためには「インバウンドの受け入れと、国民生活の両立の施策の徹底などにより、観光の持続可能性を高める必要性がある」と語った。

 新たな観光立国推進基本計画は、2025年度末までの策定を目指している。同日午前中に開かれた第52回交通政策審議会の観光分科会では、「30年の政府目標に向け、観光や交通など各分野におけるボトルネックを解消するために必要な対応策を広く整理し、委員から有意義な議論をいただいた」と報告。

 基本的な考え方として、「インバウンドの受け入れを我が国の経済成長や、地域活性化につなげていくことの意義に加え、地方誘客のより一層の促進により、観光の持続可能性を高める必要性があること」など提示。「今後もしっかりと議論を深めていきたい」と述べた。

 「ツーリズムEXPOジャパン2025愛知・中部北陸」の開催が9月25~28日まで4日間、愛知県で初めて開催される。村田長官は「国内外から多くの方々が来場し、インバウンド、アウトバウンド双方向の交流拡大や、地方誘客につながる機会になることを期待している」と語った。

 日本旅館協会が9月4日に石川県金沢市で開催した「宿泊業界における観光と金融に関する全国懇談会in金沢」に出席し、和倉温泉や輪島市も視察したことも報告。

 「復興に向けては、まだまだ道半ばという厳しい状況を伺った。しっかりと支援を継続していかなければならないという思いを改めて強くした」とし、能登半島の「復興応援割」については、「被災地の復興状況の進捗と、地元の意見をしっかりと聞きながら(スタート時期を)検討していきたい」と述べた。

 8月の訪日外客数で好調な中国は25年1~8月の累計で約46%増の671万人と、すべての市場で最多となっている。この状況について村田長官は、航空便の座席数の増加や円安などを要因として挙げ、「中国市場は20~40代の若年層や家族層の旅行需要が高く、自己手配旅行が多い」と分析。引き続き、若年層や富裕層などのリピーター化に向けた戦略的なプロモーションを続けていく方針だ。

 消費税免税店数の動きについては、25年3月末時点の免税店数は6万1392店、地方部での免税店数は2万3136店。「いずれもこの10年間で3倍以上に成長しており、地域経済の活性化に大いに寄与するものと理解している」と話した。観光庁のインバウンド消費動向調査では、24年の訪日外国人による買い物消費は約2・4兆円で、「消費税の免税制度はこの買い物消費を下支えする重要な制度」との認識を示した。

長崎空港ビルディング、管制塔など訪れるバックヤードツアー 9月24日まで参加応募を受付中

2025年9月18日(木) 配信

 長崎空港ビルディング(衛藤勇社長、長崎県大村市)と長崎空港トラベルサービス(同)は10月18日(土)、長崎空港開港50周年を記念し、空の日フェスタ開催と併せて、普段立ち入ることができない管制塔などを訪問する「長崎空港バックヤードツアー」を行う。9月24日(水)まで長崎空港のホームページで参加の応募を受け付けている。

 ツアーでは、全日本空輸(ANA)や国土交通省九州地方整備局、土木タレント「デミー博士」などの協力のもと管制塔のほか、手荷物仕分場や空港保安防災教育訓練センターなどに訪れ、スタッフから業務についての説明を聞くことができる。

 ツアーの対象は小学生以上。参加費は無料。定員は30人。応募多数の場合は抽選となり、結果は9月29日(月)に当選者へメールで知らせる。 

ラグーナテンボス、11月2日(日)からイルミネーションイベント 水上ドローンとのショーも実施

2025年9月18日(木) 配信

光の花手水のイメージ

 ラグーナテンボス(小寺康弘社長、愛知県蒲郡市)は11月2日(日)から、運営するテーマパークの「ラグナシア」でイルミネーションやクリスマスマーケットが楽しめる冬季イベント「ラグーナ イルミネーション 光と水のカーニバル」を開く。イベントでは、水上ドローンとイルミネーションショーを組み合わせたショー「光の花手水」も行われる。

 同テーマパークでは毎年、イルミネーションを用いたイベントを実施。今年は、新たに海の中をイメージしたイルミネーションドーム「マリンファンタジア」を設ける。海のモチーフを映し出す3つのイルミネーションドームを青く煌めくトンネルでつなぎ、光と水の幻想的な世界を表現する。

 光の花手水では、波のプールで寺社の手水舎に季節の花を浮かべる花手水をモチーフにした「水上ドローン」と、上空へ舞い上がる色彩豊かな「四つ葉のクローバー型空中ドローン」が音楽と共に動く。 

 昨年新たに設けた、クリスタルアーチや青の宮殿などのイルミネーションのほか、クリスマスならではのグルメや雑貨などのショップが集う「クリスマスマーケット」も開催される。

福島の魅力“まるごと”体感 9月22~23日に有楽町で物産展開く

2025年9月18日(木) 配信

9月22日~11月10日まで「まるごとふくしまウィーク」

 福島県は9月22日(月)、23日(火・祝)に東京・JR有楽町駅前広場で物産展「ふくしままるごとフェア+ガラポン抽選会」を開く。福島の特産品や観光情報を集め、魅力を“まるごと”体感してもらうのが狙い。

 イベントでは県内市町村や日本橋ふくしま館MIDETTEや、ふくしま海洋科学館など計24団体が出展。梨やブランド米などの農作物から、加工食品、菓子、ビール、ワインなど多数の物品が並ぶという。ガラポンブースでは、特産品が当たる抽選会を行う。

 また、同イベントは東日本大震災・原発事故に伴う風評被害の払拭と風化防止を目的に9月22日~11月10日まで実施される「まるごとふくしまウィーク」の一環として行うため、会場では除染の取り組みや中間貯蔵施設に関するパネル展示も予定している。

 開催時間は22日が正午~午後7時まで、23日が午前10時~午後6時まで。

【速報】25年8月の訪日外客数16・9%増の343万人 8月として初の300万人超え

2025年9月18日(木) 配信

 日本政府観光局(JNTO)が発表した8月の訪日外客数(推計値)は、前年同月比16・9%増の342万8000人と、8月として初めて300万人を超えた。

 好調な要因として、「前月に引き続き、東アジアや欧米豪・中東を中心に、多くの市場でスクールホリデーに合わせた訪日需要の高まりがみられた」(JNTO)と分析する。東アジアでは中国と台湾、東南アジアではインドネシア、ベトナム、欧米豪では米国、ドイツを中心に訪日客が増加。

 台湾、スペインは単月過去最高を更新。韓国や中国、米国など18市場で8月として過去最高を記録した。

 一方、出国日本人数は同14・7%増の164万8300人となった。

日本バス協会、外国人材の緩和要求 「人手不足で路線維持困難」

2025年9月18日(木) 配信

清水一郎会長

 日本バス協会(会長=清水一郎・伊予鉄グループ社長)は9月17日(水)、東京都内で通常理事会を開いた。清水会長は「人手不足は深刻で、一部地域では路線を維持できなくなる」と危機感を示し、人材確保に向けて「まずは外国人バス運転者の日本語能力の要件を、日本語能力試験N3からN4へ今年中に引き下げるよう自由民主党や関係省庁に要望している」と述べた。

 国の有識者会議は現在、引き下げを行ったうえで、乗客とのコミュニケーションを補助する「日本語サポーター(仮称)」の同乗を条件に加える構えだが、清水会長は「将来的にはスマートフォンの翻訳機能などを活用し、不要としてほしい」と条件緩和を求めていく方針を示した。

 運転者不足の解消に期待されている自動運転については、車内保安員が不要なレベル4の本格運行に向け、「来年度は現在100億円の予算を大幅に増額し、国家プロジェクトとして進めていただき、全国的な自動運転バスの展開を目指したい」(清水会長)と語った。

 同協会は2026年度の税制改正を前に、EVバス普及のための免税・減税措置の拡充やガソリン税の暫定税率廃止に合わせた軽油価格の引き下げも要望していく考えだ。

 また、石油販売会社が運送事業者向けの軽油を維持・引き上げるカルテルを結んだ独占禁止法に違反した疑いがあるとして、公正取引委員会に捜査されていることにも触れ、「バス事業者はコスト高に対応するため、必死に取り組んでおり、大変遺憾だ」と述べた。

11月11日に総決起大会

 バス業界を取り巻く環境が厳しいなか、危機的状況を乗り越えるため、関係者が一致団結して課題に取り組めるよう、11月11日(火)に自民党本部で総決起大会を開催することが決まった。

 理事会終了後には、国土交通省物流・自動車局旅客課の重田裕彦課長が「バス事業をめぐる現状と課題」と題して講演を行い、バス運転者の求められる日本語能力の概要や今後の見直し、バス関係の年度予算、税制改正などの政府の取り組みを説明した。

 これを受けて会員から「人手不足や乗客減少で路線を維持するのが難しくなっている。国の補助を拡充してほしい」と要望する声が挙がった。

 重田課長は「補助金には限りがある。引き続き、1円でも多く補助金予算を確保できるよう財務省と協議していきたい」と話した。

JTAが沖縄県内マラソン周遊キャンペーン開始 マラソン参加で特産品や航空券当たる

2025年9月18日(木) 配信

 日本トランスオーシャン航空(JTA、野口望社長、沖縄県那覇市)は9月16日(水)から、沖縄県内マラソン周遊キャンペーンを開始した。県内の複数のマラソン大会にエントリーすると、抽選で地域の特産品やJTA路線往復航空券などが当たる。応募は12月12日まで。

 対象の大会は久米島マラソンと石垣島マラソン、おきなわマラソン、たらま島一周マラソン、日本最西端与那国島一周マラソン、竹富町やまねこマラソンの6つ。このうち、2大会にエントリーしたうえで、キャンペーンページから応募すると抽選に参加できる。

 ダブルチャンスとして、期間中にJALグループの沖縄県内空港発着便を1回以上利用、もしくは予約すると抽選で1人にJTA路線往復航空券が当たる。いずれも、応募にはJALマイレージバンク(JMB)会員であることが必要。

【第50回旅館100選】栃木県・那須温泉 「ホテル四季の館 那須」

2025年9月18日(木) 配信

スイートルーム「金梅」

那須高原の季節を感じる、大人のための雅の宿

 本格的なフランス料理を味わう和心オーベルジュ「ホテル四季の館那須」。武家屋敷を思わせる建物は、豊かな自然に囲まれた約1万5000坪の「那須みやびの里」のなかに建ち、「ホテル森の風那須」に隣接している。

本格的なフランス料理
レストラン洋風個室

 個室でいただく夕食は、那須特産の新鮮な高原野菜や肉、乳製品などをふんだんに使ったフランス料理。季節の料理や好みに合わせたワインや評判の那須ワインと共に、大切な人とゆっくりと堪能したい。

共用の半露天風呂

 木のぬくもりと日本古来の色調でまとめられた全30室の客室は安らぎと落ち着きをもたらす和の空間。全室に檜風呂や陶器風呂など、趣向の異なる専用の温泉が部屋ごとに用意され、「美人の湯」と名高い温泉をひとり占めできる。館内には、庭園を眺める共用の半露天風呂や洋館のようなラウンジもあり、優雅なひとときを過ごすことができる。

客室の檜風呂

「フルーツパーク森の風」トウモロコシ収穫体験

 「フルーツパーク森の風」では、さまざまな体験プランを用意。夏の収穫体験では、夏イチゴ、ブルーベリー、トウモロコシなどを収穫できる。那須の朝晩の寒暖差が甘いトウモロコシを作り、朝採れの新鮮なトウモロコシは、想像以上の濃厚な甘さ。お土産として持ち帰りもおすすめだ。

 

交通:《車》東北自動車道 那須ICから約15分、P132台(無料)
   《電車》JR東北新幹線 那須塩原駅から車で約30分※送迎有(要予約)
チェックin15:00 out11:00
食事:《夕・朝食》個室
部屋:全30室
風呂:男女別半露天風呂各1
泉質:ナトリウム・マグネシウムー塩化物・硫酸塩・炭酸水素塩温泉
料金:3万8,650円~(税込)

〒325-0302 栃木県那須郡那須町高久丙1179-2
☎0120(743)177 FAX0287(73)5816
https://www.shikinoyakata-nasu.com/
Wi-Fi:使用可

 

 

 ※この記事は、旅行新聞新社主催「第50回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に選出された施設で、書籍「2026年度版 プロが選んだ日本のホテル・旅館100選&日本の小宿(BEST100 HOTELS&RYOKANS IN JAPAN)」(自由国民社)に収録されている内容を紹介しています。

八芳園、10月1日新たに開業 MICEや地域事業強化でその他事業の売上割合増へ

2025年9月17日(水)  配信

庭園から見た本館

 八芳園(井上義則社長、東京都港区)は10月1日(火)、半年以上の休館、改修期間を経て新たに開業する。創業以来、過去最大規模の改修となるもので、婚礼事業だけにとどまらず、新たな施設を生かしたMICE強化や、地域の魅力・文化資産を活用、発信する地域プロデュース事業に力を入れていく。こうした取り組みで、2024年9月期は売上高の66%を占める婚礼事業の割合を30年9月期に48%とし、24年は34%のその他事業の割合を30年には52%まで高めたい考え。

記者らの質問に答える関本総支配人

 同社は9月17日(火)、報道関係者向けに内覧会を開いた。関本敬祐総支配人は今回の改修のテーマを「継承と創造」と紹介したうえで、「約400年の歴史を持つ日本庭園とより親和性を高めた」と語った。メインロビーは改修コンセプト「日本の、美意識の凝縮」を象徴するものとして、庭園の眺望と福岡県大川市の伝統工芸「大川組子」が融合した空間に仕上げた。

組子が美しいメインロビー

 MICE向けには、5~6階の日本庭園が望める会員制特別フロア「CLUB FLOOR」を新設。同フロアへは、メインロビーを経由せずに専用エレベーターでアクセスできる。5階の「STUDIO KOKU」(スクール140人、シアター322人)は全長約20メートルのLEDウォールを備える会場で、ダイナミックな視覚演出が可能。ラウンジも併設され、ドリンクの提供ができる。6階の「 HALL HAKU」(着席256人、立食300人)はさまざまなビジネスイベントに対応でき、併設のバーではウェルカムカクテルが楽しめる。

庭園が望める5階「LOUNGE KOKU」

 地域プロデュース事業では、9月11日に発表した、東日本旅客鉄道(JR東日本)と白金・高輪エリアを「国際交流拠点」として価値向上をはかるための「共創パートナーシップ協定」などを紹介。「TAKANAWA GATE CITY」をはじめとする、エリア一体での文化発信・地域共創を推進する。関本総支配人は「協定を通じ、エリアを全国各地のエリアプロデュースの中核拠点に育てていく。各地の文化遺産と新しいまちの魅力で新たな価値を生み出す」とし、「将来的に目的地として選んでもらえるように成長したい」と意気込みを語った。

赤沼喜典氏「震災からの復興と観光」を語る 第128回地域力おっはークラブで

2025年9月17日(水) 配信

さまざまなヒット企画を生み出してきた赤沼喜典氏

 第128回地域力おっはークラブが9月17日(水)、東京・新橋の阪急交通社で開催された。今回は、岩手県宮古観光文化交流協会事務局長の赤沼喜典氏が登壇した。

 赤沼氏は宮古市田老出身。三陸鉄道に在籍した約40年間に、「三陸鉄道を一つの観光地」とするアイデア仕掛け人として全国的に話題を集め、集客にも貢献した。東日本大震災後の観光による復興にも、現在は宮古観光文化交流協会事務局長の立場から尽力している。

 講演のテーマは、「震災からの復興と観光~日々アイデアを考え、誘客につなげよう~」。

 赤沼氏が在籍していた三陸鉄道は2000年に「観光路線へシフト」し、赤沼氏は「なもみガイド」や「こたつ列車」、「うみねこの餌付け」など、全国的に話題となったヒット企画を連発していった。物販では「赤字せんべい」を販売し黒字化を目指した。その裏には、「数えきれないほど失敗もしてきた」と振り返る。

 自身の経験から、「100考え、1つ当たれば良いレベル。アイデアの原石は足元に転がっている」と語る。

 東日本大震災の津波で沿線が甚大な被害を受けるなか、わずか5日後に三陸鉄道は走り始めた。大きな汽笛を何度も、何度も鳴らしながら走る車両を見た住民たちが、津波で流された自宅の前で立ち上がり、大きく手を振る姿を目の当たりにした赤沼氏は、涙が止まらなかったという。

 赤沼氏は「鉄道は地域にとっては特別の存在」と力を込める。「さまざまな困難に直面しながら、決して諦めず、常に挑戦してきた三陸鉄道がこれから先もずっと走り続けることが大事」と語り、「宮古市の観光交流に力を注ぎながら、地域の復興に取り組んでいく」と結んだ。