日本バス協会、貸切バス安全性評価 開始以来初の抜本的見直し

2023年12月21日(木) 配信

日本バス協会の資料を基に編集部が作成

 日本バス協会(会長=清水一郎・伊予鉄グループ社長)は12月20日(水)、「貸切バス事業者安全性評価認定制度」を開始以来、初めて抜本的に見直すと発表した。同制度は、2011年度から実施していた貸切バス事業者の安全性確保に向けた取り組み状況を評価・認定・公表するもの。

 近年、コロナ禍を経た貸切バスの需要回復に合わせ、一層の運行管理の強化が必要であり、人為的ミスや健康起因による事故の防止のほか、24年度から改正される関係法令への対応も求められていた。このような状況に対応し、貸切バスをより一層、安心・信頼して利用してもらえるように、制度の見直しを行う。

 主な変更点は、①運行管理など審査基準の厳格化②健康管理、先進安全自動車など安全に対する高度な取り組みへの評価③規則など改正への対応④評価認定マークの変更および最高評価を三ツ星から五ツ星にするなど認定種別の変更――の大きく分けて4点とする。

 行政処分に対する減点を強化し、法令遵守に対する配点を全面的見直すことで審査基準の厳格化。人為的ミスや健康起因、教育・訓練強化による事故防止への取り組みを実施している事業者を高く評価するものに改める。また、運輸規則改正への対応として点呼の録画やデジタル式運行記録計などの義務化、2024年問題(改善基準告示)に対応。厳しく審査し、厳守されていない場合は不認定とする。

 25年以降、新基準の申請で認定された事業者には、新評価認定マークを交付する。三ツ星の3段階評価から、五ツ星の5段階評価に変更する。

 実施時期は、24年度の取り組み内容から対応(25年度申請)。審査基準の厳格化は、24年度申請から一部先行で行う。

 清水会長は「新たな貸切バス事業者安全性評価認定制度を導入することにより、安全性の向上を促進するとともに、貸切バスの信頼を高めたい」とコメントを述べた。

万博ボランティア 24年1月中旬から募集開始

2023年12月21日(木) 配信

 2025年日本国際博覧会協会と大阪府・大阪市は、万博会場での案内・誘導や、空港などで万博の情報発信に従事するボランティアを2024年1月中旬から募集する。募集に先立ち、12月20日(水)にボランティア専用ホームページを開設した。

 募集内容の詳細や条件は24年1月中旬に改めて発表するが、①来場者の案内・歓迎、美化活動のサポート②案内所や休憩所などの運営サポート③外国語を生かした各種業務のサポート④まちなかでの万博情報案内⑤主要駅や空港などでの交通案内⑥大阪ヘルスケアパビリオンでの来館者の誘導やサポート――などを想定する。

 ボランティアは協会と府・市が連携して管理運営を行う。

『スプラトゥーン3』とタイアップ イベントやラッピング列車運行(JR九州)

2023年12月21日(木) 配信

人気の『スプラトゥーン3』を通して九州の魅力発信
  •  九州旅客鉄道(JR九州、古宮洋二社長、福岡県福岡市)は2024年1月9日(火)から5月12日(日)まで、任天堂(京都府京都市)のNintendo Switch用のゲームソフト『スプラトゥーン3』とタイアップしたプロジェクト「スプラトゥーン3×JR九州 カモン!キュウシュウ」を実施する。

 イベント開催やラッピング列車の運行、スタンプラリー、グッズ販売などを展開し、誘客をはかる。

 イベントは1月27日(土)、28日(日)、29日(月)の3日間、博多と長崎、大分、鹿児島中央の各駅で、ゲーム内で仲間と一緒にノルマ達成を目指す「サーモンラン」をモチーフとした体験イベント「キュウシュウラン」を行う。

 ゲームのキャラクターが描かれたラッピング列車の運行は、2月16日(金)から5月中旬までの予定。885系1編成を特別な列車「スプラトレイン」として、博多―佐伯(特急ソニック)、博多―武雄温泉(特急リレーかもめ)、博多―佐世保(特急みどり)、吉塚・博多―肥前鹿島(特急かささぎ)の各区間で運行する。

 スタンプラリーは同社のアプリ上でスタンプを集めるデジタル形式で、JR九州の駅やD&S列車、キュウシュウランイベント会場など51ヵ所にスタンプを設置する。

夜の水族館で石見神楽上演 島根県浜田市アクアスで

2023年12月21日(木) 配信

水槽の前で石見神楽を上演

 島根県浜田市の同市石見神楽振興プロジェクト協議会は2024年1月14日(日)、同市の水族館「島根県立しまね海洋館アクアス」で、石見神楽を夜の館内で上演するイベント「ナイトアクアス×石見神楽 煌めく神秘の夜」を行う。

 通常営業を終えた閉館後の午後6時から、館内3会場で水槽をバックに、豪華絢爛な衣装をまとった舞手が迫力の舞いを披露する。人気演目の「大蛇」も行い、特別に大蛇との記念撮影ができるという。

 石見神楽は県西部の石見地方に息づく伝統芸能。2019年5月に日本遺産に登録された。22年7月には国立劇場(東京都千代田区)で単独公演を行うなど、勇壮で華麗な舞いは多くのファンを獲得している。

 観覧料は大人・島根県県外在住6000円、県内在住4500円、高校生以下は共通で1500円。未就学児無料。オマツリジャパンが開設する専用サイトなどで販売している。

日本温泉文化を守る会、3部会の親会として「伝統的な温泉文化残す」 日本秘湯を守る会「創立50周年式典」24年3月13日に開く

2023年12月20日(水) 配信

冒頭、佐藤和志会長があいさつ

 日本温泉文化を守る会(佐藤好億代表理事名誉会長、佐藤和志代表理事会長、正社員6人)は12月19日(火)、静岡県・熱海温泉の熱海大観荘で第3回定時総会を開いた。

 同会は、「日本秘湯を守る会」(星雅彦会長)、「日本源泉湯宿を守る会」(桑原清会長)、「日本文化遺産を守る会」(小山田明会長)の3部会の親会と位置付けている。前年度に全部会の会計期間(10~9月)の統一が完了しており、「日本の伝統的な温泉文化を残し、守ることを目的に将来に向かって研究や交流をはかっていく」理念に基づいて、各部会への指導や補助を行っていく。

 佐藤和志会長は「すべての会の名称が『日本』を背負っている。皆さんと一緒に盛り上げていけば、我われ自身のためだけではなく、広く貢献していくことになる」とあいさつした。さらに「来年、日本秘湯を守る会が50周年を迎えるが、会が存続し、長く維持していけるのは自主財源を持っているから。Web事業やスタンプ事業を頑張っていけば、強い組織になれる」と語った。

 地熱発電開発の問題も重点事業として、各部会が連携しながら、モニタリングや調査などを継続して行い、データの蓄積をはかる。このほか、インバウンド対策も強化していく方針だ。

総括する佐藤好億名誉会長

 佐藤好億名誉会長は「50年以上前、地元の温泉宿に戻ったときに相談する相手がいなかったが、山を越えたところにある温泉宿が私にとって先生だった。この会は『共生』の会。この会から多くのことを学び、明日に生きる糧にしてほしい。そのことが地域に良き温泉文化を残すことになるだろう」と締めくくった。

 日本秘湯を守る会 創立50周年迎える

 日本秘湯を守る会は24年3月13日(水)、東京都千代田区の有楽町朝日ホールで創立50周年記念式典を開く。テーマは「つなぐ秘湯 50周年の歩みと新たな挑戦」で、講演やパネルディスカッション、懇親会などを予定している。

海と山の景観、歴史、グルメを満喫 館山で初のON・ガスイベント開催

2023年12月20日(水)配信

城山公園の山頂から眺める町並み

 千葉県館山市で11月25日(土)、初のONSEN・ガストロノミーウォーキングが行われた。

 館山は、NHK連続テレビ小説「らんまん」に登場し話題となった曲亭馬琴作の「南総里見八犬伝」ゆかりの地。参加者は、空気が澄んでくる秋から冬にかけて海の向こうに富士山が見える日が多くなる「北条海岸」がスタート・ゴール地点となる約10㌔のコースを歩きながら、海と山の景観、歴史、グルメを満喫した。

  コース上には、四国八十八ヶ所を遷した遍路道があり88体の弘法大師像が安置されている「安房高野山妙音院」や、房総の戦国大名・里見氏の居城跡を整備した「城山公園」、館山湾を一望できる「渚の駅 たてやま」などさまざまな見どころが点在。

館山の魅力を満喫

 参加者からは「ついつい歩くスピードもゆっくりになってしまった」「館山城がコースに組み込まれていて、歴史にも触れられた。南総里見八犬伝を知っていたが、ここがゆかりの場所だということも今回のイベントで知りました」「妙音院は、今回の企画だから行くことができた素敵な場所。時間があれば、遍路道も歩いてみたかった」などの感想が聞かれた。

さまざまなグルメでおもてなし

 各ガストロノミーポイントでは漁師料理たてやま名物の「かじめ汁」や、「里見伏姫牛の串焼き」、イノシシ肉を使用した「ジビエさんが焼き」、今年デビューのご当地グルメ「たてやま海自カレー」などが用意され、地元の人が参加者をもてなした。

さんが揚げとジビエさんが焼き
たてやま海自カレー

 「たてやま海自カレー」は、海上自衛隊館山航空基地のカレーをもとにしたご当地グルメ。市内の飲食店など5店舗が、「ルーはミックス、香辛料もシンプルに」など5つのルールに従って創意工夫し、地元食材を使ったオリジナルのカレーを提供している。

 さまざまな館山グルメは、安房の地ビール「安房麦酒」、安房の地酒「吉野酒造」の日本酒、館山レモン香る「館山ジン」などと共に堪能。吉野酒造の日本酒は、普段呑まれている普通酒と、コシヒカリの純米原酒の飲み比べを楽しんだ。

 「ビールや地酒が美味しくて、珍しいモノも食べられてよかった」「案内の看板を持って誘導して下さるなど、地元の方のおもてなしが良かった」「観光もできて、内容も充実していた」など、好評を博した館山でのイベント。とくに、食の美味しさを挙げる声が多く聞かれた。

 館山市観光協会では、来年のイベント開催も検討していくとの考えを示す。

□イベント担当者の声

 ゆったりとした時間を過ごすことができる館山は、ON・ガスのコンセプトにもある自分のペースでウォーキングしながら、地域の「たべる」「めぐる」「つかる」を楽しむことができる場所と考え、閑散期の11月に観光誘客を目的に開催しました。

 コースは、海、山、そして、南総里見八犬伝の地でもある館山を知ってもらえるよう意識し、各ポイントでは、地域食材を使用したグルメや、新しいグルメをPR。参加者からは「とても満足しました」とのお声もいただけました。今回いただいた声を生かし、次の開催につなげていければと思います。

 

【館山市観光協会内里見のまちづくり実行委員会事務局 伊東 昌恵】

近畿日本ツーリスト、カニ旅行で最大1万円引き 抽選で5人にカニをプレゼント

2023年12月20日(水)配信

詳細は公式サイト内「冬の味覚の王様!かに特集」ページに

 近畿日本ツーリストブループラネット(浅妻勇社長、東京都江東区)は2024年1月18日(木)まで、「旬だ!かにかにWEBキャンペーン」を公式サイトで実施する。期間中に旅行代金3万円以上の対象商品を申し込むと、1回あたりの申し込みにつき最大1万円引きのクーポンを利用できる。さらにWチャンスとして、抽選で5人に産地直送のカニをプレゼントする。

 対象プランに割引クーポンを利用すると、1予約につき旅行代金が20万円以上で1万円、10万円以上で5000円、5万円以上で3000円、3万円以上で1500円を割り引く。クーポンは、旅行期間が23年12月18日(月)~24年3月10日(日)帰着のものが対象で、予約時に販売上限数に達し次第終了となる。なお、KNTメンバーズクラブ(年会費・入会費無料)への会員登録が必要。

 同社は、旅行を楽しみながらこの時期ならではの旬のカニをさまざまな料理で楽しむプランを提案する。全国の宿から選りすぐりの露天風呂付き客室プラン、部屋食ありのプランなどを用意した。

 詳細や申し込みについては、近畿日本ツーリスト公式サイトから。

サービス連合、改正旅館業法施行に対し談話 「働く者の安全守る点で意義ある内容」 (石川事務局長)

2023年12月20日(水) 配信

 サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)の石川聡一郎事務局長は12月13日(月)、改正旅館業法の施行に対し、談話を発表した。今回の改正で特定感染症の国内発生期間に限り、必要な限度で特定感染症の感染防止対策への協力を求められることについて、今後も新たな感染症の拡大が想定されるため、「利用者だけでなく、働く者の安全を守る点において意義のある内容」と評価した。

 一方、宿泊業では公共性の観点などから、「利用者に対する不当な差別につながらないよう、今後の具体的な対策の検討を求める」とした。

 また、宿泊サービスの提供を著しく阻害する恐れのある要求を繰り返すカスタマーハラスメントへの対応についても盛り込まれた一方で、障害者が宿泊する際に施設側に合理的な配慮を求めることは拒否の要件には当たらないため、「宿泊事業者は障害者差別解消法などを正しく理解し、不当な差別や宿泊拒否につながらないよう、研修機会の拡充など十分な取り組みが求められる」とコメントした。

 サービス連合の櫻田会長は「旅館業法の見直しに係る検討会」の構成員として参画し、旅館業法の改正へ労働者の立場などから意見反映を行ってきた。同連合は「今後も働く者の立場から産業の持続的な発展に向けて取り組んでいく」とした。

tripla、台湾のシステム会社 Surehigh社を子会社化へ

2023年12月20日(水) 配信

左からtriplaの高橋和久CEO、Surehigh社の賴佳維CEOと劉淑慧COO、triplaの鳥生格CTO

 宿泊施設のDX化を支援するtripla(トリプラ、高橋和久CEO)は12月15日、取締役会で台湾企業の旭海國際科技(Surehigh International Technology Inc.)の株式を取得し、子会社化を決定した。今後、台湾や韓国、東南アジアへの事業拡大とサービス拡張に注力し、国内外の宿泊産業の発展に貢献してさらなる事業成長を目指す。

 台湾の宿泊施設向けに展開するSurehigh社は、チャネルマネージャー「HOTEL NABE」、予約エンジン「EZ HOTEL」、ホームページ作成サービス「微官網」などを開発、販売している。主力サービスの「HOTEL NABE」は、現在832施設に導入され、海外OTA(オンライン旅行会社)のエクスペディアやブッキング・ドットコムと連携。加えて、LION TRAVEL、Klook、Easy Travel(四方通行)、ezTravel(易遊網)など、現地で主流となるOTAとも連携している。このほかにも、予約エンジンは726施設、ホームページ作成サービスは200施設に導入されている。

 今年11月のインドネシアのBooKandLink社に続く子会社化。台湾市場へのさらなる事業拡大が実現し、トリプラグループ全体の導入施設数は6590施設となる見込み。

 今後、既に台湾でも展開する「tripla Book」をSurehigh社のサービスを利用する顧客向けに展開。このほか、Surehigh社のチャネルマネージャーの技術や連携先を活用し、トリプラの新サービス「tripla Link」として国内外に展開、競争力の強化をはかっていく。

HIS、中期経営計画を発表 営業利益は26年コロナ前超えへ

2023年12月20日(水) 配信

コロナ禍のような外部環境変化に備え旅行と非旅行および旅行関連事業の利益構造を1:1とする

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は12月15日(金)、次期中期経営計画(2024~26年度)を発表した。30年の創業50周年に向けて持続的な成長をはかる。

 同計画では、コア領域(旅行業)の変革と新規領域への挑戦を方針に掲げた。そのうえで、グローバルネットワークの活用と生涯顧客の創造、旅行関連事業・非旅行事業の成長、業務効率化、投資、人材戦略に取り組んでいく。これにより、26年度の売上高を19年度比117%の4300億円、営業利益は同103%の180億円を目指す。コロナ禍のような外部環境の変化に備え、安定した経営体制を構築するため、30年度以降に、旅行と非旅行および旅行関連事業の利益構造を1対1にしていく方針だ。

 このうち、グローバルネットワークの活用では、利益の60%が日本からの送客となっていた海外拠点において、回復の早いグローバルマーケットを開拓。利益のうち40%を占めていた海外発の商品と新規事業を26年までに60%に拡大する。さらに人以外、物やサービスを流通させる新規事業も始める。

 生涯顧客の創造は、同社発行のクレジットカードスカイウォーカーカードの所有者を現在の10万人から60万人に増やすなど日常生活のさまざまなシーンで消費者との接点を増やしていく。また、店舗やオンラインサイトより平均単価が高いため、対応人員を現在の約400人から26年までに1500人に増員する。

 業務効率化は、DX推進で業務プロセスを改善。これにより人員を削減し、26年の人件費は19年比で1.2%減を目指す。

 旅行関連事業・非旅行事業の成長では、収益性の高いホテル事業を中心に注力。26年までに独自性ある商品プランで客室単価を19年比で12%増の1万5800円に増やしていく。稼働率は19年比で17㌽増の76%を目指す。コロナ禍で新たに始めた飲食事業やBPO事業の拡大も継続する。

 より早く業績を回復させるため、需要の戻りが早いヨーロッパとカナダで旅行事業者へのM&Aを行う。さらに、AIや宇宙、ヘルスケアなどへの投資も実施する。

 人材戦略では、女性役員の比率を20%まで増やす。さらに、全社でDX教育を展開する。

 12月15日(金)に行われた決算会見で、矢田社長は「今までの延長ではなく、事業の収益構造を変え、他社との差別化でHISらしい事業を展開していく」と語った。