高円宮殿下記念地域伝統芸能賞、八槻都々古別神社楽人会・御田植保存会が受賞

 地域伝統芸能活用センター(中村徹会長)はこのほど、2012年度の高円宮殿下記念地域伝統芸能賞に、「八槻都々古別神社楽人会・御田植保存会」(福島県東白川郡棚倉町 七座の神楽・太々神楽・御田植神事)を選んだ。福島県文化振興課が推薦したもので、「御田植」は国指定重要無形民俗文化財、「七座の神楽・太々神楽」は県指定無形民俗文化財として指定されている。

 地域伝統芸能大賞では、保存継承賞として「小奴可地区芸能保存会」(広島県庄原市東城町塩原 田楽)が選ばれた。活用賞は「寺崎はねこ踊り保存会」(宮城県石巻市桃生町 寺崎はねこ踊)、支援賞は植田倫吉氏(島根県浜田市 石見神楽・蛇胴の製作)が選ばれた。

 地域振興賞、さらには地域伝統芸能奨励賞は、「対象なし」となった。

 また、今年度に限り、東日本大震災の被災地において、被災したにも関わらず、地域伝統芸能の活動を再開し、被災者に復興への活力を与えている団体・個人を表彰する「地域伝統芸能特別賞」を設けた。

 受賞したのは、「釜石虎舞保存会連合会」(岩手県釜石市 釜石虎舞)と、「行山流水戸辺鹿子躍保存会」(宮城県南三陸町戸倉字水戸辺 行山流水戸辺鹿子躍)、「請戸芸能保存会」(福島県浪江町請戸 請戸の田植踊)の3団体。

 なお、受賞者は10月27―28日に地域伝統芸能活用センターと福島県、郡山市、会津若松市が主催する地域伝統芸能全国大会で、高円宮妃殿下を迎え、表彰式を行う。また、受賞者の公演も予定している。

楽天が「草津vs熱海」で共同企画、抽選で6人に無料ペア宿泊券

 楽天トラベル(岡武公士社長)は、草津温泉旅館協同組合と熱海温泉ホテル旅館協同組合と共同で、両温泉地への相互誘客を目的に「『草津』vs『熱海』究極の温泉地対決!!」を展開している。

 日本三名湯の1つ「草津温泉」と日本三大温泉の1つ「熱海温泉」が、それぞれの特徴である温泉・景観・遊び場の3つのカテゴリーを軸に、ユーザーから投票される「いいね」の数を競う温泉地対決特集。どちらかの温泉地の楽天トラベル登録宿泊施設の特別プランを予約した利用者に、もう一方の温泉地の無料ペア宿泊券か2万円分の宿泊優待券が抽選で合計6人に当たる。対象期間は3月26日まで。 

お花見久兵衛が優秀賞、中小企業IT経営力大賞2012

溝畑宏観光庁長官と意見交換
溝畑宏観光庁長官と意見交換

 石川県加賀市山中温泉の「満開の宿 お花見久兵衛」(吉本加代子女将)は、「中小企業IT経営力大賞2012」の優秀賞の全国商工会連合会会長賞に選ばれ、2月24日に東京都内のイイノホール&カンファレンスセンター(千代田区内幸町)で表彰を受けた。

 お花見久兵衛では、大手旅行会社に依存する団体客ターゲットから、個人客をターゲットにしたWebによる集客型モデルへと転換。自社ホームページでの解析ツールによるアクセス数や予約決定数の分析、データ収集による顧客の動向分析とそれに呼応した企画の提案などを定期的に行い、売上効果を上げるために修正と検証のPDCAを繰り返し、最適化していることが高く評価された。また、ASP・クラウド型のホテルマネジメントシステムを導入し、予約・フロント・会計など部門ごとに縦割りだったシステムと業務を統合し、事務作業の効率化と業界の慣習にとらわれない従業員の多能工化を進め、少数精鋭での運営を実現している。

受賞社が記念撮影
受賞社が記念撮影

 このIT関連全般を担ったご子息の吉本龍平専務は表彰を受け「やってきたことが評価されるのはうれしい。今も常に分析・マイナーチェンジを行い、その変更がどういう結果を生むかを計測し最適化をはかっている」と話す。吉本専務は7年前にサラリーマンをやめ宿に入社。IT化への対応に取り組み始めたのは5年前。当時団体客が減少し、経営が厳しく集客を何とかしなくてはいけないと考えたという。「自分はいわゆる2代目だけど、旅行業界とまったく関係のない会社で働いていたのが逆に功を奏したのかもしれない。ずっと業界内にいて業界のことしか知らなかったら、今までの集客、販路の延長でしか考えられなかったかもしれない」と語った。また、吉本加代子女将もブログ( http://ohanami-kyubei.jp/blog/ )の中で「ITを活用するのはあくまでも人間。努力によってITを上手に活用し、仕事のなかに生かしていった従業員全員の受賞」と喜びを語り、「効率化できた分、おもてなしに集中したい」と力を込めている。

 観光関係ではそのほかに、仙台駅近郊でビジネスホテルを展開する松月産業が優秀賞の情報処理推進機構理事長賞に選ばれている。

 中小企業IT経営力大賞は、2007年に経済産業省が創設。ITを新しいビジネスツールと捉え、業務の効率化だけでなく、下請けからの脱却や多品種・少量・短納期への対応、業務の可視化による戦略的経営の推進など、経営力を高めていく取り組みを積極的に展開している中小企業を表彰している。今年度で4回目を迎える。

温泉で日本を元気に!「旅と温泉展」新宿駅西口3月14―17日

 温泉で日本を元気に!――。日本温泉協会は3月14―17日までの4日間、東京・新宿駅「西口広場イベントコーナー」で第54回「旅と温泉展」を開く。

 温泉の情報コーナーでは、全国の温泉地の紹介や、会員施設、秘湯の宿、国民保養温泉地などを紹介する。温泉の知識コーナーや、源泉体感コーナーも設ける。また、東日本大震災復興支援企画として、東北の温泉地をイベントステージで紹介したり、パンフレットの配布により、東北観光の活性化にもつなげていく予定だ。

 抽選会やご当地クイズ、景品配布なども、日替わりで温泉地がPRする。さらに、アンケート「温泉旅行の実態と志向に関する調査」に答えると、抽選で宿泊券が当たる。時間は午前10時―午後8時で、最終日は午後5時まで。入場無料。

 問い合わせ=電話:03(5941)8610。 

復興庁、観光庁を訪問、いわておかみ会の7人

平野達夫復興大臣を表敬訪問
平野達夫復興大臣を表敬訪問

 いわておかみ会(大澤幸子会長)は3月5日、おかみ会を代表して大澤幸子女将(ホテル対滝閣)、林晶子女将(四季亭)、川口礼子女将(ホテル加賀助)、照井久美子女将(長栄館)、平栗カヨ子女将(松川荘)、菊池悦子女将(瀬美温泉)、小瀬川洋子女将(割烹旅館廣美亭)の7人が、震災復興に対する御礼と復興支援の継続要請のため、平野達夫復興大臣と溝畑宏観光庁長官を表敬訪問した。

溝畑宏観光庁長官と意見交換
溝畑宏観光庁長官と意見交換

 大澤女将は溝畑長官に「世界遺産登録で平泉は調子がいいが、平泉から北がさみしい状況。岩手県の内陸が行き詰っている」と現状を報告。溝畑長官は「皆さんの現場のがんばりがあって観光が成り立っている」と労いの言葉をかけ、「宮城は震災特需で景気がいいみたいだが、それもビジネス客ばかりで観光は少ない。これから本格的な観光回復に向けて一緒にがんばろう」と激励した。

 女将たちが4月から始まる岩手DCと3月15日のスタートアップミーティングについてPRすると、溝畑長官は「ぜひ盛り上げたい。会場に行けなくても、ビデオメッセージなどを送りたい」と協力を申し出た。

値上げ断固反対、3団体連名で東電に反対文

反対文を手渡す今井理事長(左)
反対文を手渡す今井理事長(左)

 東京電力が4月1日から企業向け電気料金を平均17%値上げする方針を示していることに対し、東京都ホテル旅館生活衛生同業組合(今井明男理事長)は3月6日、全国旅館会館に東京電力の担当者を呼び、電気料金値上げの反対文を渡した。

 反対文は、全日本シティホテル連盟関東支部と全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会との連名。料金値上げは、さらに経営を圧迫させるとして、断固反対の意思を示した。

 今井支部長は「震災後、我われの経営は、どんづまりまで来ている。外国人の方は、震災前の4分の1しか帰ってきていない。地震と津波だけではなく、原発事故の影響で客足が遠のいている。この状態での値上げは到底納得できない。今の料金のまま継続いただきたい」と語った。同席したホテル・旅館の経営者からは「値上げの前にまだやることがある」「中小企業はボーナスも払えない状況にある。不満が募っている」などの厳しい意見が飛んだ。

厳しい意見も交わされた
厳しい意見も交わされた

 東京電力の鎌倉賢司執行役員法人営業部長は、「2012年は原発が1基も動かず、7千億円の燃料費がかかり、資金がいつショートするかわからないギリギリの状態にある。今後2、3年で今の電気料金基準に戻し、次の3年で今の料金よりも5%以上下げる経営努力をしていく」と理解を求めた。

 また、中小企業向けの料金値上げ緩和メニューを説明した。デマンドダイエットプランは、今夏(7―9月分)の各月の最大需要電力が契約電力を下回った場合、下回った電力に応じて料金を割り引く。ウィークリープランは、電気の使用量がピークの時間帯に、週単位、月単位で最大需要電力から50㌔㍗以上の電力の削減が可能な場合、削減実績に応じて料金を割り引く。プランをうまく使えば、値上げ幅の3割は圧縮できるという。

No.304 エコへの挑戦 旅館・ホテル編 - 資金面の課題 打開策は

エコへの挑戦 旅館・ホテル編
資金面の課題 打開策は

 環境への負荷を軽減し、経費削減にもつながるエコの取り組み。旅館・ホテルの経営者に聞くと、関心はあるが「投資額や資金計画が心配」という声が返ってくる。いいとは分かっていても、資金面のハードルから一歩踏み出せないケースが多い。打開策はあるのか。「エコ達人村」などの取り組みを通じて、提言を続ける国際観光施設協会の中山庚一郎会長と、日本、ヨーロッパのエコ先進地域の取り組みに詳しい食環境ジャーナリストの金丸弘美氏に聞いた。(8、9面に関連特集)

【沖永 篤郎】

 

 

国際観光施設協会会長
中山 庚一郎氏

<施設改修引当金の措置を>

 毎年、ホテルレストランショーで実施している「エコ達人村」の取り組みは3年目を迎えた。同協会会員である技術会社のトップエンジニアが集まり、旅館・ホテルの水光熱費などさまざまな問題について相談を受けている。私たちは、エコの考え方による「小」エネルギーシステムを提案している。一般的には「省」エネルギーというが、サービス業で「省く」という考え方はおかしい。「エコ・小」システムの施設を実現できれば、お客様に不快感を与えず、気持ちよく使ってもらえる。この取り組みは6つの観光関係団体、日本能率協会と一緒に進めている。いわばエネルギーについての改革運動だ。

 

 

食環境ジャーナリスト
金丸 弘美氏

<トータルマネジメント弱い>

 イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどのヨーロッパのEU諸国は、1980年代から環境政策を推進している。都市部、地方部にかかわらず、しっかりした景観条例があり、町並みの美術デザインから行政政策のなかに入っている。環境を守る取り組みに直接支払われる補助金もある。ヨーロッパの観光が成り立つのは、厳しい景観条例があるからだ。それで田園風景や古い町並みが保たれている。

 

※ 詳細は本紙1454号または日経テレコン21でお読みいただけます。

ペンを持つ者 ― 地域を輝かす気概を(3/11付)

 あれからもう1年が経つというのに、津波に襲われた町の幾つかは復興の足掛かりも掴めないままのところがある。漁業や農業、そして観光業など地場の産業が復活しなければ、その地域の復興はありえないし、地場産業の復活には、地元の人々がその地域に住み、生活をしなければならない。しかし、津波に流されてしまった住宅地や産業地の多くは、今も更地のままになっている。

 少子高齢化、過疎化が著しい地方部でとくに人口減少傾向が進んでいたが、東日本大震災で一気にその流れが加速した。東京に隣接する千葉県ですら、2011年は予想を7年前倒しに人口が減少したという。大きな打撃を受けた東北地方では、このまま放置していれば、人口流出はさらに加速するだろう。

 高度経済成長期や人口増加時代なら、復興のスピードも早い。力強い再生力によって、各地で復興の鎚音が響き渡っていたかもしれない。しかし、国の少子化問題の対応の遅れが、あらゆる歪みを起こしている。残念だ。高齢層に手厚く、現役世代、若年層への手当ての貧弱さ。若い家族や20代の若者、10代の学生が安心して教育を受けられ、就職ができ、結婚・子育て、生活ができる社会の仕組みづくりが国にとって一番大事なはずなのだ。百年の国家観、未来を語れる政治家が何人いるだろうか。また、ごく近未来図を描いても、災害に対して極めて脆弱な東京に人や経済、文化、政治の一極集中でいいと考える人はあまりいないだろう。変革のスピードがあまりに遅すぎる。

 日本全体を見渡すと、札幌や仙台、新潟、金沢、名古屋、大阪、広島、福岡といった地域の中核都市は、もっと個性的で、輝くべきだと思う。駅を降りた瞬間の無個性ぶりには、げんなりだ。地域ブロックのリーダーとして、海外にも知名度を上げるために、率先して文化・経済活動を盛り上げていってほしい。東京ばかりを見るのではなく、世界中の煌めく都市を模範に、地域の文化力を高める努力に期待したい。訪れる人に、ドキドキさせてほしいものだ。

 そして、我われペンを持つ者は、地域の魅力を掘り起こす力の貧弱ぶりを直視し、反省すべきである。松尾芭蕉が「奥の細道」で訪れた観光名所は、今も輝きを失わない。ペンを持つ者、芭蕉ほどの気概はあるだろうか。

(編集長・増田 剛) 

【3月17日】花魁道中を再現 熊本県・人吉温泉


3月17日 人吉雅の賑
熊本県人吉温泉で3月17日、人吉球磨はひなまつり きものぶらり歩き「人吉雅の賑(みやびの賑わい)」が開かれます。

あでやかな時代絵巻さながらに、一般公募で選ばれた女性たちが花魁(おいらん)、舞妓、芸子さんに華麗に変身し九日町おひな通りをそぞろ歩きます。本場東京の専門スタッフが化粧、着付を行うので見ごたえは十分。 九州では珍しい「花魁道中」の再現をお楽しみください。

開催日:平成24年3月17日(土)※雨天の場合は中止

時 間:正午~午後4時(練り歩きは正午と午後3時の2回)

会 場:人吉市九日町おひな通り

行列場所:花魁、舞妓が『清流山水花 あゆの里』から『国際観光旅館 鍋屋本館』までを練り歩きます。

主 催:九日町着物ぶらり歩き実行委員会

問合せ先:TEL 0966-22-0015 ビラエステ(熊澤さんまで)

3月31日まで「人吉球磨は、ひなまつり」を開催中!!
市内の人吉クラフトパーク石野公園、ひとよしおひな通り九日町、五日町、鍛冶屋町をはじめ、人吉球磨一帯の温泉施設・観光スポット100カ所以上でひな人形を展示しています。また、ひなまつり期間中には、各会場で趣向をこらしたイベントを開催します。総良村の専徳寺は今年、一般公開されていません。ご注意ください。

詳しくは人吉温泉観光協会のホームページをご覧ください

7月から5都市就航、拠点は成田、ルートは未定

鈴木社長(左)、ブキャナンCEO
鈴木社長(左)、ブキャナンCEO

 ジェットスター・ジャパン(鈴木みゆき社長、東京都千代田区)は2月8日、東京都内で会見を開き、7月から成田空港を拠点に国内便の就航を開始すると発表した。

 就航ルートは調整中だが、成田、関西、福岡、札幌、沖縄の5都市に就航予定だという。使用機材はエアバス社のA320型機(180席)。

 また、13年中に国際線の就航も計画する。

 ジェットスターグループのブルース・ブキャナンCEOは「計画よりも数カ月前倒しすることができた」と就航を報告。同グループが日本市場に参入して5年半以上が経ち、200万人を超える日本人が利用していることなどをあげ、「日本市場でブランド認知度が確固たるものになってきている」と自信を見せた。

 鈴木社長は就航先について「さまざまなアンケートやフェイスブックキャンペーンで徹底的にニーズを調査した。お客様が初期の段階で当社に最も求めている路線」と強調し、「目的地に観光がもたらす潤いをできる限り提供したい」とした。拠点を成田に置いた理由は「アジアには行き届いたグループの路線網があり、これに乗り継ぐためにも利便性が高い」と触れた。

 料金については既存エアラインの5―6割で設定。燃油サーチャージの付加も考えていないという。同グループの売りである、同日同時刻同ルートで他社より10%安くする「プライスビートギャランティ」(最低価格保証)を日本でも適用するが「例え原価割れしても、他社が100円でも実行する」(ブキャナンCEO)と断言する。

 鈴木社長は「魅力的な運賃を提供することで、日本市場でも新しいニーズを掘り起こせる」とし、「さまざまな創意工夫で日本の経済回復や繁栄に寄与し、日本で最も信頼され喜ばれるLCCを目指す」と意気込んだ。