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21年上半期・旅行業倒産16件 コロナ関連倒産が9割超え(東京商工リサーチ調べ)

2021年10月6日(水) 配信

東京商工リサーチはこのほど、2021年上半期(4~9月)の旅行業倒産動向をまとめた

 東京商工リサーチがこのほど発表した2021年上半期(4~9月)の旅行業倒産は16件となり、前年同期比166・6%増と急増した。前年同期を上回ったのは4年ぶりとなる。このうち新型コロナ関連倒産は15件と、全体の9割超を占めた。同社の集計では、20年に廃業した旅行業者は過去10年間で最多の158社にのぼり、同社は「21年はこれを上回る可能性がある」と危機感をあらわにした。

2021年4~9月期の旅行業倒産動向

 今年度上半期・旅行業倒産の負債総額は23億7400万円(前年同期比91・6%減)となった。2年ぶりに前年同期を下回ったが、20年6月に発生したホワイト・ベアーファミリー(負債278億円)の大型倒産による反動減が生じた。

 コロナ禍による倒産は15件となり、全体の93・7%を占めた。21年1―9月は、2月と9月を覗いた7カ月間で、新型コロナ関連倒産が旅行業倒産の100%を占める結果となった。

 原因別では「販売不振」が14件(同366・7%増)と最多に。コロナ禍の業績悪化を原因とした旅行業者が大部分を占めた。同社は、「国内旅行よりも海外旅行の方が壊滅的な状況。海外旅行に特化した業者の倒産が散発している」と懸念を示した。

 負債額別では、5000万円以上1億円未満の6件が最多となり、全体の37・5%となった。負債1億円未満の小規模倒産が全体の約7割を占めた。このことから、経営体力に乏しい小規模業者の、息切れ倒産が相次いでいることが分かった。

 地区別では、9地区の打ち6地区で発生し、最多は関東9件(同1件)。このうち東京都が7件となった。ほか、九州で3件(同2件)、東北・中部・北陸・中国が各1件。

人流抑制が長引き、息切れ倒産相次ぐ

 新型コロナの感染拡大は、入出国規制や緊急事態宣言の発令で国内外の人流を抑制し、今もなお旅行業界に大打撃を与えている。政府は実質無利子・無担保融資や、持続化給付金、雇用調整助成金などの支援策を講じた。

 20年7月には「Go Toトラベルキャンペーン」を開始したが、感染拡大の影響で同年12月に事業を停止し、未だ再開には至っていない。

 同社は、「人流抑制が長引き、旅行だけではなくビジネス関係でも、リモートワークの浸透で出張が大幅に減少している」と厳しい現状を振り返る。起死回生に期待していた東京オリンピック・パラリンピックは無観客の開催となったことから、「大手旅行会社も軒並み赤字決算に陥り、早期・希望退職や、本社売却などで生き残りをはかっている」(同社)。

 東京商工リサーチが今年8月に行ったアンケートでは、旅行業の38・2%が「コロナ禍の収束が長引いた場合、廃業を検討する可能性がある」と回答した。

 10月4日(月)に就任した斉藤鉄夫国土交通大臣は就任会見において、Go Toトラベルの再開に前向きな姿勢を見せたが、「業界からは入出国制限の早期緩和を求める声も根強い」(同社)。

 同社は、「コロナの収束時期にもよるが、それまでは旅行業の息切れ倒産や、廃業の増加が危惧される」と調査をまとめた。

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