見舞金を募集タイ、トルコへ(JATA)

 日本旅行業協会(JATA)はこのほど、会員に対して、タイの洪水被害とトルコ地震被害への見舞金の募集を開始した。長谷川和芳事務局長は「両国とも3・11の東日本大震災に対し素早い支援をしていただいた」と述べ、今回はその恩を返すためにも会員の協力を得たいとした。

 タイは日本の海外旅行市場にとって重要なデスティネーションの1つで、日本人観光客数は年間約120万人。昨年は政変で低迷したが、今年は9月まで順調に数字を伸ばしていた。しかし、今回の洪水で各社ともツアー中止やキャンセルが多数発生しているという。

 一方、トルコは昨年日本と友好120周年を迎えたほか、今年のツーリズム大賞を受賞するなど、注目が集まっていた。

 見舞金の受付期間や寄付先などは決定次第発表するという。

 振込先は次の通り。

 【タイ洪水被害見舞金専用口座】シヤ)ニホンリヨコウギヨウキヨウカイ みずほ銀行丸之内支店(支店№005)普通預金2895715【トルコ地震見舞金専用口座】同 普通預金2895723

ご当地のお弁当やスイーツ東北の女将6人が監修、ファミリーマートで販売

  ファミリーマート(上田準二社長、東京都豊島区)とJTB法人東京(川村益之社長、東京都新宿区)は11月15日から12月12日まで、東北のご当地メニューをテーマに、東北を代表する旅館女将が監修して開発した「お弁当やスイーツなど6種類」を全国のファミリーマート店舗約8600店で販売する「おいしい東北フェア~女将イチ押し!~」を展開する。両社は10年6月に合意した「戦略的パートナーシップ契約」を結んでおり、今回の共同事業は東北の経済の復興・活性化を目的としている。

 「おいしい東北フェア~女将イチ押し!~」のメニューは、(1)青森県・浅虫温泉「浅虫観光ホテル」の移川鞠子女将監修の「ほたて鮭飯弁当」(税込550円)(2)岩手県・瀬美温泉「桐の花」の菊池ひろみ女将監修の「盛岡風じゃじゃ麺」(同398円)(3)秋田県・田沢湖畔「花心亭しらはま」の山手祐子女将監修の「手巻寿司 燻り沢庵納豆(しょっつる使用)」(同160円)(4)福島県・穴原温泉「匠のこころ 吉川屋」の畠ひで子女将監修の「柚子味噌焼おむすび」(同120円)(5)山形県・かみのやま温泉「日本の宿 古窯」の佐藤洋詩恵女将の「山形風芋煮汁」(同375円)(6)宮城県・秋保温泉「篝火の湯 緑水亭」の高橋知子女将監修の「ずんだプリン」(同250円)――の6種類。商品についているQRコードから、携帯電話・スマートフォンでアクセスすると、各女将の動画メッセージが視聴できる。

 また、11月30日には「東北の元気を感じて~30円!バスツアー」も実施する。東北の素晴らしさを体感してもらおうと、ファミリーマート創立30周年に因んだ価格に設定した日帰りバスツアーで、募集人員は40人。

東電賠償基準見直し、原発事故以外2割を撤廃

東京電力福島第一原発事故以外の要因による売上減少率

 東京電力は10月26日、観光業の風評被害に対する賠償基準について見直すことを発表した。観光庁が公表した統計データなどを踏まえた結果、今年6月1日から8月31日までは、原発事故以外の要因(主に東日本大震災)による売上減少率を0%とした。9月21日に発表した同賠償基準では、福島(避難区域外の地域)、茨城、栃木、群馬県の4県を賠償対象とし、前年同期比の減収率のうち、2割を対象外とする基準を示していた。これに対し、福島県旅館ホテル生活衛生同業組合などは「到底受け入れられない」という姿勢で東電と交渉を進めていた。

 9月以降の賠償基準についても、原発事故以外の要因による売上減少率を0%と設定した。

 なお、東京電力は「現在、すでに請求書を提出している場合にも、見直し後の数値を用いて賠償金額を改めて計算し、手続きを進める」としている。

11年度秋の叙勲・褒章、佐藤潤さん(ホテル佐勘)が旭日小綬章

佐藤潤さん
佐藤潤さん

 政府は11月3日付で2011年度秋の叙勲・褒章受章者を発表した。本紙関連では、ホテル佐勘会長で国際観光旅館連盟副会長の佐藤潤さんが旭日小綬章を受章するなど、4人が受章した。

 国土交通省の勲章伝達式は11月8日、東京都港区の東京プリンスホテルで開かれた。松原仁国土交通副大臣は「皆様はそれぞれのお立場から、国土交通行政の推進にご協力いただき心より感謝すると共に、今後とも一層のご活躍をお祈りする」と前田武志国土交通大臣の祝辞を代読し、受章者の功労を称えた。

 本紙関連の叙勲、褒章受章者は次の各氏。

 【叙勲】旭日小綬章 佐藤潤(ホテル佐勘会長)=国際観光旅館連盟副会長 観光事業振興功労▽旭日双光章 馬渡孝一(小浜春陽館会長)=日本観光旅館連盟副会長

 同▽湯木敏夫(本吉兆会長)=国際観光日本レストラン協会理事 同

 【褒章】藍綬褒章 佐藤信幸(日本の宿古窯社長)=全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長・山形県旅館ホテル生活衛生同業組合理事長 生活衛生功労

福島再生へ官民一体で、福島県観光復興CPスタート

佐藤雄平福島県知事
佐藤雄平福島県知事

 福島県は10月28日、福島県・磐梯熱海温泉のホテル華の湯で、観光復興キャンペーンのオープニングセレモニーを開いた。本来開催中の観光大型キャンペーンは東日本大震災、福島第1原発事故の影響で中止となったが、復興に向けてさらに強力な体制を構築するために全市町村、団体などが参画し、観光復興キャンペーン委員会を設立した。12月に発表する県の復興計画の1つとしての位置づけ。県の事業として推進する。

 佐藤雄平県知事を会長とする福島県観光復興キャンペーン委員会は観光産業の復興に向けた事業を計画・実施。セレモニーの前に、県内の全市町村のトップ、団体代表者などが出席して行われた第1回の総会で佐藤知事は「福島の再生は観光復興キャンペーンに大きくかかっている。官民あげて展開し、福島の再生につなげていきたい」とあいさつ。「福島県は南北に130キロ、東西に160キロと広いのに、全体が汚染されている印象を持たれている。来ていただかなければ風評被害は払拭できない」と語った。

内藤愼介氏
内藤愼介氏

 観光復興キャンペーン事業は13年までを復旧期、以降を飛躍期とし、県民の地域への誇りと元気再生、「フクシマ」のマイナスイメージの転換、交流人口の拡大と誘客効果の最大化――の3つを事業の柱とする。浜通り、中通り、会津など、地域のそれぞれの状況を踏まえ展開。なかでも13年の放送が決定したNHK大河ドラマ「八重の桜」は復興へ大きな足掛かりとなる。これに関連した観光プロモーションを展開していく。

 オープニングセレモニーは、相馬野馬追の騎馬隊が吹く法螺貝の勇壮な音でスタート。スパリゾートハワイアンズ(いわき市)のフラガールが力強い踊りを披露した。

 記念講演はNHK大河ドラマ「八重の桜」のチーフ・プロデューサー、内藤愼介氏が「大河ドラマと地域振興」をテーマに登壇した。会津出身で、「幕末のジャンヌ・ダルク」といわれる新島八重。内藤氏は3月の震災を受け「やれるやれないではなく、やるしかないという思いに至った」とテーマ選定の経緯を説明。「日本人はなぜ震災後の混乱した状況でも荒れないのか。絆、希望といったものを持ち、強いのか。『ならぬものはならぬ』という幕末の会津を生きた人々の生き方につながるものがある」と語った。

 観光復興キャンペーン委員会の副会長、幹事は以下の通り。

 【副会長】瀬谷俊雄(福島県観光物産交流協会理事長)▽菅野豊(福島県旅館ホテル生活衛生同業組合理事長)【幹事】佐藤正博(福島県町村会会長)▽福田昌明(日本旅行業協会東北支部福島地区委員会委員長)

参加者全員でキャンペーンスタートの掛け声
参加者全員でキャンペーンスタートの掛け声

No.295 長崎―上海航路就航 - アジアとの交流拡大へ起爆剤に

長崎―上海航路就航
アジアとの交流拡大へ起爆剤に

 11月3日、長崎市の長崎港からハウステンボス(HTB、長崎県佐世保市)が就航させる上海航路(長崎市―中国・上海市)の第1便が上海へ向けて出航した。第1便は部分改修を終えての試験運航。本格運航が始まるのは来春3月からで、週2、3便を予定する。上海航路就航は中国、アジアとの交流拡大へ起爆剤になると、地元関係者の期待は大きく、官民あげてのバックアップ体制が整い始めている。

【沖永 篤郎】

<日中新時代切り開く存在>

 上海航路はHTBの子会社、HTBクルーズが運航し、長崎―上海間の約800キロを約24時間で結ぶ。旅客船「オーシャンローズ号」(約3万トン)の旅客定員は約1千人。日中間の定期航路は、すでに大阪―上海、神戸―天津、下関―青島間などで就航しているが、旅客定員は200―400人規模。長崎―上海航路が実現すれば、輸送旅客数は飛躍的に向上する。

 

 

※ 詳細は本紙1441号または日経テレコン21でお読みいただけます。

古くても愛情で変わる ― 僧のように掃除しよう(11/11付)

 修行僧はいつも掃除をしている。掃除をするために生きているのではないかと思うほど、掃除をする。なので、修行僧の多いお寺の廊下はぴかぴかに光り、お堂には塵ひとつ落ちていない。歴史を重ねた古い建造物でも、毎日磨きあげればどの場所よりも綺麗な空間になり得ると教えてくれる。自分の頭や心が乱れているとき、清潔なお寺や神社の境内を歩くだけで、心が清められるような気がする。

 私は掃除が上手くできない。それに加えて、あらゆるものが手の届く範囲で混沌としている。自分の身の周りが整理整頓されすぎていると、何となく落ち着かず、いつの間にか、元の雑然とした空間に戻っている。情けない。フザケタ話だが、そのような人間でありながら、レストランや旅館に行くと、やはり気になるのが「そこが綺麗に掃除されているか、そうでないか」なのである。

 基本的に、私は古いモノの方に強い共感を覚える性質を持っており、古い型のクルマ、古い型のオートバイ、古い建造物などがオーナーによって大事に手入れされているものが街で目に入ろうものなら、いつまでも眺めていたいタイプなのだ。

 だから、宿選びをする場合にも、新しい宿よりも、優先的に歴史を刻んできた宿を選びがちである。建物の古さなぞというものは、プラスにこそなれ、マイナスになるようなことは一切ないのだ。法師温泉・長寿館などは、長い間、宿主やお客に愛されてきたのだなということが感じられる良い例である。

 先日、山梨県・裂石温泉の雲峰荘を訪れ、露天風呂に入ったのだが、建物自体は相当に古いものだった。しかし、目に付くスタッフは皆掃除をしていた。庭も一見、無造作に映っても、宿主の美学のようなものを感じさせる箇所が幾つかあった。

 もう1軒、別の日に山梨県の秘湯の宿に行ったのだが、小屋のような脱衣所の床があまりに汚れていたので、さすがに苦笑してしまった。

 寿司屋でも天ぷら屋でも、一流といわれる店はカウンターが磨きあげられている。どれほど清潔かが勝負のようなものだ。客からの注文を待つ間も常にカウンターの中で厨房を磨き上げている。汚いソースや醤油の入れ物にはうんざりさせられる。僧のように掃除を懸命にするだけで、お客が多く訪れる可能性もある。

(編集長・増田 剛) 

松葉がにプレゼント!

 鳥取県の冬の味覚・松葉がに(ズワイガニ)1杯(約1万円相当)を1名様にプレゼントします。

 11月6日に漁が解禁される松葉がには、鳥取を代表する冬の味覚の王者。甘みと心地よい弾力が特徴で、まさに絶品!

 プレゼント希望者は、住所、電話番号、名前を明記の上、「松葉がにプレゼント希望」との題名で下記宛にメールで応募ください。応募締切は11月26日(土)。当選は商品発送をもって代えさせて頂きます。なお、頂きました個人情報は本企画以外では使用しません。

 プレゼント提供元=鳥取県関西本部

  kansai@ryoko-net.co.jp

 写真はイメージです

商号「はとバス」使用訴訟 別府はとバスと和解合意へ はとバス

 はとバス(東京都大田区)が別府はとバス(大分県別府市)に対し、消費者保護の観点から望ましくないと商号「はとバス」の使用禁止を求めていた訴訟はこのほど、別府はとバスは社名変更登記を行い、「はとバス」を使用しないことで和解合意した。

 商号使用については09年2月から2社間で交渉を重ねてきたが折り合いがつかず、10年9月、はとバスが東京地方裁判所に提訴。11年9月、同地裁の和解勧告を受け入れる方向で解決する方針を決め、協議を続けていた。

 そのほか和解内容の要旨は、別府はとバスは、バス車体や看板などから「はとバス」を除去して今後「はとバス」を使用しない。別府はとバスははとバスに対して和解金を支払う。

プロが選ぶ『100選』中間集計 3回目

 旅行新聞新社が主催する新春恒例のイベント「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」。37回目の投票が今年も10月1日から始まり同31日に締め切られました。投票にご協力いただいた多くの旅行会社の皆様に感謝します。

「100選」は全国の旅行会社からの投票に基づき、「ホテル・旅館100選」と「観光・食事、土産物施設100選」および「優良観光バス30選」をそれぞれ選出し、表彰いたします。「ホテル・旅館100選」で投票のあった施設を、中間集計の3回目(10月25日現在)として発表します(順不同)。なお、最終発表は来年1月11日付の本紙で行います。