国土交通省航空局と観光庁、定期航空協会、日本旅行業協会(JATA)はこのほど、燃油サーチャージなど航空関連の諸問題を話し合う実務者レベル協議の第1回を行った。
観光庁によると、旅行業界側が長年抱えてきた燃油サーチャージの問題などを中心に、航空関連の諸問題について航空業界関係者へ説明、情報共有を行ったという。次回以降については未定だが、これまで両業界がこの問題について同じテーブルに着いたことはなく、確かな一歩となるか、今後の展開に期待がかかる。
国土交通省航空局と観光庁、定期航空協会、日本旅行業協会(JATA)はこのほど、燃油サーチャージなど航空関連の諸問題を話し合う実務者レベル協議の第1回を行った。
観光庁によると、旅行業界側が長年抱えてきた燃油サーチャージの問題などを中心に、航空関連の諸問題について航空業界関係者へ説明、情報共有を行ったという。次回以降については未定だが、これまで両業界がこの問題について同じテーブルに着いたことはなく、確かな一歩となるか、今後の展開に期待がかかる。

外国人旅行者向けの観光ガイドを行う「トラベリエンス」(橋本直明社長、東京都台東区)は、浅草商店連合会と「訪日外国人旅行者の食満足度向上による商店街活性化プロジェクト」を展開している。2月24日には、浅草文化観光センターで「外国人観光客の食のトラブル防止勉強会」を開いた。今回は「ベジタリアンフードのメニューづくり」をテーマに、米国や英国、フランス、マレーシアなど世界の食の問題を熟知する精進料理家の藤井まり氏が登壇し、セミナーに出席した浅草商店街の飲食店オーナーらと外国人観光客を受け入れる飲食店のやるべきことなどについて、質疑応答を中心に意見交換を行った。
藤井氏は「フランスでは動物愛護の観点からベジタリアンが多い」「味噌汁が世界中で人気が高い」ことなどを紹介。さらに、ベジタリアンに対して「天ぷらでエビなどと同じ油で野菜を揚げることは可能か」との質問には、「できるだけベジタリアン用の別の小さな鍋で揚げた方がいい」などのアドバイスをした。

トラベリエンスの橋本社長は「ベジタリアンは米国では10%、英国も10%、台湾も10%、インドでは30%を占めるといわれている」と説明。そのうえで、宗教上や身体上、食の制限がある旅行者も旅先のレストランで食事をしたいが日本では情報も少なく、言葉も通じないことが多いので困っている旅行者が多いことなどを紹介した。
同プロジェクトは、「誰もが食を楽しめる浅草」を目指しており、昨年10月には「ハラルフード」(イスラム教の立法に則った食べ物)をテーマとした第1回勉強会を開いている。
日本旅行業協会(JATA)は2月4―6日の2泊3日で、韓国に訪問団を派遣した。菊間潤吾会長を団長にJATA役員ら18人が参加し、韓国側と2014年の韓国への日本人渡航者数300万人を目指すことを確認した。
韓国観光公社のデータによると、2013年の日本から韓国への渡航者数は、円安や政治問題などで前年比21・9%減の約275万人と大幅に減少。観光市場への打撃はさらに大きいことから、JATAは韓国観光公社の協力のもと、昨年11月から韓国一般旅行業協会(KATA)と韓国旅行の再興に向けた話し合いを開始。協議を重ねるなかで、今回の訪韓が実施された。
訪韓団は文化体育観光部や韓国観光公社、KATA、ソウル市などとそれぞれ会談の場を設置。300万人の日本人渡航者を送客できるよう双方が努力することや、そのために韓国側に国・行政のトップから日本人旅行者を歓迎するメッセージの発信や具体的な歓迎策などを要請した。日本側としても、できるだけ早期に韓国キャンペーンを展開し、旅行需要の喚起をはかっていくことを報告した。
また、KATAとは地方都市観光など新たな商品の開発で合意し、今回の訪問では釜山コースと済州コースに分かれて観光素材を視察した。
訪韓に参加した中村達朗理事長は2月12日に開いた定例会見で、菊間会長が各会談で「安心安全を実感した」と発言したことや、歓迎メッセージの要請について韓国側から前向きな回答があったことなどを報告。メッセージが得られれば各社のパンフレットに盛り込み、日本人旅行者に韓国から歓迎されていることをアピールするという。
2月に入り、大雪が襲った。これほど首都圏で雪が積もったのは私自身初めての経験である。首都圏といっても私の仮寓は東京都心から相当に離れているので、雪もかなり深かった。道路にはタイヤの跡や足跡もなく、歩く人影もない道を、吹雪のように強い風が吹き荒れるなか、膝近くまで埋まりながら歩くのは、住宅街の中とはいえ、恐怖と孤立感を覚えた。雪は窓の中から見る分にはいいが、吹雪の中を歩くのは本当に恐いことなのだと実感した。
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2011年12月24日のクリスマスイブの日、私は家族と和歌山県の高野山にある名宿・福智院を訪れた。天気予報では、近畿地方で記録的な大雪になることを伝えていたので、私は前夜、オートバックスでチェーンを購入した。結構な出費となったが、命には代えられぬと、クルマの荷台に積み込んだ。23日は念願の和歌山県・湯の峰温泉や川湯温泉の仙人風呂に浸かり大満足だった。24日も昼過ぎに龍神温泉に到着するまでは順調だった。手ぬぐい頭に、ちらちらと舞う小雪にちょいと乙な気分に浸っていた時点までは良かったが、露天風呂に浸かりながら山の方を見ると、あっという間に白銀の世界に変わっていくさまを目にした私は急に激しい不安を覚えた。チェーンがあるとはいえ、ノーマルタイヤでこれから高野山を登らなければならないのだ。案の定、高野山に向かうスカイラインは峠道を進むごとに雪深くなった。チェーンを巻いたが、クルマはスリップしまくって生きた心地がしなかった。後続のノーマルタイヤのクルマはスルスルと滑り、側溝にクルマの半分が落ち込んでしまった。辺りが見えなくなるほどの大雪で、雪の怖さを骨の髄まで感じた旅だった。しかし、そのころの私は全国の秘湯巡りに命懸けで挑んでいたので、その後も性懲りもなく、晩秋の山梨や、群馬、長野、新潟の山深い秘湯の宿を目指してクルマを走らせており、峠を登って行くごとに、路面の凍結部分が広がっていく恐怖を何度も味わった。これら経験をした私は、今では少しの雪でも降ると「羹に懲りてなますを吹く」ような運転スタイルになっている。
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東京に大雪が降るたびに、テレビのコメンテーターは「東京はホントに雪に脆いですねぇ」などと笑いながら言うが、私は日本で東京ほど雪に強いエリアはないと思っている。ニュース映像では、雪にすべって転ぶサラリーマンやOLたちの姿を映したり、電車や飛行機が止まって駅や空港で困惑している人たちの表情や言葉を拾うが、そんなものは多少の混乱はあるだろうが、命に別条はない。街にはレストランや居酒屋がごまんとあるし、風雪を除ける巨大な高層ビルや、地下に潜れば迷路のように広がる地下街もある。夜は人口が少なくなるかもしれないが、朝になると若い元気な人間が一斉に集まって来る。その気になれば、全員で雪かきをすれば、道はすぐにできる。
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一方、山間の過疎地域は大雪が降れば道路は寸断されるし、歩いている人は途中で避難できるような高層ビル街や地下街もない。吹きさらしの中で倒れると誰にも気づかれずに凍死するしかない。食料や水も届かないし、停電すれば何日も復旧しない。本当に孤立してしまう。東京は圧倒的に雪に強い。人の手もなく、後回しにされてしまう、山間の集落こそが雪に弱いのだ。
(編集長・増田 剛)
アジアの訪日市場動向
2千万人の高みを目指せ
2013年の訪日外客数は前年同期比24.0%増の1036万3900人と、悲願の1000万人を突破し、14年は2000万人の高みを目指すスタートの年となる。訪日市場全体の6割強を占める韓国、台湾、中国、香港の4市場に加えて、急速な経済発展による海外旅行者拡大とビザ発給要件緩和、親日感情などの追い風が吹く東南アジアも全体で100万人を突破した。日本政府観光局は1月30、31日に「インバウンド旅行振興フォーラム」を開き、海外15事務所の所長らが東京に集まった。各市場の動向を紹介する。
【伊集院 悟】
商品造成にLCC必須
韓国 ―ソウル事務所 鄭然凡 所長
長期契約を希望
台湾 ―交流協会台北事務所 山田 敬也 経済部主任
東南ア・韓ツアー価格上昇
中国 ―北京事務所 伊地知英己 所長
新ツアーは1社限定で
香港 ―香港事務所 平田 真幸 所長
好調なインセンティブ
タイ ―バンコク事務所 伊東 和宏 所長
FIT8割・リピーター7割
シンガポール ―シンガポール事務所 真鍋 英樹 所長
20年に海外旅行者層倍増
インドネシア ―ジャカルタ事務所 石崎 雄久 所長
訪日ピーク国内とずれる
マレーシア
※ 詳細は本紙1535号または2月27日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

旅行業界で魅力的な鉄道旅行を企画する人とその企画を表彰する「鉄旅オブザイヤー」が1月29日、埼玉県さいたま市の鉄道博物館で開かれた。3回目の今回は、日本旅行西日本営業本部JR営業推進部の玉川淳さんが企画した「北陸本線100周年記念号の旅」がグランプリに輝いた。
同ツアーは、13年に全線開通100周年を迎えた北陸本線の記念列車運行を目的に、JR西日本金沢支社と共同で企画実施された。玉川さんは、同線敦賀駅から糸魚川方面で駅に長時間停車をする列車ツアーを企画。停車駅ではゆるキャラや名物を用意するなど、その駅・地域ならではのおもてなしを実施。玉川さんは「JRに大英断していただいて国鉄カラーの車両を新たに3両塗り直してもらった」や「現在少なくなった長時間停車を実現し、乗車時間より停車時間の方が長いかもしれないというツアーになった」などダイナミックな企画話を披露。
準グランプリはクラブツーリズム第3国内旅行センターの小西美雪さんと「クラブツーリズム貸切トワイライトエクスプレス車両で稀有な刻 瀬戸の絶景・呉線『ランチクルーズ列車』の旅3日間」、ルーキー賞は北海道オプショナルツアーズの永山茂さんと「廃線探訪シリーズ『(1)定山渓鉄道』『(2)夕張・三菱大夕張鉄道』の2本」、審査員特別賞は日本旅行新規事業室鉄道プロジェクトの瀬端浩之さんが「ミッドナイト撮影会in銚子電鉄」と「広田泉さんと訪ねる 南三陸の今」の両企画でダブル受賞した。
同表彰は旅行会社や鉄道会社関係者を含まず、鉄道・鉄道旅行が好きな審査員で構成し、消費者目線に近いことが特徴。今回は表彰式を前に、今夏運行を開始するJR四国の新観光列車「伊予灘ものがたり」の紹介も行われた。
沖縄県・八重山地方の2013年の観光客数が94万2964人を記録。昨年3月の新空港開港効果で、観光客が殺到し、07年の78万7502人を大きく超え、過去最高を塗り替えた。
私は06年から毎年、石垣島を訪れているが、昨年9月に行ったとき、初めて違和感を覚えた。街にチャラチャラした若者が溢れ返っていたのだ。コンビニの前で缶ビール片手にたむろし、食堂では長い爪をしたギャルがスマホでパシャパシャとやっている。観光客に貴賤はないと言えばそれまでだが、格安航空の就航は良いことばかりでない。
きれいな海と独特の伝統を持つ八重山が、このままでは渋谷や原宿、心斎橋のように都会化されてしまうのではないか。島の健全な発展を強く願っている。
【土橋 孝秀】

熊本県観光連盟と熊本県旅連女将の会は2月5、6日、熊本県菊池市「菊池 笹乃家」と水俣市「湯の児 海と夕やけ」で、地元食材を使った料理セミナーを開いた。辻調グループと旅行新聞新社が企画・協力し、辻調グループの講師が、「えこめ牛」や「足赤えび」など地元の食材を使用した料理の提案や基礎を講義した。セミナーには周辺地域の旅館の女将や料理人、農水産業関係者などが集まった。
同セミナーは、熊本県の食材を活用した料理に磨きをかけるため、改めて料理の基本的な知識を学び、新たな料理開発に生かすのが目的。2011年度から開始した事業で、1回目は12年3月6日に天草で開き、その後、阿蘇や山鹿、人吉と県内各地で実施してきた。
今回のセミナーは両日とも、辻調理師専門学校西洋料理主任教授の木下幸治先生が講師を務めフランス料理をベースに、地元食材を使った料理の実演や講義を行った。5日の菊池会場では、地元のブランド牛「えこめ牛」や干椎茸「黒香」などを使用し、牛の焼き方を中心に紹介した。翌日の水俣・芦北会場では、「足赤えび」や「晩白柚(バンペイユ)」などを使った創作料理を披露。会場からは活発に質問があがるなど、参加者は熱心に受講していた。
日本政府観光局(JNTO、松山良一理事長)はこのほど、2013年度通訳案内士試験の最終合格者を発表し、総受験者数4706人のうち合格者は1201人、合格率は25・5%となった。合格者のうち、外国籍は72人で構成比は6・0%。
言語別の内訳は、英語が892人(合格率30・9%)、中国語が137人(同14・9%)、韓国語が52人(同15・5%)、フランス語が41人(同21・7%)、スペイン語が29人(同24・2%)、ロシア語が17人(同21・5%)、ドイツ語が13人(同25・0%)、イタリア語が12人(同20・0%)、ポルトガル語が6人(同12・2%)、タイ語が2人(同10・5%)。
年齢別にみると、40代が336人(構成比28・0%)と最も多く、50代が330人(同27・5%)、30代が250人(同20・8%)、60代が155人(同12・9%)、20代が105人(同8・7%)、70代が20人(同1・7%)、10代が5人(同0・4%)と続く。
通訳案内士試験は通訳案内士法に基づき、JNTOが国の試験事務代行機関として毎年1回実施。試験は外国語(10言語)、日本地理、日本歴史、一般常識に関する筆記試験(1次試験)と、外国語による口述試験(2次試験)で行われる。

本業のビジネスの成果を通して社会に活力を与えるとともに、社会貢献にも寄与されたビジネスリーダーに贈る「シーバスリーガル18年ゴールドシグニチャー・アワード2014」の表彰式が1月17日、東京都内で開かれた(既報)。受賞者のエイチ・アイ・エス(HIS)会長、ハウステンボス社長の澤田秀雄氏と、放送作家、脚本家で「くまモン」の生みの親でもある小山薫堂氏、そして特別審査員を務めた作家の村上龍氏が「感動」などについて語り合った。
【増田 剛】
◇
村上:東日本大震災は大きな災害でしたが、自分と仕事の関係や、自分が作っていくものなどポリシーに変化はありましたか。
澤田:あまりなかったですね。ただ、私は実業家であり、ビジネスマンなので利益は非常に重要視します。しかし、「ただ利益を出し、お金をたくさん儲けるというだけでは駄目」というポリシーをずっと持ち続けています。その意味では、ハウステンボスの再建事業を手掛けてからもっと鮮明に感じるようになりました。お客様に楽しんでいただく、喜んでいただく、感動していただくことによって私たちのビジネスも良くなっていくかなと思います。
ハウステンボスの再建に取り組んで良かったと思っています。
小山:私はいつも自分が創り出したものが他の方の人生を良くする分岐点になればいいなと考えています。分岐点と言えば大袈裟ですが、ちょっとでもいい方に向くきっかけになる仕事を結果としてできたらいいなと思っています。
村上:澤田さんから「感動」という言葉が出ましたが、レストランが美味しいとか、映画が面白いといったような場合、ちょっと美味しいとか、面白いレベルでは人は他人に話すまではいかない。その料理やワイン、芸術作品に対して「驚いた」とき、「本当に感動した」ときに、人は誰かに「あれはすごかった」と話すのだと思います。それが口コミとなって広がっていくのだけれど、「これはすごい!」と感動を呼ぶものと、普通に良いものの違いはどこにあると思いますか。
澤田:人は基本的に新しいものや、感じたことのないものに触れたり、体にいい刺激を受けると感動すると思います。
小山:私は物語だと思います。物語とは、感情移入をさせることができるかどうか。愛妻弁当は他人が食べてもちっとも美味しくないが、自分の愛する人が作るその姿を想像したり、準備の苦労を考えたりするからこそ、食べたときに「美味いなぁ」と感じる。そこに辿り着くまでにどういう気持ちにさせるかという物語、シナリオが感動を生むのではないかと思っています。
村上:今まで感動してきたものを振り返ると、「感動させよう」というような演出が感じられないものであり、感動させようという意図が見えてしまうと、なぜか白けてしまうんです。演出が見えてしまうものには感動しないことが多い。
個人的には簡単には感動したくないと思っていますし、他の人も簡単には感動しないだろうから小説も丁寧に書いていこうと考えています。作り手には謙虚な姿勢が必要だと思っています。
小山:それは日本人の美徳というか、良い部分だと思います。ハリウッド映画では、「ここで泣け、ここで感動しろ!」という風に作りますよね。
村上:それぞれ世代も違いますが、昔はそれほど「感動」「感動」と言わなかったですよね。人がよく口にする言葉がその人に欠落していると言われますが、感動という言葉が世の中に氾濫している時代は、きっと本当の感動が減っているのではないかと思います。
小山:感動の閾値が上がっているのかもしれません。昔はバナナがおやつの王様と言われ、バナナでさえも人々は感動していました。
村上:感動の閾値が上がっている状態で、ビジネスや創作をしていくうえで一番大切なものは何だと思いますか。
小山:オリジナリティーではないでしょうか。いかに他と違うか、新しさがあるか。今のように情報が手に入れられるようになるとすぐに比較ができるので、そこではオリジナリティーが求められると思います。
村上:オリジナリティーをクリエイトしていくにはどうすればいいと思いますか。
小山:天の邪鬼のように常にどこか反対側から見る視点も大事です。
澤田:ディズニーもやらないような他でやったことのないオンリーワンのものや、日本一、世界一のナンバーワンを目指していきたいですね。
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