人力車と貸切舟から夜桜を楽しむ 「星のや東京」、「東京・夜桜舟あそび」を実施

2020年1月28日(火) 配信

ナイトクルーズ イメージ

 日本旅館「星のや東京」(東京都千代田区)は3月25日(水)~4月10日(金)まで、人力車と貸切舟から夜桜を楽しむ「東京・夜桜舟あそび」を行う。

 人力車で舟の乗り場である日本橋桟橋へ向かい、舟で隅田川を下りながら夜桜と夜景の見所を巡る60分間のナイトクルーズ。花見弁当とスパークリング日本酒を味わいながら、夕闇に浮かび上がる桜が都会の夜景とともに川の水面に映る、幻想的な景色を眺めることができる。

「東京・夜桜舟あそび」を楽しむ3つのポイント

1・舟の上から夜桜と東京の夜景を鑑賞

 貸切舟で日本橋川から隅田川へ向かい、佃島沿岸や大横川沿いなど、数ある桜の見所の中から、潮位や開花状況に合わせて、その日に見頃となっているスポットを舟で巡る。日が暮れるにつれて、川沿いの夜桜とともにライトアップされた永代橋や東京スカイツリーなど、観光名所の夜景も楽しめる。また、舟を運航する「舟遊びみづは」のガイドが、橋や町の歴史など周囲の観光名所について解説する。

2・非日常感を味わえる人力車からの花見

 往路は、星のや東京から日本橋桟橋まで人力車で移動する。日本銀行などの歴史的建造物が建ち並ぶ「江戸桜通り」などの桜の見所を巡る片道約30分の道のりで、人力車の上から普段とは違った目線の高さで桜を眺められる。

3・老舗の花見弁当と花見酒

花見弁当(イメージ)

 夕食は、神田明神下に店を構える老舗料亭「新開花」の花見弁当が味わえる。ほんのりと桜色をした鯛の昆布じめと、黒酢を使った酢飯の入った弁当の軽やかな味わいに合わせ、口当たりの良いスパークリング日本酒も用意。また、復路では点出しの抹茶と茶菓子を楽しめる。

オプション・春を彩る着物の貸出しと着付け

 特別なひとときを着物で楽しみたい人向けに、正絹着物一式の貸出しと着付けを行う。事前に選んだ着物を星のや東京の館内で着付けるほか、ヘアメイクも行う。また、早めの時間から着付けをしてもらい、日中に着物で東京の桜の名所を巡ることも可能だ。

「東京・夜桜舟あそび」概要

期間:3月25日(水)~4月10日(金)

時間:午後5:30~午後7:15(乗船時間60分)

集合・解散場所:日本橋桟橋

定員:1日1組(2~4人)

料金:2人、10万2千円、3人、13万2千円、4人、14万2千円 (税・サービス料別、宿泊料別)

※上記料金には、ナイトクルーズ(貸切)、人力車(片道)、花見弁当、スパークリング日本酒、お茶菓子、抹茶代が含まれる。桟橋から星のや東京までの移動は料金に含まれない。

着物の貸出しと着付け料金:1人、5万円~(要予約)

※着物によって料金が異なる

予約方法:公式サイトで、14日前までに予約

対象:星のや東京宿泊者

※状況によりスケジュール、内容が一部変更になる場合がある。開花状況により、桜を見られない場合がある。

淡路夢舞台、開業20周年記念「謝恩ランチCP」開催

2020年1月27日(月) 配信

淡路夢舞台

 複合リゾート施設・淡路夢舞台(兵庫県淡路市)は4月5日(日)まで、施設内のテラスレストラン&ショップで「謝恩ランチキャンペーン」を行う。同キャンペーンは、2020年3月に開業20周年を迎えることを記念して、レストラン2店舗で2000円(税別)のランチを提供する。

淡路牛手ごねハンバーグ150g&淡路牛サイコロステーキ(ライス付)

 「淡路島Kitchen ハッピーハンバーグ」では、「淡路牛手ごねハンバーグ150g&淡路牛サイコロステーキ(ライス付)」を用意する。甘味と旨みが特徴である淡路牛を手ごろな価格で楽しめる。

釜揚げしらす御膳

 淡路島近海の海の幸が自慢の「海鮮料理きとら」では、「淡路島産 釜揚げしらす御膳」を用意する。新鮮なしらすを釜揚げにしてご飯の上に乗せて丼にした一品だ。

「花のタネ」や割引券をプレゼント

 キャンペーンメニューの利用者全員に「花のタネ」のプレゼントも実施する。また、特典として花柄ミニポーチや施設内ショップと日本最大級の温室「奇跡の星の植物館」で利用できる館内共通割引券を先着順で用意する。会計時に、ポーチか割引券のどちらかを選んで受け取ることができる。

 温室「奇跡の星の植物館」では、キャンペーンと同期間、「特別展 淡路夢舞台ラン展2020」も開催している。食事後の「ラン展」観賞やショップでの土産品購入にも使用できる。

「百段雛まつり2020 出雲・因幡・萩ひな紀行」、ホテル雅叙園東京で開催中

2020年1月27日(月) 配信

「おぼこ雛」

 ホテル雅叙園東京(東京都目黒区)は3月15日(日)まで、「百段雛まつり2020 出雲・因幡・萩ひな紀行」を開いている。鳥取・島根・山口の3県のさまざまな雛人形を、同ホテル館内にある東京都指定有形文化財「百段階段」で見ることができる。

 令和第一回の開催を記念し、江戸・明治・大正・昭和・平成・令和の各時代を象徴する「時代雛」も展示している。

明治天皇雛(明治時代)

 今回展示されるのは、1893年に創業したエンナヤ人形店から寄贈された「おぼこ雛」や、米子の旧家坂口家11代目夫人の坂口真佐子氏が蒐集した「素鳳コレクション」など約1千点のひな人形。

 鳥取県・智頭町からは、外部での公開は同展が初となる石谷家のお雛さまが出展されており、裳の刺繍も鮮やかな明治期の雛人形や、華やかな段飾りを観ることができる。

石谷家のお雛さま

 「百段雛まつりメモリアル」と題し、過去2回の展示で人気を集めた座敷雛(福岡県飯塚市)の展示も行われる。今年のひな紀行のテーマに合わせた、出雲や因幡の神話モチーフが随所にちりばめられた座敷雛の世界が堪能できる。

座敷雛(福岡県飯塚市)

 さらに、会場内全会場で写真撮影を可能としたほか、雛インテリアのなかでお茶とお菓子を味わえる雛のしつらえ「ひな茶房」も2月14日(金)まで行われている。

19年出国者は2000万人達成 訪客、消費額も過去最高を記録

2020年1月27日(月)配信

1月17日に会見が開かれた

 観光庁の田端浩長官は1月17日に会見を開き、2019年の出国日本人数は前年比5.9%増の2008万人で過去最高だったと発表した。LCC(格安航空会社)を中心とした直行便就航都市や運航便数の拡大、ゴールデンウイークの10連休などが寄与したとみられる。19年の訪日外国人旅行者数も3188万2000人で7年連続の過去最高を更新した。訪日外国人旅行消費額も4兆8113億円で過去最高となり、国内外で旅行需要が高まっている。

 20年までに出国日本人数2000万人を政府目標に掲げていたが、1年前倒しで達成したことになる。観光庁の田端浩長官は「関係者の努力で達成できた。達成できるということが業界に元気を与え、新たなチャレンジを進められるステップになる。皆さんの努力に敬意を表したい」と述べた。

 20年は羽田空港の発着枠拡大など、観光交流の基盤である航空便の拡大が見込まれる。これらの機会を捉え、田端長官は「アウトバウンドのさらなる促進に向けて加速化したい」と語った。

 19年の訪日外国人旅行者数は、韓国が訪日旅行控えなどの影響で対前年比減となった。一方で中国は同14.5%増、東南アジアは同15.2%増、欧米豪は13.9%増と全体としては堅調に推移したと考えられる。

 4000万人の目標達成に向けて、引き続き各市場の動向を注視し、旅行ニーズに応じたきめ細やかなプロモーションなどを実施すると伝えた。

 加えて、20年はオリンピック・パラリンピック東京大会の開催年で、「日本への関心がかつてないほど高まる年」と強調。この絶好の機会を捉え、日本政府観光局(JNTO)を中心に、全国のキーコンテンツ情報を世界中に戦略的に発信する「Your Japan 2020」キャンペーンを官民挙げて展開する。

試験運用から半年 ツアーセーフティーネット

 観光庁は昨年7月、海外旅行者の緊急時に迅速な安否確認を実施するシステム「ツアーセーフティーネット」の試験運用を開始した。対象は旅行会社を利用したツアー客。外務省で運用している海外安全情報配信サービス「たびレジ」からの情報提供なども行える。

 現在の参加旅行会社は日本旅行、JTB、ANAセールス、ワールド航空サービスの4社。このほかに、参加の意向を示している旅行会社が8社あると明かした。クラブツーリズム、東武トップツアーズ、阪急交通社、ジャルパック、郵船トラベル、グローバルユースビューロー、読売旅行、日通旅行。海外ツアーを手掛ける大手や中堅の旅行会社30社から40社の参加を目指す。なお、参加には各社がシステム改修を実施する必要があり、改修費用は各社負担とする。参加の意向を示す各社は、改修のタイミングに合わせて調整を進めている。

 「ツアーセーフティーネット」は19年度中に、①医療・警察・交通機関などのサービス内容や対応言語などを都市別安全情報として収集し、旅行者へ提供する②緊急時における旅行者の迅速な安否確認に加えて、旅行者が登録した家族の連絡先へ安否確認結果を提供する――といった機能の強化を行うとしている。

 20年度は同システムの本格的な運用に向け、より多くの利用者を確保する。あわせて、課題の整理・検証などを実施し、さらなる機能の改善・拡充について検討することとしており、引き続き、旅行者の安全の確保をはかっていく。

リニューアル中の大阪国際空港ターミナル 2020年7月グランドオープンへ

2020年1月27日(月)配信

ウォークスルー型商業エリア(イメージ図)

 リニューアル工事中の大阪国際空港が、2020年7月にグランドオープンする。2018年4月に中央及び屋上エリアが先行オープンし、現在、南北出発エリアの新装工事を行っている。

 今回のリニューアルで、保安検査場の先に新たに商業エリアを設け、搭乗までの待ち時間に買い物や食事を楽める、より魅力的な空間に生まれ変わる。国内線として日本初となるウォークスルー型商業エリアも導入する。商業エリアから続く飲食ゾーンの中心には、自由に食事や休憩のできるオープンスペース、キッズスペースを設ける。

 保安検査後のエリアに新たに出店するのは、大阪国際空港でしか買えないアイテム・体験を提供する関西色豊かな31店舗。空港を頻繁に利用するリピーターや、時間に制約のある利用者も楽しめるよう、新しい発見のある商品ラインナップ、スピーディーなサービスの提供を目指す。さらに、保安検査前の一般エリアには、飛行機を利用しない人も楽しめる5店舗を新たにオープンする。

JTB、人道ツアー実施へ 杉原千畝氏生誕120年・命のビザ80年記念で日本・リトアニア相互訪問

2020年1月27日(月) 配信

杉原千畝氏像(イメージ)

 JTB(髙橋広行社長)は今年、岐阜県出身の外交官で「命のビザ」で知られる杉原千畝氏の生誕120周年と命のビザ発給80年となるのを記念し、日本とリトアニアの相互訪問による人道ツアーを実施する。同社と岐阜県が締結している海外からの誘客に関する連携協定事業の一環。

 日本発のツアーは、リトアニア・カウナスで行われる「スギハラウィーク」と「杉原千畝記念碑除幕式」に参加するほか、スギハラハウスや国立ユダヤ博物館、トラカイ城などをめぐる。

 リトアニアからのツアーは、岐阜県・八百津町にある「杉原千畝記念館」や、福井県敦賀市の「人道の港敦賀ムゼウム」を訪問。さらに杉原千畝氏とゆかりがある高山市などをめぐる「杉原千畝ルート周遊」に加え、京都・東京を訪れる。

 杉原千畝氏は第二次世界大戦中、ナチスの迫害から逃れようとしたユダヤ人に対し「命のビザ」を発行し、多くの人を救ったと言われている。ユダヤ人の多くは大陸から日本に渡り、アメリカなど世界各地に脱出した。

 同社は、「命のビザ」を手にしたユダヤ人の海上輸送とアメリカに送り出すまでの斡旋を担った。これらをきっかけに、同社と岐阜県は海外から岐阜県への誘客を促進させるとともに、観光の振興および地域活性化を目的とした連携協定を2016年に締結している。

日本→リトアニアツアーの概要

コース名:2020年 杉原千畝氏生誕120年・命のビザ発給80年記念
日本・リトアニア相互訪問 日本発 人道が紡ぐリトアニアへの旅7日間

出発日:2020年10月16日(金)

ポイント :

カウナスにて「スギハラウィーク」、「杉原千畝記念碑除幕式」へ参加

カウナス市内観光(スギハラハウス・カウナス駅・旧市街 等)

ヴィリニュス市内観光(KGB博物館・国立ユダヤ博物館・トラカイ城・旧市街 等)

ツアー発売開始日:3月30日(月)

※ツアー詳細は別途後日発表。

リトアニア→日本ツアーの概要

コース名:2020年 杉原千畝氏生誕120年・命のビザ発給80年記念
日本・リトアニア相互訪問 リトアニア発 人道が紡ぐ日本への旅111日間

出発日:2020年11月12日(木)

ポイント:

八百津町「杉原千畝記念館」訪問

敦賀市「人道の港敦賀ムゼウム」訪問

杉原千畝ルート周遊(八百津町・高山市・白川村・金沢市・敦賀市)

京都府・東京都観光

ツアー発売開始日:1月30日(木)

※本ツアーは、リトアニア現地旅行会社主催によるリトアニア在住者を中心としたインバウンドツアーとなる。

杉原千畝について|杉原千畝記念館
http://www.sugihara-museum.jp/about/

「大河ドラマ館」オープン KNT中部とKNT関西が運営管理業務を受託

2020年1月27日(月) 配信

麒麟がくる 岐阜 大河ドラマ館

 KNT-CT(米田昭正社長)はこのほど、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」 の放送開始に合わせて開館した「大河ドラマ館」の運営管理業務を、近畿日本ツーリスト中部(中津功社長)と近畿日本ツーリスト関西(三田周作社長)が受託したと発表した。

 岐阜県岐阜市と同県可児市、京都府亀岡市の「大河ドラマ館」の入場券販売管理など、運営全般を行う。

 岐阜市の「麒麟がくる 岐阜 大河ドラマ館」の見どころは、衣装や小道具などドラマに関する展示のほか、戦国時代の展示などがある。

麒麟がくる ぎふ可児 大河ドラマ館 館内

 可児市の「麒麟がくる ぎふ可児 大河ドラマ館」では、可児市が生誕の地とされる主人公の明智光秀を主に展示。「花フェスタ記念公園」で開催している。

麒麟がくる京都大河ドラマ館

 亀岡市の「麒麟がくる 京都大河ドラマ館」は京都スタジアム内に特設会場を設置し、ドラマシアターのほか史実展示、ドラマの登場人物になれるデジタル体験コーナーなどがある。

 近畿日本ツーリストとクラブツーリズムでは、国内企画旅行商品で「大河ドラマ館入場券付きツアー」も売り出している。

近畿日本ツーリスト:「明智光秀ゆかりの地をめぐる旅」

https://www.knt.co.jp/meito/sp/akechi/(検索:近畿日本ツーリスト 明智光秀)

クラブツーリズム:「明智光秀ゆかりの地をめぐる」
https://www.club-t.com/special/japan/akechi/ (検索:クラブツーリズム 明智光秀)

【麒麟がくる 岐阜 大河ドラマ館】

体験シアター、大河ドラマに登場する衣装や小道具など、大河ドラマに関する展示に加え、歴史博物館所蔵品を活用した戦国時代の歴史展示などを行っている。ドラマの舞台は岐阜から京都、滋賀へと移りその展開に合わせて、前半は「明智光秀」、後半は「織田信長」、「斎藤道三」を中心に展示を予定している。

住所:岐阜市大宮町2丁目18-1

期間:2020年1月11日(土)~2021年1月11日(月・祝)

開館時間:9:00~17:00

入場料:おとな600円(高校生以上)(団体480円)、小・中学生  300円(団体240円)※団体は20人以上

ホームページ:http://www.taiga-kirin-gifu.jp/

主催:大河ドラマ「麒麟がくる」岐阜実行委員会

運営管理受託:株式会社近畿日本ツーリスト中部(株式会社JTBとの共同受託として幹事会社を担当)

【麒麟がくる ぎふ可児 大河ドラマ館】

年間を通じて「明智」をメインで展示。智将・明智光秀と各地の英傑たちに係る企画や催し物を、光秀誕生の地、岐阜県可児市「花フェスタ記念公園」にて開催。光秀とともに戦国の世を駆け抜けた戦国武将たちを、ドラマの名場面と合わせて紹介する。

住所:岐阜県可児市瀬田1584-1 花フェスタ記念公園内

期間:2020年1月11日(土)~2021年1月11日(月・祝)<2月18日休館>

開館時間:9:00~17:00

入場料:おとな 500円(団体400円)、小・中・高生  200円(団体160円)※団体は20人以上

ホームページ:https://akechimitsuhide.com/taigadrama-pavilion/

主催:可児市大河ドラマ「麒麟がくる」活用実行委員会

運営管理受託:株式会社近畿日本ツーリスト中部

【麒麟がくる 京都大河ドラマ館】

展示はドラマの展開に合わせ複数回変更を予定。ドラマに登場する衣装や小道具などを展示、ドラマ制作の監修や歴史考証などを紹介。期間限定で明智光秀の甲冑(撮影同等品<レプリカ>)を特別展示。

住所:京都府亀岡市追分町 京都スタジアム内特設会場

期間:2020年1月11日(土)~2021年1月11日(月・祝)

開館時間:9:00~17:00

入場料:おとな600円(高校生以上)(団体480円)、小・中学生 300円(団体240円)※団体は20人以上

ホームページ:https://kyoto-doramakan.jp/

主催:大河ドラマ「麒麟がくる」亀岡市実行委員会

運営管理受託:株式会社近畿日本ツーリスト関西

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(180)」高校生たちがつくる地域の未来(兵庫県)

2020年1月26日(日) 配信

4カ月にわたるWS成果を発表する地元高校生ら

 各地で高校生たちによるまちづくり活動が盛んである。地域景観の学習と保全・活用、地域伝統芸能の継承、古民家再生や無人駅への出店などまちのにぎわい再生、観光マップ作成やガイドなど、多くは地元住民とも協働した地域課題解決型の取り組みである。

 そんななか、12月中旬、日本遺産「播但貫く、銀の馬車道・鉱石の道」(兵庫県)の活性化を考える「高校生フォーラム」に参加させていただいた。会場は、姫路市から播但線を下った神河町のグリンデルホールである。当日は、沿線5市町から集まった6つの高校生たちのほか、愛媛県新居浜市から新居浜南高校ユネスコ部の学生も招待され、日頃の活動成果を発表した。

 日本遺産「銀の馬車道」は、朝来市の生野銀山から姫路・飾磨津までを結び、産銀や産業用資材などを運んだ全長49㌔の明治の産業用高速道路である。同じ歴史を持つ地域の高校生らは、8月から4回にわたって地域の歴史を学ぶワークショッブの成果を発表する機会となった。

 生野銀山史跡の往年のようすを仮想現実(VR)で再現するハイテク歴史館、インスタグラム(銀スタグラム)を用いて自ら発信するPR戦略、銀山をライトアップして行う婚活ツアーなど、高校生らしい楽しい企画が次々と発表された。

高校生によるシンポジウム風景

 生野鉱山の近代化に貢献したフランス人技師のジャン・フランシスク・コワニエ氏は、愛媛県の別子銅山も指導した。その縁で参加した新居浜南高校ユネスコ部の4人の高校生は、10数年にわたる河野義知先生の指導の下に日ごろの活動を展開している。銅山の産業遺産の魅力を伝えるために古老からの地道な聞き取り調査、新規転入者に向けたガイドツアーの実施、地元小中学生向け出前講座など、地道な活動である。

 彼らの大きな目標は、持続可能な地域社会づくり、SDGsの目標を地域の中で具体的に展開していくことである。子ども食堂の運営は、高校生と地域の小中学生、地域住民の「たまり場」づくりのためのシンボル的な活動である。

 観光まちづくりの活動は従来、大人たち、それも観光に直接の利害関係を持つ事業者の活動にとどまっていた。しかし、観光にとって楽しく活力のある地域づくりは不可欠。日々の暮らしの豊かさやにぎわいがその地域の魅力の大きな要素となるからである。その意味で地域の高校生をはじめ、子供らの参画はこれからの観光地域づくりの大きな目標になるであろう。

 地域を学ぶ、討議する、地域を視察し調査する、これらの成果をまちづくりに生かす。こうした生きた地域学習のサイクで大切なことは、小学生から高校生、あるいは大学生がそれぞれの役割を担うこと、複数の地域の学校がテーマでつながり連携していくことである。地域における子供らの観光学習が、さらに体系化され盛んになる1年としたい。

(東洋大学大学院国際観光学部 客員教授 丁野 朗)

「トラベルスクエア」「いつもの…」は素敵な言葉

2020年1月25日(土) 配信

おいしいコーヒーよりも、いつものコーヒー(写真はイメージ)

 西村まさ彦さんが演じる古本屋のご主人が、近くの喫茶店「ポラリス」にいつものようにコーヒーを飲み来る。もちろん、常連客だが、コーヒーだけではなく、お店を切り盛りするママの原田美枝子さんお目当てということも明らか。
 
 そんな古書店主人をからかうのが、美枝子ママの息子で屁理屈の天才、満(みつる)君だ。コーヒーをおいしく淹れることに自信のある満はかつてコーヒー専門店を出店し起業を試みたが、見事失敗。その挫折から立ち直れないまま30過ぎなのにニート生活を続けているという設定。再就職を、との声にも弁舌巧みに対応し、誰もその論拠を崩せない。

 
 そんな満を囲む日常を描いたのが2019年秋のテレビドラマ「俺の話は長い」で、満を演じた生田斗真さんの名演(といっていい)のおかげで、僕にはこの数年で最高の出来栄えだと思っている。
 
 さて、その満が母親にまとわりつく古書店主をややうざったく感じ、「おいしいコーヒーなら他にもたくさんある。そっちへ行ったらどうだ」と口喧嘩をしかけてしまう。それに対して、店主はこう答える。
 
 「俺はね、おいしいコーヒーを飲みたいんじゃないんだ。いつものコーヒーを飲みたいんだ!」。
 
 この「いつものコーヒー」という言葉ほど、僕の胸に突き刺さったものは最近、他にない。あらゆる商売、結局は、そこを目指しているのだな、と。
 
 「おいしいコーヒー」ではなく「いつものコーヒー」。
 
 古書店主にしてみれば、それは原田美枝子さんほどの美魔女だから、顔を見ていたいという気持ちはあるだろうが、それよりも、いつもの店でいつもの席で、いつもの味のコーヒーを嗜むことこそが、いちばん大事にしたいことなのだろう。
 
 自分を優しく、普段通りに受け入れてくれる居心地の良さは、どんなにいい豆を使い、どれほどいい淹れ方をし、趣味のいいカップに注がれた最高の味のコーヒーでも叶わない。おそらく、満にはそこが分かってない。
 
 ホテルや旅館は、町の喫茶店ほど日常のものではないと思う。でも、そこに行けば「いつもの」ホテルや旅館にいられることの居心地の良さを感じてもらえること。それが個性であり、どんなに景気の波が上下しようと、ライバルのホテル旅館が騒ごうが、他を寄せ付けない強さだと思う。
 
 エクセレントな、ある意味優等生のようなホテル旅館づくりを心掛けるよりも、誰かの「いつもの場所」になることの努力の方がどれだけ貴重なことなのか。
 
 誰にもかえがけのなものは「いつも」であることを、再度、教えてくれたことで、このドラマには感謝している。
 
 

コラムニスト紹介

松坂健氏

オフィス アト・ランダム 代表 松坂 健 氏
1949年東京・浅草生まれ。1971年、74年にそれぞれ慶應義塾大学の法学部・文学部を卒業。柴田書店入社、月刊食堂副編集長を経て、84年から93年まで月刊ホテル旅館編集長。01年~03年長崎国際大学、03年~15年西武文理大学教授。16年~19年3月まで跡見学園女子大学教授。著書に『ホスピタリティ進化論』など。ミステリ評論も継続中。

 

「東京五輪の年 日本の食文化を世界に発信」国際観光日本レストラン協会が賀詞交歓会開く

2020年1月24日(金) 配信

国際観光日本レストラン協会の安田眞一会長

 国際観光日本レストラン協会(安田眞一会長)は1月23日(木)、東京都港区の八芳園で2020年の新年賀詞交歓会を開いた。会員に加え、観光関係者が多数集うなか、安田会長は「東京オリンピックは、日本の食文化を世界に発信する絶好の機会。“ワンチーム”で協力していこう」と呼び掛けた。

 一方で、「ポストオリ・パラを心配している」と、東京五輪後の重要性を強調した。

 さらに安田会長は、IR(統合型リゾート)にも触れ、「地方創生に大きな効果を発揮するのではないか」と官民挙げての推進に期待を寄せた。

 来賓として出席した観光庁の小熊弘明参事官は、「19年の訪日外客数は、自然災害が多発し、日韓関係の悪化などマイナスの要因があるなか、前年比2・2%増の3188万人と7年連続で過去最高を記録した」と報告。今年の目標である訪日外客4千万人達成に向けて、同協会にも協力を求めた。

 小熊参事官は「日本政府観光局(JNTO)とも連携して、日本の食の先進性を世界にPRしていきたい」と語った。

 賀詞交歓会に先立って開いた新春講演会では、トーマス&チカライシ代表の力石寛夫氏が「サービス産業からホスピタリティ産業へ」をテーマに登壇した。

講師の力石寛夫氏

 力石氏は「サービス業で働いている人が、自分の仕事を誇れる環境づくりが大切」とし、「これからは『豊かさ』『やさしさ』『楽しさ』『感動』の共有業として、お客様と心を通わせる世界を創り上げてほしい」と、近い将来のホスピタリティ産業のあるべき姿を提示して見せた。